わんの
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小説を読むのも書くのも好きです。 ※ただいま育児奮闘中のため、読む側の比率多め※ BL→https://alphapolis.co.jp/author/detail/526392351 非BL→http://kakuyomu.jp/users/wnn/works
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どうしてわたしはあの子じゃないの(著:寺地はるな)
一度聞いたら忘れないタイトルの本作。
九州の田舎を舞台に、地元に閉塞感を覚えて逃げ出したい女子と、都会からやってきた女子と、地元になじむ男子の三角関係…と思いきや予想外の方向にこじれて…?という話。
青春物になるのかな?
タイトルから想像する女子間のわだかまりに男子目線やら縁のない移住者の目線も入れているのが秀逸でした。
自分は自分にしかなれない、と理解すること、いい意味で諦めることが大人ってことなのかもしれないなーと

#読了
実家が売りに出される経験をする人生だと思わなかった。生きるっておもろい
金木犀が咲き始めてしまった…秋
春の庭(著:柴崎友香)
初読みの作家さん。ザ・純文学って感じの美しい文章に、四季おりおりの空気を吸っている気分になりました。
存在と不在、変化と不変のお話。宇宙から見たら塗られたペンキくらいうっすい地表に住む私たちの忙しない営みと、それでもその場所に堆積していく何か、みたいな。その中で変わらない庭の美しさが沁みました。

#読了
絶対にこの本屋で一冊は本を買いたいのに、これ!というものに巡り会えないの、なかなかにつらい時間
パッキパキ北京(著:綿矢りさ)
もうタイトルから大優勝の今作。あらすじから想像していた「異文化に飛び込み苦労しながらもなじんでいく」を見事に裏切る、強強お姉さん主人公が最高でした。
「おかえり水平線」という漫画がじんわり好きで、何度でも読み返してしまう。
銭湯を営む家の子のもとに、ある日同学年の異母兄弟がやってきてーーという話なんですが、特別なことは何も起こらないのに、キャラクター1人1人が真っ直ぐ真剣に青春していて、なんかいい。あと周りの大人たちが素敵なところも好きなポイント。銭湯に行きたくなります。
愛に乱暴(著:吉田修一)
吉田先生のお話は毎度毎度吸引力が強すぎる。
夫に浮気されながらもどこか現実として受け止められない主人公が翻弄されながら進んでいく話。日記→本編→日記の章の繰り返しで進んでいくんですが、まずその仕掛けに驚きました。タネが明かされてからも「どうなっちゃうの?!」の勢いで完読。ささやかな希望のある終わり方好きでした。
最後、不倫相手の子が金髪碧眼(=夫の子ではない)なんてオチがあったらスッキリするな〜と思ってしまった私はSNSのインスタント爽快ストーリーに毒されすぎている

#読了
注釈で好きだったの、「バーティミアス」って児童書が紙面の下部に注釈スペースガッツリ取ってあって、すぐに用語が読めるの楽しかった思い出。
たしかたまに注釈芸みたいなのもあって(本文:たいそう丁寧にもてなしてやった※ 注釈:※ボコボコにしてやったってことだ みたいな)作風にも合ってて好きでした 買い直したいな
貸本屋おせん(著:高瀬乃一)
いろいろ話題となっていたので読んでみました。おもしろかった!ただ同じくらい難しかった…!
普段歴史小説を読まないので、そもそも江戸文化に疎い上、書物に関する専門用語が注釈なしで書いてあって「なんとなくこうかな…?」と探り探り読んでました。完全にこちらの知識不足でお恥ずかしい。
それでも匂い立つような情景描写にほんのり江戸を感じられました。しかしこの貸本システム、いくらでも踏み倒しとか持ち逃げできそうだけど、デポジットみたいなことあったのかなあ

#読了
転職の魔王様(著:額賀澪)
だいぶ前にドラマやってたな~…?と手に取りました。社会人お仕事もの。羊と羊飼いの杖、世界最古の職業、シェパードなどの比喩が素敵でした(牧羊犬はボーダーコリーでしょう!とか思ってすみません)

時代的にもちょっと前なうえ、もっと若いときに読んだらまた違ったんだろうけど、こちとら転職〇回の中年なので、ずっと王騎将軍(大沢たかお)みたいな顔で読みました。
たった3回で転職回数が多くて不利…?
大丈夫大丈夫平気平気いけるいける!

全然些末ですが、魔王様の絶妙にまずい店を選んじゃうって特技(?)、自分も同じなのでめちゃ親近感でした。飲食店は口コミに限る…

#読了
令和元年の人生ゲーム(著:麻布競馬場)
ずっと読みたかった本。
まともに就活しなかったダメ学生なうえに社会人になってからもキャリアから遠ざかっているので、正直共感はなかったんですけど、「ありそ〜」って悲喜こもごもがこれでもかと詰め込まれていて、乾いた笑いしかでなかったです。早慶ってリアルこんな感じなんです…?
沼田が最後、あそこまで壊れてしまったのは何故だったんだろう。沼田→ヨシワラの巨大感情をしみじみ考えてしまいました。決してこちらを向かないカリスマに喰らいつき、諦め、諦めることも諦め、その諦念の先にいたのがあの沼田だったのかなあ。いい出汁がでている

#読了
六人の嘘つきな大学生(著:浅倉秋成)
ずっと読みたかった話題作、面白かったです…!10ページに1回どんでん返しがあるんじゃない?ってくらい、状況が目まぐるしく変わるストーリーで、夢中になって読んじゃいました。
 読者の思考を完璧にコントロールする技術がお見事すぎる。
 こんなタイトルなのに爽やかな読後も好みでした。

#読了
怒り(著:吉田修一)
国宝に続いて読みました。おっっっもしろかった〜…久々に徹夜で読み切ってしまった。
ある殺人事件後、犯人に似た3人の男と関わる人々を描いた作品。誰が犯人なのか、その時まわりの人たちはどうなるのか、ドキドキハラハラしながら読みました。怒りっていうよりかは信じることとか祈りみたいなものを描いた話だったような。3つのハンバーグをご飯ごと卵で巻いたハンバーグオムライスみたいな、豪華でずしんと重い作品でした。

#読了
教皇選挙、見ました!すっごいおもしろかった…!
キリスト教にはまったく詳しくないのですが、これがかなり挑戦的な作品ということはにわかでもよく理解でき。最後のどんでん返しが本当に予想外で、主人公と一緒に呆然としました。いやはやすごい。

聖職者といえど所詮人間、すねに傷のない者などいないというセリフが示すとおり、神の御業とは程遠い泥臭い蹴落とし合いが続き、教会といえど結局人のいるところ、奇跡や神秘は程遠い…と思わせておいてからの暗がりをぶち抜くシーンが最高。収まってしまえばあれもこれも、すべては神の思し召しの通りだった…という感覚になる、すばらしいお話でした。
夢の守り人(著:上橋菜穂子)
守り人熱が高まって再読。えっバルサとタンダこんなに初期からこんなに愛、オープンだったっけ…?(少女マンガ脳)と動揺するくらいなんというか、ラブロマンスでした。
眉一つ動かさず相手を倒せるバルサが「タンダをやるくらいならしぬ」って即断するの、これ以上ない愛の言葉すぎて、中高時代に恋愛できなかったの10%くらいこういう愛の形を知ってしまったせいな気がする。
芥川賞も直木賞も該当作なし、びっくりしたけど過去にもあったんですね。
突出した作がないということはどれを読んでも素晴らしいということ!
ということで、心置きなく個人的に気になったやつを買います
私、本なんて無理して読むものでもなくて、別に興味なければ読まなくたっていいんじゃない?派だったんですが、
昨今の他者排斥の気風を目の当たりにすると、やっぱり小さいころからある程度物語を読んでおくべきかもな…とも思ったり
風と行く者(著:上橋菜穂子)

「思いは血に流れてるわけじゃなくて、生きてきた日々のあれこれに宿っているものなんでしょう。」

久しぶりに再読しました。何歳になっても一行目からバルサの世界に引き込まれるの心地よすぎて、現世に戻って来れないかと。
最強の女武人バルサが、まだ未熟な槍使いだったころに護衛した楽団。そのときに遭遇した不可解な事件に、二十年ぶりに巻き込まれていく。
読んだのがだいぶ前ですっかり内容忘れてたんですが、ふたつの氏族の分断と融和の話、この時期に読むべき本だったな…と本に呼ばれたような不思議な気分に。冒頭のバルサのセリフ、分断の時代にとても刺さる。

#読了
→それにしても、吉田先生の著作初読みだったんですけど、たった二三行で、それこそ匂い立つようにその場面を描写する力が国宝すぎて、毎ページマーカー引きたかったです。ほんとにすごい。ほかの作品もも読みます。

#読了
国宝(著:吉田修一)
映画を見て衝撃を受け、原作を読みました。個人的には、歌舞伎の知識がほぼゼロだったので、映画→原作の順番が大正解。たぶん五割くらいしか理解できてないと思うんですが、それでも情景を思い浮かべる助けになりました。
映画は、ほとんど狂気に近い絵作りの美しさに圧倒されたんですが、原作は原作で、喜久雄の業の深さと、それを育て、支え、羨み、崇める人間たちの生き様が鮮烈で素晴らしかったです。あと終わり方全然ちがう…!ってびっくり。どちらも好きでしたが、喜久雄が神になって芸の世界に溶けていくような原作のラストめちゃ好きでした。
確かに最後の叙述トリックは「おお!」となった記憶はある。あれはびっくりした
ババヤガの夜!おめでたい!
最高ハードボイルドかっけー女たちの小説なので全人類読んてほしいし、受賞本当に素晴らしいうれしいです!

ただひとつ…

ミステリー…?
一次元の挿し木(著:松下龍之介)
二百年前の人骨のDNAが妹と一致した、というセンセーショナルな謎に惹かれて拝読。おもしろかったです〜正直タイトルがネタバレすぎてトリックは予想がついてしまったんですが、それ以外の謎が気になってグイグイ読んでしまいました。主人公の掛け合いがウィットに富んでてかっこよかった!映画に詳しいキャラって文化人って感じがして素敵ですよね…