Akio Hirotsu
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Akio Hirotsu
@reboursakio.bsky.social
耽美幻想小説とR&R 好きなOpenly Gayの不良爺い
この本の最終章は「表現の永続革命」と題されている。
ここまで読み進めて、ようやく腑に落ちてこなかった諸々の大元に在った何かが解ってくる。
この在野の書家にとっての「ブルースとの付き合い方」が。

さて、分かると同時に不安にもなってくる。
革命家が駆けるその先に第三走者は果たして待っているのだろうかって、、
January 9, 2025 at 2:29 AM
自分には果たして何が出来るのか、、

「書」は「文字」を書くものではない「言葉」を書くものだ、と断じる石川九楊は今までに和漢の古典やポンニチの戦後詩の中に在る言葉を幾千語と書いてきた。
しかし、他人の言葉(既に在る)ではなく、自分の言葉(現在と未来)を書くことが最近は多くなった、と石川九楊は云う。

つまりは、これこそが石川九楊にとっての「自分に出来ること」の最終形態なんだろう。
January 9, 2025 at 2:24 AM
目の前の状況すらも好転できないのに、自国はおろか、とうてい世界を変えることなど出来やしないという諦念が、やがて来たるグローバリズムを迎える下地を作ったのだ、グローバリズムの行末は総白痴化(政治的、文化的な自死)なのだ、そしてその先頭を走っているのはポンニチなのだ、その意味でこの国は世界の超先進国なのだ、とも石川九楊は云う。

この様に敗戦からスタートした先行者と敗北からスタートした者の間には年齢の差よりも遥かに大きい隔たりが有るのだろう。
とはいえ、確かに先行者からバトンは託されたのだ。
January 9, 2025 at 2:19 AM
戦後知識人の第二世代に属する石川九楊のこのオブジェクションは吉本隆明たち先行者のそれとも位相が異なり、その複雑さと屈折の度合いは更に高く深い。

先の大戦は、国を焦土と化し、そこに棲むひとのココロにも大きな傷跡を遺したが、ポンニチびとの思考をコペルニクス的転回させるまでには至らなかった。

この国の民に思考のポールシフトをもたらしたのは、外国との戦いに破れたことではなく、実はCivil Warとしての安保闘争の敗北によるものなのだ、と石川九楊は云う。
January 9, 2025 at 2:17 AM
しかし今年は佳作の多い年だったね。他にも『異人たち』『落下の解剖学』 『関心領域』『オッペンハイマー』『パーフェクトデイズ』etc。(まだ何か漏らしているのもあるかも)
December 28, 2024 at 10:39 PM
もう一本『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命 19世紀の話』
過って受洗されたユダヤ少年を教皇の命令で兵士たちが誘惑。実話だという。ほぼ全編にわたってショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲第8番が効果的に使用されていた。ユーモラスでちょっと不気味なところがシーンにあっていた。例えば、風刺画が動き出すところなど。また、キリストが甦るときにアルヴォ・ペルトの「カントゥス―ベンジャミン・ブリテンの思い出に」が使われていたのも、回心したことを印象付けるとても良い演出であった。
December 28, 2024 at 10:27 PM
『哀れなるものたち』
ザ・シュール
天才外科医に依って脳を移植された女の、奇妙な成長物語。夢のように美しく見えつつも不気味なお伽話のようでありつつも現実味がある不思議な感覚。気味の悪さと可笑しみと。熾烈さゆえに美しい猛火が、次第に手の内に収まりそうなほどの灯火になっていく。それを成長とか成熟と呼べてしまう哀しさ。

『ポーはおそれている』
母の突然死にショックを受けた息子の帰省の旅、イジケ顔のホアキン・フェニックス、役柄がピッタリ!3時間ひたすらアリ・アスターを浴び続け、起こりうる限りの最悪(災厄)にとにかく笑ってしまう。ある意味、「信頼できない語り手」でもあるボーの旅に脳内をかき乱される怪作
December 28, 2024 at 9:43 PM
『本日公休』
人生は計算できない。知らないうちに歳をとる。お金じゃない、かたちのない価値っていうものを柔らかく、そして力強く表現していた。
台湾映画だけれど、中国とも韓国ともひとあじ違う味わい。穏やか、細やか。好き。

『お隣さんはヒトラー』
ヒトラーは死なず南米に逃亡したという、あり得ない噂に基づいたコメディー。猜疑心に囚われたジジイとなにか怪しげなジジイが見えない火花を散らす。バカバカしいのだけれど、妙に気に入った。
December 28, 2024 at 9:41 PM
『エターナルメモリー』
チリの有名ジャーナリストと、国民的女優でその妻の、認知症をめぐるドキュメンタリー。老いを、特に認知症を扱うと、もう出口の見えない暗いトンネルを彷徨うような気持ちになって苦しくなるのだけれど、2人の愛が確かすぎて、いつも微かな光が差していた。しみじみ。

『2度目のはなればなれ』
マイケル・ケインの引退作品かつグレタ・ジャクソンの遺作。ある実話を基にした老夫婦のシミジミ物語。おばあちゃん(グレタ・ジャクソン。若い頃はクール・ビューティーだった)が凄く可愛い!
December 28, 2024 at 9:40 PM
『枯葉』 
アキ・カウリスマキ監督。いつもと変わらず、慎ましく、淡々とした男女の物語。大好き。結果的には大丈夫だったけど初デートで『デッド・ドント・ダイ』はかなり攻めたチョイスだよね。実際はかなり高確率で微妙な空気になりそうな……。

『葬送のカーネーション』
トルコ南部、難民で妻を亡くした老人とその孫娘。棺を引いての旅。生と死の境界線の曖昧な雰囲気が漂う。悪い意味ではなく、生きる者は死者とともにいるのだということでもあると思う。
December 28, 2024 at 9:39 PM
マジックリアリズムといえばガルシア=マルケスを始めとするラテンアメリカ文学を思い浮かべるが、『ゲームの王国』はファンタスティックが横溢する『百年の孤独』とはタッチが異なっている。歴史のうねりと地を這いずりまわるような視線、埃っぽい日常がより濃厚にあるせいだろうか。
よくある「共産主義の理想と挫折、そしてその悲劇」を大虐殺の惨劇をともなった「ポル・ポト政権下の悲劇」のカンボジアを舞台にした事が成功している。当時のカンボジアのことを非常に巧みに描いている。フィクション作品ながら、ノンフィクションのような体験が出来るのは稀有な体験だった。
December 28, 2024 at 6:42 AM
物語は、他人の嘘を見抜く直感を持つソリヤと、天童といわれるほどの思考力を有するムイタック、このふたりを焦点としつつ、それを取巻く多くの人物が登場する。彼らの運命は複雑に縺れ合う。マジックリアリズム的な事象が無造作に投げ出されるのも特徴的だ。輪ゴムで村の誰かが死ぬ予兆を得る男、土を食べることで土を自在に操れる農民、「不正の気配」を察知して勃起する記者、どんな話題もヘモグロビンの問題にすり替えてしまう医師......。
December 28, 2024 at 6:40 AM
『ゲームの王国』読了
限りのない善こそ、忌むべき悪になる。信念はあれど、正義なき理念はいずれ腐敗をよび、腐敗が人を堕落させていく。ただ、肝心なのは正義などというものを人間という欠陥品に抱いてしまうという幻想だ。舞台はWWⅡ後のカンボジアでポルポトが政権を握った後がメインとなる。
December 28, 2024 at 6:37 AM