｢年始はいつから開けるの｣
｢まあ、仕入れ具合と、俺のやる気と｣
｢それから？｣
｢誰かの顔が見たくなった頃に｣
｢いいね。きみらしい｣

この時期のファウスト教授、史料や書籍の紙で指をほんのり切ってしまいちょっと落ち込む。乾燥してるからね。ささくれを目敏く見つけた花屋のお友達からﾈｺﾁｬﾝの絆創膏(子供用)を貰ったけど使ってない。

お客さんのいない時、ネロが時間つぶしに……と売れ残りや落とした枝葉を使ってちまちま作っている小さなクリスマスリースやスワッグが、実はお客さんの中では人気商品でプチ争奪戦だったりする。