ワタナベサトシ
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ワタナベサトシ
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ナチスに疎まれ、ヒトラーを激怒させ、生命の危機を感じつつも「戦争の真っ只中でドイツの目撃者でいること」を選択してかたくなに亡命を拒んだエーリッヒ・ケストナー。

ナチに支配された国の中で己を貫き発言を続けていれば彼はきっと処刑されていただろう。極限状態の人が為した行いを後世の安全圏から批評することは容易い。

『エーミールと探偵たち』などの児童文学者の印象が強いので、政治的な発言・皮肉・大人向けの小説、そして言論を封殺された中で書かれたこの軽い大人向けの3作品はあまり知られていないだろう。ケストナーの人生の中の暗黒の12年間を思いながら軽妙な本作を読むと違うものが見えてくるような気がしている。
December 9, 2025 at 1:21 PM
本作『一杯の珈琲から』は発表時からのちに改題を経ており、訳書のタイトルも二転三転している。

『ゲオルクと突発事件(ゲオルクと予期せぬできごと)』、『ザルツブルク日記』、『小さな国境往来』など。ほかにもあるかもしれない。タイトルだけをみて同一作品と知らずに飛びつくと、中味は同じものだったりするから注意が必要だ。

話はそれるが、先日手に入れた古書には『エミールとかるわざ師』という児童文学が収められていた。こちらは現在『エーミールと三人のふたご』として知られている作品。
December 9, 2025 at 1:21 PM
案の定、流行語大賞に選ばれたことで高市総理や政権やそれを支持する者たちの醜悪さや現実から乖離した価値観が炙り出された。「働いて働いて……」を肯定的にとらえて賛美する者(おそらくそういう人もいるのだろう)の気持ちはまったく分からない。この言葉を聞いて鼻持ちならない唾棄すべき不愉快で反吐が出るような宣言であると感じたとすれば、それがまともな感性だ。醜悪であるものを醜悪であるとはっきり白日のもとに晒す役割を果たすため、選考委員たちは入念かつ周到に策を練り、その後に巻き起こるであろう自分たちへの批判も込みでパフォーマンスを行ったのだと思う。そして己の醜悪さにまったく自覚のない高市の笑顔を記録したのだ。
December 3, 2025 at 5:21 AM
「ワークライフバランスを捨てる」「馬車馬のように働いてもらう」のほうが取り沙汰された流行語に近い言葉であったが、記憶されるのは単語に収斂してゆく。「ワークライフバランス」や「馬車馬」だけが生き残ると「捨てる」ほうのニュアンスが記憶されず、なぜ批判されたのかが忘れ去られてしまいかねない。また当該発言が批判されたことは高市総理も承知であり、この語を大賞に選んだところで満面の笑みで授賞式に参列はしなかっただろう。彼女を臆面もなく公けの場に引っ張り出して醜悪な笑顔を晒させるためには、次点の「働いて働いて……」あたりがちょうどいい。選考委員たちの心情は知らんが、道化となって批判も覚悟のふるまいに感じる。
December 3, 2025 at 5:21 AM
レンジーがお待ちしております!
November 23, 2025 at 2:59 AM