なんというか、罪もまた、対象を構成する要素のひとつな訳ですよ。それを否認するということは対象の一部を否認するということに他ならなくて、だから私はかねてより何かを愛するときは対象の後ろめたい部分も引き受けて愛する覚悟をしろ（それができないなら、お前にはそもそも愛をする才能がない）と言っているわけですが。

言うなれば新世紀エヴァンゲリオン・妄想代理人の系譜の作品なのだと思う。ままならない他者とともに、自分の思う通りにはならない現実を生きること。

あの世界においても、ペリカンは先行きのない世界に絶望し、未来の象徴たるワラワラを屠り、飛ぶことを忘れたインコは地を覆い、身勝手な文明を築いている。大叔父様は、眞人が自らの世界を継ぐ——とまではいかなくとも、彼自身の手によって、新たな世界、真の意味での楽園を築いてくれることを期待していた、しかして、眞人の答えは「楽園」を作るのではなく、自分たちのいる世界——決して自分の思い通りにはならない現実を、それでも生きていくというものであった。現実が楽園になることはない。しかして、友を作り、手を取り合うことで——そこを楽園に近づけることはできるはずだ、という眞人の結論を、大叔父様は否定も肯定もしない。