ダイナミックプライジングとかやってどんどんお金のかかるレジャーになって行ってる反面、大衆はどんどん貧しくなって行ってる訳で。

映画もプロ野球も基本的に内需型のレジャーなので、本来はコクミンが貧しくなれば真っ先に影響を受けるものだが、バブル期までのスキーや海外旅行のような金も時間もかかるレジャーよりは、ひとりでも金も時間もあまりかからない娯楽だったから、次の受け皿になったのが、復活したように見えてただけで、長期的に見れば貧困化が進行し続ければそこにすらお金を落とせなくなるのは道理な訳なので、多分来年以降はプロ野球の動員数も危ういのではないだろうか。

結局、音楽に真に独創的なものなんてなくて、常に時代の影響下でやってるのは変わりないけど、個性が感じられるのって、バンドでやってる中での制約によるところが大きいというか、技術的な限界もあるし、メンバー個々の好みも一緒な訳じゃないし、そういうものの化学変化で個性が生まれるのとプラス、アルバムをつくりこむことで生まれる時代との「時差」もあったと思ってて、アルバムって海外なら数年単位かけて作り込むことも少なくない訳で、どうしても出した段階では「時代遅れ」にならざるを得ないから、それも加味した上で、ある程度エヴァーグリーンさを意識してつくってたと思う。
そういうとこがなくなったんじゃないかと。

遺伝子が「遺伝子さえ代々伝えられていけばある意味で不死」という「万生一系」イデオロギーを補強している。
しかし、所詮菌の群生体に過ぎない「個」の主体がたかが精子や卵子に乗っかるものというのも思い込みに過ぎない。

結局のところ、石板に刻もうがペンで紙に書こうがタブレットに入力しようが、大事なのは「内容」であるのに、現代に生きる「民族主義」のわれわれは、紙とペンこそが本質だと思い込んで生きているのと同じなのだと思う。