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ハンニバルとかローマ史とか興味あります。doing Hannibal ! 軍事史が多めです。古典や犬猫史などもたまに話題にするかもしれません。
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【参考文献】

論説「平時戦時に兵卒に温食を給する方法に就て」偕行社編纂部 [編]『偕行社記事』(389),偕行社編纂部,1909-02. 国立国会図書館デジタルコレクション dl.ndl.go.jp/pid/3544488

佐々木吉良 著『輜重勤務講授録』 全,陸軍大学校将校集会所,大正11. 国立国会図書館デジタルコレクション dl.ndl.go.jp/pid/942272

軍事学指針社 編『原則之栞』第12編,軍事学指針社,大正2. 国立国会図書館デジタルコレクション dl.ndl.go.jp/pid/916428
国立国会図書館デジタルコレクション
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北清事変や日露戦争でドイツ軍やロシア軍が本国から持ち込んだ輜重車輌は道路事情などのためあまり役に立たなかったとされますが、装備の差が編制や作戦に対しても影響を及ぼすのですね。

輜重車輌の自動車化による効果は、こうした面でも大きかったように思います。
大正2年刊の『原則之栞』第12篇(p.65)などもドイツ軍と比較して軍団制の採用は不可としていますが、やはり日本師団の行軍長径が予想する作戦地にあっては約40kmに亘ることを理由の一つに挙げています。

一司令部が統括するには、一道路上を行軍する一日行程が理想的だとすると、二個師団をまとめて軍団とするのは難しいことになります。

もっとも、上述の2書が挙げているドイツ軍の編制は古いもので、第一次世界大戦頃になると輜重車輌が更に増加し、一軍団の行軍長径は一日行程をはるかに超えていました。
大正11年刊の佐々木吉良『輜重勤務講授録』(18f.)は、1903年のドイツ軍の軍団における輜重車輌が兵員千人につき44.4輌なのに対して、大正9年の日本の師団は123輌だとしています。

本邦における歩兵4人に対する輜重車1輌という比率は列強に類例のない多数であり、現制のままでは将来戦に必須の莫大な軍需品補給に支障をきたし軍の機動を妨害するとして、軍団編制の採用が不可であることに多言を要しないと記しています。

ここで軍団制の可否に言及しているのが面白いと思います。

当時の師団の行軍長径は約40kmにも及んだようです。

cf. ibid., 86f.
本邦では道路・地勢などの問題から一馬曳二輪の輜重車を採用していたため、主食である米の炊飯も含めた炊事車となると、車数が増え、行軍長径が伸びてしまいます。

戦闘行李に付属したほうが温食提供には有利ですが、戦闘部隊の長径が増加してしまうため、大行李に付属するしかないだろうとしています。

この輜重車輌の形態と行軍長径という問題は、他にも大きな影響を与えています。

一馬曳二輪の軽輜重車であっても、複馬曳や四輪などの大型車輌に比べて馬や車間距離を含めた占有範囲は積載重量ほどには減少しないため、部隊の行軍長径は大きくなります。
明治42年の偕行社記事の論説が兵士への温食提供のための課題を炊具の運搬と編制だとしているのが興味深いと思います(14f.)

現行の炊具は駄載式で中隊ごとに分進できる編制ではないため温かいうちに提供し難いとし、炊事車の導入を提唱しているのですが、車数・行軍長径が問題だと指摘しています。

ドイツ軍は歩兵大隊に4輌の割合で戦闘行李に炊事車を付しているが、主食がパンのため炊爨は副食のみであり、複馬曳きの大型車輌なので車数を減らせるからだと分析しています。
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こういう本の方が、参考になるのかもしれないのですなぁ。
お読みいただきありがとうございます!

ソープの考えは「劇場のステージ管理」という比喩が有名ですが、クラウゼヴィッツの理論的枠組みの中で論じているという点がポイントだと個人的には思っています。

少しでも面白いと思っていただけたら嬉しいです☺️
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非常に面白い。『戦争』概念の拡大に伴って「ロジスティクス」もまた拡大して受け取られているのではないかと。
「いくら広範であったとしても、戦略・戦術・ロジスティクスという3区分の総体である「戦争」の範囲によって限界づけられるはずだからです。
この点に、近年における「兵站」を巡る議論の難しさの根源が示されているように思います。」
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以前に、twitterで少し話題にのぼった「1814年戦役で、セザンヌを経由する街道はなぜほとんど使用されなかったのか?」というお話について、論文に解答が載っていた話。Twitterで挙げていたので、こちらにも。

簡単に言えば、未完成だったから。

1789年の道路網の再現地図を見ると、破線表記で、その意味は開通および未完成(ouvertes et ébauchées)の表記になっている。
論文の方を読むと、詳しい解説が載っている。

x.com/DSSSM00/stat...
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全然違うことを調べてたら、少し前にTwitterで話題にしてた18世紀末から19世紀初頭のヴィトリー=セザンヌ間の街道について、解答が載っていて笑ってしまった。あとで纏めるか。
それは、ぜひ知りたいです!
お待ちしております!!
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鉄砲持って馬に乗れば竜騎兵定期ですね。西洋の騎兵にたとえて紹介するなら、もうちょい調べれば良いのに。なぜコサック騎兵笑 まぁ真偽運用装備不明なので、分類不可能というのが結論ですけどね。しかし、画像2枚目の鉄砲はどうやって発砲するつもりなのだろうか。。。。火挟みあるいは鶏頭などの機構がない上に、トリガーも二つあるよね、これ笑。

news.yahoo.co.jp/expert/artic...
【戦国史】日本で初めて“竜騎兵”を大合戦に投入した伊達政宗!大坂の陣で真田軍と激突した騎馬鉄砲隊とは(原田ゆきひろ) - エキスパート - Yahoo!ニュース
日本の戦国時代、さまざまな兵科の部隊が活躍しました。中でもインパクトが強いのは武田信玄の騎馬隊や、織田信長が運用した鉄砲隊です。どちらも有名で、他の兵科にはない強みもありますが「この2つを合わせれば、
news.yahoo.co.jp
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ということで、Twitterでも遊んでみましたが、竜騎兵を選んでください笑
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Twitterで呟いたナポレオンのロシア遠征で使われた牛車については、この論文がお勧めです。ロシア遠征における輜重隊のお話がコンパクトに纏まっていて面白いです。
www.persee.fr/doc/rharm_00...
Le Train des équipages militaires en Russie : Une épreuve et un espoir - Persée
www.persee.fr
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古今東西の指揮官や戦術や兵器や戦例への評価が、それらを取り巻く言説からどのように形成されていったかを明らかにするという感じの研究はかなり好きなジャンル
具体例はグスタフ=アドルフの英語圏での評価を調査したJeremy Murray著『The English-Language Military Historiography of Gustavus
Adolphus in the Thirty Years’ War, 1900-Present』くらいしか挙げられないが…
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Warwick Louth著『THE ARTE MILITAIRE The Application of 17th Century Manuals to Conflict Archaeology』読んだ
#読書
#書籍
タイトル通り、紛争考古学研究に17世紀の軍事マニュアルを使った分析を持ち込めないかという話。どのように持ち込むかという方法論的な話だと解釈した。
ネイズビーの戦い等の戦場調査を通して方法を示していく感じだが、地図や図表が少なめでイングランド内戦での個々の戦いの知識をめちゃくちゃ要求される感じがあり、正直あまり理解できてない。
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あさんの「Lodovico Melzoの騎兵論と装甲の放棄」を読み直した。

十六世紀、十七世紀における騎兵の装甲の減少について、スペイン軍人の著作から考察されている。重装甲の槍騎兵がポーランド以外で姿を消した要因を、自主積極的に行動できるよく訓練された兵が減ったことを挙げている。Melzoが想定していた「20-30名が襲歩で乗馬襲撃できる人材」は得られなくなり、また軍隊の機動性を上げるため武具を運ぶ荷物持ちなどを排除して装甲を維持できなくなった。
bsky.app/profile/a3da...
はてなブログに投稿しました
Lodovico Melzoの騎兵論と装甲の放棄 - 三分の一 https://a3dayo.hatenablog.com/entry/2025/07/14/181428
#はてなブログ
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#C106新刊  二日目に頒布予定。
旗代屋の新刊『ナポレオン戦争の背景(上)18世紀フランス戦術理論の展開』
刷り上がってきました!! 今回は初めて要望が多かった背表紙にナンバーを振りました。原著に不足していた図を大幅に追加し、コラムには誰得の7年戦争、ベルゲンの戦いの分析付きです。
これを機に、近世ヨーロッパの軍事史に触れてみませんか?
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夏コミ、今年も新刊を出せそうです。
旗代屋の新刊として、『ナポレオン戦争の背景 18世紀フランス戦術理論の展開』
そして大サトー学会さまのところの御本ですが私もかなりの部分を書かせて頂いています『軍事革命論の幻』
この二冊につき、是非宜しくお願いします。
なお、『軍事革命論の幻』は既に小さなウォーゲーム屋さんで先行頒布中です。
petitslg.shop-pro.jp?pid=187487147

#C106
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はてなブログに投稿しました
Lodovico Melzoの騎兵論と装甲の放棄 - 三分の一 https://a3dayo.hatenablog.com/entry/2025/07/14/181428
#はてなブログ