#縁側の👵おばあちゃん化
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『木漏れ日をかたどる人へ』(1/4)
💎商の短い手習。正義が一人でお客様のもとへとお伺いする話。商談の時の一人称がよくわからない。第二部途中のまだまだ修行中の時の話。書くために調べてると宝石欲しくなる。
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「木漏れ日をかたどる人へ」、「💎商SS」と記載されています。 以下は本文の内容です。 　その人が選んだのは黒い線が――極細ペンの先で書いたような――入った宝石だった。彼女は宝石を買うことなんてこれまで無かったと言っていたから、今回の商談が決着するまでにはもっと時間がかかるものだと覚悟していた。けれどいざ始まってしまえば、彼女はものの十分もかからずにその石を自分の宝物にすると即決した。 「これからの自分に一生寄り添ってくれるような宝石を探したい」という彼女の依頼に合わせてエトランジェから岡山に来たのは正義ひとりだけだった。リチャードは銀座の店を守っている。地方への出張は基本的に別料金がかかるのであまり頻繁にはないが、店舗ではなく、その人が生活している場所で宝石をじっくり見てもらえるところは正義のお気に入りだった。 　到着するなりすぐに通された応接間はほこり一つ落ちておらず、とてもよく手入れされていることがすぐに分かった。欄間には瀬戸内海を見渡したかのように山と海がうねりを作って掘られていて、小さな地袋の上には瑞々しい黄色の花が生けられている。季節を彩り、そして客人をもてなす心意気があちこちに感じられる洒落た部屋だった。 　もっともメジャーなダイヤモンドやルビーに始まり、高齢の方にも人気の翡翠や場面を選ばないパールなど多彩な宝石を取り揃えて彼女の前に出すと、彼女は右から左へ、上から下へ一通りすべてに目を通した後、迷うことなくその石を手に取った。 「お母さん、それがいいの？」 「これは、まぁ……。きれいな緑をしとるんやね」 「ペリドットと言いいます。とてもきれいですよね。ぜひ太陽の光にもかざしてみてください。宝石は蛍光灯よりも太陽の下にあるときの方がずっときれいに見えますよ」 　その言葉につられるように、二人の女性は庭の方へ視線を移した。今日もよく晴れている。彼女が指先で摘んだその石を光にかざすと、ペリドットはまるで夏を知らせる新芽のように輝いた。 「あぁ、これが好きやわ。これにしようかしら」 「八月の誕生石としても親しまれているんですが、よく見ると中に細い線が入っているんです。ルドヴィジャイトペリドットという、一部の地域でしか採れない 珍しいものですよ」 　依頼人である初江さんはその言葉に倣うように、宝石の中に走る黒い直線をいろんな方向からためつすがめつ眺めていた。その隣で、彼女の娘である芳子さんがスマホでぱっぱと調べ物をする。 「お母さんお誕生日は十月でしょう？　それならこのトルマリンっていう石もいいんじゃない？　これもすごい綺麗な緑よ」 「ううん。この石にします。これが一番やわ。中田さん、せっかく遠くから来てくれたのに、こんなあっさり決めてしもてごめんねぇ。まだ汗も引いてないでしょう」 「お気になさらないでください。元々汗っかきなんです。それに石は直接みたり触ったりしないとなかなか決められないものですから。逆に言えば、直接見てこれだ！って惹かれるものがあったら、きっとそれは近藤様にとってすごく大事な石になる可能性があるものだ、ということだと思います」 　トントンと話が進み、納品の予定日を初江さんと相談した後も、正義はしばらく応接室に残っていた。汗が引くまでお茶とお菓子をよかったら、と言われれば 断る理由もない。 　主人のいなくなった部屋を見渡し、縁側の方へと足を運ぶ。埼玉の家に少し似ているかもしれない。外ではこの夏最後の蝉が暑さを嘆くようにじいじいと鳴いていたけれど、たくさんの木々に囲まれたこの家の庭は随分と涼しかった。 「中田さん、よかったらそこで座って食べましょ」 　初江さんが持ってきたお盆を受け取って、正義は彼女と一緒に腰を下ろした。二人分のくず餅と熱い緑茶に、なんだか正義はこの人の孫だったことがあるような錯覚と懐かしさを覚えた。彼女は花柄で埋め尽くされたＴシャツと黒い七部丈のパンツを履いていた。自分のばあちゃんとは似ても似つかなかった。けれども、人をもてなすときの声のトーンや近くも遠くもない絶妙な距離感がどこか記憶の中にいる祖母に似ていた。 「近藤様にぴったりの石が見つかってよかったです」 「こちらこそ、ありがとう」 　彼女は座布団を正義に一つ差し出し、よく使い古された――明らかに真ん中がくっきりと凹んでいる――深い緑色の座布団を自分の下に敷いた。
August 30, 2025 at 12:18 PM
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配信もありました今夜、これはてにぷり一家の世界線の塚不二です。おじいちゃんと、おばあちゃんは間接的に、デュエット発表がおめでたい一番上の孫も出演しています。

「いい機会だ、覚えておけ」
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。 付記に「世界の真実/塚不二」と記載されています。 画像情報：generated by 文庫ページメーカー / Photo by PHOTO STOCKER / フォント：源暎こぶり明朝 以下は本文の内容です。 　縁側で休憩していると、一番上の孫が庭を突っ切り駆け寄ってきた。 　べたんと縁に突き当たり、そこからじっと国光を見上げる。なにかを観察するまなざしだ。外に遊びに出ていたはずで、ずいぶん帰りが早い気もする。 「どうした、リョーマ」 　孫は「んー」と首をかしげる。言語化できない問いならば、無理に言語化することもない。それでも国光はしばらく待った。リョーマは国光をさらに見上げた。国光の横の空いた座布団に目を移す。そうかと思うと、ぱっと国光に視線を戻した。 「おばあちゃんは？」 「台所だ」 「ふーん」 「……どうした。なにかあったのか」 　伴侶が関わる話であれば、それは言語化が望まれる。重ねて問うと、リョーマは考え考えしつつ、近所のおじいさんに会ったと話しはじめた。リョーマが道を 歩いていたら、角から飛び出してきたらしい。 「でね、おばあさんと喧嘩したって。昔はかわいかったのにーって。おじいちゃん、おばあちゃんと喧嘩する？　おばあちゃんもかわいかった？」 　どこの家だ――。ため息をつき、国光は湯飲みをお盆に戻した。伴侶の湯飲みの隣に置く。青春家でも三番目に大きなお盆には、急須も一緒においてある。冷蔵庫で水出しにしていた緑茶を入れて持ってきたのだ。氷もいくつか浮かべておいた。 　まあ、素敵。お菓子も持ってきましょうか――。ぽん、と両の手を合わせ、伴侶は花がこぼれるように微笑んだ。 　いそいそと台所へ向かう足取りは、すっかり慣れたものだった。迷わず綺麗な小さい足が、歩むたびに鈴の音（ね）を立てるようだった。先日は盆栽と話しすぎたものでつい怒らせたが、同じ足がしっかり大地を踏みしめるのも、頼もしくまた美しかった。 　この家で国光とともに暮らして、長い時が過ぎている。ふじはすっかり世界に 馴染み、国光の隣に馴染んでいる。彼女の帰りを待つ座布団に、柔らかな日が当たっていた。青い空から落ちる光だ。国光はひとつ、せきばらう。 「たまに怒られるくらいだな。それからリョーマ」 　改まって名を呼ぶと、孫はぴんと姿勢を正した。国光はうん、とひとつ頷く。真実を知るにふさわしい態度だ。 「いい機会だ、覚えておけ。おばあちゃんは昔も今も、ずっとかわいい」 「……ふーん」 　孫はぱっと縁から離れた。「公園に行ってくる！」と飛行機の真似をしながら駆け出した。動作が常よりはしゃいでいて、一見あっさりしていたが、真実を得たのが嬉しいのかもしれない。 　戻ってきた伴侶に言わせると、なんですかその真実はということだったが、そう言う彼女の頬はあやかな薔薇色で、やはりかわいらしかった。
July 4, 2024 at 1:39 PM
rantancoffee.bsky.social
バタバタ🏃ほっとさせてくれ〜。よいしょ。ふー、ブルスカは落ち着くわ🍵
#縁側の👵おばあちゃん化
March 14, 2024 at 1:44 AM
arachnijin.bsky.social
荒国陣は【巣鴨女子】懐が深いおばあちゃん女子。優しくて包容力抜群。精神年齢が高くて落ち着いてる。ちょっぴりお節介な一面も。秋葉原女子と相性がいい。
#あなたを山手線女子化 https://4ndan.com/app/1282/r/10
縁側で昼寝してる時が一番幸せ
あなたを山手線女子化！！ | 診断ドットコム
あなたを山手線の女子化すると何駅の女子になるのかを診断しちゃいます！やってみてね♪レッツ診断☆彡（イラストは508さん、hosho＊さん、YUKA_chaさん、ガジュマルさん、南見まめこさん、桃源郷社さん、くらげさん）
4ndan.com
February 28, 2024 at 6:30 AM
brutal.bsky.social
『メタモルフォーゼの縁側』観た！
コミュ力おばけのおばあちゃんがたまたま手に取ったBL漫画にどっぷりとハマり、BLをきっかけに仲良くなったコミュ障の主人公を引っ張ってくようなお話。
ほのぼのとした温かい映画でした😌

劇中漫画『君のことだけ見ていたい』は、なんとhuluで実写ドラマ化済み。
8月に復帰予定だから観てみよう…
July 21, 2023 at 2:35 PM
nankado.bsky.social
2023/07/09
みんなのうたでかかった「コンピューターおばあちゃん」とか最近では「メタモルフォーゼの縁側」などのような、高齢者を理想化した「きれいなおばあちゃん」テーマの作品の一つ。介護や認知症のテーマがほぼ欠落してるけど、ガロ系の昔の作品ほどではなくても、「ペコロスの母に会いにゆく」みたいにユーモアを持って描くこともできるので、もうちょっと頑張って欲しかったなあ。老年マンガ系では斎藤なずな 「ぼっち死の館」など必読であろう。
人生謳歌!元気ばあさま
しまだ
KADOKAWA
https://booklog.jp/users/nankado/archives/1/4046825804
July 9, 2023 at 4:41 AM