#受付やめたいシリーズ
異動先の部署から帰りに寄ってくれた真央が
「これ差し入れです」と焼き菓子をくれた。
――こういう時だけ、受付の仕事を続けていてよかったと思う。
#受付やめたいシリーズ 第130話 #職場あるある
November 11, 2025 at 3:24 AM
真央がいなくなって、泉と千夏の二人体制。
ロビーの音量も、少しだけ静かになったような気がする。
#受付やめたいシリーズ 第129話 #仕事あるある
November 11, 2025 at 3:14 AM
「来月から別の部署に行くことになりました」と
真央が少し誇らしげに報告してくる。
――おめでとうとさびしいの比率は五分五分。
#受付やめたいシリーズ 第128話 #職場あるある
November 11, 2025 at 3:04 AM
シャッターが降り、照明が半分落ちたロビーは
昼間と別人のように静かだ。
――ここでやっと人間の顔に戻れる。
#受付やめたいシリーズ 第127話 #終業あるある
November 11, 2025 at 2:54 AM
宅配伝票の名字が一文字だけ違うため
候補者が社内に三人いるケースが発生。
――漢字の奥深さを恨めしく感じる瞬間。
#受付やめたいシリーズ 第126話 #宅配あるある
November 11, 2025 at 2:44 AM
真央が袖をひっかけて花瓶を倒し
ロビーの一部が一瞬だけ水族館になる。
――その後の片付けに三人のチームワークが光った。
#受付やめたいシリーズ 第125話 #オフィスハプニング
November 11, 2025 at 2:34 AM
「本年もよろしくお願いいたします」を
一日で何十回も繰り返していると
途中からどこまで言ったか分からなくなる。
#受付やめたいシリーズ 第124話 #年始あるある
November 11, 2025 at 2:24 AM
内線「お茶をもう一杯お願いできますか」
泉「受付は飲料補給所ではありません、と言ってみたい日もある」
#受付やめたいシリーズ 第123話 #会議あるある
November 11, 2025 at 2:13 AM
ロビーは外との温度差が激しくて
笑顔を作る頬の筋肉もだんだん冷えてくる。
――凍えた笑顔はホラー寄りになるので要注意。
#受付やめたいシリーズ 第122話 #空調あるある
November 11, 2025 at 2:03 AM
来客記録を誤って消してしまった真央が
「すみません」と何度も頭を下げる。
千夏「忘れなければ、それは経験値になるから大丈夫」
#受付やめたいシリーズ 第121話 #新人あるある
November 11, 2025 at 1:53 AM
出勤してから自分の名札が見当たらず
カウンターの下、ロッカー、バッグを総捜索。
――名前をぶら下げていないと存在が薄れる気がする。
#受付やめたいシリーズ 第120話 #受付あるある
November 11, 2025 at 1:43 AM
来客管理システムが突然落ちて、紙台帳を引っ張り出す三人。
――アナログは面倒だけど、最後に頼れるのもやっぱり紙。
#受付やめたいシリーズ 第119話 #トラブルあるある
November 11, 2025 at 1:33 AM
「父が以前お世話になりまして」と若い営業の人が名刺を差し出す。
――名刺一枚に二世代分の歴史が乗っている。
#受付やめたいシリーズ 第118話 #来客あるある
November 11, 2025 at 1:23 AM
湯呑の向きとお盆の角度をそろえながら
「ここまでやっても誰も気づかないんだよね」と笑う千夏さん。
――それでもやるのがプロというらしい。
#受付やめたいシリーズ 第117話 #接客あるある
November 11, 2025 at 1:13 AM
千夏さんのメモ帳には
電話主の名前の横に、声のトーンや性格の一言メモがついている。
――経験が蓄積されたデータベースは手書き。
#受付やめたいシリーズ 第116話 #職場あるある
November 11, 2025 at 1:03 AM
取次いだはずの電話が「やっぱり受付さんにつないで」と戻ってくる。
――責任のバトンは今日も受付で止まる。
#受付やめたいシリーズ 第115話 #電話あるある
November 11, 2025 at 12:53 AM
十五分以上前に到着する来客に
笑顔で応対しながらも、心の中ではメイクの時間を思い出している。
――早起きは他人の準備時間をえぐることもある。
#受付やめたいシリーズ 第114話 #来客あるある
November 11, 2025 at 12:43 AM
スマホはつながっているのにネットが重いとき
「人間関係もこんな感じよね」と千夏さんがぼそっと言う。
#受付やめたいシリーズ 第113話 #オフィスあるある
November 11, 2025 at 12:33 AM
雨の日が続くと、忘れられた傘で傘立てがカラフルになる。
――空よりも足元の方が虹色。
#受付やめたいシリーズ 第112話 #雨の日あるある
November 11, 2025 at 12:23 AM
相手の後ろから会議の声やキーボード音が聞こえてくると
忙しさの温度がだいたい伝わる。
――音だけで会社の文化まで透けて見える時がある。
#受付やめたいシリーズ 第111話 #電話あるある
November 11, 2025 at 12:13 AM
普段あまり見かけない役員が複数人揃ってロビーを通る日。
空気がスーツの重さで圧縮される感じがする。
#受付やめたいシリーズ 第110話 #役員あるある
November 11, 2025 at 12:03 AM
開館前の十分間、モップとダスターを持って
三人でロビーを一気に整える。
――戦場の準備は案外静かに行われる。
#受付やめたいシリーズ 第109話 #朝あるある
November 10, 2025 at 11:53 PM
書類、電話、来客、すべての用件に
「至急」がつき始める三月末。
――人間のバッテリーはとっくに赤ゲージ。
#受付やめたいシリーズ 第108話 #年度末あるある
November 10, 2025 at 11:43 PM
伸びすぎた葉が内線ボタンにそっと触れて
ピッという音を鳴らした。
泉「今、植物から電話かかってきました?」
#受付やめたいシリーズ 第107話 #オフィス植物
November 10, 2025 at 11:33 PM
「おはようございます」と言うだけで
ロビー全体に響き渡る真央の声。
――泥棒より先に眠気が逃げていく。
#受付やめたいシリーズ 第106話 #新人あるある
November 10, 2025 at 11:23 PM