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「次からはお願いするよ。あ、でも伊くんが私の素顔を知っていることは、二人だけの秘密にしてね」
と薄く笑う。もう信頼しているのだと態度で示されたこともそうだが、なにより素顔の雑が、その含みある笑いかたにドキドキしてしまう伊。
それからは二人きりの時だけ頭巾を解くし怪我を見せてくれる。雑から与えられる特別感に、どんどん沼っていく伊。在学中は雑←←←伊で、雑はそういうつもりない。
「次からはお願いするよ。あ、でも伊くんが私の素顔を知っていることは、二人だけの秘密にしてね」
と薄く笑う。もう信頼しているのだと態度で示されたこともそうだが、なにより素顔の雑が、その含みある笑いかたにドキドキしてしまう伊。
それからは二人きりの時だけ頭巾を解くし怪我を見せてくれる。雑から与えられる特別感に、どんどん沼っていく伊。在学中は雑←←←伊で、雑はそういうつもりない。
手元の包帯をくるくる巻きながら照れる自分を隠すように俯く。
「いつもよくしてもらっているから、僕が一番役立てる方法でお返ししたくて。包帯巻くの得意なんです!だからいつでも言ってください。あ、でもお顔は抵抗あると思うので、
手元の包帯をくるくる巻きながら照れる自分を隠すように俯く。
「いつもよくしてもらっているから、僕が一番役立てる方法でお返ししたくて。包帯巻くの得意なんです!だからいつでも言ってください。あ、でもお顔は抵抗あると思うので、
伊は力強く頷くと手持ちの薬や己の衣を裂き雑の手当てをテキパキとこなしていく。いくぶんか経って雑を探しに来た部下と合流し、伊を無事に学園に届けた3日後、あの日のお礼をと雑が夜中ひとりで医務室にいた伊のもとに降りてくる。
「最初の手当てが適切だったから大事には至らなかったと医者に言われたよ」
ありがとうと伝えると、伊は照れくさそうにして「もとは僕が邪魔したことにあります。でも
伊は力強く頷くと手持ちの薬や己の衣を裂き雑の手当てをテキパキとこなしていく。いくぶんか経って雑を探しに来た部下と合流し、伊を無事に学園に届けた3日後、あの日のお礼をと雑が夜中ひとりで医務室にいた伊のもとに降りてくる。
「最初の手当てが適切だったから大事には至らなかったと医者に言われたよ」
ありがとうと伝えると、伊は照れくさそうにして「もとは僕が邪魔したことにあります。でも
「ぼくが、邪魔を」
「きみが気にすることではない。必ず学園には帰すから心配しないで」
伊はそこでキッと顔を上げて、低く言う。
「僕がいま不安げに見えるのでしたら、それはあなたの傷が深刻だからです。医務室に来ても包帯の下を見せないようにしていたこと、いくら鈍い僕だって気づいてますよ。こんなひよっこに触られるのもお嫌でしょう。それでも、いまは一刻の猶予もない。傷を見せてください」
と身を乗り出して雑の腕を掴む。
「ぼくが、邪魔を」
「きみが気にすることではない。必ず学園には帰すから心配しないで」
伊はそこでキッと顔を上げて、低く言う。
「僕がいま不安げに見えるのでしたら、それはあなたの傷が深刻だからです。医務室に来ても包帯の下を見せないようにしていたこと、いくら鈍い僕だって気づいてますよ。こんなひよっこに触られるのもお嫌でしょう。それでも、いまは一刻の猶予もない。傷を見せてください」
と身を乗り出して雑の腕を掴む。
とすると、学園時にふたりでそういう窮地にはあっていてほしい。
とすると、学園時にふたりでそういう窮地にはあっていてほしい。
雑はあんなことされてここに乗り込んでくる伊にあらためて興味が沸いたし、伊は伊で雑の知らない一面が見えてきてどうしてもそれを知りたくて乗り込んできた。ふたりともずれてて、まだ好意を自覚できてないころ。
雑はあんなことされてここに乗り込んでくる伊にあらためて興味が沸いたし、伊は伊で雑の知らない一面が見えてきてどうしてもそれを知りたくて乗り込んできた。ふたりともずれてて、まだ好意を自覚できてないころ。
流石にもう医務室には行けないなあと馬鹿なことしたかな、とぼんやりしてた雑のところに駆け込んでくる部下。領内の不法侵入者とやらで連れてこられたのは伊でひどくご立腹。話を聞くためふたりになったところで伊がガチで切り込んできて、おやと面白がっていると「たしかに!僕は!軽率でしたが!……何もあんなことしなくたって」「……」
「それで医務室に来られなくなるくらい罪悪感に苦しんでいるんでしょう」
「……」
「僕の軽率と雑さんの傍若無人っぷりで手打ちにしませんか」
「……悪いと思ってないけど」
「じゃあ僕もそうです」
流石にもう医務室には行けないなあと馬鹿なことしたかな、とぼんやりしてた雑のところに駆け込んでくる部下。領内の不法侵入者とやらで連れてこられたのは伊でひどくご立腹。話を聞くためふたりになったところで伊がガチで切り込んできて、おやと面白がっていると「たしかに!僕は!軽率でしたが!……何もあんなことしなくたって」「……」
「それで医務室に来られなくなるくらい罪悪感に苦しんでいるんでしょう」
「……」
「僕の軽率と雑さんの傍若無人っぷりで手打ちにしませんか」
「……悪いと思ってないけど」
「じゃあ僕もそうです」
雑は伊にバレてもいいやの気持ち。伊はあの姿が雑だとどうしても思えなくて突撃してたずねるんですけどはぐらかされてしまう。
そして偶然また同じようなことがあって、伊が学ばずに、というより雑さんかどうかを知りたくて裏路地に飛び込む。さすがに痛い目見せてやろうと雑はそのまま伊を空家に連れ込んで目隠して手ひどく抱き潰す。触れる包帯の巻目と体の大きさで伊も雑だと確信して何度も雑の名前を呼ぶけれど返事もないまま何度も果ててぐったりした最後に、謝るようなやさしい口吸い。今度もやっぱり目を覚ますと身綺麗になって学園側に寝かされてて
雑は伊にバレてもいいやの気持ち。伊はあの姿が雑だとどうしても思えなくて突撃してたずねるんですけどはぐらかされてしまう。
そして偶然また同じようなことがあって、伊が学ばずに、というより雑さんかどうかを知りたくて裏路地に飛び込む。さすがに痛い目見せてやろうと雑はそのまま伊を空家に連れ込んで目隠して手ひどく抱き潰す。触れる包帯の巻目と体の大きさで伊も雑だと確信して何度も雑の名前を呼ぶけれど返事もないまま何度も果ててぐったりした最後に、謝るようなやさしい口吸い。今度もやっぱり目を覚ますと身綺麗になって学園側に寝かされてて
その翌日、町中では女の死体は話題になっていなかった。どうにもおかしい。しかし夢とも思えない。
その夕方、雑がいつもの感じで医務室に来た。うーんと悩みながら包帯を交換していると、事情を問われた。
「知らないねぇ。それより、あやしい人影に向かっていくんじゃないよ」
「あはは、そうですよね。つい血の匂いがしたので怪我人かと」
ふと頬に当てていた手を伸ばすと、雑は伊の髪を払ってうなじに触れた。
「痛い目みたんだから学びなさいね」
と冗談めかして説教くさい。しかし伊は違和感を覚える。揉み合ったことは言ったがそれだけだ。ましてうなじだとは一言も言ってない。
その翌日、町中では女の死体は話題になっていなかった。どうにもおかしい。しかし夢とも思えない。
その夕方、雑がいつもの感じで医務室に来た。うーんと悩みながら包帯を交換していると、事情を問われた。
「知らないねぇ。それより、あやしい人影に向かっていくんじゃないよ」
「あはは、そうですよね。つい血の匂いがしたので怪我人かと」
ふと頬に当てていた手を伸ばすと、雑は伊の髪を払ってうなじに触れた。
「痛い目みたんだから学びなさいね」
と冗談めかして説教くさい。しかし伊は違和感を覚える。揉み合ったことは言ったがそれだけだ。ましてうなじだとは一言も言ってない。
「死にたいのか?」
くちびるを肌に当てたまま、雑は吐き捨てるような低い声で言う。
伊は殺気で全身を総毛立たせ、なんとか逃げようともがくもびくともせず、首筋を撫でた棒手裏剣の無機質な冷たさで覚悟したところで、ふっと意識が途絶えた。
「死にたいのか?」
くちびるを肌に当てたまま、雑は吐き捨てるような低い声で言う。
伊は殺気で全身を総毛立たせ、なんとか逃げようともがくもびくともせず、首筋を撫でた棒手裏剣の無機質な冷たさで覚悟したところで、ふっと意識が途絶えた。