やぶさかでもない
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お祝いにビリヤニを食べる人。
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それが忘れられない。その人が拳にどんな思いを込めたのか。みんなで団結しなければならないと思ったのか、あるいはおっちゃんを死ぬ寸前まで放置していた行政を許せないと思ったのか。あるいは、仲間を失った悲しみを表現していたのか。本当のことはわかりません。けれども、わからないながらも、僕はその固く握りしめた拳に、人の連帯というものを感じました。

ジャーナリズムはそういう思いを受け取ること、そして、忘れない。これが仕事です。

(出典)東海林智(2010)朝日新聞社ジャーナリスト学校/慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所編『報道現場』慶應義塾大学出版会、pp.41-43。
January 4, 2025 at 1:58 AM
Reposted by やぶさかでもない
彼の葬式がありました。4か月前までは野宿ですから、仲間も礼服なんか持っていません。みんな普通のジャンパー姿とかで公民館に集まりました。祭壇が一つだけあって、牧師が讃美歌を歌って、おっちゃんたちが初めて歌うだろう、ふぞろいの讃美歌を歌って彼を送った。

本当に何もないところで、彼の遺体だけがありました。出棺になって、最後に霊柩車に遺体を乗せて火葬場に向かう。その時にみんなが拝む。その中に一人、ずーっと拳をあげている人がいました。(引用続く)
January 4, 2025 at 1:58 AM
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島倉千代子が好きなおっちゃんは『せっかく野宿から這い上がったのだから、生活保護から落ちないようにみんなで頑張ろう』と言って野宿の仲間と互助会をつくりました。そして上手な生活の仕方などを勉強したり、励まし合ったりしていました。

しかし、生活保護に移って4か月目に彼は死にました。4年を超える野宿で体がぼろぼろだった。公的な支援は4年間一切なくて、生活保護の申請に何度行っても断られて体がぼろぼろになっていた。それで死にました。(引用続く)
January 4, 2025 at 1:58 AM
Reposted by やぶさかでもない
「彼は島倉千代子が大好きで大好きで、ずーっとファンクラブに入っていたのですが、釜ヶ崎で仕事を失い、野宿になっていくと、ファンクラブもやめざるを得なくなったのでした。だから、もらった生活保護費で真っ先に島倉千代子のファンクラブに入ったと、うれしそうに会員証を見せてくれました。

人間らしい暮らしというのは案外そういうところにある。(中略)野宿から生活保護に移ると、急にお金を持ったものだから無茶なお金の使い方をしてしまったりして、また生活がぼろぼろになっていく人もいます。(引用続く)
January 4, 2025 at 1:58 AM