散歩、写真、読書が好きで、大阪、京都、奈良をうろついてます。
高校の陸上部を舞台に、4継(4×100mリレー)でインターハイを目指す女子部員たちの2年間を描く。
個性的な部員たちのキャラ設定が見事で、その個性のぶつかり合いがすさまじくも読み応えある。陸上のトラックという本来は個人競技のはずが、4継はチームで戦うのが魅力だし、このお話の面白さ。チームビルディングの過程はまさしく青春小説そのもの。
陸上競技については全く知識はないが、レースの場面など実際にみているようにわくわくする。
作者は「いい感じの石ころを拾いに」を読んだことがあるが、小説を書いてるとは知らなかった。
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ボーイズバーでバイトする佐野は、料理教室に参加し講師の女性を監視するように指示される。そこは男性限定の料理教室だったが、年齢も見た目も性格もばらばらな、少し変わった受講生ばかりだった。
そんな癖の強い受講生の秘密が順に暴かれていく連作短編。それぞれのキャラクタの特異性と、お話が進むにつれて明らかになっていく事実が、実に面白い。
受講生だけでなく、講師もかなり謎が多い存在に描かれていくが、それも順に解明されていくのがお見事で面白い。
こんな料理教室があるなら、私も通ってみたい。
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読んだのはまだ2作目だけど、この作者はなかなか凝った構成を考える。そのせいか、その設定にうまく乗り切れないと読むのがつらくなる。
冒頭部は小学生の薬物事件、そこで正義感を発揮し探偵力もみせた俳優がのちに国会議員になる。ただ、その国会議員にはなにかと黒いうわさが付きまとう。
その謎を解明しようと有志が集まり協力していくが、その協力の仕方や仕掛けた罠がいかにも現代的。そこが、リアリティがあるのかないのかうまくつかめない。お話自体は、読みながら引きずりまわされる感じ。
読後もすっきりとはしないが、たぶんこれも作者の狙いか。
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初期の少女漫画誌の編集部を描いたクロニクル。お話の中では「週刊デイジー/別冊デイジー」となってるが、どう読んでも 週マ に 別マ。1969~1973年が舞台だが、当時 小学生で中学生で姉のいた私にとっては、とても懐かしい。
当時の編集部は男性社員ばかりというのには驚いたが、時代を考えればそうなのかもと。
主人公に、出版社の社員でも編集部ではなく経理部在籍の新人を置いてる。内部の事情に通じながらも、一人の少女漫画ファンとしての目線で描かれることがお話に入り込みやすくしていると感じた。
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『電球交換士の憂鬱』の加筆・改題 ということを知らずに読みだして、はてこんなお話どこかで読んだな、と思うような迂闊な読者の私。吉田篤弘ファンとは名乗れないかもしれない。
電球交換士という奇妙な職業を持った男が登場するが、この作者の小説に関してはあらすじを書くことにはあまり意味がないように思う。といって、単なる思いつきや一発芸的なものではなくて、よく練られた感じがする。
シリーズ第2弾ということだが、前作の表紙には "f"、今回は "a"。これがどうつながるのかも楽しみ。
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面白くて一気に読んでしまった。冒頭で心つかまれてしまい、結末が知りたくて読まざるを得ない感じ、ずるいというかうまいと思う。
30年以上前の人気刑事ドラマで刑事役をしていた俳優が妻殺しの容疑で逮捕される。人気ドラマ最終シリーズ最終回の直前のことで、その最終回は放送されず幻の最終回となってしまう。
後に裁判で俳優は無罪を勝ち取るが、疑いが完全に晴れたわけではない。そんななか再び事件が起こり、ノンフィクション作家が過去の事件から調べなおすことになる。
癖強の登場人物に少しやられるが、それでも面白かった。
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