國枝孝弘
takakunieda.bsky.social
國枝孝弘
@takakunieda.bsky.social
フランス文学・言語表現論・フランス語教育。元NHK「テレビでフランス語」、「まいにちフランス語」担当講師。アテネ・フランセ講師。慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス教員。少年期よりロック・ポップスの大ファン(Web参照)。生まれは岐阜県、長良川のほとり…宿はなし。
以前、集合名詞の説明をするためプチ・ロベールの例文« J'aidais maman à faire la vaisselle ; elle lavait les assiettes, je les essuyais » (Beauvoir)を引用したことがあったが、今日Beauvoirを読んでいたら当の文章に遭遇した!天からの賜り物と言えるくらいうれしい。
November 29, 2025 at 9:56 AM
リチャード・フラナガン『第七問』。捕虜となっていた兵士の中には、戦勝国となった自国の中で、敗残兵のように戦後をひっそりと生きた者たちがいる。その一方で、戦争中に捕虜を働かせていた者の中には、敗戦国となった自国の中で、戦勝国の英雄のようにうまくふるまい戦後に権勢を振る舞い続けた者がいる。そんな歴史の皮肉を強く感じた。
October 28, 2025 at 1:20 PM
地下鉄で、向かいの人がこちらを見ながら「それどうしたの?」と英語で話しかけてきた。聞けばイギリス人で、イギリスでディランのライブ見たことがあると。一番好きなミュージシャンを聴いたらS・デニー、R・トンプソン、S・ウィンウッドと!ぼくもN・ドレイク、B・ヤン主が好きだと伝え、さらにニューウェーブではPILやコステロ。日本のディスク・ユニオンは最高だとかいろいろ話すうちに盛り上がり過ぎ、相手は駅を乗り過ごし、最後はグータッチされた。
October 9, 2025 at 2:01 PM
Lina Soualem, « Bye Bye Tibériade ». 1948年のナクバで故郷を追われた曽祖母と祖母、パレスチナからフランスへ渡り、俳優となった母、そして私。女性四世代を主題としたドキュメンタリー。カメラを回すことで初めて語られる母の過去の苦しみ。家族の「日常」の物語とその背景にある大文字の歴史。
June 9, 2025 at 12:58 AM
都庁のプロジェクション・マッピングなどやらずとも、東京タワーだけで十分美しい。
April 5, 2025 at 12:12 PM
『6才のボクが、大人になるまで』で夜明けとともにYo La Tengoが流れてきて、あれほど情景と音楽がマッチしている瞬間もないと思ったけれど、真夜中に聞くYo La Tengoも最高。
March 11, 2025 at 3:43 PM
アテネ・フランセ「文法と文学」。ゆっくり、じっくり、1年2ヶ月をかけてAndreï Makine, Le testament françaisを読み終わりました。冒頭で暗示されていた謎が最後になって明かされ、通読するかいのある作品でした。祖母への複雑な、しかしどこまでも深い愛情、最後の作家の誕生の予見という主題はプルーストと強く関連します。春からはSimone de Beauvoir, Les Inséparablesを読み始める予定です。
March 4, 2025 at 1:17 AM
プロの音楽家ではなく、教会の牧師が若者たちを教会に誘い、録音したゴスペル・ソウルのアルバム。信仰とは教義とは別に、私たちが日常を生きるよすがのことではないか。魂からの音楽は、私たちを支え、生へと導いてくれる。Pastor T.L.Barrett and The Youth For Christ Choir, Like A Ship...
February 16, 2025 at 1:59 PM
Lauernt. Demanze, Un nouvel âge de l'enquête (2019).現代フランス文学における調査の文学を論じる。調査の文学は、逆説的だが調査の未完結を特色とする。それは断定的な結論、人物への決定論的理解を退けるという意味で<反物語>である。あるいは意味が絶えず不安定で、断片が散らばるだけの、そして決して言葉にはできない闇を抱えた物語とも言える。そして調査という以上、現実世界の出来事を調査対象として書くことが始まるが、上記の調査のもつ限界性によって、実はこの現実世界自体が深みをたずさえているのだということを明らかにする。
February 11, 2025 at 1:54 PM
Libérationが届く。表紙から13ページにわたってデヴィッド・リンチの追悼特集。各作品の詳細な紹介、映画に登場する俳優たち、使われた音楽、また描き続けた絵画など濃厚な記事が掲載されている。
February 1, 2025 at 7:18 AM
白水社『ふらんす』2月号、大阪公立大学福島先生との仏語放談は「2024年の読書体験をふりかえる」として昨年出版された本を中心にオススメを紹介!ハン・ガン、アニー・エルノー、クロエ・コルマン、ダヴィド・ディオップ、マリオン・メッシーナ、フランソワ=アンリ・デゼラブルなど。ぜひ読書ガイドにお役立てください。
January 31, 2025 at 12:31 AM
Chat GPTもタイプミスするのね。タイプしているのか…。
January 28, 2025 at 1:21 PM
アテネ・フランセの原典講読の授業で1年前から読んできたアンドレイ・マキーヌ『フランスの遺言書』も残り10ページ余となった。最後にきて、引用されているテキストはアラン=フルニエの『グラン・モーヌ』。ユゴー、ネルヴァル、プルーストなど仏文学の精髄と、ロシアの風土が織り合わされた詩趣に満ちた小説だった。
January 25, 2025 at 1:32 PM
シンポジウム「地域へのめざめ 『弘前×フランス』で育む複言語・複文化」のため弘前へ。今朝の激しい雨もやんで、青空が見えてきた。石場旅館の中庭が美しい。
November 22, 2024 at 7:11 AM
神奈川近代文学館の「安部公房展」。彼の全貌を捉えた充実した展覧会だった。特に小説や映画でしか作品に出会う機会がなかったので、芥川賞受賞時に彼がしていた文化工作活動のことやその後の演劇グループの活動も知ることができたのは貴重だった。また、戦争や死への意識も切実に感じることができた。
November 20, 2024 at 2:50 PM
アテネ・フランセ「文法と文学」今読んでいる『フランスの遺言書』にボードレールParfum exotiqueが出てくるが、その前の描写は、言及はないが、A une passanteとLes fenêtresが下敷きになっていると思われる。ボードレールを読むといつも窪田般彌先生を思い出す。大学院の先生の授業ではJean.Prévostを読んだ。「今はあまり評価されていないけれど、読む価値のある本だよ」とおっしゃられていた。内容は覚えていないが、そんな先生の一言一言はしっかりと覚えている。
November 4, 2024 at 2:18 AM
サリンジャー『このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる/ハプワース16, 1924年』積読から既読へ。ヴィンセントのユーモア、ホールデンの眠りに落ちるときのイメージの断片、そして、まるで遺書のような、希求と絶望と絶望に対する抵抗のまじったシーモアの手紙。短い一文、一文が心に刻まれる。
November 3, 2024 at 2:53 PM
小池水音『あのころの僕は』。母を亡くした五歳児の物語。フロイトの「喪の作業」とは異なる喪の体験が描かれる。時は流れず、重なり合う。悲しみは言葉にならないゆえに、忘却されたかのようであるが、決して消えることはない。あらゆる体験は消えることはない。あるとき思い出はまったき生を取り戻す。
October 16, 2024 at 11:50 AM
少し前のバラカンビートでかかったLonnie Liston Smith. 聞いたことがなかったが、ファンキーで、グルーヴィーで、ミドルテンポのスィートソウルもあり、心揺さぶられた。今日無事にレコードに出会うことができた。USオリジナルで値段は高かったが一期一会。素敵なジャケはアナログならでは。
July 14, 2024 at 1:56 PM
濱口竜介『悪は存在しない』。そのタイトル通りの映画だと思った。すべては倫理の彼方にある。自然には善も悪もない。動物もそう。そして人間もやはり動物なのだとしたら。存在の原初がフィルムにおさめられた映画だった。
May 3, 2024 at 1:33 PM
白水社『ふらんす』5月号の特集は「ジェンダーを考える」。特集にあわせて放談のテーマは「フランス語の性と文法規則」。「規則」とあるものの、その規則そのものが歴史的に見るときわめて政治的であることを大阪公立大学の福島先生と2人で話しました。それは現在の政治家の発言にも現れています。
April 25, 2024 at 2:02 PM
Iron & Wineのサウンドトラック、全編ライブがおさめられている。本当はレコードで欲しかったが、あまりにも高くて、CDがアウトレットになった段階で断念。全19曲、78分の充実盤。こうしてあらためて聞くと、昔の曲、最近の曲といった違いを感じさせず、どの曲も普遍的な魅力をたたえている。
April 14, 2024 at 1:24 PM
今日は長い1日になるが、早朝に1枚レコードを鳴らす。Nic JonesのファーストBallads and Songs. アコースティックギターの弾き語りで奏でられるブリティッシュ・トラッドの素朴で親しみやすい味わい。
February 26, 2024 at 10:29 PM
今日はヴィクトル・ユゴーの誕生日とのこと。ちょうど今日の午後授業で読むマキーヌ『フランスの遺言書』の箇所にユゴーのL'Année terribleのパリ・コミューンの場面がでてくる。ただそれは、主人公が以前に祖母から聞き、さらにそれを友人に語り直した「二重の裏切り」として。
February 26, 2024 at 1:17 AM
こちらのcafé ビジュウのフォレ・ノワールをいちど食べたくて、打ち合わせよりも早く到着して駅からテクテクと歩いて向かったら、なんと今日はおやすみだった…。bijou, caillou, chou, genou, hibou, joujou, pou... 複数で-xをつけます。
February 23, 2024 at 7:18 AM