覆って茂る草むらに
誰かが寝そべって
穂を噛みながら
雲に見とれなければならない
(沼野充義・訳、ヴィスワヴァ・シンボルスカ『終わりと始まり』)
覆って茂る草むらに
誰かが寝そべって
穂を噛みながら
雲に見とれなければならない
(沼野充義・訳、ヴィスワヴァ・シンボルスカ『終わりと始まり』)
駅を新たに建てなければ
袖はまくりあげられて
ずたずたになるだろう
誰かがほうきを持ったまま
いまだに昔のことを思い出す
誰かがもぎ取られなかった首を振り
うなずきながら聞いている
しかし、すぐそばではもう
退屈した人たちが
そわそわし始めるだろう
誰かがときにはさらに
木の根元から
錆ついた論拠を掘り出し
ごみの山に運んでいくだろう
それがどういうことだったのか
知っていた人たちは
少ししか知らない人たちに
場所を譲らなければならない そして
少しよりももっと少ししか知らない人たちに
最後にはほとんど何も知らない人たちに
駅を新たに建てなければ
袖はまくりあげられて
ずたずたになるだろう
誰かがほうきを持ったまま
いまだに昔のことを思い出す
誰かがもぎ取られなかった首を振り
うなずきながら聞いている
しかし、すぐそばではもう
退屈した人たちが
そわそわし始めるだろう
誰かがときにはさらに
木の根元から
錆ついた論拠を掘り出し
ごみの山に運んでいくだろう
それがどういうことだったのか
知っていた人たちは
少ししか知らない人たちに
場所を譲らなければならない そして
少しよりももっと少ししか知らない人たちに
最後にはほとんど何も知らない人たちに