斑鳩天Q
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斑鳩天Q
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ボイロ劇場だいすき。
ニコニコ動画でSCP解説・ボイロ劇場の製作などで細々活動しております。
基本的に本の話かボイロの話しかしません。

ニコニコ:
https://www.nicovideo.jp/user/43820659
つべ:
https://www.youtube.com/channel/UC9GkvSLtwwxE-ZwLQqn4kow
うむ
December 12, 2025 at 9:28 AM
読了。
歌人・文芸評論家の馬場あき子女史の鬼に関する評論をまとめた民俗学の著作。

異形・死者・不可解・神性・山窩・賊徒・仏教的な鬼・人の鬼への変身・修験者・伝承上の鬼・能の鬼と極めて多角的な観点から俯瞰的に「鬼」の文化史を描き出してゆく。

それぞれの項目に関して網羅的に出典を提示しながら丁寧な類型化・分析が行われており、一つ一つの考察も極めて含蓄に富んでいる。
しかも文章がとにかく流麗で美しい。

恐るべき博覧強記の産物。鬼に関する著作は何冊も読んだが、その中でも明らかに頭一つ抜けた一冊。

読むのにかなり時間とエネルギーを要する、巨大な知性に終始圧倒されるかのような読書体験だった。至福!
December 11, 2025 at 11:33 AM
スクショ撮ってきたヨ
エフェクトで見にくいけどゲーム内でこれしか立ち絵見る方法がないからゆるして
December 6, 2025 at 9:29 AM
動画次パート15分くらいまで編集完了ー
December 4, 2025 at 11:33 AM
おむかえー!!
November 28, 2025 at 12:46 AM
読了。
アマチュア研究家コンビが怪異に挑んでゆくホラー小説の第一作。

朗読会で奇妙な怪談を聞いたことをきっかけに怪現象に見舞われるようになった女性に相談され、会社の上司部下の関係のオカルト研究家凸凹バディが怪異の正体を暴くべく奔走する。

堅実な調査と地道な検証を積み重ね、靴底をすり減らしながら怪異の根っこたる部分を暴いてゆくオーソドックスな和製ホラー。
暴かれた怪異の伝播のメカニズムが実にロジカルで面白い。

後半がちょっと弱いのが玉に瑕。みんな大好きフリー素材こと旧日本軍云々はホラーで扱う時はよほど上手くやらないと安っぽくなり興醒め。

まぁまぁ楽しめた。とりあえず第二作も読んでみよう。
November 27, 2025 at 11:02 AM
読了。
役行者を軸に、神仏習合的な修験道の成り立ちと日本的宗教観の形成を俯瞰的に紐解いていく選書。

資料として購入した本なので「読んですごく面白い!」というタイプの本ではないが、概括的に日本人の宗教観の成り立ちを解説しておりなかなか勉強になった。
特に宗教史という観点で見た場合の役行者という人物の特異性と重要性に関する記述は興味深かった。

付録的な内容の修験道の行に同行した際のルポタージュは描写も生き生きとして、修験道の世界に関するイメージを膨らませるのに役立った。
良くも悪くも広く浅くの内容で役行者個人に関する評伝としては薄味だったのがちょっと物足りないか。

悪くない資料だった。
November 25, 2025 at 11:29 AM
動画次パート9分くらいまで編集完了ー
November 22, 2025 at 12:49 PM
読了。
マジックレアリズムの名手ガルシア=マルケスによる短編集。

童話のような寓話のような、現実のような白昼夢のような、アレゴリーや暗喩で満ちているようなそうでもないような、死のような生のような、なんとも捉えどころのない世界が魅力。

老いた醜悪な天使と物見高い漁村の村人たちの物語、誰もを魅了する不思議な美しい水死体の物語、夢遊病者のように夜の海を彷徨する幽霊船の物語、美しい孫娘を娼婦に仕立て食い物にし続ける怪物の如き老婆の物語。
おとぎ話のようでありながら残酷さと無数の表象を孕む7つの物語は、共鳴しながら魔術的な世界を紡ぎ出してゆく。

筒井康隆ファンとしてめっちゃ刺さった。
面白かった!
November 22, 2025 at 11:36 AM
読了。
生き辛さを抱え生きる人々を描いた、孤独に関する物語。

表題の52ヘルツのクジラとは鯨の可聴域を外れた周波数で鳴く希少個体のこと。誰にも届かない声を発し、誰とも交われない孤独な人々の比喩として用いられる。

虐待を受け、食い物にされ続けた過去を持つ主人公キナコ。苦しい境遇から逃れて辿り着いた港町で、彼女は過去の自分を彷彿とさせるような虐待を受ける少年と出会う。
不器用ながら少年に寄り添おうとする彼女は、思い出を辿るべく彼の故郷への旅路へと赴いてゆくが…

残酷な境遇に晒される彼らに安易な救いは与えられない。
それでも力強く生きる彼らの姿を描く筆致は温かく、力強い。

峻厳な人間賛歌。
November 18, 2025 at 1:04 PM
読了。
『三体』の劉慈欣による第二短編集。

表題『時間移民』は人口問題のため人工冬眠により「未来への移民」を行うことを選んだ人々が辿る未来世界の曼荼羅絵巻。シニカルな視座から描かれた未来像と冷厳な眼差しの奥底にある温かい人間観が好対照。

『夢の海』『歓喜の歌』は上位存在の芸術家が地球を訪れる、という筋書きながら対照的な結末を辿るふたつの物語。人類がハタ迷惑な芸術家の壮大な後始末をさせられる、というペーソス溢れる余韻を残す『夢の海』が好み。

どこまでも抒情的かつ詩的で私的な『思索者』ストーリーテリングがお見事な『鏡』も実に佳作。

総じてSF的冷たさと人間臭い温かさの配合が絶妙。
大満足!
November 13, 2025 at 12:28 AM
読了。
「静かになるまでに〇分かかりました」「雷が鳴ったらヘソを隠せ」「いつ?何時何分何秒?地球が何回まわったとき?」のような慣用表現を膨らませた奇想天外なアイデアストーリーを10篇収めた短編集。

「雷が鳴ったらヘソを隠せ」は雷様に奪われ歴史の闇に消えたヘソを追う考古学的ヘソハンターのお話、「いつ?何時何分何秒?地球が何回まわったとき?」は指定した地球の回転数の時間にタイムトラベルさせてくれる不思議な店の話、といった塩梅。

ショートショートの名手だけあってどの短編もキレ味鋭く濃密。

お気に入りは「雨女」を雨女養成学校を舞台にした青春劇に仕立てた『雨の粒たち』。

実に楽しい短編集だった。
November 10, 2025 at 11:12 AM
読了。
異類婚姻譚を軸に各国の民話・伝承を比較分析することで、大衆の意識下の共有価値や世界観を浮き彫りにする比較文化学の著作。

人と異類、すなわち動物や幽霊・妖怪、精霊や神格の類が婚姻関係を結ぶという話は世界中に民話として存在する。各国のそれを網羅的に紹介しながら比較検討し底流にある民族性・ひいては日本人の持つ宇宙観を分析していくといった趣旨。

つる女房・グリム童話・美女と野獣のようなメジャーなものからカミールやパンジャブのような馴染みのない民話まで実に幅広く材を取る。

共有点の洗い出しや類話のグループ化など実に丁寧な仕事ぶり。
ボイ劇の資料として読んだ一冊だがかなり興味深く読めた。
November 6, 2025 at 2:49 PM
読了。
怪談を蒐集し一冊の本に纏めようとしていた作者が次第に怪異に巻き込まれてゆく…という筋のモキュメンタリーホラー。

編集者と共に『書店怪談』と題する、全国の書店員の実体験を蒐集した怪談本を企画していた作家の「私」。人脈をツテに全国の書店員から怪談を集めるうち、まったく違う地域の店舗から寄せられた怪談に存在する奇妙な共通点に気づく。

取材を続けるうちに浮かび上がってくる謎めいた相似、身の回りで起こる不可解な出来事、少しずつ浸食されてゆく日常…

和製ホラーらしいジワジワ忍び寄るイヤ~な恐怖を丁寧に描いたホラー。一つ一つの挿話の完成度も高く、いい感じに背筋を冷やしてくれる。

怖かった!
November 2, 2025 at 10:07 AM
読了。
江戸の芝居小屋を舞台に、鳥屋と元名女形のバディが怪事件に挑むミステリーシリーズ第二段。

『仮名手本忠臣蔵』公演中に首を折られ両耳に棒を突っ込まれた変死体が客席で見つかる怪事件、探偵役として声がかかったのは前作で芝居小屋の変事を解決した捻くれ者の元役者と真正直な鳥屋の凸凹コンビ。

芝居と現実、人と妖、男と女、すべてが曖昧に溶ける役者たちの世界、夢とも現とも朦朧たる奇妙な事件が紐解かれる。

外連味たっぷりの道具立ても楽しいが、前作に引き続く主人公バディが中々の名コンビ。耽美に片足突っ込みながら根は真っすぐな二人の関係性が実に気持ちいい。

ジャンル定義不能、奇妙な味わいの江戸推理譚。
October 29, 2025 at 10:13 AM
読了。
ジュヴナイルの名手によるYAミステリー。

提示される謎は極めてシンプル。
「観覧車に乗った少年がゴンドラの中で消失した」という、正直なところ現代ミステリーのメインディッシュとしては弱いもの。

それを補って余りあるのが瑞々しい心理描写、ユーモラスながら時に生々しい人間臭さを見せる登場人物、そして丁寧に編まれたロジックによる精緻な謎解き。
子供の目から見た世界をきめ細やかな内面描写と共に描き出してゆく筆致がぐんぐん物語に引き込んでくれる。

ここまでシンプルな謎解きをここまで魅力的な作品に仕上げる、まさに名人芸。素朴ながら絶品の三ツ星コックのオムレツのような贅沢な一品。

面白かった!
October 22, 2025 at 12:59 PM
読了。
ネット黎明期からゼロ年代までのネット怪談・ホラー系ミームを民俗学の観点から網羅的に分析・整理した一冊。

民俗学者がガチでネット怪談を分析してみた、といった趣向。
口承される「民話」と共有される「ミーム」、そのどちらもが同様に民俗学の対象となりうる「民俗」である、というのは面白い観点。

国内のネットホラーから4chan系のミーム、洒落怖からSCP・バックルームまで網羅的に起源から伝播のメカニズムまで分析した労作。
テレビ下北沢の「日本国尊厳維持局」まで言及している徹底ぶりはなかなかに凄まじい。

この分野の礎たりうるだけの価値ある基礎研究といっていい一冊だと思う。
興味深く読めた。
October 18, 2025 at 11:47 AM
読了。
アリバイ崩しに完全特化したミステリーシリーズの第二段。

タイトル通り、アリバイ崩し専科のミステリー。ドラマや情感を完全にそぎ落としドライな味わいに仕上げたパズラー短編5話を収録。

アリバイ崩しの定石を崩しサプライズを仕掛けてくる構成が楽しい『時計屋探偵と一族のアリバイ』、犯人が同時に発生した二つの事件の有力容疑者となることでアリバイを構築するという趣向が面白い『時計屋探偵と二律背反のアリバイ』の二編が特に好編か。

完全にアリバイ崩しに全振りした構成のためやや人を選ぶだろうが、パズラー寄りのミステリー愛好家には最高のご馳走といった感じの短編集。

なかなか楽しく読めた。
October 16, 2025 at 9:38 AM
読了。
このミス大賞受賞のミステリー。

誘拐事件から始まり二転三転する先の読めないサスペンスを、迷惑ドライバー専門の車泥棒三人組、誘拐されたベンチャー起業家、妻との関係に悩む刑事、頼りないが好人物の七光りの若社長の四つの視点を巡りながら物語っていく。

道具立ては伊坂幸太郎作品っぽいが、テイストはむしろ堅実で地に足のついた推理小説といった感じの味わい。散りばめられた伏線を細かく拾っていく王道の構成、ニヤリとさせられる叙述トリック、先の読めない展開から意外な真相、そして綺麗にまとめながら余韻を残す結末ととにかく綺麗にまとまった一作。

丁寧に構成された丁寧なミステリー。面白かった!
October 14, 2025 at 7:09 AM
動画次パート33分くらいまで編集完了!
繁忙期も落ち着いてきたしボチボチ動画作りも再開したいですなー
October 11, 2025 at 1:07 PM
読了。
『カササギ殺人事件』に続く入れ子構造ミステリー第三段。

物語中に登場する作中作に絡んだ殺人事件が起きる、という二重小説的趣向。

今作に登場するのは大作家一族のはぐれ者が書いたミステリー。明らかに一族の面々をモデルにした登場人物のその小説には、家長であり世界的に愛された大作家の死が一族の誰かによる殺人だったと告発するかのようなアナグラムや暗喩が仕込まれていた。
謎を解き明かそうと原稿と奮闘する主人公、しかし現実世界で殺人事件が起き…

極上のミステリー二本立てで楽しませてくれる一粒で二度美味しい傑作。
クリスティへの見事なオマージュであり、最高峰の犯人当てミステリー。
一気読み必須!
October 7, 2025 at 11:04 AM
読了。
面白い面白いと評判のこの小説にいよいよ手を付ける。
いや面白かった!!!

方々から絶賛は聞こえてくるが「ネタバレが目に触れる前に読め」と誰も内容を教えてくれないことに定評のある一冊。
なるほど、確かに真っ白な状態で読んだ方が楽しめるタイプの小説だ!

というわけで情報量0な紹介。

まず上巻、引き込まれるシチュエーションから少しずつ状況が明らかになっていく王道の構成、卓抜なSF的アイデア、魅力的な主人公とサブキャラ達と実に隙がない。そして後半のあの展開からのSF的クソデカスケールアップ!

続いて下巻。
もうね。最高。最の高。至福の読後感です。

秀作!情報ゼロのまま読んで頂きたい!
September 16, 2025 at 12:31 PM
読了。
怪談作家二名のコラボによる怪談集。収集物から創作まで28編の短編怪談を収める。

ホラーを勉強したいと思って色々手を出しているのだが、著者の一人である呪物蒐集家で怪談作家の田中俊行さんが最近すき。
この方はとにかく怪談の構成がお上手。行間を使った余韻の残し方が絶妙に上手く、軽妙で重々しくなりすぎない語り口も嫌味がなくて実に良い。

得体の知れない不気味さと正体の分からないままの薄ら寒さが嫌な後味を残す田中俊行『彼女の痕跡』
大きく持たせた行間が雄弁にドラマを語り嫌な想像力を膨らませてくれる高田公太『ものおと』
の二編が特に秀逸と感じた。

面白かったし大変勉強になった。
こわかった!
September 5, 2025 at 11:56 AM
読了。
表紙に惹かれてジャケ買いしたミステリー。
リピーターお断りという奇妙なルールを持つホテルを舞台に、それぞれ秘密を持つ泊り客の間で不可解な死亡事故が起き、真相に迫る内にやがてホテルに隠された秘密が明らかになっていき…という王道の構成。

純粋にミステリーとして読むとやや平凡。真相はありがちだし登場人物の抱える「秘密」も正直ちと弱い。
一方で湿度高めの人間ドラマとして読み解けばなかなか味わい深くはあるのだが、登場人物それぞれの掘り下げがいささか弱くやはりちょっと物足りず。

主人公がどうにも好きになれない人柄。探偵役がここまで共感しにくい人物だとちょっと辛い。

平凡。可もなく不可もなく。
August 30, 2025 at 11:56 AM
カエルくんが畑の散水栓で水浴びをしておった
暑いもんね…
August 21, 2025 at 8:31 AM