ベンジャミン・クリッツァー
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ベンジャミン・クリッツァー
@benjaminkrtizer.bsky.social
哲学者・書評家/会社員(記者・編集者)

読んでいる本、街と自然の写真、ときたま映画やテレビの感想なんかを呟いていきます。

著書:『モヤモヤする正義:感情と理性の公共哲学』(2024/9/25 発売しました!)
https://x.gd/BvKrY

『21世紀の道徳:学問、功利主義、ジェンダー、幸福を考える 』(現在4刷)
https://x.gd/veSGl

連絡先:[email protected]
デカルトとショーペンハウアー、あんな思想してるくせに犬を溺愛していたというのは意外ですね。
November 3, 2025 at 9:07 AM
「ショーペンハウアーのプードル」や「カントの象」など、その哲学者のイメージと合わないエピソードはやっぱり印象的。
一方、「デリダの猫」や「レヴィナスの犬」などは有名な議論だけあってしっかり考えさせられる内容です。

「アウグスティヌスの孔雀」や「ヒルデガルトの鯨」など、昔の人らしい頓珍漢な動物論もコラムとして読む分には面白みがあります。

あと面白かったのは「パスカルのコナダニ」、「ルソーのオランウータン」、「エラスムスのスカラベ」、「キルケゴールの二枚貝」、「ハイデガーの蜜蜂」。

デカルトとモンテーニュ、そしてユクスキュルの環世界論は各コラムを通じてよく登場してきて、さすがの存在感でした。
November 3, 2025 at 9:07 AM
ただまあ、訳者あとがきでも開設されているような自由主義・民主主義(そして個人主義や人権)を支持する立場からの批判的な解説、という「筋」は、さすがに見ることはできました。

ハーバーマスによるシュミット批判が紹介されているくだりも、なんとか理解できることがでたような(そうでもないような…)。残念ながら英語圏ではシュミットの入門書はほとんど出ていないようなので、まあそのうち中公新書の方の入門書を読むことにいたします。
November 3, 2025 at 8:52 AM
コスモスとニコタマ
November 2, 2025 at 10:18 AM
文化の日らしい薬師池公園
November 2, 2025 at 10:17 AM
November 2, 2025 at 10:16 AM
…そしてそのことはさらに分断を深める結果に終わる。このような状況において、私たちはなお意味のある形で正義を語ることができるだろうか。それが可能だとすれば、それはどのようにしてだろうか。本サテライトイベントでは、正義にまつわる現代の困難な状況に抗して、公共的な正義について考察し提言をしてきた二人の論者、朱喜哲氏とベンジャミン・クリッツァー氏を招いて、この問題について議論したい。
November 2, 2025 at 1:32 AM
「とはいえ、これはあくまで"アメリカ人"にとっての象徴的物語であり、"現代人"全般にとっての象徴的物語にされたらたまったものではない。アメリカ人はまず自分と他人を比較することをやめるべきだし、デカい家や大量の家具を買うこと以外にも金の使い道があることを知るべきだし、ストア派の哲学とか仏教の人生観とか中庸の理念を学んで幸福というものは外的要因だけに左右されるものではなく考え方とか気の持ちよう次第であることを知るべきだ。」

『ローズ家』の主人公夫婦はイギリス人だったので、上記の「アメリカ人」を「欧米人」に修正。

5年前の上記とまったく同じように、今回も「仏教やストア哲学を学べよ」と思った。
November 2, 2025 at 1:29 AM
セラピーでお互いの好きなところを挙げる(挙げない)描写は『マリッジ・ストーリー』を、また妻が料理人という設定などからは『We Live In Time この時を生きて』を連想するけど、成功へのこだわりや欲求過多が夫婦を滅ぼしたり子供の存在感のなさ、なにしろ登場人物への共感のできなさなど、自分がもっとも強く思い出したのは『レボリューショナリー・ロード:燃え尽きるまで』。

theeigadiary.hatenablog.com/entry/2020/0...
『レボリューショナリー・ロード:燃え尽きるまで』 - THE★映画日記
レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで (字幕版) 発売日: 2013/11/26 メディア: Prime Video サム・メンデス監督の作品は『007』シリーズ二作や『1917』*1は観ているが、それ以前の作品を見るのは、実はこれが初めてだ。 話の内容としては、不満や焦りを抱えた夫婦がすれ違って喧嘩して破局しそうになって……という本来なら地味なもの。 しかし、レオナルド・ディカプリオとケ...
theeigadiary.hatenablog.com
November 2, 2025 at 1:27 AM
ただあまりにいきなり「知の仕組みはこういうものだ」という主題が文脈や前置き無きに提示されて直球で議論が始まるので、最初からこれのトピックについて哲学的な興味を抱いている私にとってはおさらいという感じで有意義に読めたけど、意義や面白みを見いだすことができず戸惑う読者が多くてレビューが悪くなってしまうのは仕方がないところもあるな…とは思いました。
November 2, 2025 at 1:02 AM
北見→喜多見
October 29, 2025 at 5:25 AM
中国のメリトクラシーと比較する文脈で「ウクライナの例を挙げれば、いまの政治階級が利己的であると軽蔑されるあまり、連続テレビドラマで成功した大統領を演じたという取り柄しかない人物〔ウォロディミル・ゼレンスキー〕を民衆が大統領に選ぶような制度が、なぜ正当化されるのだろうか」(p.168)。

原著は2021年だとはいえ上記の著者の見る目のなさや迂闊さを示しているようで、中国に対する甘い評価も含めて、本自体の評価をだいぶマイナスさせてしまうものだと思う。

やっぱ歴史研究や「文脈」だけじゃだめで、「理論」に基づきながら普遍性・客観性を持とうと努めることもポカをやらかさないためには大切だなと思いました
October 29, 2025 at 5:24 AM
ただし、終章では「現在によって過去を裁くのは、つねに悪しきアイディアである」(p.181)と口酸っぱく議論されるように、歴史・文脈を重視するタイプの思想史研究家として、過去の思想家の欠点(差別意識など)をあげつらって「読まなくていい」とするタイプの議論には懐疑的で、帝国などの過去に合った制度・状況についても全否定するのではなくあくまで歴史的な目線で検討することを促している。

だが、現在の中国の政治システムを、西洋のシステムを相対化する文脈だとはいえ、「メリクトラシーが機能している」などととして好意的に評価するくだりは危なっかしいと思った。人権侵害に関しても言い訳的にしか触れていないし…
October 29, 2025 at 5:15 AM