#脈拍奏
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#脈拍奏
わたくしロボットなんですが!?
October 28, 2024 at 4:10 AM
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脈拍奏くんの圧倒的肩幅よ
February 1, 2025 at 3:53 PM
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(8/12)
　＊ 　 　太陽が見られるかもしれない海辺の噂を聡実と狂児が聞きつけたのは、二人が旅を始めてから五回ほど眠りについて、六回目に目が覚めた日のことだった。やはり朝は来ないままだったので、何日目、と過ぎた日を数えることは引き続き意味を成さないままだった。 　聡実の旅に出るという宣言を受けて朝食を摂ってから、バックパック一つに収まるくらいの簡単な荷物をまとめて、その日のうちに二人は家を出た。明確な目的地設定のない旅なので、小回りのききやすい自家用車での移動を選んだ。 　あてどなく漠然と始まった、太陽を探すという二人の旅は、ひとまず列島を海岸沿いに移動して、東を目指してみることになった。物理法則の基本に立ち返り、太陽とは東から昇り西へと沈むものなので見つけやすいのではと考えた。 　使える時間はお互いに気にする必要がなかったので、下道を使いながらゆっくりと移動をする。主にハンドルを握るのは狂児で、聡実もナビゲーションに積極的に口を出すこともない。道中でお互いが気になったものには寄り付き、休憩も適宜にとる気ままな旅だった。 　それはとある街の郊外で、給油のために立ち寄ったガソリンスタンドでの出来事だった。県外ナンバーがもの珍しく目を引いたのか、狂児は隣で給油中の男に声をかけられた。 　ご旅行ですか。なんて当たり障りない言葉をかけられた狂児は、給油口から手元が狂わないよう気をつけながら、ちらりと男の顔を見る。男はニコニコと人当たりのいい笑みを浮かべ、狂児の返 答を待っていた。念のため、記憶を掘り起こして少し考えてみたけれど、知らない顔だった。 　そうなんです、大阪から。大阪、ご苦労様です。男は少しオーバーに驚いてみせる。郊外からは離れて、人影もまばらな田舎の風景だった。終わらない夜の世界の中、煌々と輝くガソリンスタンドは誘蛾灯のように客を集める。映画で見たことがあるようなシチュエーションで、けれどこれは映画にも勝る奇怪な出来事に見舞われている現実で。こんな噂ご存知ですか。狂児よりも一足先に給油を終えた男が、まるで怪談話を始めるかのような口ぶりで語り始める。 　この先の灯台がある海岸線で、太陽が見えるらしいですよ。 　え。給油ノズルを落としはしなかったが、思いがけず大きな声で狂児は反応してしまった。車内の助手席に座っている聡実が、こちらを見たような気がした。噂を口にした男は食いついてきた狂児の反応に気をよくしたのか、ずっと饒舌になって話を続ける。 　噂にすぎないんですけどね。元々は初日の出なんかも有名なそれなりの景勝地で、灯台も観光地だったんですよ。なんというかまあ、人間、太陽が見たいと考えるのは、同じなんでしょうかね。希望を持って見に行った人なんかが、やっぱり見つけた、なんて。証拠なんてないんですよ。でもこんな世の中、そんな噂も町おこしに使えそうじゃないですか？ 　給油を終えたのとほとんど同じタイミングで、男の話も止まる。最後にお互い軽く会釈をして、狂児は運転席に乗り込んだ。 　ガソリンスタンドをあとにして、男から聞いた 噂話の通りに車を走らせる。海沿いをどんどん進んでいき、しばらくすると話に出てきた通りで目印の灯台の光が見えた。昼も夜も分からない世界になってしまい、それでも沖に出ている船のため、灯台は昼も夜も分からないまま、光り続けているようだった。 「あの人、狂児さんの知り合いなんかと思った」 　すぐそばで岸壁を打つ波の音が聞こえる。それはお互いがぶつかりあって奏でられている音のはずなのに、何故だか荒々しさは感じない。黒い闇のなかでまるでお互いの境界線がどこかを探り、そうして確かめるために身を寄せ合うように溶け合って、穏やかに響く音だった。車を降りて灯台に近づく聡実と狂児を迎えたのは、波の音以外に、風が揺らす木々のざわめきや草花を撫でつける音だけだった。自然の音に紛れて負けてしまいそうなボリュームの聡実の声だったが、狂児の耳には何よりも澄んだ音として届く。 「ちゃうよ？　一応ちゃんと思い出してみたけど、ちゃんと知らん人やったわ」 「なんかおっきい声出してたから、そうかもって思っただけ」 　狂児の答えを聞いて満足したのか、そう言って聡実は興味をなくしてしまったようで、ふい、と目を逸らす。そこにあるわずかな光源をかき集めて、聡実の眼鏡の細いフレームが、狂児の気を引くようにちらりと光った。 　灯台から放たれた光は遠く、直線を描いて海の向こうにまで投げ出されている。そのおかげで全てが真っ暗闇にはならずとも、灯台下暗し、二人の足元を照らす明かりには心許ない。見えない海の向こうを、目を凝らしてしばらく眺めていた聡 実だったが、何の変化もない空間に飽きてしまい今度は空を見上げる。聡実の目の中で、灯台の放つ光にも負けない一等星の星々が輝いていた。 「おらんなぁ、太陽」 　聡実よりも先に、狂児がその事実をぽつりと溢した。聡実はその言葉を、意外に思ってしまった。吹き荒ぶ風の中、狂児の指が聡実の眼鏡に触れる。風がうねらせる聡実の前髪を、かきわけてみせる指先は、キスをするときに狂児がみせる仕草だった。キスをするのかと納得した聡実は遠くの星空から狂児に向き直り、風の音と波の音、狂児の脈拍に集中して、目を閉じる。唇に感じたのは、くすぐりのように細やかで風よりも生温かい、狂児の呼吸だった。 「悲しくない？」 「そう見えました？」 「どうやろ。そやったら嫌やなとは思った」 「僕より狂児さんのほうが悲しそう」 「そうかも。俺聡実くんが悲しいの無理やねん」 　だからキスをした。悲しい気持ちを忘れるために、あるいは分かち合うために。けれど聡実にはどちらも急を要するほどに必要ではなかったらしい。気持ちを確かめた狂児は聡実の肩に触れていた手を下ろす。忘れたかったのか、分かち合いたかったのか。本当に聡実がそう見えたから、キスをしたのかと狂児は自問自答する。 　肩から下ろされて同じ高さにまで届いた狂児の手を、聡実はそのまま絡め取って握り返す。狂児の手は指先まで冷え切っていた。太陽が姿を見せなくなってから世界は随分と冷え込んでしまったけれど、狂児も同じだったのかもしれないと、聡実はその時初めて思い至った。
March 18, 2025 at 3:07 PM
gousei93.bsky.social
脈拍奏の創作を考えるたびに「そういえばまだ音源ないんだった…」となる(急かしているわけではない)
いつまでも待ちますよ＿＿＿
January 26, 2025 at 4:49 PM
shirataki000.bsky.social
うちの子です
#脈拍奏 #オリジナルUTAU
October 27, 2024 at 9:31 AM
gousei93.bsky.social
俺は…脈拍奏の音源DLするまで死ねないから…世外桃源でカバー作るし…
January 26, 2025 at 4:27 PM