糸田屯
itodatoon.bsky.social
糸田屯
@itodatoon.bsky.social
▼ライター/ディガー
【監修書籍】『海外ゲーム音楽ガイドブック』『ゲーム音楽家インタヴュー集』
【執筆参加書籍】『ゲーム音楽ディスクガイド』『新蒸気波要点ガイド』『ニューエイジ・ミュージック・ディスクガイド』『ハヤカワ文庫JA総解説1500』
【ブログ】https://camelletgo.blogspot.com/
フェリックス・フランシスの新・競馬シリーズ『虎口(Crisis)』。半年前に出た『覚悟(Refusal)』は原著2013年発表、本作は原著2018年発表。危機管理コンサルタント会社の門戸を叩く引きのある導入部といい、調教師一家の殺伐とした諍いを軸にしたフーダニットといい、満足度が高い。

献辞にあるランボーン調教師協会会長のメリック・フランシス(Merrick Francis)もディック・フランシスの実子で、調教師を経て1992年より競走馬輸送会社Lambourn Racehorse Transport(1930年創業)の長を務める。
lambourn.info/our-history/...
November 15, 2025 at 1:43 PM
JOURNEYのデビュー作『Journey(宇宙への旅立ち)』(1975)、久々の日本盤再発。どれくらい久々かというと2006年以来なのでなんと19年ぶり。のっけから濃厚なバンドサウンドをカマす「Of a Lifetime」といい、静と動のジャズロックインスト「Kohoutek」のただならなさといい、ニール・ショーン、エインズレー・ダンバーらメンバーのスキルが爆裂するコワモテなアルバム。
www.sonymusic.co.jp/artist/Journ...
November 12, 2025 at 11:12 AM
今年7月に発売されたラロ・シフリンの初期作品集。

『Rendez Vous Dansant A Copacabana』(1955)
『Spectrum』(1957)
『Piano español』(1959)
『Lalo = Brilliance』(1962)
『Bossa Nova, New Brasilian Jazz』(1962)
『Piano, Strings and Bossa Nova』(1962)

上記6作をCD3枚組に収録した貴重アイテム。『Rendez Vous Dansant A Copacabana』『Spectrum』全曲のCD収録はもしかすると初かも。
October 27, 2025 at 10:35 AM
今年6月に93歳で世を去ったラロ・シフリンの16枚組CD-BOX(2024年11月発売)を買った。横長のアートブック型パッケージで、生前に発売された企画盤では間違いなく最大規模のアイテム。ラロ・シフリンよ永遠なれ。

スパイ大作戦(ミッション:インポッシブル)、ダーティーハリー、燃えよドラゴンなど数多の著名作を手がけた映画音楽の巨匠のイメージが強いのだけど、ジミー・スミス、スタン・ゲッツなどのアレンジを手がけ、ディジー・ガレスピーに見いだされて彼の楽団に身を置いた敏腕ジャズミュージシャンであり、ジャンルや国を横断するフレキシブルな現代音楽家でもあり、多岐にわたる活動は知れば知るほど圧倒される。
September 25, 2025 at 9:49 AM
糸田屯連載コラム「ミステリ・ディスク道を往く」の第1回掲載もミステリマガジン2018年7月号でした。今年で連載7年目です。

発売中の2025年10月号では第40回「今と昔、バンドに捧ぐアンソロジー」が掲載。ロックバンドや楽曲タイトルに着想を得たアンソロジー『夜の夢こそまこと 人間椅子小説集』『小説集 筋肉少女帯小説化計画』『ラヴ・マイナス・ゼロ』にフォーカスし、人間椅子、筋肉少女帯、甲斐バンドについて書いています。
www.hayakawa-online.co.jp/shop/g/g0000...
August 25, 2025 at 1:36 PM
ピーター・ヘンリックを中心とするカナダのフレキシブル音楽集団 Terriblethingの3年ぶりのアルバム『More of the Different』。4ピースのバンド編成で初期の楽曲をリ・レコーディングした内容。2014年にヌルっと「出現」して以来、新譜が出るたびにチェックすること10余年、一周して戻ってきたような感慨をおぼえる。ブリティッシュポップのサイケ感をクリーミーに昇華したストレンジポップ。
terriblething.bandcamp.com/album/more-o...
June 9, 2025 at 1:27 PM
「パラレルワールドのリズムゲームRPGのサントラ」と形容されたデビューアルバム『COCOJOEY'S WORLD』(2022)で高濃度の存在感を示したシカゴの俊英COCOJOEYの第2作『STARS』が6月20日に出る。個人的に上半期ベストアルバム最有力候補。
cocojoey.bandcamp.com/album/stars

デジタルフュージョンとサイバーグラインドで切り刻みまくる仮想サントラ的甘辛ハイパーポップが素敵極まりなく、Fire-Toolzが好きなら間違いなくマスト。というかFire-Toolzその人であるAngel Marcloidがマスタリングを担当し、ギターで客演している。
June 8, 2025 at 2:32 PM
90年代のCGアートジャケからしか得られない栄養がある。だいたい5年スパンでコンスタントにアルバムをリリースしているベルギーのダッシャン・ペトロッシ率いるメロディック・メタル・バンドMAGIC KINGDOMのデビューアルバム『The Arrival』(1999)もそう。アヴァロンから日本盤が出るようになるのは2nd『Metallic Tragedy』(2004)からなので、本作は日本未紹介。当時のヴォーカルは、後にFAIRYLANDに加入するマックス・ルクレ。
open.spotify.com/intl-ja/albu...
June 6, 2025 at 3:06 PM
ドイツの職人的重鎮、EVERONの16年ぶりのアルバム『Shells』のCD盤がようやく届く(何らかの事情で遅れていたようだ)。往年のジャーマン・シンフォニック・ロックの精神性の継承者。じっくり練られた滋味とロマンティシズムあふれる楽曲はもはや余人の及ばぬ領域にあり、聴くほどに味が出る。

オリジナルメンバーのクリスティアン・モースがアルバムの完成を見る前に亡くなったのは無念だが、冒頭曲「No Embrace」は長らくの空白を吹き飛ばす快作。ラストは『Flesh』(2002)の表題曲のリメイク。オリジナルを凌駕する泣きとスケール感を得て、今のEVERONの真骨頂をこの大曲でも存分に示している。
June 5, 2025 at 1:25 PM
別冊ele-king
『渡辺信一郎のめくるめく世界』
(2025年5月28日発売)
www.ele-king.net/books/011766/

少しお手伝いしました。渡辺監督のロング・インタヴューはもちろんのこと、氏が選ぶ「オールタイムベスト100アルバム」も掲載。ピースがガシガシとハマっていく刺激的内容です。
June 1, 2025 at 1:35 AM
ペンネームに糞を用いるという話をするうえでやや性質が違うかもしれないが、頭に浮かぶのが「糞先生」。安倍吉俊作品読者ならばブリ......もといピンとくるだろう。『NieA_7』の原案を手がけたgK【ジェロニモ本郷と糞先生】のKである。糞先生は単独の人物ではないらしいが。
www.nbcuni.co.jp/rondorobe/an...
May 29, 2025 at 9:50 AM
FIGHTのアルバムはソニー・ミュージックから日本盤が発売されたが、TWOの日本盤はインディーズレーベルからの発売だった。

発売・販売元は映像制作プロダクションで知られるデジタル・メディア・ラボだったというのがなかなか興味深い。同社は1996年から1998年にかけてDML Music Entertainmentとして音楽ソフト販売も行っていて、エイジアのアンソロジーやグラム・メタルバンドSTEELHEARTのアルバムも扱っていた。

1998年2月25日に日本先行発売された『Voyeurs』はDMLレーベル最末期のカタログだった。その後、海外でも日本でも再発されていない。
May 28, 2025 at 2:07 PM
これまで食指が伸びなかったTWO(2WO)『Voyeurs』(1998)を最近ようやく聴いたところ、今の自分の好みに非常にフィットした。ロブ・ハルフォードがPANTERAに接近して結実したのがFIGHTなら、トレント・レズナーに接近して結実したのがTWO。作曲面でも関わったジョン・ローリーは、このあとマリリン・マンソンでの活動で躍進するジョン5(近年Mötley Crüeのメンバーになった)

ヘヴィなのはもちろんながら、艶っぽいうねりが肝ではないかと思う。蕎麦屋の美味しいカレーうどん的な味わいで好い(結局このあとロブ・ハルフォードはHALFORDとして本来の蕎麦での勝負に戻るわけだけど)
May 28, 2025 at 1:50 PM
メカニーク
デストラクティヴ
コマンドウ
トゥーザムターク
ズーンヴォルウンザイ
(狂歌)
May 27, 2025 at 1:53 PM
The Damned過渡期の楽曲「History of the World(Part.1)」のプロデュースを手がけたのはハンス・ジマーで、ダムドの『The Black Album』(1980)のレコードB面の盤面には「Overproduced by Hans Zimmer」のクレジットがある。
www.discogs.com/ja/release/5...
May 26, 2025 at 10:55 AM
【お知らせ】
5月23日発売のミステリマガジン2025年7月号に、糸田屯連載コラム第39回「下積み時代のハンス・ジマー」が掲載されています。
www.hayakawa-online.co.jp/shop/g/g0000...

映画音楽家としてビッグネームになる前、スタジオミュージシャン時代のハンス・ジマーについて主に書いています。
May 26, 2025 at 10:46 AM
Kermit Unpigged
She Drives Me Crazy
Daydream(feat. Vince Gill)
On Broadway(feat. George Benson)
All I Have to Do is Dream(feat. Linda Ronstadt)
Born to Be Wild(feat. Ozzy Osbourne)
Mr. Spaceman(feat. Jimmy Buffett)
Bein' Green(feat. Don Henley)
Wild Thing
Can't Get Along Without You
All Together Now
May 25, 2025 at 12:44 PM
ジャケ買い。ジム・ヘンソンが創造したカエルのマペット、カーミット(現在の権利元はディズニー)のソングアルバム『Kermit Unpigged』(1994)。ジャケットはエリック・クラプトン『Unplugged』のパロディ。マペッツがヴィンス・ギル、ジョージ・ベンソン、リンダ・ロンシュタット、オジー・オズボーン、ジミー・バフェット、ドン・ヘンリーと共演したゴージャスな企画盤で、同年に解散したJim Henson Recordsの最後のリリース作品だったようだ。
May 25, 2025 at 12:39 PM
『サイケガンダム ~逆襲のフォウ~』の全編曲は「イケダNT研究所」。「Z・刻をこえて」「水の星へ愛をこめて」「アニメじゃない」「サイレント・ヴォイス」は鮎川麻弥、森口博子、新井正人、ひろえ純のヴォーカルを新録し、「翔べ!ガンダム」「永遠にアムロ」は故・池田鴻氏にかわり池田貴族ヴォーカルで収録。同年末に世を去った池田氏の最晩年の歌唱ともなった。
May 24, 2025 at 12:30 PM
テイチク発売の『Reverberation in GUNDAM』(前ポスト参照)の1週間後にキングレコードから発売された『サイケガンダム ~逆襲のフォウ~』(1999)。池田貴族プロデュースによるサイケデリック・ダンス系アレンジアルバム。『Reverberation in GUNDAM』がシャアをメインに据えた企画盤なら、こちらはフォウをメインに据えた企画盤。一部楽曲にフォウ(島津冴子)のボイスが入る。北爪宏幸氏による描き下ろし3面ジャケット仕様。極彩色でとにかく目立つ。
May 24, 2025 at 12:25 PM
『Reverberation in GUNDAM』の主な編曲を手がけたTong Hoo(東風)は井上大輔氏とLA拠点プロデューサー西込乗二氏のユニット。レコーディングにはアース・ウインド&ファイアーのラリー・ダンや、ロッド・スチュワート・バンドなどのフィル・チェン、チック・コリア・エレクトリック・バンドのエリック・マリエンサルの名前もある。個人的にはケニー・マリーデスがギターで参加していて驚いた。

「マチルダ 伝言」はピンク・フロイド『The Wall』(思えば1979年作なのでガンダムと同年)のような雰囲気もそこはかとなく感じさせるロッカバラードで、アルバムの真のハイライトかもしれない。
May 21, 2025 at 3:17 PM
『Reverberation in GUNDAM』は完全新曲「プロローグ 歴史から」「シャア ロンリーソルジャー」「セイラ ネイキッドナイフ」「マチルダ 伝言」「アムロ リフレイン」「ララァのテーマ」と、「めぐりあい」「哀 戦士」「風にひとりで」のリメイク(※「ビギニング」はなし)の全9曲。池田秀一と戸田恵子の新録ナレーションも入る。

「ビギニング」はコンセプト的にあえて外したのだろうと自分は考える(原曲がモロにキング・クリムゾン「ルパート王子のめざめ」なので外した可能性も考えられなくもないが)。井上氏は2000年に世を去ったため、オリジナルアルバムとしてみるならば本盤が最後の作品となる。
May 21, 2025 at 3:08 PM
1999年の機動戦士ガンダム20周年の際に、キングレコード(スターチャイルド)ではなくテイチクからシリアルナンバー入り限定版で発売された『Reverberation in GUNDAM』。

井上大輔(音楽)と井荻麟(作詞)が再びタッグを組んでリメイク&完全新曲に取り組んだ入魂作で、20年目にして放たれた、ファーストガンダム最初で最後のキャラクターソングアルバムである。

井上氏は「かつて、僕等がファーストガンダムに抱いたイメージを、プログレッシブ・ロックで再構築してみたかった」と述べ、シャアをアルバムの主人公に据えた。元ブルー・コメッツの井上忠夫が赤い彗星のシャアに向き合ったわけである。
May 21, 2025 at 3:00 PM
前ポストに貼ったジャギュレイターの画像はジャギってない海外再発盤のものであった。手元にあるジャギってる盤(ゼロ・コーポレーション日本盤)と見比べるとその差は歴然である。
May 19, 2025 at 3:05 PM
ディック・フランシスが1988年11月の第8回ジャパンカップの観戦も兼ねて来日した際のインタビューが掲載されているのが優駿1989年1月号。石川喬司氏の連載「馬家先生のパカパカ問答」第47回のゲスト。

日本の馬ではどの馬がよく見えたかという質問に、タマモクロス、オグリキャップ、「ひじょうに美しくて魅力的な栗毛」(=ゴールドシチー)を挙げたエピソードの原典。
May 19, 2025 at 2:15 PM