麻里邑圭人
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麻里邑圭人
@mysteryeq.bsky.social
ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。
【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩
【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」
【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
森晶麿「消失村の殺戮理論」読了。地図にない村・網花村。文科省が隠匿するその村では、双頭の巨大な大山椒魚の神に生贄を捧げる〈花匣の儀〉を執り行っていた。捧げた生贄の消失を受け入れている彼らの閉鎖世界で発生する人々の大量消失……これは人間の策謀か、人智を超えた神の仕業か?

「切断島の殺戮理論」に続く文化人類学の学徒たちが訪れた地図にない集落で殺戮劇に遭遇する長編ミステリシリーズの二作目。正直言うと本作を読む前から殺戮と消失という明らかに求めるものが違う組み合わせの時点で嫌な予感はしていたが実際読んでみた結果その相性の悪さを再認識することとなった。
December 17, 2025 at 2:39 PM
【本日の回収物】
December 17, 2025 at 11:57 AM
東川篤哉「じゃあ、これは殺人ってことで」読了。自殺に見せかけるために密室殺人を実行した男がひょんなことから殺人に見えるように偽装工作しなければいけなくなる表題作を始め、密室、アリバイ、人間消失など日本最大(?)の犯罪都市・烏賊川市で起きた五つの不可解な事件に多彩な探偵たちが挑む。

烏賊川市シリーズの短編集第四弾。烏賊川市シリーズは長編短編含めてこれまでなんだかんだでハズレは一作もないと思っていたのだけど、今回の収録作はいずれもネタがショボいだけならまだしも捻り方に関してもイマイチなものばかりで少なくともミステリとしては精彩に欠ける内容と言わざるを得ない。
December 16, 2025 at 12:52 PM
西澤保彦「スコッチ・ゲーム」再読了。高校三年の冬、高瀬千帆のルームメイトで恋人の恵が学園の女子寮で惨殺されたのを皮切りに次々と起こる女子高生連続殺人。その裏で見え隠れするスコッチの瓶を持って河原に向かった謎の人物の奇行。そして二年後、事件は匠千暁によって解き明かされることに――。

「彼女が死んだ夜」「仔羊たちの聖夜」に続くタック&タカチシリーズの長編三作目。本作はシリーズのレギュラーキャラである高瀬千帆が高校時代に巻き込まれた事件を扱っており、千帆が抱える様々な問題を通して、これまで凛としたイメージだった彼女の知られざる一面が描かれるのが実に興味深い。
December 15, 2025 at 8:19 PM
【本日の回収物】
December 15, 2025 at 11:46 AM
「エディントンへようこそ」観了。陰謀論に取り憑かれた町を救おうとした主人公が足掻きながらも破滅していく話。これまで様々な操りを描いてきたアリ・アスターが今回操りがないパターンもとい操られていると錯覚している人々の話をやる流れは必然であり、そういう意味では京極夏彦とも共通するところがあるものの、このテーマがエンタメとして面白いかどうかでいえば正直微妙と言わざるを得ない。だがその反面、終始すっきりしない嫌な気分が味わえるという点では(あと死ぬよりもつらい結末も含め)アリ・アスターらしい作品と言えるだろう。
December 14, 2025 at 1:32 AM
「シェルビー・オークス」観了。一本のビデオテープをきっかけに失踪した妹を探して廃墟と化した町を訪れた姉が様々な恐怖を体験する話。あらすじは近畿地方を彷彿とさせるが実際観てみるとなぜか7以降のバイオハザードっぽさがあり、雰囲気はいいのにシーンとしてはいまいち面白みに欠けるのが残念。だがそれ以上に残念だったのはオチであり、これを出した瞬間、全てが台無しになると言っても過言ではないので本当にやめてほしい(文化の違いもあるとは思うが正直今年何度このオチを観たか分からない)。
December 14, 2025 at 1:26 AM
【本日の回収物】
December 13, 2025 at 3:00 PM
「ナイブズ・アウト: ウェイク・アップ・デッドマン」観了。名探偵ブノワ・ブランが難事件の謎を解き明かすナイブズ・アウトシリーズの三作目は不可能犯罪に財宝探し、更に死者の復活まで起きるといういかにもカーっぽい話で、実際劇中に「三つの棺」が登場し、密室講義に対する言及もある時点でそれを意識しているのは明らかだろう。

不可能犯罪の仕掛け自体は割と王道ながら、おいそれと真相に辿り着けないようにする工夫と映像ならではの手掛かりの提示が○。だがそれ以上になぜ死者が甦ったのかという理由に対し必然性もさることながら、それに相応しい重厚なドラマが用意されている点が良かった。
December 12, 2025 at 10:48 PM
るーすぼーい/古屋庵「無能なナナ」14巻読了。遂に迎えたナナvs鶴岡の直接対決からの怒涛の展開が熱い! ……と思っていたら案の定きっちり奈落も用意されていて、るーすぼーいの手のひらでコロコロと転がされている気分が存分に味わえるだろう。とはいえ、このラストはさすがにつらすぎる……。
December 11, 2025 at 1:15 PM
築地俊彦「死なない少女の屍体は、ここに。2」読了。皇族が住まう宮殿で侍女の一人が自殺するがなぜかその顔は亡くなった元騎士団長テッサに酷似していた。しかしレミナを除く騎士団の誰もがテッサを覚えてはいなかった。テッサの記憶や痕跡が消え去る中、レミナはただ一人、その真相を追い始める。

不死身の騎士団長が殺された謎を巡る長編ファンタジーミステリの続編。前作を読んでいること前提の内容ながら正直前作からどう続けるつもりなのかと首を傾げたものの、実際読んでみると上手い具合に蛇足と感じさせない程度には後日譚として綺麗に纏まっていたように思う。
December 11, 2025 at 11:19 AM
【本日の回収物】
December 10, 2025 at 12:08 PM
西澤保彦「動機、そして沈黙」再読了。時効間近の、平成の切り裂きジャック事件を妻と推理していた刑事がやがて恐ろしい真相に気付く表題作を始め自殺しようとした男が迷い込んだ豪邸で惨劇に遭遇する「迷い込んだ死神」、刑事に呼び出されたのを機に女医の日常が崩れ去る「九のつく歳」など六編収録。

「パズラー 謎と論理のエンタテインメント」に続くノンシリーズ物の短編集。本作は「パズラー」から一転、論理よりも妄執が印象に残る心理サスペンス系の話が大半を占めており意外な真相が用意されているものの中にはそれが果たして本当に真相なのかあえて断定できない作りになっているのが興味深い。
December 10, 2025 at 12:11 AM
【本日のお届けもの】
December 9, 2025 at 11:55 AM
西澤保彦「笑う怪獣」読了。突如出現する巨大怪獣、地球侵略を企む宇宙人、人々に襲いかかる驚異の改造人間、成仏できない女子高生の幽霊……常にモテたくてナンパが大好きなアタル、京介、正太郎の三人のもとに現れる怪物たちはなぜか密室、誘拐、連続殺人など不可解なミステリも連れてくるのだった。

モテたい男子トリオのもとに毎回怪物たちが現れては様々な事件を引き起こす全七話の連作ミステリ。タイトルにもなっている怪獣を始め宇宙人、改造人間、幽霊などが登場する怪物たちのバリエーションは多いものの、それらの設定がミステリとして活かされているかというと正直微妙なところだろう。
December 7, 2025 at 2:43 PM
【本日のお届けもの】
December 7, 2025 at 1:24 PM
【本日の頂き物】
December 6, 2025 at 12:27 PM
【本日の回収物】
December 6, 2025 at 12:27 PM
【本日のお届けもの】
December 5, 2025 at 1:30 PM
【本日の回収物】
December 5, 2025 at 1:30 PM
【本日のお届けもの】
December 4, 2025 at 11:01 AM
大山誠一郎「死の絆 赤い博物館」読了。ホームレスと国会議員が同じ場所で殺されていた謎を巡る表題作を始め、不可解な自首、犯人は分かっているのに被害者が分からない事件、掘り出された凶器のナイフに端を発する推理対決、名探偵の若かりし頃の事件など〈赤い博物館〉館長の推理が冴える六編収録。

赤い博物館こと犯罪資料館に勤める緋色冴子が元捜査一課の寺田刑事と共に遺留品から迷宮入り事件の謎を解く連作シリーズの三作目。今回の収録作は最初の二編こそ悪い意味でこの作者らしい強引さを感じてしまったが、その後の二編「掘り出された罪」と表題作がそれを補ってくれるだろう。
December 4, 2025 at 8:53 AM
井上真偽「白雪姫と五枚の絵 ぎんなみ商店街の事件簿2」読了。かつて「ぎんなみ商店街の白雪姫」と呼ばれた老女が残した五枚の絵「白雪姫」「三匹の子豚」「赤い靴」「ヘンゼルとグレーテル」「雪女」は何らかのメッセージが隠された見立て絵だった。三姉妹と四兄弟が絵に仕組まれた謎の数々に挑む。

ぎんなみ商店街に住む三姉妹と四兄弟が探偵役を務める連作ミステリシリーズの二作目。前作は四兄弟が探偵役を務めるBrother編と三姉妹が探偵役を務めるSister編の二冊に分けて一つの事件に隠された二つの真相を暴くという趣向だったのに対し今回は一冊のみに纏まっているのでお財布的に優しいのは○。
December 3, 2025 at 2:51 PM
【本日の回収物】
December 3, 2025 at 11:49 AM
【本日のお届けもの】
December 2, 2025 at 12:15 PM