「わかるよ。土が濡れた匂い、だろ」
俺が🍑の感じてきたすべてを、理解することはできない。
だからこそ、小さな「わかる」を、少しずつ積み上げていけたらいいと思う。
心の底から、そう思う。
「わかるよ。土が濡れた匂い、だろ」
俺が🍑の感じてきたすべてを、理解することはできない。
だからこそ、小さな「わかる」を、少しずつ積み上げていけたらいいと思う。
心の底から、そう思う。
この前なんて、汚れて返ってきた本見て「クソが」ってぼそっと言ってて、最初ちょっとびびったけど。そのギャップがまた、やばかった。
俺は、もうごまかせないくらい、真木に夢中だった。
この前なんて、汚れて返ってきた本見て「クソが」ってぼそっと言ってて、最初ちょっとびびったけど。そのギャップがまた、やばかった。
俺は、もうごまかせないくらい、真木に夢中だった。
話しやすいとか、優しそうとか、器用そうとか。まあ、悪い気はしないけど。
でも、そういうのって期待されてる感が強すぎて、たまに疲れる時があるんだよな。
けど、真木くんはちょっと違ってた。
俺の中身を見て、それで“タメ口の方が合ってる”って判断してくれた。
それが結果として、ちゃんと会話の距離感に反映されてるのが……
どうしようもなく嬉しかったんだよな。
多分、真木くんがタメ口で話してる上級生って、俺だけだと思うし。
それもまた、なんか“特別”っぽくてさ。
話しやすいとか、優しそうとか、器用そうとか。まあ、悪い気はしないけど。
でも、そういうのって期待されてる感が強すぎて、たまに疲れる時があるんだよな。
けど、真木くんはちょっと違ってた。
俺の中身を見て、それで“タメ口の方が合ってる”って判断してくれた。
それが結果として、ちゃんと会話の距離感に反映されてるのが……
どうしようもなく嬉しかったんだよな。
多分、真木くんがタメ口で話してる上級生って、俺だけだと思うし。
それもまた、なんか“特別”っぽくてさ。
ただ、好ましい奴だとは思っていた。真面目で優しくて、お人好しで、どこか危なっかしい。
その人間が眩しくて眩しくてしょうがない。
思わず目を逸らしてしまいたくなるほどにな。
ただ、好ましい奴だとは思っていた。真面目で優しくて、お人好しで、どこか危なっかしい。
その人間が眩しくて眩しくてしょうがない。
思わず目を逸らしてしまいたくなるほどにな。
そういうとこ、ちゃんと見てくれてんだなって思った。
そういうとこ、ちゃんと見てくれてんだなって思った。
真木くんは俺がすすめた映画をちゃんと観てくれて、俺も真木くんがすすめた本を欠かさず読むようになってた。
なんかこう……交換日記みたいで、ちょっと楽しかった。
最初こそ「一応先輩なんで……」って感じで敬語混じりだったけど、俺の口調につられて、だんだんとタメ口になってきた。
俺は敬語とか全然気にしないタイプだし、正直、“お互いタメ口の方がしっくりくる関係”になれたのが嬉しかった。
真木くんは俺がすすめた映画をちゃんと観てくれて、俺も真木くんがすすめた本を欠かさず読むようになってた。
なんかこう……交換日記みたいで、ちょっと楽しかった。
最初こそ「一応先輩なんで……」って感じで敬語混じりだったけど、俺の口調につられて、だんだんとタメ口になってきた。
俺は敬語とか全然気にしないタイプだし、正直、“お互いタメ口の方がしっくりくる関係”になれたのが嬉しかった。
「おかげさまで。待たせて悪かったな。でも、わざわざ現世まで行って墓前に花まで備えるなんて…」
「お前の生きた証が見たかったんだ。あと、姪っ子ちゃんにも礼言っときたかったからな」
「あの子にも随分世話になったからな。あの世に来る時は口利きしてやってくれ」
「もちろん」
さあ、いろんな話をしよう。
そう言って、手を取り歩き始めた。
「おかげさまで。待たせて悪かったな。でも、わざわざ現世まで行って墓前に花まで備えるなんて…」
「お前の生きた証が見たかったんだ。あと、姪っ子ちゃんにも礼言っときたかったからな」
「あの子にも随分世話になったからな。あの世に来る時は口利きしてやってくれ」
「もちろん」
さあ、いろんな話をしよう。
そう言って、手を取り歩き始めた。