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クラシックと読書の感想を中心に書き連ねていこうと思っています。
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昨日(10/28)のポリタスTVさんへの出演動画から、スライドをいくつか解説付きでご紹介します。

メディアさんからよく「日本で再エネがなかなか進まない理由はなんですか?」と質問されますが、私としては(というより国際認識としては)、「再エネの技術的課題ではなく、人々のマインドセットの問題だ」、とお答えしています。

特に日本で (今年になってから米国でも) マインドセットの歪みは深刻で、多くの日本の方が適切な科学的情報を「知らされていない」状態にあります。これを私は「ふんわり情報統制」と名付けています。再エネがなかなか進まないマインドセットの歪みの理由はスライドのように8つに分類されます。
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ポリタスTVでは、このうち「特称命題と全称命題の混同」について取り上げ、再エネ批判で発生しやすい非科学ナラティブの構造を解説しました。

例えば、日本では湿原に隣接したメガソーラー開発が問題視されていますが、それは特称命題に属します。多くの方はそこから論理飛躍した連想ゲームで、容易に全称命題に飛躍させます。つまり、「あそこのメガソーラーは問題だ」→「日本にはメガソーラーは要らない!」という飛躍です。

このような論理飛躍は、意図的な世論分断を煽る際によく使われる手口で、人々の良心や感情に訴えかけ、それを悪用します。この非論理の「構造」を知っておくと、そのような主張から距離を置くことができます。
札幌市教育文化会館では「教文能」と称して能の公演を行っているが、今日はその初日「熊野」を見に行った。能の一演目を通して見るのは初めてで、勢い関心は音楽の方に向く。オケは笛、小鼓、大鼓各1、合唱というか斉唱はバリトン6人という編成だ。オケの3人は謡いもして地謡同様、状況や心情描写をするといったところか。「熊野」でははじめは控えめだったが、宗盛邸を出て清水寺までの道行きから盛り上がり、熊野の舞いの場面まで活躍するのは明らかに演奏効果を考えている。熊野の謡いに地謡が応えるところは音楽効果として普遍的だなと思った。それにしても笛の鋭い一吹きは会場の空間全体を切り割くような効果があって強烈だった。
以前読んだ本に「人間を最強にするものは何か」という問いがあって答えは「無知」だったが、それと一緒に「無恥」も並べたい。両方セットだろう。
ジョン・ロック「統治二論」は後篇に入って俄然面白くなってきた。所有権の話になり、労働価値説が述べられる。まさかこの本でこの説にお目にかかるとは思わなかった。なるほどアダム・スミスはもう少しの所まで来ているわけだ。日付が変わってしまったが、著者の命日に。
ジョン・ロック「統治二論」ようやく前篇まで読み終えた。ちょうど半分だ。王権神授説論破のために聖書のアダム、ノアやモーゼの件を延々と読み解くものだから読み進めるのが大変だった。後篇に期待したい。
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本日はまたまたグラスゴー大学に行って来ました。5時ダッシュで同大学の礼拝堂で催されるコンサートに。本日はパレストリーナ生誕500年に因んだ演目。パレストリーナのモテトの後に、関連する英国の現代音楽やルネサンス時代の英国音楽などを挟む。この組み合わせがなかなか絶妙。

本日は珍しく合唱団がネイブ(身廊)に陣取り、観客席は祭壇を背にしてチャンセル(内陣)に並べられる。クワイヤストールにも座れるので、私は先週とは反対側の右翼のオルガンが真正面に見える位置に座る。合唱団を左から見ることになるので、残響が左から右手奥の祭壇に流れていくのが「見える」のが快感。本日も一期一会の素晴らしい時空間でした。
札響定期1日目を聞いてきた。今回はデンマーク出身のダウスゴーさん指揮でお国物を中心にした選曲。ダウスゴーさんは2年前のPMFでブルックナーの第9番をSMPC完成版で演奏して大いに注目した人だ。今日あらためて聞いたが音楽の輝かしさや高揚感を見事な手腕で表現して感銘を受けた。一見、地味目の北欧音楽2曲というプログラムだったが終わってみればクールダウンのために座ったままの自分がいた。
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追記。

「差別はアカン」という人権問題で出てくるの基本コンセプトが、資本主義の根幹である市場設計でも出てくるのは多くの日本の方々にとって意外に感じるかもしれません。

というより、「多くの日本の方々にとって意外に感じるかも」と懸念を表明しなければならない状況自体、資本主義の根幹である市場設計の基本コンセプトが日本の人々に知らされていません。

気候変動対策と人権問題は根本で繋がっています。日本 (と米国) において気候変動対策がなかなか進まず、フェイクニュースや非科学ナラティブばかりが流れる理由は、カルト宗教的な強固な意思と言えるほど、人権問題の軽視が根底にあるからかもしれません。
ナボコフが短篇『「かつてアレッポで・・・」』でタイトルからして「オセロ」を引用しているのは、これは単なる引用ではなくこの作品の肝になるんだと宣言していたわけだ。そうとわかっていれば振り回されずにすんだわけで、D.リンチが「マルホランド・ドライブ」で「見たままを信じるな」といった意味がこれでわかったような気がする。医者の目撃談まで持ち出すのはどうかと思うが、そう思うほど凝った作りのすばらしい作品だ。今日のナボコフ短篇読書会「移動祝祭日」は打ちのめされ続けた3時間だったが、それでもナボコフはますます面白くなってきた。これからリベンジしたいが、たぶん返り討ちにあうのだろうな。
昨日は絶対音楽の最高峰ともいえるバッハの「音楽の捧げもの」を実演で初めて聞き、今日はバレエ「シンデレラ」をこれも初めて見るというなかなか得難い経験をした。聖俗併せ呑むというのはこういうことなのだろう(違)
ぶり大根を圧力鍋で作った。今まで作るどころか食べたこともない。面取りとか霜降りもおぼえて、食べてみたら鰤もさることながら大根に味がしみていておいしかった。
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日経新聞さん、昨日(9/28)の朝刊記事ですが…。
www.nikkei.com/article/DGXZ...

書かれている情報は間違ってないのですが、どうにもバランスが悪い記事のようでモヤモヤします。

まず、大前提として資材費高騰などを理由にコスト増になっているのは洋上風力だけではありません。道路も鉄道も火力発電も原子力発電もオリンピックも万博もみなコスト増になっている中で、なぜ洋上風力だけが相次いで「コスト増で中止」になってしまうのかという点を分析しようとしないと、チェリーピッキングになり読者に大きな誤解 (洋上風力のみ狙い撃ちにしたネガティブ印象) を与えかねません。

洋上風力発電、世界で頓挫相次ぐ 「コスト増で中止」今年はや過去2年分超 - 日本経済新聞
世界で洋上風力発電の開発中止が相次いでいる。2025年は8月までに10カ国・地域でコスト増を理由に合計発電容量22ギガ(ギガは10億)ワット規模の入札中止や延期、事業者の撤退が決まった。23〜24年の2年間の合計を超えた。開発コストの高騰は1〜2年続くとの見方もあり「脱炭素の切り札」としての期待は急速にしぼんでいる。欧州の調査会社ライスタッド・エナジーによると、1〜8月に資材費の高騰を主因に頓
www.nikkei.com
ゼルキンで検索をかけていたらこのアルバムを見つけた。バックはセルで、モーツァルトの17番と25番という組み合わせだ。セルのファンを自認しているが、このアルバムの存在を知ったのは初めてだ。私には冷泉家の蔵から源氏物語の新たな写本が見つかったくらいのインパクトがある。さっそく聞いてみた。ゼルキンのピアノが繊細で少し驚く。野暮ったいイメージを覆すようなモーツァルトだった。

classical.music.apple.com/jp/album/126...
ジョージ・セルのMozart: Piano Concerto No. 17 in G Major, K. 453 & Piano Concerto No. 25 in C Major, K. 503 - Apple Music Classical
ジョージ・セルの「Mozart: Piano Concerto No. 17 in G Major, K. 453 & Piano Concerto No. 25 in C Major, K. 503」をお聴きください。1957年。6トラック。1時間2分。
classical.music.apple.com
“Beethoven for Three”と銘打ってカヴァコス、マとアックスによるシリーズ第4弾が出たので聞いてみた。交響曲第1番の編曲と「幽霊」「街の歌」と称される本来のピアノ・トリオ2曲が入っている。このシリーズが始まっていることを知らずにいたので初めて聞く。演奏は本当にすばらしい。溜息が出るというか、あまりのテクニックに呆然とするというか、奏でられる音楽に興奮してしまうというか、ただただ感嘆するだけ。あまりのモダンな演奏に抵抗を感じる人もいるのではないかと余計な心配までしてしまう。
classical.music.apple.com/jp/album/182...
ヨーヨー・マのBeethoven for Three: Symphony No. 1 — Op. 70, No. 1
ヨーヨー・マの「Beethoven for Three: Symphony No. 1 — Op. 70, No. 1
classical.music.apple.com
ホッブズ「リヴァイアサン」をなんとか読み終え、今度はジョン・ロック「統治二論」に挑む。苦行は続く。
圧力鍋で秋刀魚の梅煮を作ってみた。焼くばかりでは能がないし、違った食べ方をしたかったのだが、ちょっと煮すぎた。最初なので良しとし、次回リベンジする。
最近、イブラギモヴァのバッハ無伴奏が話題だ。そういえばこの人のバッハは聞いてなかったと思い1番のソナタとパルティータの2曲を聞いてみた。2008年から2009年にかけての録音だから現在の演奏とは違うのだろうが、基本モダン奏法でありながらかなり柔軟な歌い方をしていて興味が尽きない。この人の演奏もチョイスに入れていこうと思う。

classical.music.apple.com/jp/album/169...
アリーナ・イブラギモヴァのBach: Sonatas & Partitas for Solo Violin, BWV 1001-1006 - Apple Music Classical
アリーナ・イブラギモヴァの「Bach: Sonatas & Partitas for Solo Violin, BWV 1001-1006」をお聴きください。2009年。31トラック。2時間19分。
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最近リリースのファウスト、ベザイデンホウトとゴルツによるバッハのヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ集を聞いた。最初は2,3曲聞くつもりだったのだが、あまりにもすばらしくて最後まで聞いてしまった。一人ひとりの表現力が極めて高く、演奏の熱量もすごいものがあって恐れ入った。
classical.music.apple.com/jp/album/182...
イザベル・ファウストのJ. S. Bach: Sonatas for Violin and Continuo - Apple Music Classical
イザベル・ファウストの「J. S. Bach: Sonatas for Violin and Continuo」をお聴きください。2025年。19トラック。1時間1分。
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昨日の洋上風力の続きの続き。

この発電所は「築20年」です。洋上風力は決して「新しい」「これからの」技術ではなく、世界では既に実用化された技術なのです。そして、🇬🇧は(🇩🇰も🇩🇪も)京都議定書のすぐ後から行動を移しています。

また、洋上風力発電のリードタイム(計画から着工まで)は平均2.6年と、実は陸上風力より短いという実績が既に10年前に公表されています。

それなのに、それから10〜20年遅れの日本でリードタイムが5年もかかるとはどういうこと? 先行者から学んでないの? 後発者利益は何故取らないの? 日本のぐずぐず感は決して再エネの技術的課題でなく政策や制度設計の遅れにあります。

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→風力発電は本来、「電源容量を早く増やしたい」なら最も最適な手段だと国際的には認識されています。

それなのに、本来、専門家であるはずの審議会委員も既に公知の情報を知らず、思いつき・思い込みでテキトーなことを言って政策を大きく歪ませています。メディアもそれを追求してくれません。

このような情報はほとんど日本語にならず、わずかに研究者が細々と手弁当で警告を発するも、ネットやSNSのフェイクニュースの海に飲まれ、多くの人々に届きません。日本はまさに「ふんわり情報統制」の状態にあります。
札響の定期演奏会でジョン・アダムズの「ハルモニーレーレ」(1985)が演奏された。指揮の下野竜也さんの選曲だが、これが聞いていて本当に面白かった。現代曲だが難解なところはあまりなく、むしろミニマリズムと言われるところは聞いていて楽しいと思えるところさえある。曲自体はその部分と伝統的な旋律主体の部分との対比でできているのだが、曲の最後では次第に積み重なっていく楽器の音が力を増してクライマックスを築く。これが非常に強烈で陶酔すら引き起こすのだ。こういう体験はなかなかできない。指揮が見事ならオケの力量もすばらしかった。4月から札響は大編成の曲に挑んでいるが、フルオーケストラ好きにはたまらない。
ブルックナーを熱心に聞くという人ではないので今まではこの盤に関心が向かなかった。ふと思い出して聞いてみたら、なんとすばらしいではないか。以前聞いたときあまり気づかなかったのだが、テンポは結構速めだ。それにもかかわらず痩せた音楽にならずむしろ豊かに鳴っていることに驚く。ポンマー/札響は「ツァラトゥストラ」が大のお気に入りなのだが、これも加わることになる。