そして，情報流出の責任を問われることがないように，発信源が誰だか特定されないようにするというのも前提です。内容も慎重に限定されていました。

そうした観点から考えた時に，全社の記者が揃っている場でベラベラと話した今回の「核保有」発言は，たんなる「考えなしの放言」，と見るべきでしょうし，仮に「観測気球」のつもりであったならば，それはそれで，観測気球になっていない情報を観測気球と思って出してしまった「考えなし」である，という結論には変わりないと思います。

福島の復興政策で，「観測気球」報道は何度も経験していますが，全社が一斉に報じるタイプの「観測気球」報道は経験ありませんし，ましてや，情報源がただちに特定されるようなこともありませんでした。

「観測気球」を行うには，発信源が情報コントロールできることが前提になります。
「打ち上げてみて，反応を観察する」以上の現実的反応がでないように抑える必要があるからです。

そのためには，発信源が出す情報をコントロールしやすい一社か二社（情報源が懇意にしている記者がいる新聞社）とし，様子をみた後，反応が芳しくなければ，スルーして「なかったこと」にできる程度にする必要があります。

NPT脱退のインパクトって他にも色々あると思うんだけど、核武装論者はそのあたりの問題をどう考えてるんでしょうかねえ。