#たまがみ霊障科学相談所
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#たまがみ霊障科学相談所

休業日〜わくわくショッピング〜4

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たまがみ霊障科学相談所-休業日-わくわくショッピング-4｜大石笹身
笑い終えて、改めて彼女の姿を上から下まで眺めてハッとする。靴が合っていない。 「次、靴行きましょう。」 「え」 　彼女は明らかに拒否的な声を漏らした。表情からも「もう、いいでしょう」という色が浮かんでいた。これ以上は不味そうだ。でも、ちゃんと靴も合わせたい。頭の中でぐるぐると考える。 　今日はもう終わりにした方がいい。少なくとも、それは間違いない。でも、せっかくだから全身コーデしたい。なんなら髪留...
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November 16, 2025 at 10:15 PM
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ファイル3-13

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たまがみ霊障科学相談所　ファイル3-13｜大石笹身
緊張はしているが落ち着いて話せている。大丈夫だ。こちら側の弁護士が問いかける。 「三人とは、誰ですか？」 「中河原さん、浮田さん、佐和山さんです。」 「卒業名簿から、この三名が同じ学年であった事は確認できています。具体的にどんな事をされましたか？」 「殴られたり蹴られたり、万引きの強要と……便器に顔突っ込まれて……あと……」 　言葉が詰まった。モニタの波形に変化が出る。攻撃性は出ていないが、自分の...
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December 11, 2025 at 10:16 PM
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1-17

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たまがみ霊障科学相談所　ファイル1-17｜大石笹身
彼の部屋だろうか、勉強机とベッド、本棚。参考書と小さなバイクの模型。好きなバンドのポスターと、壁に立てかけられたベース。 　周囲は赤黒い焔で囲まれているが、二人の間に隔てるものはない。 「本当に…できるのか？」 　頭から流れる血も、赤黒い変色もない姿。本来の魂の形。 　多摩紙は頷いた。 「はい。霊による証言は、過去にも何件か経験があります。」 　高校生らしい澄んだ瞳が、多摩紙を見据える。いくらか、...
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July 20, 2025 at 9:58 PM
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ファイル2-47

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たまがみ霊障科学相談所　ファイル2-47｜大石笹身
「何やってるの？」 　藤皮が玄関のドアをすり抜けて顔を出した。その顔は、何故か不機嫌だ。 「何やってるの？」 　急に出てこられて驚いていると、藤皮はもう一度同じ事を聞いてきた。 「昇太と親睦を深めてた。」 　答えると、藤皮は不機嫌な顔のまま「ふーん」と言って山科をジロジロ見た。 「そっちも護符貼りますよ。」 　多摩紙の声に、藤皮は黙ってすり抜けて出ていく。多摩紙と数取が、他の護符の設置を終えて玄関...
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November 6, 2025 at 9:48 PM
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ファイル2-50

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たまがみ霊障科学相談所　ファイル2-50｜大石笹身
山科は電柱を蹴ってパルクール。蛆腹の目の前まで跳び上がる。 　蛆腹の穴の空いたような目が見開かれる。物理法則から外れた瞳には何も映りはしない。だが、山科の眼鏡のレンズにはハッキリと蛆腹が映り込んでいた。 　リミッターを外した対霊警棒から警告音が鳴り響く。 　その対霊警棒が、蛆腹を貫く。 　バチバチと放電する切先は、藤皮の背まで貫通していた。 　藤皮の焔が蛆腹を燃やす。縮れた棘は灰となり風に散る。 ...
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November 9, 2025 at 10:57 PM
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ファイル2-51

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たまがみ霊障科学相談所　ファイル2-51｜大石笹身
8.目醒め 　数取からの報告に目を通し、多摩紙は深く息を吐いた。また無茶をしたものだ。 　とはいえ、明日の朝には意思疎通できる程度にはなっているだろう。事務所に根があるのだから。 「おはようございます。」 　朝。事務所に着いた多摩紙は、ソファの後ろで三角座りしている藤皮に声をかけた。何故か膝に顔を埋めている。 「よかった。無事でしたね。」 　淡々と自席に座り、タブレットで今日の予定を確認する...
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November 10, 2025 at 10:00 PM
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1-52

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たまがみ霊障科学相談所　ファイル1-52｜大石笹身
そんな訳はない。あの時、確実に力を失って消えたのだ。どこかに移転したとか、そんな様子ではなかった。 「…藤…皮…さん？」 「ん？」 　それは、間違いなく藤皮だった。半袖の開襟シャツに黒のスラックスの高校生。吊り上がった眉の割に、優しく下がった目尻。 「なんで…ここに居るんですか？」 　理解できずに問うと、彼はあっけらかんとした様子で答えた。 「気づいたらここに居た。なんかリスポーン地点がここになっ...
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August 24, 2025 at 9:38 PM
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1-8

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たまがみ霊障科学相談所　ファイル1-8｜大石笹身
中河原は血走った目で多摩紙を睨みつけた。 「…何の事だ？恨まれるような心当たりはない。」 　そうだろう。心当たりなど大抵はない。あったとしても、他人には言わない。だから、この問いへの答えは、いつも「ない」なのだ。 　多摩紙は粛々と護符を封筒に入れる。 「詮索はしません。あまり意味がないので。執着が高ければ霊の方が何か行動を起こします。こちらの手の届く範囲に来てくれれば対処が可能です。」 　中河原の...
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July 11, 2025 at 11:30 PM
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たまがみ霊障科学相談所は、2025創作大賞は見送り。
July 19, 2025 at 10:43 PM
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ファイル2-3

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たまがみ霊障科学相談所　ファイル2-3｜大石笹身
「三十年以上生きて来て、見た事ありませんよ。何かの見間違いです。」 　「でも…」と言いかけた言葉を遮る様に、多摩紙が続ける。 「眼鏡かけてたんですか？」 「おう」 「それなら、猫に憑依された猫だったんでしょう。」 「憑依？」 「尻尾だけ、同化しきれずに二本に見える事はありますよ。」 　冷静に説明されて、なるほど、そうか、と思う。なんとなく釈然としないが、そう言われてみると、そうかもしれない。 「…...
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September 23, 2025 at 10:00 PM
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1-41

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たまがみ霊障科学相談所　ファイル1-41｜大石笹身
「幼い頃から、人に見えないものが当たり前に見えるというのも、苦労するんですよ。」 　自分にだけ見えているのだと理解するまで、気持ち悪がられて「嘘つき」と罵られた。 　カイフォンは、無言でハイキックを繰り出したが、するりと避けられたため、再計算をする。目標の波形から逆位相を算出して相殺波を正拳突きにのせる。ぐわんと揺らいだ目標に跳び上がって踵落としを叩きつける。波打つ魂は粉砕。 　全員が一仕事終えた...
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August 13, 2025 at 10:19 PM
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#たまがみ霊障科学相談所

ファイル2-16

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たまがみ霊障科学相談所　ファイル2-16｜大石笹身
◆◆◇ 　ある日、男が家に押しかけてきた。 　俺が出て「帰れ」と怒鳴りつけたが、「リコちゃんと話がしたいだけなんだ！話をさせてくれ！」と喚き続けたので、何度目かで警察を呼んだ。 　さすがに厳重注意はしてくれたが、それ以上は望めなかった。パトロールも増やすと言ってくれたが、結局、何かがあってからでないと動いてくれない。 　両親とも話して、ちょうど俺の大学が決まった事もあり、引っ越すことにした。まさ...
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October 6, 2025 at 9:44 PM
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1-11

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たまがみ霊障科学相談所　ファイル1-11｜大石笹身
「もしかして、これが目的で来たんですか？」 　タブレットをカイフォンに渡して、シュークリーム頬張る。外はサクッと中はふんわりタイプだ。生クリームとカスタードも甘すぎず、口の中でほどけるようにとける。美味。 「そうだろうとは思っていたんだが、まあ、ライバルの意見も聞いておこうと思ってな。」 　山科は顎に手を当て気取っているが、数取は「すみません」と少し申し訳なさそうに笑っていた。手土産など珍しいと思...
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July 14, 2025 at 9:20 PM
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休業日-幽霊さんぽ-3

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たまがみ霊障科学相談所-休業日-幽霊さんぽ-3｜大石笹身
そんな調子で途中喫茶店で休憩を挟みながら何件か会社を周り、17時を回る頃にサイバーエクソシスト社に戻る。 「今日はこれで店じまいだ。帰れ帰れ。」 　大きなビルの前でシッシと手を振られる。つまらないので「えー？」と不平を漏らすと、真剣に嫌な顔をされた。 「ここの奴らはお前の事見えるんだからな。変な霊に付き纏われてるとか思われると面倒なんだよ。それに……」 　彼は、そこで一旦言葉を切った。オレが首を傾...
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August 28, 2025 at 10:09 PM
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#たまがみ霊障科学相談所

1-46

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たまがみ霊障科学相談所　ファイル1-46｜大石笹身
8.たまがみ 　異質な気配が立ち込める。 　別の空間に迷い込んだかの様な不安感。焦燥。 　贄が死んだ。 　集合霊体が怯えている。 　奥の呪核に呼ばれているのだ。 「警告！警告！」 「集合霊体の存在を確認しました。ランクS。88魂分のエネルギーです。」 　集合霊体が奥に吸い込まれていく。多摩紙は後方を振り返る。藤皮は、無事だ。影響は受けていない。 「データ更新です。108魂分のエネルギーです。」 ...
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August 18, 2025 at 11:44 PM
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#たまがみ霊障科学相談所

1-32

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たまがみ霊障科学相談所　ファイル1-32｜大石笹身
男子トイレに降り立つと、その異様な気配で目的のネズミはすぐに見つかった。掃除用具入れの隅で丸まって眠っている。 　背中に人の形をした小さな薄い板が貼り付けられている。動きにくいだろうし、剥がしてやりたかったが、ベッタリと貼り付けられており、とても出来そうになかった。多摩紙からも「不用意に触らない様に」と言われていたので、そっと発信機を取り付けるだけにした。 　話を聞きたい所だが、起こすのも可哀想な...
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August 4, 2025 at 10:13 PM
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ファイル3-0
今日から更新再開します。

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たまがみ霊障科学相談所　ファイル3-0｜大石笹身
0.噂 ----- やべ、自転車の鍵なくした（18:24） ----- じょうまえさまの所行ったら？（18:25） ----- じょうまえさまwww（18:25） ----- だれ？！（18:25） ----- 知らない？無くした鍵返してくれるの。（18:26） ----- 何それ知らん、こわ（18:27） ----- 都市伝説？（18:27） ----- いや、マジなんだって。友達が、ロッカ...
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November 30, 2025 at 2:55 AM
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#たまがみ霊障科学相談所

ファイル2-20

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たまがみ霊障科学相談所　ファイル2-20｜大石笹身
ドンと、何かがベランダに落ちる音がした。続いて無機質な声。 「攻撃性霊体ランクB+、目標波形と一致。排除します。」 　ヒョウ、と甲高い音がした。 「目標が逃走しました。追いますか？」 『そこで待機。探索は続けてください。』 　電話の奥で指示する声が聞こえた。 「承知しました。待機、探索を続けます。」 　おそるおそるカーテンから外を除くと、ベランダには相談所で見た無口な青年がいた。こちらに気づいて会...
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October 10, 2025 at 10:21 PM
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ファイル2-36

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たまがみ霊障科学相談所　ファイル2-36｜大石笹身
6.再会 　嫌な気配がした。いや、気配ではない。目の端に嫌なモノが映ったのだ。山科は確認すべくそちらを向いた。 　暗い夜道の街灯の下。悪霊と……小学生。 　藤皮もほぼ同時に気付く。山科が駆け出すよりも速く、滑るように飛んでいく。 「おい！」 　山科が声を上げると、悪霊は小学生から離れてこちらを向いた。藤皮が悪霊の腕を掴む。 　尻もちをついて座り込んだ小学生は見知った顔だった。 「昇太！何やってん...
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October 26, 2025 at 10:09 PM
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1-14

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たまがみ霊障科学相談所　ファイル1-14｜大石笹身
「イジメを苦にした訳じゃない。アイツらに思い知らせてやりたかったんだ。」 「でも上手くいかなかった。」 　多摩紙が続けた言葉に、藤皮は表情を変えた。黴臭さが増す。 　燃え盛るような赤黒い焔は勢いを増し、怒りが、憎悪が、多摩紙を打ち据える。 　カイフォンが「排除しますか？」と聞いてくる。 「…まだ…」 　多摩紙は、カイフォンを引き止めて、荒れ狂う怨念に耐える。 「そこまで調べてるなら、わかるよなあ？...
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July 17, 2025 at 8:56 PM
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たまがみ霊障科学相談所ファイル1書き終えたよ。
あとは、日々投稿していくだけ。ファイル2も書き始める。
July 15, 2025 at 11:09 PM
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1-28

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たまがみ霊障科学相談所　ファイル1-28｜大石笹身
八階建のマンションは、何処にでもある単身者向けのこざっぱりした建物だった。 　むせかえるほどの黴臭さ中に血の臭いが混じっている。実際の臭いではないが、多摩紙にとっては同じ事だ。 　昼間でも、何か良くないものが漂っているのが分かる。今は霊はいないようだ。 「カイフォン、霊障値を測定してください。」 「承知しました。」 　多摩紙が手にしたタブレットに数値と波形が表示される。数値は閾値を超えて文字色が赤...
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July 31, 2025 at 9:43 PM
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ファイル2-37

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たまがみ霊障科学相談所　ファイル2-37｜大石笹身
「それだと、あなたの守りはどうなるんですか？そんな状態で何かあったら、数取さんも責任を感じると思いますよ。」 　それは分かっている。自分ではどうしようもない事だ。それでも、巻き込みたくはない。 「私が付いていってもいいですが……」 「ダメだ！」 　咄嗟に出た大声に、多摩紙はビクッとして目を丸くした。気まずくなって顔を背けると、ため息が聞こえた。 「もう若いというほどでもありませんし、私なら大丈夫で...
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October 27, 2025 at 9:27 PM
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ファイル3-10

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たまがみ霊障科学相談所　ファイル3-10｜大石笹身
解術は難しくなかった。敢えてヒントを残してクイズが解かれるのを楽しんでいる。しかし、呪術が解けても、既に怪異化した霊は元には戻らない。 　小箱を開けて、鍵をフェンスに戻してみたが、特に反応はなかった。「鍵を無くしている」事が重要な条件なのだろう。フェンスにかかっているのは、誰かの無くした鍵。持ち主が取りに来ると発動する。そうして持っていくと「返せ」と言い始める。やっている事が矛盾しているようにも思...
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December 8, 2025 at 10:14 PM
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1-12

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3.おかしいのは世界だ 　一週間後、中河原は上機嫌で相談所を訪れた。 　背筋も伸びて、顔色も良くなり、先週とは見違えるほどだった。平均身長以下の多摩紙からすると、正面に立っているだけでも壁に阻まれたような圧迫感がある。 「ありがとうございます。家での異変もすっかりなくなって、よく眠れるようになりました。」 　心に余裕ができたからなのか、対応も柔和になっている。 「それは何よりです。では、霊障値を...
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July 15, 2025 at 8:36 PM