風座琴文
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BOOTHで小説PDFの販売始めました。
商品は少ないですがじわじわ増えます。
現在は『Icy Blue Moon』第一巻があります。
今年の内に取扱商品もう一冊増えます。
表紙の割にラノベではなかったりしますが、小説の中で特に辺境にある物に興味がある方はよろしくお願いします。
IBM第二巻以降は出せるか分かりませんが、近い内に短編集を追加予定です。
Amazonkindleでも同じ商品を扱うので是非買ってください。
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プレオペテ - BOOTH
オリジナル小説作品を扱います。Icy Blue Moon Ⅰ(¥ 500)
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各政党のやり取りが激化してるっぽいけど小泉さん勝ってたらここまで紛糾しなかったんかな。
読書記録。
昨日だけど立松和平「風土へ」読みました。
東北の田舎からバンコクに旅立った主人公が故郷に思いを馳せながら様々な旅人と交流する話。
ここに描かれている東北は『那須』『日光』が見える辺り福島南部だろうか……にしては描写が寒村すぎるが。
旅行者の国籍は様々だけどみんな何かしらの問題を抱えてる感じがするのは共通している。というかどこにピントを合わせればいいのか迷うような作品だったりする。
しかし一浪してもう一度大学入試にしくじる主人公ってなんというか珍しい気がする。英雄になれなかった主人公はどこに向かうのか、どこにいっても異邦人なんじゃないかという気がする。
読書記録。
梶井基次郎「闇の絵巻」読みました。
「Kの昇天――或はKの溺死」とはまた違うドッペルゲンガーもの。
梶井がドッペルゲンガーをよく書いているという話を見たので一例に挙げられてた本作を読む。
田舎の闇の中で見えるドッペルゲンガーという意味で「Kの昇天」に類似点はあるけど、この作品の語り手は特に問題なく生きている。
自然の描写が多くあまり内心は出てこなかった印象がある。
単にドッペルゲンガーを『見る』だけでは梶井の世界で死は起きないのかも知れない……なんて思った。「Kの昇天」なんてがっつり会話してるわけだし。
読書記録。
芥川龍之介「歯車」読みました。
遺稿となった作品。晩年の芥川の精神的衰弱がドッペルゲンガーという言葉に象徴されてよく表れている。
ここに見える芥川本人の憔悴は末期的であり自殺に至るのもやむなしという感じに見える。と書くと残酷だが。
しかし話としては四迷が言う『牛の涎』式の話であって芥川は文学的に不能になっていてあの末路を選んだのではないか? とすら思う。
いずれにせよ『文学のドッペルゲンガー』を考える上で金字塔になるべき作品。読んでて疲れはするが。
読書記録
立松和平「久高祝女」読んだ。
民俗学的な話と学生運動の話が混在してて分かりづらい作品。舞台は沖縄が米国のものだった頃。
学生運動というのは恐らくこの作者のバックボーンにあるんだろうけど、それとは別に島での信仰がリアルに書かれてる。
なんというか『政治に関心ある人間と生きているだけで満足な人間の温度差』みたいなのが感じられる。
そういうのは別にこの作者独自の問題でもないけれど、しかしこの温度差を徹底的に書いた作品はないものかと思う。
久高祝女の風習そのものはこういう話が好きなので面白く読めました。
維新はどこ見てんの。 >RP
石破さん最後の最後に今必要な事を言ってくれたなという感じ。 >RP
玉木さんは自民との連立も首相もやりたくなさそうなのがな……。
読書記録。
立松和平「紅い海」読んだ。
語り手が何者なのか分からない系の話で海辺で出会った少年と犬についての話だった。
しかし奇妙なのは少年と犬の因縁にかかる部分が少年から語られているわけではなく、語り手の想像かも知れず、神の視点からの挿入かも知れないという所。
ただ語り手が退屈さにあくびしているのでそこで何かあるのかも知れない。
なんにしてもあまり話が膨らむタイプの語りではないかなと思う。
と考えると素直に『祝福こそされていないが婚姻関係自体はある夫婦である』として読むのが一番読解としては整合性が取れる気がする。
というわけで七作品全部読んだ。
個人的に好きなのは「炎」かなという感じがする。あの作品の終わりはすっきりしないけど書かれている思春期の感情は生々しい。
心中をテーマにしている以上死の対極にある生もそれは書く必要があるとは思う。
そこで割合セックスが出てくるのはもうこういう話題の宿命なのだろうか。別作者が生死を扱った作品でも見た展開と言えば見た展開。
ただ普段は強く意識することが少ない『生と死』というテーマに『愛』を加えて考えると一番テーマを表しているのは「遺書」かな。
解説の角田光代氏が「婚姻していない男女かもしれず、女性同士、男性同士ということもあり得る」と書いていること。
婚姻していないというのはあり得る線だが男同士・女同士ということはあり得るのかと再読した時に考えた。
しかしそう考えるのに今一つ無理があるように思う。婚姻の有無も男女の別も明記されていない作品ではあるが時代はパソコンで執筆するのが当たり前になって出会い系サイトなど流行っていた頃。
そこから逆算して二人が恋に落ちた年代を考えると同性同士というのはこの程度の迫害で済んだのかという疑念が残る。
婚姻していないというのは読みとしてありかも知れないがそれで何か読解に影響するかも正直不明(続
読書記録。
三浦しをん『天国旅行』再読完了。
今日は「森の奥」「遺書」と冒頭二作品を読みました。
「森の奥」は自殺しようとして樹海に入った男が生き延びる話。
この話は死というものを考えるのに一つのヒントになるのではないかという気がする。
ただ上手く咀嚼できないのは正体不明の男が出てくる事。こいつが何で、話してることは事実なのかどうかも読んでるだけでは分からない。
主人公に生きる意力を与える鏡のような存在かなと思う。
しかし何故タイトルが「森の奥」なのか。樹海という言葉を使わないのは何かあるのかという気がする。
「遺書」はこの短編集では珍しく『死を避ける話』かも知れない。
ただ気になるのは(続
オールドメディア叩きしてる人はまずニュースの見方を知らない……それ数年前の発現だよ……。
向けるようになる。
このころ作者が何歳なのか知らないけど割と恋愛観はしっかりしていると思う。
「森の奥」「遺書」は前に読んだけどこの二つだとパートナー関係に対する懐疑心が存在している辺りが興味深い。
個人的に短編集全体で「炎」に出てくる若い感情の描き方は珠玉だと思う。