干し菜
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干し菜
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成人済。雑伊が好きです。
感想はいついかなるときでも嬉しいです!ありがとうございます!
支部→ https://www.pixiv.net/users/2197144
マロ→ https://marshmallow-qa.com/sb_hoshina?t=KDQnM5&utm_medium=url_text&utm_source=promotion
と、いいながら顔を上げた目の前で、雑はなんの気負いもなく頭巾をほどく。
「次からはお願いするよ。あ、でも伊くんが私の素顔を知っていることは、二人だけの秘密にしてね」
と薄く笑う。もう信頼しているのだと態度で示されたこともそうだが、なにより素顔の雑が、その含みある笑いかたにドキドキしてしまう伊。
それからは二人きりの時だけ頭巾を解くし怪我を見せてくれる。雑から与えられる特別感に、どんどん沼っていく伊。在学中は雑←←←伊で、雑はそういうつもりない。
December 14, 2025 at 2:22 PM
役に立てたならよかったです」とはにかむ。巻き込まれて怖い目にあったのに不思議な子だなぁとしみじみする雑に「あと、不謹慎ではあるんですが、嬉しかったんです。こうしてまた手当てさせてもらえて、許されたみたいで。雑さんの立場上、傷や怪我の情報がつけいられる隙になってしまうってわかってます。警戒して当然なんです。でも、だからこそ今回、手当てできたことが、嬉しかったんです」
手元の包帯をくるくる巻きながら照れる自分を隠すように俯く。
「いつもよくしてもらっているから、僕が一番役立てる方法でお返ししたくて。包帯巻くの得意なんです!だからいつでも言ってください。あ、でもお顔は抵抗あると思うので、
December 14, 2025 at 2:14 PM
その気迫は、はじめてあった戦場と同じで。医務室の姿に紛れてしまいそうになるけれど、やはりこの子の本質はこちらなのだなと、雑はおもむろに上衣を脱いで伊に向き直ると「失礼した。すまないが手当てを頼む」と軽く頭を下げる。
伊は力強く頷くと手持ちの薬や己の衣を裂き雑の手当てをテキパキとこなしていく。いくぶんか経って雑を探しに来た部下と合流し、伊を無事に学園に届けた3日後、あの日のお礼をと雑が夜中ひとりで医務室にいた伊のもとに降りてくる。
「最初の手当てが適切だったから大事には至らなかったと医者に言われたよ」
ありがとうと伝えると、伊は照れくさそうにして「もとは僕が邪魔したことにあります。でも
December 14, 2025 at 2:02 PM
伊は自分が足を引っ張った、邪魔をしたせいだと理解してるので真っ青な顔をしている。雑はそんな伊に薄く笑って「たいしたことない」と言うんだけどドバドバ血が出てる。
「ぼくが、邪魔を」
「きみが気にすることではない。必ず学園には帰すから心配しないで」
伊はそこでキッと顔を上げて、低く言う。
「僕がいま不安げに見えるのでしたら、それはあなたの傷が深刻だからです。医務室に来ても包帯の下を見せないようにしていたこと、いくら鈍い僕だって気づいてますよ。こんなひよっこに触られるのもお嫌でしょう。それでも、いまは一刻の猶予もない。傷を見せてください」
と身を乗り出して雑の腕を掴む。
December 14, 2025 at 1:49 PM
たとえば前日の大雨で地形が変わっていたことを読みきれずに雑が予定とは違うところに敵をおびきだすことになり、本来は複数人で対応する陣形がくずれたものの、あと数人の始末で済む緊迫した場面に伊が斜面から転がり落ちてくる。雑は咄嗟に伊を庇い負傷したが隙を見て伊を連れて脱出。朽ちた荒屋に身を潜めてやり過ごそうとするが血が止まらず、伊が手当てを申し出る。雑の怪我は伊を庇ったのはもちろんなんだけど、殺気もなく背後に転がり出た伊を思わず敵かと苦無を向けかけ、伊と気づいて止まった隙を斬りかかられたため反応が遅れたものなので、雑本人としても非常に反省する傷で。でも肩をばっさりやられて力が入らない。
December 14, 2025 at 1:38 PM
そもいくら伊が医術に長けていたところで🥚であることは変わらないし、まだ見習いであるが故に万が一にも処方を間違えて、または最適ではない手段で雑の手当てをして悪化でもしたら、それこそ学園とタソの関係にヒビが入りかねないので(尊のたんこぶ程度とかはさておきとして)基本的には伊の世話になることはしなさそう。雑が身動き取れないほどの怪我を負って、仲間も呼べず、命の危機があるとかの状況とかでやっと伊の世話になるだろうな。
とすると、学園時にふたりでそういう窮地にはあっていてほしい。
December 14, 2025 at 1:22 PM
「でもまあ、そうか。せっかく来てくれたんだ、茶でも出そう」

雑はあんなことされてここに乗り込んでくる伊にあらためて興味が沸いたし、伊は伊で雑の知らない一面が見えてきてどうしてもそれを知りたくて乗り込んできた。ふたりともずれてて、まだ好意を自覚できてないころ。
December 7, 2025 at 4:21 PM
しかも今度はすぐコマツに発見されるようわざと侵入して逃げるふりまでして。

流石にもう医務室には行けないなあと馬鹿なことしたかな、とぼんやりしてた雑のところに駆け込んでくる部下。領内の不法侵入者とやらで連れてこられたのは伊でひどくご立腹。話を聞くためふたりになったところで伊がガチで切り込んできて、おやと面白がっていると「たしかに!僕は!軽率でしたが!……何もあんなことしなくたって」「……」
「それで医務室に来られなくなるくらい罪悪感に苦しんでいるんでしょう」
「……」
「僕の軽率と雑さんの傍若無人っぷりで手打ちにしませんか」
「……悪いと思ってないけど」
「じゃあ僕もそうです」
December 7, 2025 at 4:13 PM
ぞくりと言葉を失った伊に雑は素知らぬ顔をして、それ以上なにも言わなかった。

雑は伊にバレてもいいやの気持ち。伊はあの姿が雑だとどうしても思えなくて突撃してたずねるんですけどはぐらかされてしまう。
そして偶然また同じようなことがあって、伊が学ばずに、というより雑さんかどうかを知りたくて裏路地に飛び込む。さすがに痛い目見せてやろうと雑はそのまま伊を空家に連れ込んで目隠して手ひどく抱き潰す。触れる包帯の巻目と体の大きさで伊も雑だと確信して何度も雑の名前を呼ぶけれど返事もないまま何度も果ててぐったりした最後に、謝るようなやさしい口吸い。今度もやっぱり目を覚ますと身綺麗になって学園側に寝かされてて
December 7, 2025 at 4:00 PM
次に伊が目覚めると学園のそばの林のなかだった。
その翌日、町中では女の死体は話題になっていなかった。どうにもおかしい。しかし夢とも思えない。
その夕方、雑がいつもの感じで医務室に来た。うーんと悩みながら包帯を交換していると、事情を問われた。
「知らないねぇ。それより、あやしい人影に向かっていくんじゃないよ」
「あはは、そうですよね。つい血の匂いがしたので怪我人かと」
ふと頬に当てていた手を伸ばすと、雑は伊の髪を払ってうなじに触れた。
「痛い目みたんだから学びなさいね」
と冗談めかして説教くさい。しかし伊は違和感を覚える。揉み合ったことは言ったがそれだけだ。ましてうなじだとは一言も言ってない。
December 7, 2025 at 3:49 PM
しんでいることなんて、血の匂いですぐわかるはずなのに、正義感だか知らないが、実力差もわからずに突っかかってきた伊に強い苛立ちを覚えた雑。後から思い返せば珍しくメンタルの具合が悪い日だった。守りたいものに苦無を向けられたいきどおりのまま、向かってくる伊を簡単にいなし、腕を捻って壁に顔を押し付け、夜闇でも真っ白なうなじに噛みついた。血が出ないギリギリまで。
「死にたいのか?」
くちびるを肌に当てたまま、雑は吐き捨てるような低い声で言う。
伊は殺気で全身を総毛立たせ、なんとか逃げようともがくもびくともせず、首筋を撫でた棒手裏剣の無機質な冷たさで覚悟したところで、ふっと意識が途絶えた。
December 7, 2025 at 3:36 PM
触れないけれど未来雑の大人の色気ダダ漏れの視線にとらえられて、それだけでゾクゾクしちゃう若伊。未来雑は、この頃の伊くんには手出してないので、だめとわかっていても若伊のあられもない姿を可愛いと思ってしまい、どうしても視線を向けてしまう。
December 6, 2025 at 5:04 PM
手記を読み進めるうちに知っているはずのない過去といまがごっちゃになっていくし、伊くんはひどい焦燥にかられて令和に城壁だけ残る城址に行ったり、そんなミステリ。
December 6, 2025 at 7:29 AM