『ブルデュー社会学で読み解く現代文化』自分が何を選択したかを広範囲にシェアできて、その選択がどのような情報を含んでおり、シェアした人をどう見せるかを受け手に考えさせるインターネットの時代に読むと、身動きが取れなくなりそうになって動揺する。特に、支配階級/庶民階級という従来の分け方から現代の食の実践の姿へ見直しを図る「文化的オムニボア論」に基づき「フーディー」という言葉で示す人々のあり方を読み解く「第5章 食の実践・卓越化・正統性」は身近な事象と結びつけて考えられ、非常におもしろいと同時に苦しい。