「献血してみようと思う」そう言った藤丸を、転生者は止めなかった。自分は今回はやめとくよ、なんて嘯いて藤丸を送り出した。献血車の中に消えていく背中を見送って。
「またな。親友」
そう言って見送った。
次に藤丸と会った時、自分がどのような目に遭うかも知らずに。
「献血してみようと思う」そう言った藤丸を、転生者は止めなかった。自分は今回はやめとくよ、なんて嘯いて藤丸を送り出した。献血車の中に消えていく背中を見送って。
「またな。親友」
そう言って見送った。
次に藤丸と会った時、自分がどのような目に遭うかも知らずに。
・魔法は使用不可(魔女認定を受けたら殺される)
・聖職者の武器を使って身を守ろう(使い過ぎNG)
・街から出るには領主様の許可証が必要
・許可証を得るには魔女&カラスじゃないことの証明が必要
・聖職者の一番偉い人(教皇)に認めて貰おう
・黒の魔女を味方に付けよう
・教皇は実は魔女(妖精)だぞ。看破しろ
・但し看破した時に黒の魔女のネックレスを持ってないと詰むぞ
******
リリー・ルージュ
魔法が使える20代前半くらいの女性
百合のような香りがする
真っ白なワンピースを着ていて、腰まで長い黒髪
清楚な感じの女性(基本喋らない)
ヴァン
リリアのかつての名前
・魔法は使用不可(魔女認定を受けたら殺される)
・聖職者の武器を使って身を守ろう(使い過ぎNG)
・街から出るには領主様の許可証が必要
・許可証を得るには魔女&カラスじゃないことの証明が必要
・聖職者の一番偉い人(教皇)に認めて貰おう
・黒の魔女を味方に付けよう
・教皇は実は魔女(妖精)だぞ。看破しろ
・但し看破した時に黒の魔女のネックレスを持ってないと詰むぞ
******
リリー・ルージュ
魔法が使える20代前半くらいの女性
百合のような香りがする
真っ白なワンピースを着ていて、腰まで長い黒髪
清楚な感じの女性(基本喋らない)
ヴァン
リリアのかつての名前
⑧聖職者はカラスを殺すために特殊なアイテム(変型鉈と銃)を使うが、これも材料が同じため、使い続けると精神が汚染される
⑨汚染レベルが上がると鐘の音が聞こえるようになる
⑧聖職者はカラスを殺すために特殊なアイテム(変型鉈と銃)を使うが、これも材料が同じため、使い続けると精神が汚染される
⑨汚染レベルが上がると鐘の音が聞こえるようになる
②とある狂人(ザンバク医師)が、魔法士(実は妖精だった)の血を煎じた薬を作り、それを飲むことで壊黒病を治す&掛からなくなることを証明
③薬を作るため、薬の材料()を集め始める
④薬を打った人間の一部が狂人とかし、人を襲い始める
⑤街の住民は狂人化が進むと身体に黒の羽毛が生えることから、彼らをカラスと称した
⑥街の住民が以下の3パターンに別れる
1、狂ったのは材料(魔女)の呪いのせいだ。根絶やしにしようぜ派(自警団)
2、原因は分からないが、とりあえずカラスを殺して安寧を保とうぜ派(聖職者)
3、魔女もカラスも関わるのはごめんだと家の中に閉じこもる派
②とある狂人(ザンバク医師)が、魔法士(実は妖精だった)の血を煎じた薬を作り、それを飲むことで壊黒病を治す&掛からなくなることを証明
③薬を作るため、薬の材料()を集め始める
④薬を打った人間の一部が狂人とかし、人を襲い始める
⑤街の住民は狂人化が進むと身体に黒の羽毛が生えることから、彼らをカラスと称した
⑥街の住民が以下の3パターンに別れる
1、狂ったのは材料(魔女)の呪いのせいだ。根絶やしにしようぜ派(自警団)
2、原因は分からないが、とりあえずカラスを殺して安寧を保とうぜ派(聖職者)
3、魔女もカラスも関わるのはごめんだと家の中に閉じこもる派
ザンバクダムア街。
その場所で、2人はリリーと名乗る黒髪の女性と出会うことになる。
掲示板
監督生
リリーさんという協力者を得ました!
???「リリー…じゃと…?」
数百年止まっていた時が動き出す。
ザンバクダムア街。
その場所で、2人はリリーと名乗る黒髪の女性と出会うことになる。
掲示板
監督生
リリーさんという協力者を得ました!
???「リリー…じゃと…?」
数百年止まっていた時が動き出す。
体を丸太へと括り付けられる。
髪の毛を引っ張られて、無理やり顔を上げさせられた。
投げ付けられた石が顔に当たって、視界の端に垂れた血が映る。
耳障りな鐘の音が鳴り響く。
赤、アカ────赤い色は好きだ。
ヴァンの瞳を思い出すから。
この世界は私に優しくなかった。最初からずっと、痛みと苦しみと絶望ばかりで、幸せなんてほんのちょびっとしかなくて。
でも、──…嗚呼
貴方という優しい妖精に会えて、よかった。
体を丸太へと括り付けられる。
髪の毛を引っ張られて、無理やり顔を上げさせられた。
投げ付けられた石が顔に当たって、視界の端に垂れた血が映る。
耳障りな鐘の音が鳴り響く。
赤、アカ────赤い色は好きだ。
ヴァンの瞳を思い出すから。
この世界は私に優しくなかった。最初からずっと、痛みと苦しみと絶望ばかりで、幸せなんてほんのちょびっとしかなくて。
でも、──…嗚呼
貴方という優しい妖精に会えて、よかった。
「ワシの事はヴァンと呼ぶがいい」
私の足を治療してくれた少年は木の器に入ったスープを手渡しながら、そう言った。
それが私と彼の出会い。
明らかに不審な人物である私を何も聞かず保護し、何も持たない私に知識と居場所を与えてくれたヴァンという妖精との最初の記憶。その後、どんな地獄を味わっても消し去ることなんて出来なかった希望の光。
「ワシの事はヴァンと呼ぶがいい」
私の足を治療してくれた少年は木の器に入ったスープを手渡しながら、そう言った。
それが私と彼の出会い。
明らかに不審な人物である私を何も聞かず保護し、何も持たない私に知識と居場所を与えてくれたヴァンという妖精との最初の記憶。その後、どんな地獄を味わっても消し去ることなんて出来なかった希望の光。
温かかった。
そんな当たり前の事実にまた涙が込み上げる。
「体よりも心の方が弱ってそうじゃの」
よく頑張った。なんて、まるで親が子供を褒めるように優しく言われて、握ってない方の手で頭を撫でられて。耐え切れず泣きじゃくっていたらそのまま抱えられて、気付いたらどこかの家の中にいた。
温かかった。
そんな当たり前の事実にまた涙が込み上げる。
「体よりも心の方が弱ってそうじゃの」
よく頑張った。なんて、まるで親が子供を褒めるように優しく言われて、握ってない方の手で頭を撫でられて。耐え切れず泣きじゃくっていたらそのまま抱えられて、気付いたらどこかの家の中にいた。
唐突に聞こえた声に、思わず顔を上げる。
私の目の前に立っていたのは、綺麗な顔立ちをした少年だった。腰まで伸びた濡れ羽色の髪に、ルビーのような赤い瞳。外国人風な顔立ちをした愛嬌のある少年は、その見目とはギャップのある低い声で続けた。
「裸足で山を降りたのか。傷が膿んでる。そのまま放置してたら壊死するかもしれんな」
手当てをしよう。
そう言って、少年は私の前にしゃがみ込んで手を差し出してくれた。私ははくはくと言葉にならない衝撃を吐き出すように口を開閉して、無意識にその手を握った。
唐突に聞こえた声に、思わず顔を上げる。
私の目の前に立っていたのは、綺麗な顔立ちをした少年だった。腰まで伸びた濡れ羽色の髪に、ルビーのような赤い瞳。外国人風な顔立ちをした愛嬌のある少年は、その見目とはギャップのある低い声で続けた。
「裸足で山を降りたのか。傷が膿んでる。そのまま放置してたら壊死するかもしれんな」
手当てをしよう。
そう言って、少年は私の前にしゃがみ込んで手を差し出してくれた。私ははくはくと言葉にならない衝撃を吐き出すように口を開閉して、無意識にその手を握った。
もうイヤだ。もう無理だ。
もう歩きたくないと地面を見つめていた私は、その上に影が掛かった事に気付かなかった。
「なんじゃお主、ヒトの子か?血の匂いがしたと思うて来てみたら…そなたの血だったか」
「…っ、!」
もうイヤだ。もう無理だ。
もう歩きたくないと地面を見つめていた私は、その上に影が掛かった事に気付かなかった。
「なんじゃお主、ヒトの子か?血の匂いがしたと思うて来てみたら…そなたの血だったか」
「…っ、!」
いたい、痛い、いたい、一ーーもうやだ。
思わずうずくまったその場所で、地面に手を付けた体勢のまま崩れ落ちる。
瞼に熱が込み上げて、雫となって地面に落ちた。
金曜日の夜から、もう2日近く水すら飲めてない。身体中が痛いしキツい。風と葉っぱの擦れる音しか聞こえない空間に気が狂いそうだ。
いたい、痛い、いたい、一ーーもうやだ。
思わずうずくまったその場所で、地面に手を付けた体勢のまま崩れ落ちる。
瞼に熱が込み上げて、雫となって地面に落ちた。
金曜日の夜から、もう2日近く水すら飲めてない。身体中が痛いしキツい。風と葉っぱの擦れる音しか聞こえない空間に気が狂いそうだ。
『ぁ゛、ァあ゛…!』
ちゃんと足元を見ていたはずなのに。鋭い痛みが足に走って、思わず呻くような声が出る。下を見ると赤い染みがじわじわと広がってて、尖った石を踏んでしまったんだと遅れて気づいた。
『ぁ゛、ァあ゛…!』
ちゃんと足元を見ていたはずなのに。鋭い痛みが足に走って、思わず呻くような声が出る。下を見ると赤い染みがじわじわと広がってて、尖った石を踏んでしまったんだと遅れて気づいた。
足元も見えないような暗さの中で歩く勇気はなくて、大きな木の根元に座って膝を抱える。自分のお腹がぎゅるるっと嫌な音を立てて、それを抑え込むように膝に回した腕に力を込めた。
多分体は疲れてたんだと思う。風の音しか聞こえない夜を怖いと感じていたのに、気づいたら朝になっていた。足が痛いけれど、それ以上に体全体が怠い。頭もモヤが掛かったようにぼうっとしてるなと、どこか他人事のように思った
足元も見えないような暗さの中で歩く勇気はなくて、大きな木の根元に座って膝を抱える。自分のお腹がぎゅるるっと嫌な音を立てて、それを抑え込むように膝に回した腕に力を込めた。
多分体は疲れてたんだと思う。風の音しか聞こえない夜を怖いと感じていたのに、気づいたら朝になっていた。足が痛いけれど、それ以上に体全体が怠い。頭もモヤが掛かったようにぼうっとしてるなと、どこか他人事のように思った
怖い。助けてほしい。
誰か…、と音もなく咳いて、それでも足を止めずに歩き続ける。
足の裏が痛い。膝が痛い。腰だって痛い。太ももやふくらはぎは歩きすぎてパンパンに張ってるし、足元を確認するために下ばかり見てたから首も痛い。ひとりぼっちという状況がこんなにも心を疲弊させるなんて知らなかった。ひとり暮らしに慣れているから孤独にも強いなんて思っていたけど、他人でも傍に誰かがいるって大事なことなんだと今更ながらに気づく。
怖い。助けてほしい。
誰か…、と音もなく咳いて、それでも足を止めずに歩き続ける。
足の裏が痛い。膝が痛い。腰だって痛い。太ももやふくらはぎは歩きすぎてパンパンに張ってるし、足元を確認するために下ばかり見てたから首も痛い。ひとりぼっちという状況がこんなにも心を疲弊させるなんて知らなかった。ひとり暮らしに慣れているから孤独にも強いなんて思っていたけど、他人でも傍に誰かがいるって大事なことなんだと今更ながらに気づく。
水も見つからない。人も、なんだったら動物だって見てない。
たまに動物の糞みたいなものがあったからいるはずなのに。途中で赤い実を見つけたからとりあえずもぎ取ってみたものの、似たような見た目の毒持ちの実を自分の世界で見たことがあったから怖くて食べることもできない。
水も見つからない。人も、なんだったら動物だって見てない。
たまに動物の糞みたいなものがあったからいるはずなのに。途中で赤い実を見つけたからとりあえずもぎ取ってみたものの、似たような見た目の毒持ちの実を自分の世界で見たことがあったから怖くて食べることもできない。
こんな、いつどんな化け物や動物に襲われるか分からない山の中で、手持ちのアイテムはパジャマ替わりのスウェットだけ。こんな状況で楽しめる人間はきっと頭のネジが外れている。
幸いにもまだ太陽が昇っている時間のようで、灯りがなくても周りを見渡すことができた。足元に尖った石がないか注意しながらゆっくりとその場で立ち上がる。とりあえず山を降ろうと思った。それが正解か不正解かなんて分からないけれど、このままここにいたって食料なんてないのだからいつかは死んでしまう。水のある場所を探そう。水があれば人は何日か生きられるとどこかで聞いた気がする。
こんな、いつどんな化け物や動物に襲われるか分からない山の中で、手持ちのアイテムはパジャマ替わりのスウェットだけ。こんな状況で楽しめる人間はきっと頭のネジが外れている。
幸いにもまだ太陽が昇っている時間のようで、灯りがなくても周りを見渡すことができた。足元に尖った石がないか注意しながらゆっくりとその場で立ち上がる。とりあえず山を降ろうと思った。それが正解か不正解かなんて分からないけれど、このままここにいたって食料なんてないのだからいつかは死んでしまう。水のある場所を探そう。水があれば人は何日か生きられるとどこかで聞いた気がする。
🍎「わがは!監督生ぐんに死んでほじくねぇ!!」
♥️「オレだってそうだよ!でもさ…、仕方ねーじゃん。アイツは一度だって『ここに残りたい』って言ってくんなかったんだから」
「子分は帰りたいって泣いてたんだゾ!俺様は子分を元の世界に帰すんだゾ!」
「っエース!」
「止まんな監督生っ!お前は元の世界に帰るんだろ!?」
「っ!」
「振り向くな!突っ走れ!そんで………もう迷子になるんじゃねぇぞ!」
🍎「わがは!監督生ぐんに死んでほじくねぇ!!」
♥️「オレだってそうだよ!でもさ…、仕方ねーじゃん。アイツは一度だって『ここに残りたい』って言ってくんなかったんだから」
「子分は帰りたいって泣いてたんだゾ!俺様は子分を元の世界に帰すんだゾ!」
「っエース!」
「止まんな監督生っ!お前は元の世界に帰るんだろ!?」
「っ!」
「振り向くな!突っ走れ!そんで………もう迷子になるんじゃねぇぞ!」
⚔️「家臣として、間違えているならそれを正すのも役目だ」
🐉「何故邪魔をする、リリア。人の子が死ぬことを良しとするのか」
🦇「可愛いからと檻の中に閉じ込めるのは酷じゃよマレウス。あやつは戦いの中に生きる覚悟のある者じゃ。その決意を無為にすることは罷りならん」
⚡️「友に生きて欲しいと願わない者がどこにいる!!」
⚔️「それでも監督生は帰りたいと願った。ひ弱な体だがその心は尊敬に値するほどの戦士だ。その心意気を止めることなど俺には出来ない」
⚔️「家臣として、間違えているならそれを正すのも役目だ」
🐉「何故邪魔をする、リリア。人の子が死ぬことを良しとするのか」
🦇「可愛いからと檻の中に閉じ込めるのは酷じゃよマレウス。あやつは戦いの中に生きる覚悟のある者じゃ。その決意を無為にすることは罷りならん」
⚡️「友に生きて欲しいと願わない者がどこにいる!!」
⚔️「それでも監督生は帰りたいと願った。ひ弱な体だがその心は尊敬に値するほどの戦士だ。その心意気を止めることなど俺には出来ない」
👑「あら、随分と自信家じゃない」
🏹͙「ボーテ!エペルくんの友情は美しいね。でも海で生きる魚が河川では生きれないように、生き物にはそれぞれ生きるべき環境がある。彼の美しさはきっと、元の世界で最も輝くものだとボクは思うよ」
👑「あら、随分と自信家じゃない」
🏹͙「ボーテ!エペルくんの友情は美しいね。でも海で生きる魚が河川では生きれないように、生き物にはそれぞれ生きるべき環境がある。彼の美しさはきっと、元の世界で最も輝くものだとボクは思うよ」
🐍「…その選択肢が本当に監督生の本心なのか?」
💀🔥「魔法も使えなければ、戸籍もない。生きてるだけで無理ゲーな世界に引き止める理由なんて皆無っすわ」
🤖「監督生さんが居なくなるのは寂しいけど、ボクは監督生さんの味方だよ」
🐍「…その選択肢が本当に監督生の本心なのか?」
💀🔥「魔法も使えなければ、戸籍もない。生きてるだけで無理ゲーな世界に引き止める理由なんて皆無っすわ」
🤖「監督生さんが居なくなるのは寂しいけど、ボクは監督生さんの味方だよ」
🐺「監督生はこの世界に来た時傷だらけでした。俺は鏡の向こうの世界が監督生にとっていい世界だとは思えない」
🐆「へぇー?だから引き止めるんスか?とんだ偽善者っすねぇ」
🐬「おやおや、ボクらの前に立ちはだかるんですか?」
🦈「なぁーんで?アズールだってぇ、小エビちゃんのこと気に入ってるっしょ?」
🐙「監督生さんにはお世話になりましたし、元の世界に帰りたいというささやかな願いくらい叶えてあげたいと思うのは当然のことでしょう?」
🐺「監督生はこの世界に来た時傷だらけでした。俺は鏡の向こうの世界が監督生にとっていい世界だとは思えない」
🐆「へぇー?だから引き止めるんスか?とんだ偽善者っすねぇ」
🐬「おやおや、ボクらの前に立ちはだかるんですか?」
🦈「なぁーんで?アズールだってぇ、小エビちゃんのこと気に入ってるっしょ?」
🐙「監督生さんにはお世話になりましたし、元の世界に帰りたいというささやかな願いくらい叶えてあげたいと思うのは当然のことでしょう?」