がんちゃん
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がんちゃん
@gamchan.bsky.social
大阪府在住のおじさんです。

散歩、写真、読書が好きで、大阪、京都、奈良をうろついてます。
【読んだ本】ジーンとともに(加藤幸子/新潮社)
梨木香歩さんのエッセイで知って読んでみた次第。
著者は芥川賞作家で日本野鳥の会の理事、鳥に関する記述が細かくすごいのだけど、中には鳥の視点で書かれたものがある。本当のところはよくわからないが、鳥はこんなことを考えながら生きてるのかと感心してしまうほど、生き生きと描かれていた。
#読了
#yonda
December 17, 2025 at 9:39 AM
【読んだ本】高宮麻綾の引継書(城戸川りょう/文藝春秋)
気楽に楽しめるお仕事小説。やる気も能力もあるが、処遇としては恵まれない状況の麻綾の奮闘記。けっこうパターン化された人間関係などが読みやすい理由かもしれない。
親会社・子会社の関係がどういうものなのか個人的には実感はないが、世の中にはこういう苦労もあるのか。いろいろあってもお話として、最後はうまく収まるのではという妙な期待感があるのも安心して読める理由。
#読了
#yonda
December 16, 2025 at 9:54 AM
【読んだ本】そして少女は加速する(宮田珠己/幻冬舎)
高校の陸上部を舞台に、4継(4×100mリレー)でインターハイを目指す女子部員たちの2年間を描く。
個性的な部員たちのキャラ設定が見事で、その個性のぶつかり合いがすさまじくも読み応えある。陸上のトラックという本来は個人競技のはずが、4継はチームで戦うのが魅力だし、このお話の面白さ。チームビルディングの過程はまさしく青春小説そのもの。
陸上競技については全く知識はないが、レースの場面など実際にみているようにわくわくする。
作者は「いい感じの石ころを拾いに」を読んだことがあるが、小説を書いてるとは知らなかった。
#読了
#yonda
December 15, 2025 at 10:08 AM
【読んだ本】ナモナキ生活はつづく(寺地はるな/集英社)
小説は結構読んでるつもりだが、エッセイは初めて読む(はず)
描かれてる日常が、いつもの小説の中とは雰囲気がかなり違うので最初は戸惑う。よく考えれば当たり前で、小説はあくまでフィクションなのだと妙なところに納得。
著者の日常生活は、平凡というかよくある家庭生活に思える。勝手な推測としては、結婚して出産と家庭を持った後に作家として活動されたからかと。
ただ、小説家のエッセイに書いてあることは、100%信用してはいけない気もする。
#読了
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December 14, 2025 at 8:22 AM
【読んだ本】スマホ時代の哲学 なぜ不安や退屈をスマホで埋めてしまうのか 【増補改訂版】(谷川嘉浩/ディスカヴァー・トゥエンティワン)
何かあればスマホを手に取ってしまうが、それがどういう影響を与えてきたのか、それによって何が変わってきたのかが、すべては分からないが少しはつかめた気もする。
単に、スマホを使わない時間を持ちましょう、とかいう対策ではなく、あらたな時代のあらたな心構えが必要な気がしてきた。
自分なりの哲学を持つまでにはなかなか至らないが、ネガティブ・ケイパビリティは少し意識していきたい。
#読了
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December 13, 2025 at 8:53 AM
【読んだ本】雨上がりのビーフシチュー(古矢永塔子/新潮社)
ボーイズバーでバイトする佐野は、料理教室に参加し講師の女性を監視するように指示される。そこは男性限定の料理教室だったが、年齢も見た目も性格もばらばらな、少し変わった受講生ばかりだった。
そんな癖の強い受講生の秘密が順に暴かれていく連作短編。それぞれのキャラクタの特異性と、お話が進むにつれて明らかになっていく事実が、実に面白い。
受講生だけでなく、講師もかなり謎が多い存在に描かれていくが、それも順に解明されていくのがお見事で面白い。
こんな料理教室があるなら、私も通ってみたい。
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December 12, 2025 at 9:54 AM
【読んだ本】誘拐劇場(潮谷験/講談社)
読んだのはまだ2作目だけど、この作者はなかなか凝った構成を考える。そのせいか、その設定にうまく乗り切れないと読むのがつらくなる。
冒頭部は小学生の薬物事件、そこで正義感を発揮し探偵力もみせた俳優がのちに国会議員になる。ただ、その国会議員にはなにかと黒いうわさが付きまとう。
その謎を解明しようと有志が集まり協力していくが、その協力の仕方や仕掛けた罠がいかにも現代的。そこが、リアリティがあるのかないのかうまくつかめない。お話自体は、読みながら引きずりまわされる感じ。
読後もすっきりとはしないが、たぶんこれも作者の狙いか。
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December 11, 2025 at 7:56 AM
【読んだ本】うまれたての星(大島真寿美/集英社)
初期の少女漫画誌の編集部を描いたクロニクル。お話の中では「週刊デイジー/別冊デイジー」となってるが、どう読んでも 週マ に 別マ。1969~1973年が舞台だが、当時 小学生で中学生で姉のいた私にとっては、とても懐かしい。
当時の編集部は男性社員ばかりというのには驚いたが、時代を考えればそうなのかもと。
主人公に、出版社の社員でも編集部ではなく経理部在籍の新人を置いてる。内部の事情に通じながらも、一人の少女漫画ファンとしての目線で描かれることがお話に入り込みやすくしていると感じた。
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December 10, 2025 at 10:03 AM
【読んだ本】世界なんて、まだ終わらないというのに(吉田篤弘/春陽堂書店)
『電球交換士の憂鬱』の加筆・改題 ということを知らずに読みだして、はてこんなお話どこかで読んだな、と思うような迂闊な読者の私。吉田篤弘ファンとは名乗れないかもしれない。
電球交換士という奇妙な職業を持った男が登場するが、この作者の小説に関してはあらすじを書くことにはあまり意味がないように思う。といって、単なる思いつきや一発芸的なものではなくて、よく練られた感じがする。
シリーズ第2弾ということだが、前作の表紙には "f"、今回は "a"。これがどうつながるのかも楽しみ。
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December 9, 2025 at 8:49 AM
【読んだ本】今日未明(辻堂ゆめ/徳間書店)
悲惨な事件を題材とした連作短編なのに、不謹慎にも面白いと感じてしまう。フィクションなので安心して楽しめることに改めて感謝。
冒頭に事件のニュースが短く登場、そこには人名は記されない。その後に本編が始まる。読み進めるうちに、お話の内容と冒頭のニュースとの類似性が感じられるが大事なところでの相違がある。これがどうしてあんな事件になるのか。
同じパターンが5回繰り返されるので、読む側としても身構えていくがそれでも驚いてしまう。
題材は深刻な事件だが、読者としては楽しい時間。
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December 8, 2025 at 8:03 AM
【読んだ本】万感のおもい (文春文庫) (万城目学/文藝春秋)
万城目さんの「万」始まりなエッセイ集の何冊目?、文庫化にあたって4篇追加されてる。万城目さんは小説だけにして、エッセイや講演会は止めておこうとなぜか昔思ったけど結局読んでしまう、不思議。
今回は、直木賞受賞までの道のりを描いたのが一番心に残った。そこまで到達してようやく「万感のおもい」なんだなと。
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December 7, 2025 at 8:03 AM
【読んだ本】建築のはじまり 光嶋裕介の旅とスケッチ2007-2024(光嶋裕介/左右社)
恐ろしい本を出すものだと少し驚く。過去に著者が書いてきたスケッチブック6作文のスケッチをすべて掲載し、その多くに文章をつけてる。スケッチを見ると、その時にどこに着目したかが分かってしまう。また、どういう想いで建築や仕事に取り組んできたかもストレートに書かれてる。よっぽど自分に自信があるのか、それともそんなことは超越してるのか。
本の体裁が、使用されたスケッチブックになぞらえ、黒い表紙で角も丸くなってるのにこだわりを感じる。
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December 6, 2025 at 8:20 AM
【読んだ本】彼女たちは楽園で遊ぶ(町田そのこ/中央公論新社)
これまで読んできた作者の作風と少し違うので戸惑う。
九州の田舎町に新興宗教の教団が突然現れる。信者はそこで集団生活を行ってるというが、凜音の親友も高校を退学し入団したという。その直前に些細なことから喧嘩したままになったことが気がかりで、なんとか親友を助け出そうとする。
ホラー要素が出てくるので少し戸惑ったが、新興宗教や地元の古い言い伝えと 高校生のまっすぐな思いという構図自体は、これまでと共通しているのかな、とも思う。
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December 5, 2025 at 7:30 AM
【読んだ本】今を春べと(奥田亜希子/双葉社)
子供と参加したかるた教室で、かるたに出会った希海。
子供はその後興味を失うが、40歳を前にしてから競技かるたに挑戦することにする。
妻として母としての役割をこなし、パートとしても働く希海は、夫とも対立しながら続けていく。
競技かるたの奥深さを素人にも分かるように徐々に書いていくのにいつの間にか引き込まれていく。
大阪の「咲くやこの花館」の名前の謂れを30年以上たってようやく知った、恥ずかしいかぎり。
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December 4, 2025 at 8:04 AM
【読んだ本】さよならの保険金(額賀澪/KADOKAWA)
就活中の麻海は、漁師である父親の船が遭難したとの連絡を受け、最終面接を受けられなくなる。行き場を失った麻海は、叔父の家に転がり込む。
その叔父は保険調査員をしているが、仕事を手伝ってくれと頼まれ麻海も調査に同行することになる。
保険会社から調査依頼を受けて調査を開始するお話の続く連作短編。それぞれに事情がありるが、調査によりその秘密をあからさまにすることにもなる。
保険金詐欺というと不穏なテーマだが、家族のつながりを描いた温かいお話でもある。
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December 2, 2025 at 8:16 AM
【読んだ本】女王さまの休日-マカン・マラン ボヤージュ(古内一絵/中央公論新社)
マカン・マラン シリーズの新作、通算5冊目とのこと。
今回は、シャール、ジャダ、さくらが台湾を訪れる。いつものお店を少し離れて趣向が変わってる。
台湾を舞台に三人が駆け巡るが、個人的にはジャダの活躍シリーズかと感じた。当然、現地の「食」が登場するが、歴史も感じられる。台湾には行ったことないが行ってみたくなる。
日本で留守を守るお話が加えられてるのがバランスとしてとてもいいと感じた。
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December 1, 2025 at 7:55 AM
【読んだ本】シンプルな画づくりの基本 写真で学ぶ美しさをとらえる50のテクニック(アントニー・ザカライアス/ビー・エヌ・エヌ)
写真を撮るのが好きで昔から撮ってるが、構図がワンパターンでつまらなくなることが定期的にある。何か打開の手がかりはないかと読んでみた。
著者はミニマリズムを提唱するが、自分にはなかなかそれができない。うまれついての貧乏性か、つい余計なものを加えたくなる。
読むこと、理解すること、実践すること、が繰り返し行えるかどうか(自答)
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November 29, 2025 at 7:53 AM
【読んだ本】続 遠慮深いうたた寝(小川洋子/河出書房新社)
日常の出来事、創作、観劇、野球、読書、など幅広く取り上げたエッセイ集。
著者の小説は好きで昔から読んでいるが、この本から読み取れるご本人の姿は、かなり印象が違うのが楽しい。
阪神ファンであることは、過去の小説を読んでも読み取れるが、改めて筋金入りのファンだと認識。
赤染晶子に関しては、今年読んだところだったので、ここでも出会い少し驚き。
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November 28, 2025 at 9:43 AM
【読んだ本】降りる人(木野寿彦/KADOKAWA)
人間関係に疲れ仕事を辞めた宮田は、友人に誘われ期間工として工場で働くことにする。友人によれば、期間工とは「人間だとは思われない、ほとんど透明」な仕事とのこと。
生きづらさを抱えながらも、日々を平穏に過ごそうとする宮田。そんな生活を必要以上に淡々と描くところが、読んでいて緊張感が高まる。不思議な感じが楽しめる。
ふと「土曜の夜と日曜の朝」を読み返したくなった。
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November 27, 2025 at 7:51 AM
【読んだ本】このノラ猫、幸せ調査員にて(伊兼源太郎/幻冬舎)
神様が幸せを分配するにあたり、誰に与えるかを調査する猫の物語。
真面目に生きてればいつかはきっと、神様は見ておられる。ということだが、実際はノラ猫の姿をした調査員が調べた結果を神様に報告しているという設定。
連作短編だが、読めば読むほど「しあわせ」が何かという課題にぶちあたる、というかなかなか皮肉のきいた物語。
お話のなかで最も幸せを謳歌してるのは、人間に姿を変えラーメンを食べ昼間からビールを飲む、この調査員としか思えない。
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November 26, 2025 at 9:56 AM
【読んだ本】北は山、南は湖、西は道、東は川(クラスナホルカイ ラースロー/松籟社)
「源氏の孫君」が京阪電車に乗って七条から南に行き、何かを探して彷徨う物語(?)
少なくとも電車が走る時代とは思われるが、登場人物や所作はその昔を想起させ、読んでる側も時代を彷徨ってしまう。
なぜかハンガリーの作家が、京都を舞台に書いた小説で、日本の伝統芸能についても詳しく語られ、自分にはその前提知識のないことが悔しくもある。
作者は、京都に滞在していたことがあるようで、その時のことをもとに書いたとのこと。
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November 25, 2025 at 8:11 AM
【読んだ本】最後のあいさつ(阿津川辰海/光文社)
面白くて一気に読んでしまった。冒頭で心つかまれてしまい、結末が知りたくて読まざるを得ない感じ、ずるいというかうまいと思う。
30年以上前の人気刑事ドラマで刑事役をしていた俳優が妻殺しの容疑で逮捕される。人気ドラマ最終シリーズ最終回の直前のことで、その最終回は放送されず幻の最終回となってしまう。
後に裁判で俳優は無罪を勝ち取るが、疑いが完全に晴れたわけではない。そんななか再び事件が起こり、ノンフィクション作家が過去の事件から調べなおすことになる。
癖強の登場人物に少しやられるが、それでも面白かった。
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#yonda
November 24, 2025 at 10:25 AM
【読んだ本】その〈男らしさ〉はどこからきたの? 広告で読み解く「デキる男」の現在地(小林美香/朝日新聞出版)
過去からのCM、ポスターなどに描かれてる男性像を並べ、どういう「男らしさ」を演出しているのかを紐解いていく。その時その時の時代背景などが現れていることが明確になりとても面白い。タイトルの『そこからきたの』は、そういう時代背景など男性像がそうなる理由を探ってると理解した。最初は、勘違いしている男を批判してるのかと少しビビって読みだした。
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November 22, 2025 at 8:03 AM
【読んだ本】水は動かず芹の中(中島京子/新潮社)
スランプになった作家が旅に出ようと唐津を訪れ陶芸体験をしようとする。道に迷ってしまい違う陶芸家のところにいきつき、そこで不思議な昔話を聞くことになる。
水神と呼ばれる不思議な存在が、秀吉の朝鮮出兵を止めようとするお話。最初は何の話が始まったのかと少し戸惑ったが、そのまま読み進めるうちに惹きこまれていった。
水神という不思議な存在、有名な戦国武将たち、そして焼き物のはなしと妙にお話がつながっていく。読み終わっても理解できたとはいいがたいが、お話の中の世界を楽しむことはできた。
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November 21, 2025 at 9:52 AM
【読んだ本】百日と無限の夜(谷崎由依/集英社)
切迫早産で緊急入院した「わたし」、3か月は入院しないといけないといわれる。そんな入院生活の中で、時代を超え場所を超え幻想的な叙述が繰り広げられる。
男の私には妊娠・出産の苦労はそもそも分からないが、現実と幻想が入り混じるお話に降参。
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#yonda
November 20, 2025 at 7:46 AM