田渕 紫織(新聞記者)
shtab.bsky.social
田渕 紫織(新聞記者)
@shtab.bsky.social
朝日新聞社会部の記者です。学士・修士では災害社会学+災害人類学。東日本大震災の翌月から記者になり、2022年度まで子育て世代のページ「ハグスタ」編集長も。災害、子ども、メディアに関わる報道が長め。生活から離れない記事を。映画と映画館が大好きです。
https://www.asahi.com/reporter-bio/233307510a42b9fcd7181fdeb8ac4ed62f9f6ae14aeb02ed28da93253848c71f
冬の深夜に避難する当事者になってみて、よっっぽど事前に備蓄や環境や想定を整えておかないと、長時間避難はかなり難しい、と身をもって実感。
(避難した場所は以前住んでいたアパートのすぐ近くで、土地勘や人脈がある場所ですらそうでした。)

当然、避難所に集まった人の年齢も持病も飛び出してきた状況も、さまざま。
まずはこの現実を見なければ。

(…と、先ほどまで、隣町の釜石でこのルポを書いていた先輩記者と話していました。)
www.asahi.com/articles/AST...
記事タイトル:想定浸水域にいた記者、津波警報発令で高台へ 冬の避難でみえたもの
想定浸水域にいた記者、津波警報発令で高台へ 冬の避難でみえたもの:朝日新聞
地震発生時、岩手県釜石市の朝日新聞釜石支局兼住宅で記者は入浴中だった。 ちょうど髪の毛にシャンプーをなじませた時に揺れが来た。最初は目まいかと思ったが、長く横揺れが続くので地震だとわかった。収まるま…
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December 9, 2025 at 8:42 AM
結局、警報が注意報に切り替わったのが午前3時前。
私も避難した高台の集会所には午前0時で25人ぐらいいましたが、すでに半分以上の人が帰宅していました。

いろんな体調や家族の状況があるなか、長時間の避難に耐える避難所環境って、本当に難しいと改めて思いました。

午前2時に初めて出た「北海道・三陸沖後発地震注意情報」は、南海トラフの臨時情報の東北版です。
後発地震、どうか来ませんように。
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タイトル:初の発表「後発地震注意情報」とは 巨大地震の続発に備えを呼びかけ
初の発表「後発地震注意情報」とは 巨大地震の続発に備えを呼びかけ:朝日新聞
青森県東方沖の地震で津波警報が出たなかで、さらに「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発表された。より大きな地震や津波への備えを呼びかける内容だ。一体、どういう情報なのか。 これは、2024年8月に宮…
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December 8, 2025 at 11:27 PM
【大火災の佐賀関】空き家561件 手放したくても取り壊せない事情は
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《佐賀関地区は古い木造住宅が密集し、家々が接する道が狭く、解体工事の車両が入らず、廃材の持ち出しなどが手作業となって費用が通常の数倍になるという》

←空き家の増加が火災被害を拡大させたかどうかは、まだ分かりませんが、重要な背景だと思います
大火の佐賀関に空き家561件 手放したくても取り壊せない事情:朝日新聞
大分市で18日夕に発生し、170棟以上に延焼した大規模火災は、市の東端に位置する人口7千人弱の佐賀関地区が現場となった。人口減少が進むこの地区は空き家も多く、かねて防災面での懸念があった。過疎化によ…
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November 19, 2025 at 11:10 PM
【速報】柏崎刈羽原発の再稼働、新潟県知事が容認へ 県民調査で賛否は拮抗
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他のニュースで埋もれがちですが、原発の再稼働についての大きな局面です。
福島第一原発事故を起こした東電が、事故後に初めて運転しようとしている原発だからです。

事故から15年が経ち、関心が薄れているのを日々感じますが、この原発の電力を送る先は、新潟ではなく、ほぼ首都圏。
ひとたび事故が起これば、多大なリスクを負うのは誰か、知っていただきたいです。
柏崎刈羽原発の再稼働、新潟県知事が容認へ 県民調査で賛否は拮抗:朝日新聞
東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働について、花角(はなずみ)英世知事が容認する意向を関係者に伝えたことがわかった。近く臨時の記者会見を開き、表明する。花角知事はこの判断について、12月2日に始ま…
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November 19, 2025 at 8:12 AM
今回の大火災の原因は不明ですが、空気が乾燥する今の季節、今すぐできることを急いでまとめました。

・寝たばこをしない。吸い殻は灰皿にためない
・コンロで料理をするときは、その場を離れない
・電気コードを束ねて使わない。使わないコンセントは抜く
・共用部分に段ボールやごみを放置しない

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記事タイトル:火災が相次ぐ季節にできること コードを束ねない、ごみ放置にも注意
火災が相次ぐ季節にできること コードを束ねない、ごみ放置にも注意:朝日新聞
暖房器具を使う機会が増え、空気も乾燥しやすい秋から春までは、例年火災の発生が相次ぎます。防ぐために、何をすればよいのでしょうか。東京消防庁などの説明をもとにまとめました。 たばこが出火原因のケースも…
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November 19, 2025 at 7:50 AM
行き先は、11年前(震災から3年後)まで駐在していた岩手県大槌町と、隣の山田町。

各地域の以前の取材先をぐるぐる回って、そこから紹介していただいた人を訪ねて、訪ねて…と繰り返しているうちに日が暮れていきました。帰りたくなかった…。

人口の1割が犠牲になった大槌町。
今回取材した町民の方たちも、ほぼ全員が、震災で家族や友人を失っています。

11年前は、話してくださるその内容に対して、伝える技術があまりに発達途中で、ただ体力に任せて訪ねて聞いて書いて直されまくって…という日々でした。
今秋からまた念願の機会を得て、何が書き残せるか、通いながら必死に考えていきたいと思います。本当は住みたい。
November 13, 2025 at 5:07 AM
朝刊の1面トップで、柏崎刈羽原発の再稼働への考えを、新潟県が住民に聞いた調査結果をお伝えしています。
福島の事故後の現実や、全国からの視線を踏まえての苦悩が、調査結果に滲んでいます。

再稼働するかの判断を前にした重要な局面ですが、このニュースについての関心はあまり高くないと感じます。
(私たちの伝え方の工夫も足りていないので、試行錯誤です。)

「実際に電力を使うのは、首都圏の人」ということは、何度も書きたいと思います。

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記事タイトル:柏崎刈羽再稼働、30キロ圏自治体の半数近くで反対多数 新潟県調査
柏崎刈羽再稼働、30キロ圏自治体の半数近くで反対多数 新潟県調査:朝日新聞
東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働をめぐり、新潟県は6日、原発から30キロ圏にある9市町村の住民を対象にした意識調査の結果を公表した。県内で2番目に人口の多い長岡市で再稼働に反対する意見が53%…
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November 6, 2025 at 11:25 PM
能條桃子さんにコメントプラスで、「手法」の話ではない、と重要なご指摘をいただきました。
首都直下地震でも起こりかねない外国人をめぐるデマ対策(政局で何カ月も遅れてますが)についての記事を準備中で、そこで正面から触れる予定です。

【視点】差別は時代によって解決せず、むしろそれを解決しなければ悪くなるばっかりである、ということを茨木のり子さんが詩にしていることを... www.asahi.com/articles/AST...
災害後のデマ、SNSより閉じた所に落とし穴 記者の急所を突く警告:朝日新聞
■メディア空間考 田渕紫織 東日本大震災の翌日。机上のガラケーが震えた。「有害物質が雲に付き、黒い雨が降る。気をつけて。周りの人に教えてあげて」。千葉県内のコスモ石油の製油所での爆発事故を受けた、家族…
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November 4, 2025 at 11:36 PM
三省堂本店が閉まる時にも一誠堂書店のご当主とお話しして下記↓の記事に書いたけど、年を追うごとに全集や名著の値崩れが激しくいのは、胸が痛んで痛んで。
でも、それが売れなくて古紙回収のトラックに積まれていくのを見るのはもっと辛い。
広い家に住んでいたらもっともっと買うのに。

www.asahi.com/articles/ASQ...
記事タイトル:「神保町ありがとう」三省堂が一時閉店 古書店街の「粋」は今も
「神保町ありがとう」三省堂が一時閉店 古書店街の「粋」は今も:朝日新聞
神田神保町1丁目1番地。「神保町のランドマーク」とも言われ、141年間、東京の同じ場所で営業してきた三省堂書店の神保町本店が、5月8日にいったん閉店します。小川町の仮店舗に移って6月に営業は再開され…
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November 3, 2025 at 12:37 PM
「新聞が独自の機能を失って官報化すればするほど、その空隙を埋めるものとして流言蜚語がはびこってくる」
(清水幾太郎『流言蜚語』)

いまファクトチェックについての記事を書いていますが、まさに。ぐうの音。
コラムの最後にも引用しました。

【コラム】災害後のデマ、SNSより閉じた所に落とし穴 記者の急所を突く警告
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災害後のデマ、SNSより閉じた所に落とし穴 記者の急所を突く警告:朝日新聞
■メディア空間考 田渕紫織 東日本大震災の翌日。机上のガラケーが震えた。「有害物質が雲に付き、黒い雨が降る。気をつけて。周りの人に教えてあげて」。千葉県内のコスモ石油の製油所での爆発事故を受けた、家族…
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October 30, 2025 at 1:40 AM
女川原発の再稼働からきょうで1年。
(女川原発の再稼働後初の海からの訓練も、中止になりました。)

1年前、宮城県の大学生に、原発の賛否などの「語りにくさ」について聞いた時のことが印象に残っています→
www.asahi.com/articles/ASS...

《友人らと原発や再稼働の話になると、地元でも県外でも「まー、難しいよね」「複雑で決められないよね」といった一言で終わることが多い。事故から13年半余り、私たちは原発や事故のことを真正面から知り、話そうとしてきたかどうか。「話しづらさを空気のせいにしたくない。全国の問題だと思います」》
(1年前の記事から引用)
「商売と切り離せない」「脅威でしかない」 原発再稼働、期待と不安:朝日新聞
東日本大震災で被災した東北電力女川原発2号機が13年7カ月ぶりに再稼働した。地元では経済的な恩恵に期待する声がある一方、隣県で発生した東京電力福島第一原発事故の記憶は鮮明で、風評被害も影響し、反対す…
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October 29, 2025 at 8:06 AM
今回のコラムに、清水幾太郎の『流言蜚語』から2文だけ引用しました。
名フレーズだらけのなか、字数制限とのたたかいで、どの一文を引用するか悶絶しました。

震災当時に中学生だった清水幾太郎の原体験にも着目しました。
朝鮮人を殺したと得意げに語る兵隊に会ったという話がよく知られています。
同時に、妹と弟を探して東京じゅうをたくさんの遺体を見て回っていたことに触れ、「あんなに多くの死骸を見てしまった人間には、もう青春はない」とも書いています。

清水幾太郎がこれを書いたのが、関東大震災から14年後。
いま、東日本大震災から14年半後です。
後段と、あの時の子どもたちの姿が重なります。
October 28, 2025 at 2:02 AM
災害のたび、「外国人が犯罪をしている」という流言が広まります。
注目したいのは、その広がり方。

東日本大震災でのチェーンメール、
能登地震でのグループLINE、
関東大震災での「うわさ」…
SNSよりも閉じたやりとりに落とし穴があります。
根拠が不確かな情報の伝言ゲームを、自分の所で何とか止める意識を。

能登で、どう広がったかは同僚の平川記者が詳しく記事にしています→
www.asahi.com/articles/ASS...
記事タイトル:能登の「外国人窃盗」デマ、どう広がった SNSで避難所の会話変質
能登の「外国人窃盗」デマ、どう広がった SNSで避難所の会話変質:朝日新聞
能登半島地震の後、被災地で「外国人の犯罪」についての根拠不明の情報が広まった。取材を進めると、当初は口づてだった情報がSNS上に広まり、その形すら変えながら拡散されていく様子が見えてきた。
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October 28, 2025 at 1:53 AM