川月 現大
editech.bsky.social
川月 現大
@editech.bsky.social
言語/辞書/意味論/別役実/井上陽水/ル=グウィン/Steely Dan/Linguistics/Lexicography/書籍編集/DTP/索引作成
編集者(有限会社風工舎)
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F
戸口にメイドが立っていた。大きな三毛猫をぎゅっと抱いていて、尻尾が揺れてメイドの体に当たった。 ▽柴田元幸
G
戸口に現れたのはメイドだった。彼女は大きな三毛猫を胸に押しつけるようにして抱いていた。猫の体が腕の下で揺れていた。 ▽西崎憲
H 猫が生きているのかどうか不安になる。生き物に「垂れ下がる」はコロケーション不全。
戸口にはメイドが立っていた。彼女は大きな三毛猫をきつく抱きかかえ、猫はだらりと垂れ下がっていた。 ▽倉林秀男・河田英介
November 3, 2025 at 10:07 AM
B
入口にメイドが立っていた。大きな三毛猫を、しっかりつかまえて、ぶらさげていた。 ▽大久保康雄
C
入口に女中が立っている。彼女は大きな三毛ねこを持っていた、しっかり抱きしめられてぶら下ったねこを。 ▽谷口陸男
D
戸口に女中が立っていた。大きな三毛猫をしっかりからだに押しつけ、うしろ向きにぶらさげていた。 ▽北村太郎
E
入口のところに女中が立っていた。彼女は大きな三毛猫をしっかりと自分に押しつけるようにしてぶらさげていた。 ▽宮本陽吉
November 3, 2025 at 10:06 AM
(承前)ちなみに質問箇所はここ↓で、モトユキさんは大久保訳がお気に入りだとのこと。
In the doorway stood the maid. She held a big tortoise-shell cat pressed tight against herand swung down against her body.
  ──Ernest Hemingway, “Cat in the Rain” (1925)

A
戸口にはメイドが立っていた。でっぷり太った三毛猫を胸に抱きかかえて、体に押しつけたまま下ろそうとしている。 ▽高見浩
November 3, 2025 at 10:05 AM
日本語学会2025年度 秋季大会の予稿集(全体)はこちら。「日本語研究と辞書編纂の接点を求めて」シンポジウムのものも含まれています。稲川智樹さんの論考「発信のための国語辞書に必要な情報は何か」は大いに参考になります。
bit.ly/4hpQd2y

稲川さん指摘の比喩義の記述の仕方については、(どの辞書も)ブランチ分けの基準が不明瞭(or ルールなし)なことが問題だと思う。[比喩][figurative]といったマークを付けるなどの工夫が必要かも。
bit.ly
October 26, 2025 at 10:54 AM