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(もちろん、どこまで所謂「公式」なコメントなのかは公式のみぞ知る…というところではありますが)
(もちろん、どこまで所謂「公式」なコメントなのかは公式のみぞ知る…というところではありますが)
帯には「航海・漁業の守護神として、中国沿海部の福建省や台湾をはじめ、東アジアで広く、篤く信仰されている海の聖母=媽祖。詳細な文献渉猟とフィールドワークによって、その信仰の実態を初めて解き明かす」とあるが、別段そういう内容ではないので、「東アジア(特に日本)における媽祖・観音・マリアを中心とした海の女神信仰についての紀行エッセイ」くらいのつもりで読んだ方がよい。
【良い点】
・媽祖及び関連する女神信仰等に関する参考文献リストあり。
・掲載画像の出典記載あり。微妙なものは出典ウィキペディアと判る。
【留意すべき点】
・記述の粒度が荒く、校正も甘い。
帯には「航海・漁業の守護神として、中国沿海部の福建省や台湾をはじめ、東アジアで広く、篤く信仰されている海の聖母=媽祖。詳細な文献渉猟とフィールドワークによって、その信仰の実態を初めて解き明かす」とあるが、別段そういう内容ではないので、「東アジア(特に日本)における媽祖・観音・マリアを中心とした海の女神信仰についての紀行エッセイ」くらいのつもりで読んだ方がよい。
【良い点】
・媽祖及び関連する女神信仰等に関する参考文献リストあり。
・掲載画像の出典記載あり。微妙なものは出典ウィキペディアと判る。
【留意すべき点】
・記述の粒度が荒く、校正も甘い。
個人的には「ついに鄭和はメッカ巡礼せずに終わった」事実から「媽祖信仰に改宗した」説を導き出す著者より、トンチキ小説「三宝太監西洋記」で鄭和を回族として扱い、メッカ巡礼させて嬉し涙を流させた羅懋登の想像の方が私は好きだ。
・寺田隆信「明代泉州回族雑考」
doi.org/10.14989/153...
泉州の回族(丁氏等)の族譜を用いて、回族が特権的な地位を持たなくなった(かつ制度的な差別は無いが悪感情を抱かれることもあったらしい)明代において、回族がどのように一族を経営し、信仰を維持したり捨てたり改姓したり、先祖の墓地を守ったり土地を取られかけて訴訟したりしたかを明らかにする。とても参考になる。
鄭和の子孫も先祖はサイイド・アッジャル(賽典赤)だと称しているけど、泉州のムスリムでも同じようなことを言う人がいたことが分かったのは収穫。
個人的には「ついに鄭和はメッカ巡礼せずに終わった」事実から「媽祖信仰に改宗した」説を導き出す著者より、トンチキ小説「三宝太監西洋記」で鄭和を回族として扱い、メッカ巡礼させて嬉し涙を流させた羅懋登の想像の方が私は好きだ。