#みんなで140字小説
「永遠の命を得る秘薬がほしいんだが」「そんなもの欲しがってどうするのさ。永遠の命なんてろくな物じゃない」「知ってる」「人と共に歳をとれず、みんなに先立たれて一人残されるんだよ」「知ってるからこそ欲しいんだ。もう、一人で残されるのはいやなんだ。俺は仲間が欲しいんだよ」
#140字小説
November 6, 2025 at 11:45 AM
過去の経験から、友人は空に虹がかかると地面の方を見渡すのだという。「おお虹だ虹だってみんな空を見るだろう。それは人間に限らないんだ」今まで、虫や、鳥や、犬猫、小人などが、人間が空に集中していると油断して虹を眺めているのを見たことがあると言う。どこまで本当やら。 #140字小説
October 26, 2025 at 11:46 AM
死者の国にきた。ここではみんな、生前に欲しくても持てなかったものを持てるのだそうだ。「美形は多いね。天才もいるし、お菓子に埋もれてる奴もいるし、犬と暮らしてる奴もいる」案内人に、僕は訊いた。「なぜ君はそんなに親切にしてくれるんだ?」「いま俺は持ってるからさ。優しさを」
#140字小説
再掲です
October 10, 2025 at 10:52 AM
シンデレラが魔法で舞踏会で踊っているとき、王子様は魔法で下町の屋台で串焼き肉を食べ、令嬢は魔法で猫になって鼠を追いかけ、騎士は魔法で鼠になって猫に追われ、そうしてみんなそれぞれ小さな冒険をして、また元の生活に戻っていったのです。ほんのちょっと魂の輝きを強くして。

#140字小説
#twnovel
April 24, 2024 at 12:33 PM
寒いなあ、と息を吐いたら真っ黒だった。周りを見ればみんな黒い吐息。見えてないのか、気にする元気もないのか誰も驚いていない。安物のマスクは白いまま、黒い吐息が周囲を満たす。息苦しい。傍らをいく小学生にも黒い吐息がちらほら。あと怖いのは隣にいる人の吐息が真っ赤なこと。
#140字小説
#AI学習禁止
April 6, 2025 at 7:46 AM
夜な夜な聞こえる変な声。一体なんの声なんだろう。「ヤモリじゃない?」「近所の変な人とか」「普通に水道管とか生活音でしょ」好き勝手言うばかりなので録音してみんなに聞かせることにした。聞かせると、一様に戸惑った顔をする。「なんだと思う?」「きみの声だよね?」

#140字小説
#AI学習禁止
May 2, 2025 at 8:38 AM
転校生がくだんだった。くだんって本当にいるんだと驚いた。みんな遠巻きにする中、思い切って話しかけたら意外とサッパリした子で、すぐ仲良くなった。「明日も暑いかなあ」「っ」話の途中でときどき口をつぐむ。「あ、ごめん」「大丈夫大丈夫」うっかり予言をさせてしまうところだった。 #140字小説
July 10, 2025 at 11:46 AM
「それ美味しい?」わたあめを貪り食っていた薔薇が見上げると、背の高い浴衣の青年がいた。狐面で顔はすっかり隠されている。頷くと、「みんなニコニコ食べてるもんね」「…あげないから」「……ちぇー」すうっと闇に溶け込む青年。「…やられた」タコヤキが四つもなくなっていた。

#140字小説
#AI学習禁止
June 3, 2025 at 2:04 PM
「サンタはパパなの?」驚いて珈琲を吹く。なんでバレた。「みんながサンタなんていないって」ああ、そういうこと。今にも泣きそうな娘に俺は微笑む。「サンタさんも忙しいから、家によっては親に任せているんだ。うちは本物が来てるよ」娘に笑顔が戻ったのでほっとする。今年は配達範囲を広げるかな。

『サンタもきっと人の親』
#140字小説
※この話は創作です。
※Xからの再掲です。
October 25, 2024 at 11:00 AM
#140字小説

みんなで騒いだ宴の後は、一人しんみり布団に入る。冷えた布団は頭を一瞬醒めさせて、けれど次第にぬくもっていく柔らかさ。酒の入った頭はとろとろと、楽しい記憶は夢か幻ではないことを祈りながら。ぱちくり目を覚ませば野原で枯葉に埋まっている。やはりあれは狸か狐、でも幸せだったのは本当なの。
February 8, 2025 at 10:47 PM
「この辺りはむかし海だったので、人魚の化石が出ても不思議ではないんですよ」と美人女将が微笑みながら言い、お茶の中に白い粉をささっと落とした。「その粉は何ですか?」「先生にはずっとこの村にいて欲しいですわ。みんな歓迎します」「その粉は」「飲んでくださいな」

#140字小説
#twnovel
June 16, 2024 at 9:27 AM
#140字小説

楽しそうに踊っていたらみんなも踊りだすよ。そんな言葉で唆されて広場で踊った。鳴る音楽はそもそも踊りに適したものではなかったけれど、それでも踊らないといけないような気がして。手を振り足を踏み鳴らし踊ったけれど人々は遠巻きに見ているだけで結局一人で踊っている。下手な踊りを衆人に晒す。
January 20, 2025 at 6:43 PM
「やぁやぁ! 本日誕生日のみおちんのお通りだよ! みんなプレゼントの準備はいいかい?」
「ふふっ、いつもにもまして調子いいね、未央」
「未央ちゃん、おめでとうございます!」
 三人のやり取りを見ながら、俺とちひろさんは微笑み合ってケーキを準備する。ずっとこんな三人で続きますように。

「やっぱりフライドチキンも」
みおちん、お誕生日おめでとう!
#本田未央生誕祭2024
#デレマス140字小説 #本田未央 #140字小説 #140字SS
December 6, 2024 at 12:38 PM
day1
なろうに投稿中の「防人さんちの異常な日常」より、主役の三人

防人浮草(さきもりうきくさ)
「きさらぎ駅のコインロッカーベイビー」の主人公
小学三年生、超弩級の「みえるひと」
人外と普通に会話し、異界から異界へ渡り歩く、そこ以外は普通の男の子

防人薔薇(そうび)
現在執筆中の話の主人公
高校一年生、古の自創作の140字小説からずっと主人公の一角
食べるの大好き、地元のヤツラは「みんな」友だち、身体能力人外級ってとこ以外は、普通の女の子

犬塚幸広(いぬづか・ゆきひろ)
防人さんちの同居人
他の二人に比べると超普通
ただし生まれが特殊すぎ
家事担当、薔薇と同じ16歳
October 26, 2025 at 2:09 AM
原因不明の何かが起きて民がみんな死んだ土地に研究者が足を踏み入れて見つけたのは、あちこちに死体が散乱しているなか、一箇所だけ、きちんと埋められて土も綺麗に盛られて周りに花さえ咲いている墓と思しきものと、その傍らに倒れ伏しているひとつの死体。

#140字小説
#twnovel
June 29, 2024 at 5:30 AM
お題『すれ違う街角』
#140字小説
November 10, 2025 at 6:55 AM
今日は記念すべき日、そう私だけの魔導書をつくるのだ。星辰とか魔力の波長とか色々調べた結果、ママが最適だと分かった。長が発表した瞬間逃げようとしたので、みんなで慌てて捕まえた。暴れないでよ。ママの魔導書だって、おばあちゃんの皮製じゃないの。
#140字小説
January 17, 2025 at 4:43 AM
「お姉ちゃんの誕生日! Pくん、何がいいかなー?」
 莉嘉の言葉に俺はそうだな、と考える。
「趣味はカラオケ……だけどあれはみんなと出かけてこそだしな。美嘉の好きなもの……莉嘉か?」
「えー? アタシがプレゼント? それよりお姉ちゃんの好きなものならPくんじゃない?」
「莉~嘉~!!」

「アタシの好きな人たち」
美嘉姉ぇ、誕生日おめでとう!
#城ヶ崎美嘉生誕祭2024
#デレマス140字小説 #城ヶ崎美嘉 #140字小説 #140字SS
November 12, 2024 at 1:45 PM
飲めば悩みがたちまち解決する薬、ナントカナールが開発された。東西南北老若男女、ほしいほしいの大騒ぎ。製薬会社もそれを見て、全人類分を用意した。歴史に残る偉業だと、みんなみんな大喜び。せーので一気飲みすると、なんと世界がひっくり返った。
結局、投げ出すことが一番の近道だったのだ。
#140字小説
June 20, 2025 at 11:06 AM
黒い山羊が一匹。黒い山羊が二匹。黒い山羊が三匹…。シチューの残りが入っていた鍋から次々に這いだして居間は山羊だらけ。テーブルの上に避難した鶺鴒が「ああ、あれだ」指差された黒い山羊の目が真っ赤に染まる。一斉に他の山羊が覆い被さり、同時にみんな煙のように消えた。

#140字小説
#AI学習禁止
May 4, 2025 at 8:04 AM
にゃー。
猫の声がした。庭に出てみると、ムクゲの下に猫が何匹も集まっていた。

みんな、ムクゲに向かって鳴いてみたり、体をこすりつけたりしている。
その下にいるのは、近所のボスだったうちの子だ。

そうか、お盆だもんね。私は戸棚の奥から猫缶を取り出し、お客たちに振舞った。

#一次創作 #140字小説 #マイクロノベル
August 14, 2024 at 8:15 PM
『工事現場で交通整備をする若い男』
来る日も来る日もここに立って、目の前を通過する人を眺めている。疲れた顔の人、モデルみたいな人、子どもを連れた母親。みんなそれぞれに日常があって、これだっておれの日常だ。そうだ、せめて今月の給料日には花を一輪買って、会いに行こう。一体誰にだ。
#140字小説 #この物語はフィクションです #作品ごと
March 16, 2024 at 12:12 PM
140字小説フィードさんを見習って200字小説フィードを宣伝したら、みんながリポストしてくれたおかげで、今まで届いていなかったと思われる人たちが200字小説書いてポストしてくれた。嬉しい! ありがとうございます! これからも定期的に宣伝しようっと。200文字小説を流行らせたい!
February 3, 2024 at 9:05 AM
道端で死んでいたホームレスの女の指から、不似合いな指輪を掠めとった。赤い石。古具屋に売りにゆくと、店の主は机の下から箱を取り出した。「みんな盗むんだ」中にはたくさんの同じ指輪。赤い石。「あの女、盗まない奴が現れるまで成仏できないのさ」手が熱い。掌の中に、赤い石。
#140字小説
再掲です
September 12, 2025 at 10:30 PM
お題『自由の代償』
#140字小説
October 4, 2025 at 11:30 AM