きくち
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マンガ読んだり、ウマ娘やったりしています
とよ田みのる『これ描いて死ね』5巻読了。

伊豆大島をモデルにした「伊豆王島」を舞台に、マンガを描くことに青春と情熱を捧げる少女たちと、彼女らを指導する元マンガ家の教師、そして彼女らを取り巻く人たちが描かれる、謂わば令和の「まんが道」。

この巻では、ヒカルちゃんの心境の変化が描かれつつ、最後のコマとタイトルが鮮やかに繋がる第21話「大好きだよ」と、ヒカルちゃんの母親にして天才マンガ家・へびちか先生が圧倒的な存在感を放つ第22話「いいキャラ」が良かった。

これはとよ田みのるさんのどの作品にも言えるのだけれど、登場人物の純度が高いというか、混じり気のない感情が作品全体を覆っているのが魅力だよね
February 15, 2024 at 5:02 PM
弐瓶勉『タワーダンジョン』1巻読了。

弐瓶勉さんの新作は異世界ファンタジー。ファンタジーを採用したのは、雑誌の傾向もあるのだろうか(掲載誌「シリウス」は異世界物・なろう系コミカライズが多くを占める)

死霊術師が王を殺害、姫を攫い「竜の塔」へと去る。政治的な理由もあり、救出隊として招集を掛けられた近隣の村に住む青年・ユーヴァと、近衛戦団から選ばれた弓使い・エリクォと魔法使い・リリセンの3人で姫救出の任にあたることに...。

巨大構造物の描写は、弐瓶節炸裂といった趣。珪素生物を彷彿とさせる人物?も登場するし、テッド・チャン『バビロンの塔』みたいなSFになるのかも。東亞重工は出てくるのかな?
February 12, 2024 at 3:13 PM
映画『瞳をとじて』観てきた。
『ミツバチのささやき』『エル・スール』等で知られるスペインの巨匠、ビクトル・エリセ監督の31年振り(!)の新作。

元映画監督のミゲルのもとに、未解決事件を追うTV番組の出演依頼が来る。それは自らが監督を務める映画『別れのまなざし』撮影中に突如失踪した主演俳優(そしてミゲルの親友)フリオについてのもの。番組への協力を行う過程でミゲルは、フリオと自らの人生について向き合っていくが...

ビクトル・エリセ監督自身の経験を物語に昇華させつつ、「記憶」と「映画」にどこまでも真摯に向き合う作品。静謐な映像を積み重ねながら伏線を回収し結末に向かう展開も素晴らしい。傑作
February 11, 2024 at 1:24 PM
文善やよひ『蟻の帝国』4巻読了。

蟻を中心とした虫の社会が擬人化された世界観で、耽美な筆致で描かれる。主人公は時期女王蟻候補の少年・ルーリャ(「女王蟻」候補だけれど少年。現女王蟻もオス或いは男性として描かれる。この性別の描写が独特で面白いのだけれど、これは作者さんがBL出身なのも関係しているかも)。

ルーリャが女王を目指す目的は訳あって国から追放された母親を国に戻すことなのだが、回想の母親と実際の(間接的に描かれる、現在の)母親が乖離していて怖いんだよね

4巻の巻末で、ルーリャについての衝撃的な事実が明かされる。
次巻完結とのこと。どうなるか期待
February 9, 2024 at 3:19 PM
高野ひと深『ジーンブライド』3巻読了。

この作品を貫いているのは「生きづらさ」みたいなのと、それに対する憤りと抵抗だよな、というのを読んでいて強く感じる
SF・サスペンスの要素も盛り込まれていて、エンターテインメントとしても一級品だと思うのでオススメ
February 8, 2024 at 2:29 PM
誕生日に自分でご褒美を進呈していくスタイルを採用、ということで、今日は歌舞伎座に行ってきた

「十八世中村勘三郎十三回忌追善 猿若祭二月大歌舞伎」昼の部、演目は『新版歌祭文』『釣女』『籠釣瓶花街宵醒』。
『釣女』での太郎冠者(中村獅童)のコミカル且つ躍動感溢れる動きとか、『籠釣瓶花街酔醒』の愛想尽かしの場面での次郎左衛門(勘九郎)と八ツ橋(七之助)の演技とか、実に良いものであった

因みに中村七之助は『かぐや姫の物語』で、顎の長い御門を演じたことでもお馴染み
February 7, 2024 at 1:42 PM