シモーヌ
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シモーヌ
@shimozawa.bsky.social
納骨してきた。生前縁のあった各所において故人の気配がほとんど消えかけているような感じ。やっぱり亡くなると消滅しちゃうのだなと。いずれは人の記憶からも消えてゆく。そしてそれくらいで丁度いいと思う。亡くなった人をあまり現世に縛りつけるのはよくないもんね。自分が亡者だったらそう思う。
October 18, 2025 at 2:33 AM
『ワン・バトル・アフター・アナザー』観た。超面白かった!下品でエロくてキモい映画。特に前半の映像だけで詩情的にみせる演出とかはさすがP・T・アンダーソン。S・ペンを始め性的嗜好ベースの行動原理のキモさとその正直さ、米国民族主義カルトの怖さなどをポップにエンタメ寄せで前に出してくる。
 
原作はピンチョンの『ヴァインランド』なんだけどかなり翻案されていてピンチョン風味は『ドライブ〜』の村上春樹くらい薄味。そこも悪くない。普段は見せちゃいけない性的嗜好や政治的にダメな本音や外で言っちゃダメなことを正直に直球でマジメに扱えば扱うほどギャグになるという演出の加減が絶妙。
October 13, 2025 at 3:40 AM
たいへん贔屓にしてるぎょうざの満州。しかしながら酒類を頼むのは初めてでありこれについてはお恥ずかしい限りである。スーパーチューハイ税込400円を一杯だけ頼んだ。これがべらぼうにうまい。なんというか大元にきっちり設計されたレシピがありそれを現場が正確に実行して再現しているという印象。
これ試してないひとは決して大袈裟ではないので試されよ。

この話は酒呑みにはわかると思うが、飲み屋というのはしばしば主力製品であるはずの酒の出し方が雑だったりするのである。でもみんな目くじらを立てたりしない。何故なら酔客は味がわからないからだ。そうでなれば店もリソースを割かなくなる。構造的な問題なのだ。
October 5, 2025 at 6:22 AM
中野ザ・ポケットにてsitcomLabの『いえないアメイジングファミリー』観た。レッドTで鑑賞。演者其々に見せ場が設けられキャラや話の運びも十分練り込まれていて舞台エンタメとして完成度高し。その分演者の技量や個々の解釈がもろに前面に出ると感じた。そのメタ的な鬩ぎ合いもまたエンタメなのかも。とか思ったが、ごめん気のせいかもしれない。
October 4, 2025 at 9:52 AM
王子にてmétroの第15回公演『REAL』観た。大絶賛!文学の芸能化+キリスト教的ルサンチマンを乗り越えるニーチェの超人思想と個人としてのニーチェの弱さ+宮沢賢治の詩+チェーホフの三人姉妹+パレスチナの馬+演者の個人的経験が3倍速再生の高密度で押し寄せる。凄すぎて恐怖すら感じた。芝居って凄い。
September 13, 2025 at 1:40 PM
最近の渋谷駅らしい面をたいへんよく表しているJR西口のエントランス。
September 6, 2025 at 6:14 AM
たいへん世話になった叔父との別れの杯。病床にありながらも、数日前まで運転免許の更新や普通に仕事へ行こうとして家族に止められるなどしていたらしいが、臨終の直前に叔母に「もうあの世にゆく」「若い頃貧乏だった自分に嫁いでくれて感謝する」などときっちり語って去っていったという。
August 29, 2025 at 10:28 PM
周りの人が誰も観ていない『クレイブン・ザ・ハンター』観た。まあまあ面白かった。引き続いての陰鬱路線は好みに合うが、要所でリアリティラインが激ブレするしアクションはつくりが雑。どうにも不安定な映画。最低記録も更新でSSUにとどめを刺したか。DbDのハントレスの歌が流れるのはよかった。
 
田舎マフィアくらいの財力があれば誰でも動物超人になれる!みたいな世界観。三流ヴィランがウロウロしていて超人の価値がインフレしてる。そうなると超人設定は刺青とかライフスタイルとかに近くなりスーパーヒーロー物とするには軸が弱い。そういう構造的なところを組む人とかが制作にいないのかな。
August 16, 2025 at 6:04 AM
『F4:ファースト・ステップ』観た。人物造形はスカスカでドラマ性は皆無。アクションも展開もとにかく素人臭くてやる気の無さに溢れてる。家族モノというより同族零細企業モノみたい。モブ含め全員がお行儀も物分かりもよくて洗脳されてるみたいなディストピア感。それが60年代風SFヴィジュアルにマッチしていて楽しめた。
 
独裁国家のプロパガンダ映画みたいな感じなので、たまにはそういうのが観たいなって人にはオススメだ。興業大惨敗記録更新中のMCUの巻き返し新フェーズ1作目なので期待したが先行きには不安しか感じられない。それでも「これはこれで面白い」という向きもあるだろう。でも商売としては先がない印象。
August 3, 2025 at 11:31 AM
確か1986年だと思うが、インドネシアへ行った。当時の現地はTシャツとショートパンツの白人ばかりで日本人はサーファーとかを筆頭にいわゆるその筋の不良ばかりだった。時は流れて2025年は「7月5日滅亡ミーム」に感染しなかった白人に溢れている。結果なんとなく当時と似たような風景になっているみたいな。
July 27, 2025 at 7:18 AM
金沢21世紀美術館。『ブルー・プラネット・スカイ』も『スイミング・プール』も『L'Origine du monde』も生でみられて感無量。特に『ブルー〜』は公式サイトにも画像がない。切り取り写真では誤解を招くためだろう。「肉眼で見る」「会って話す」などの意味を体験として突きつけてくる印象を受けた。
 
建物は円形で外壁は全てガラスで採光されている。半屋外の展示スペースも多く、出入り口が多いので順路は無視して自由に見られるし、触れる展示や会話してよい風の椅子も多数ある。これらが現代美術の表現上の「硬質な拒絶性」「意図された非人間性」みたいなものを上手く相殺している。
July 27, 2025 at 7:17 AM
悲願であった21世紀美術館にやっと来ることができた。Fusion21でマシマシの昼ごはんを頼んで有名なインスタレーションの数々を堪能。現代美術のエッジを微妙に丸めて展示してあり建物自体の居心地も良くてつい長居しがち。清澄MoTとはまた違うホスピタリティ。屋根のない展示室も多いので日傘は必須。
July 27, 2025 at 7:15 AM
J・ガン版『スーパーマン』観た。面白かった!でもなんだこりゃ?っていう感じでもあった。博愛主義は一周してパンク(しかもオイパンク)だ!(意訳)らしいので、パンクなスーパーマンというナゾ映画。イギー・ポップVoの『Punkrocker』がイカす。グリーンランタンのオトナな立ち回りもよかった。
July 20, 2025 at 8:05 AM
おにぎりスキッパーズ新作の『みまもり刑事』観に下北の劇小へ。大人気で満席。悪フザケを力まずやれるってのは格好イイ。バカバカしさを積み上げてシリアスな話を組む90〜00年代の王道メソッド炸裂。独特の演出のグルーヴ感に序盤で客が戸惑ってるのが面白い。でもこういう異界感がまたいいのよね。
July 5, 2025 at 9:21 AM
観たぜ『国宝』。素晴らしすぎる。圧倒的。ここ数年で断然一位。吉田修一×李相日にハズレなし。演者の身体性や恐るべし。全編で言葉が削り込まれており感情的な不条理も身体(映像)で語る。80年代に歌舞伎座へ通う様子の良い女子大生スタイルがめちゃ忠実な再現度で萌える。とにかく必見。
June 25, 2025 at 2:25 PM
界隈で話題の『デジタル生存競争』読んだ。ダグラス・ラシュコフ著。2023年邦訳。1995年に邦訳が出た『サイベリア』の著者。一連の論述というよりもメタとかグレートリセットとかQアノンとかのキーワードについての著者の見解やコラムみたいな構成。Web評では自己啓発本に分類されてたりするのが草。
 
「SF的なシナリオに沿って行動する億万長者のテック男子(38頁)」とか「つながりを増やすという外見を装ってその「窓」となっているソーシャルメディアは切実でもなく実体験でもない形のつながりを生み出す/にせの「つながり」は人々を互いに疎外させる(91頁)」とかキレのいいフレーズがいっぱい。
June 24, 2025 at 1:16 AM
フランシス・F・コッポラの『メガロポリス』観た!驚くべき圧倒的なツマラなさ!手の施しようがないグタグタ構成と薄味さ!流石は御大の遺作(ご存命中なれど映画製作者としては実質的な自決か?)!この燦然と輝く怪作が今なら誰でもお金を払えば劇場で観られる。多分2度と機会はないから急ぐべし!
 
良く言えば詩的で観念的でレオス・カラックスみたい。悪く言えばとにかく取り留めがなく人物描写は超浅薄でイマジネーションと絵創りは多方面に渡り貧相。やりたい表現や主張などがないのに製作してる感じ。それを埋めている映画的なノイズがもの凄く多くて産廃の山。お陰でお腹いっぱいになって満足。
June 22, 2025 at 12:16 AM
『ファイナル・レコニング』観た。デパルマ版1作目をはじめ過去作の回収(てか後付け創作ね)に尺を取られて意図的なのか展開も寄せ気味。盛り込み必須が多くて不自由そう。ガンダムのリビルド作みたい。23年頃は「次もやる」とか言ってたけど25年には「これで終わり」に変わっていたよね。気持ちはわかる。
 
なんやかんや面白いし楽しめる。ただ過去作という資産が本来のプラスに働かず、負債になって足を引っ張っている印象。常連さんファーストすぎて一見さん見下しムーブで撃沈したMCUの気配も。パンデミックのときの再撮影でシリーズ総決算へ舵を切り直したのかな。だとすればさすが一流の投資家だ。
May 31, 2025 at 11:34 PM
#HNGSONIC2025春 を観に上野の野外ステージへ。アニメ系イベント?が秋葉原から上野に領域拡張している。 #mosaicwav の野外公演は徳島のマチアソビ以来たが、野外だとVoみ〜この現場制圧力が際だつ。もはや祭事である。客席上手前方を占める古参オタ諸兄の身体のキレも素晴らしかった。来てよかった。
May 25, 2025 at 1:17 PM
『サンダーボルツ*』観てきた。今日では娯楽作品も社会が抱える脅威を人の内面の暗部として描かないと作品の説得力がないご時世なんだよと。ブラック・ウィドウ直系のコミカル演出の効果で捻りのないセントリー闇堕ちも内面世界の演劇進行も普通に成立させる制御が効いている。面白くて大変満足した。
 
フローレンス・ピューって他作品を観ててもどうにもピンときてなかったが本作で見直した。素晴らしい!ブラック・ウィドウでは美人で優等生の姉に対して生意気で皮肉屋のコミックリリーフ的な立ち回りだったが、今作で内面が描かれることで、皮肉屋の外装をバラしても素での魅力を放射してる。
May 23, 2025 at 10:59 PM
雨のGWの渋谷で『エミリア・ペレス』を観たざます。アカデミー賞最多13部門ノミネートなのに2個しか取れずで終わったみたいだけど、下馬評があまりに低いせいか意外に面白くてあるで意味マジメな映画だった。ただ作りは全般に雑でオトナが観るのにギリギリくらいの出来だったざます。以下その要点。
 
歌も踊りも貧相でミュージカルもどき。演出はコミカルとシリアスのブレ幅が激しくてだいぶ迷走。麻薬カルテルの暴力もLGBTQも描写やドラマ進行がまんまステレオタイプで捻りなし。主演のトランス女優カーラ・ソフィア・ガスコンは過去投稿とその非常に上手くないカバーで逆に大炎上。
May 6, 2025 at 6:14 AM
全米大ヒット中の『マイクラ』観た。現実パートが結構長くてアイダホ州の田舎で米国の反知性主義的な小ネタも適宜ぶち込みつつ男衆は全員が貧乏でロクでなしで腹の出たオッサン(含J・モモア)のみという構成に痺れた。この辺のポリコレ防衛策が凄い。あれが共和党の牙城アイダホの現場の風景なのか。
 
筋はないといえばないような映画だがそもそもジャック・ブラックのミュージックビデオなので大変満足。冒頭に経緯とか設定をジャック・ブラックがすべて口頭で説明するという気持ちいいくらいに割り切ったつくり。続いてジェイソン・モモアが如何にダメ男なビデオゲームオタクなのかを懇々と説明する。
April 29, 2025 at 12:16 PM
April 21, 2025 at 1:22 PM
チェーホフ4大戯曲の『かもめ』をシアターブラッツでみた。大昔にみて以来なので大変に新鮮。鹿目真紀さん演じるニーナの第四幕が素晴らしかった。虚構と現状が(かもめと女優も)交錯し迫ってくる怖しい場面。本作は作家や役者が抱える自身の苦悩を次々と吐露し覚悟の欠けた者は排斥されてゆくという怪談なのである。
 
130年前の初演時は「露演劇史上比類なき大失敗」と評され、しかもそれに近い描写が第一幕で描かれているという自己予言的な怪作。
 
デカダンス勃興当時の作品なのでその頃の保守的な演劇人が揶揄する意味で「デカダン」を使っていたり、実存主義台頭による個人主義偏重が作品に引き起こす軋轢などなど。
April 19, 2025 at 11:28 PM
念願の『BETTER MAN』やっと観た!すげー良かった!本年度の暫定1位だこれ!他作は差し置いて皆これ観に走るがよい。英国90年代のボーイズバンドテイク・ザットの元メンバーのロビー・ウイリアムズ本人が本人役でかつ猿の姿でその半生を演じる…と書くとややこしいが予備知識は不用。号泣覚悟で臨め。
 
「主人公が猿の姿で描かれる」ことにより構造的に様々な映像的魔術(ソリューション)を実現していて驚く。様々な時代の自身と内面で相剋している様とか、猿という匿名性を纏うことで観客が記憶や感情を投影できるとか。最後まで「なぜ猿なのか」の説明は一切ないが演出上の仕掛けとしては秀逸である。
April 6, 2025 at 1:10 PM