しずる
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【成人の方はフォローも解除もご自由に】 創作物書き
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*ムーンライト（R18BL）→　http://xmypage.syosetu.com/x4713bj/
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しずる @ilexyz.bsky.social · Oct 19
ファンタジーなどどこかの国で暮らす人たちの生活感あるBLが趣味の物書きです。
アラビアン、和風中華風、ヨーロッパ系色々
体格差、主従、処女開発が好き。

（リンク先・ムーンライトノベルズ　R18）
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#創作BL
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【R18創作BL小説】『ウェーレイキオルは微笑んでいる』
novel18.syosetu.com/n7775le/
#創作BL
英雄の末裔には星の加護、美しい守護天使が侍る――はずが、十年待ち続けた男の元にようやく来た一羽は何故か黒くて見た目も優れず……
長らく期待し、憧れ続けていた存在が思っていたのと全然違うので落胆したり振り回されたりしながらもやっぱりかけがえなく大事だったりする主と、ずっと彼のことが大好きな守護天使の話。

顰め面気味高潔ツンデレ美形攻め（25）×攻めの為に生まれてきたにこにこマイペース人外受け（外見二十代、生後半年）

毎週金曜更新目標で連載中です。
『ウェーレイキオルは微笑んでいる』本文サンプル 「序　星が別れた後の世に」より 　薄らとだけ微睡んで、朝早くにエドアルドは目覚めた。朝日がやけに眩しくて、引き寄せられるように大窓へ駆け寄る。戸を開けて庭に出る。露に濡れた草葉がひんやりと薫る。 　光った。 　秋に色づく中庭を照らす光に現れている。翼を持つ人の姿。広げた翼は影になり黒く――否、実に美しい、大型の黒い翼だった。同じく黒い髪は癖なく伸びて腰まで届く。淡く金の艶を持っている不思議な黒色だった。 　エドアルドを見つめる瞳も蜜の如き黄金色だ。 「お会いしとうございましたエドアルド様」 　天使は張りのある声で囀った。仕える主の名を呼んだ。降り立ち翼を畳んで跪く。 「守護天使ウェーレイキオル|罷《まか》り越しました。これより傍にてお仕えいたします。どうぞ何なりとお命じくださいませ」 　その言葉をどれほど待っていたか。幼少の憧れ、十年の切望、対面の歓喜がエドアルドの胸を満たした。濡れる瞳を見開き、間違いないことに打ち震えながら、彼はどうにか息を吸った。 「待ち侘びたぞ」 「はい、遅くなりました、申し訳ございません」 　健気に答える、伏せた顔がもどかしく、頬を掴み上げさせる。滑らかな肌と髪が確かに指に触れる。 「黒いのだな」 「はい」 　ウェーレイキオルはその掌に擦り寄った。心底嬉しそうに微笑んで。
December 2, 2025 at 12:55 PM
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【R18創作BL小説】『ウェーレイキオルは微笑んでいる』
novel18.syosetu.com/n7775le/
#創作BL
十年――以上待っていてやっときた自分の守護天使がなんか黒いし美しくもないけど、物凄く愛しく思っている主人の話。

世界を二分する戦いの後の世、中世欧風ファンタジー主従
ツンデレ気味の英雄の後継者×マイペースにこにこ敬語人外

今作初濡れ場。人外従者のご奉仕。
毎週金曜更新目標で連載中です。
November 9, 2025 at 10:05 AM
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【R18創作BL小説】『ウェーレイキオルは微笑んでいる』（連載中）
novel18.syosetu.com/n7775le/
#創作BL
英雄の末裔には美しい守護天使が侍る――はずが、なかなか来なくて色々疑われながらも十年待ち続けた男の元にようやく来た一羽は、何故か黒くて見た目も……みたいな話。
中世欧風ファンタジー相思相愛主従、英雄の末裔（拗らせ高潔ツンデレ美形）×守護天使（マイペース一途敬語人外）

金曜20時更新（希望）
October 24, 2025 at 12:46 PM
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御無沙汰……
夏は暑くて休みとしていたのですが秋が来たので連載開始です。
連休に導入を更新、あとは金曜20時の更新を目指して書きます。
October 10, 2025 at 3:35 PM
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【R18創作BL小説】『ウェーレイキオルは微笑んでいる』連載開始
novel18.syosetu.com/n7775le/
#narou #創作BL
英雄の末裔には美しい守護天使が侍る――はずが、なかなか来なくて色々疑われながらも十年待ち続けた男の元にようやく来た一羽は、何故か黒くて見た目も……みたいな話です。
中世欧風ファンタジー相思相愛主従、英雄の末裔（拗らせ高潔ツンデレ美形）×守護天使（マイペース一途敬語人外）
novel18.syosetu.com
October 10, 2025 at 3:33 PM
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【R18創作BL小説・完結】『猫のおまけ』
novel18.syosetu.com/n8082jx/
#創作BL
王の飼い猫の世話をしていた白奴隷タラールは、一匹が将軍ハイダラに下賜されると共にその世話の為におまけでついていくことになった。立派な餌皿や寝床と玩具と共に、彼自身は一張羅だけを着て。

完結しました！
猫の扱いが分からない堅物で奥手な将軍×できる美人…と見せかけてのんびりうっかりもする奴隷
雰囲気アラビアンのファンタジー主従物。
十万字程度でまとめ読みもしやすいボリュームかと思います。ちょっとだけシリアス入りのほのぼのハッピーエンド。
May 18, 2025 at 2:26 PM
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【R18創作BL小説・連載中】『猫のおまけ』
novel18.syosetu.com/n8082jx/
#創作BL
王が飼い猫を下賜する際におまけにつけられた穏やかな美人奴隷が、剣の達人の奥手な主人や使用人たちと仲良く暮らしていく話。
アラビアンな国でのファンタジー。

炬燵、趣味の時間、お土産とお茶、市場で買い物。
毎週水曜更新ののんびり連載。
March 14, 2025 at 12:18 PM
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【R18創作BL小説】『回青の園‐ご主人様の枕ちゃんⅡ』（完結済）
novel18.syosetu.com/n6477fy/
#創作BL
鸞の加護つきの貴族ご主人様×虫食い面の氷精憑きの奴隷
宝石の首輪をつけての溺愛寵愛、年の差体格差、雰囲気アラビアンのファンタジー主従。

完結後の追加短編を一本更新しました。
ご主人様の誕生日祝いです。
novel18.syosetu.com
January 22, 2025 at 1:39 PM
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【R18創作BL小説・連載】『猫のおまけ』
novel18.syosetu.com/n8082jx/
#創作BL
数多いる王の飼い猫の世話をしていた白奴隷タラールは、一匹が将軍ハイダラに下賜されると共にその世話の為におまけでついていくことになった。立派な猫の餌皿や寝床と玩具と共に、彼自身は一張羅だけを着て。
猫最優先の生活はのんびりと穏やかに。ハイダラと共に過ごす時間は少しずつ、変化していく。

奥手な軍人（27）×穏やか奴隷（23）　と暢気なお嬢様猫
雰囲気アラビアンのファンタジー主従。
水曜20時更新。
January 22, 2025 at 1:37 PM
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あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いいたします

年明け心機一転、新連載開始します。
今年はまずこれを書き続けて完結まで持っていくことを目標に。着実に。
ご趣味に合いましたらお付き合いください。よろしくお願いします！
January 1, 2025 at 1:49 PM
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【R18創作BL小説・連載】『猫のおまけ』
novel18.syosetu.com/n8082jx/
#創作BL
数多いる王の飼い猫の世話をしていた白奴隷タラールは、一匹が将軍ハイダラに下賜されると共にその世話の為におまけでついていくことになった。立派な猫の餌皿や寝床と玩具と共に、彼自身は一張羅だけを着て。
猫最優先の生活はのんびりと穏やかに。ハイダラと共に過ごす時間は少しずつ、変化していく。

奥手な軍人（27）×穏やか奴隷（23）　と暢気なお嬢様猫
雰囲気アラビアンのファンタジー主従。
話数未定の新規連載です。よろしくお願いします！
新規連載『猫のおまけ』紹介（冒頭） 　陛下がいらっしゃると先触れが来て慌しくしたのは、もうどこにも見えない。手早く敷物やお茶の支度が整えられた広間には寛ぐ猫たちと王様がいて、それに相応しいゆったり落ち着いた空気が流れている。私は横で床に座って、お茶を注いだりしている。 　前を、猫が行く。にゃんと鳴き声。それに返事でにゃーん。座った腰のあたりにもぬくもりがある。一匹、黒猫ライラが出ていった。……王様のおでましにも構わないで別の部屋で気ままに過ごしている猫も数えると、今この家には三十五匹いる。 　|猫の家《マンズィルカ》と呼ばれている此処は、宮殿の南側にある。 　その名のとおり、見てのとおりの猫の住まいだ。今もふさふさのアサドを揉んでにこにこの陛下――ファジュル王が猫好き過ぎて飼い猫が増えに増えたので、建てられた家。
January 1, 2025 at 1:47 PM
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中世～近世くらいの雰囲気のどこかの世界で日常を営む二人がBLしてると世界観も萌えも味わえてお得～
みたいなタイプの創作をしている物書きです。
大体ファンタジー。大体ハッピーエンド。年末年始のお供にしてもらえたら嬉しいです。

xmypage.syosetu.com/x4713bj/
【リンク先R18小説】
#創作BL
xmypage.syosetu.com
December 31, 2024 at 1:07 PM
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その他、これまでの作品を愛でてぼちぼち後日談的短編を紡ぐ一年でした。
長編三本ほど書き始めてはボツ…というか中断しており、元から寡作の上に不作で苦しい。でも後日談自家発電も楽しく、これは来年も続けたいなと思うので、作品がお口に合った方はまた一緒に楽しんでいただけると嬉しく思います。
December 31, 2024 at 1:07 PM
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#創作BL　2024年書いたもの

【R18小説・短編】『橘言』
novel18.syosetu.com/n3296jt/
多くの臣を切り捨て恐れられた帝の御代。御前で詩を吟ずることになったタチバナはその披露の後に「面白い話」を請われ、誰も知らぬような話をせねばならないと追い詰められた結果出任せに猛獣の鬣に住む美しい精霊の話をする。
無口無表情な攻めと、彼を癒した未亡人系美人受け。別離の話。
December 31, 2024 at 1:07 PM
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#創作BL　2024年に書いたもの

【R18小説・短編】『家政婦、男娼、お嫁さん』
novel18.syosetu.com/n1682ja/
タイトルどおりの受をお嫁さんにする話。
生活に疲れた攻と並程度の家事ができる受の、生活感があって山場とかは特にない、さらーっとした茶漬けのようなテイスト。ハッピーエンド！
novel18.syosetu.com
December 31, 2024 at 1:04 PM
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雪が大好きな氷精憑きの奴隷と、彼が大好きなご主人様の、ある冬の朝。

雰囲気アラビアンファンタジー主従、クリスマス風掌編
完結済み本編↓
【R18創作BL小説】『翡翠の環‐ご主人様の枕ちゃん』
novel18.syosetu.com/n3390ft/
#創作BL

こっちに出すの忘れてたけどこれもクリスマス風味でした
贈り物（『ご主人様の枕ちゃん』2024クリスマス掌編） 以下本文 　目覚めると雪が積もっていた。 　本当に降ったんじゃないかと感じるしんと冷えた朝、目を開いた先に広がっていた白色に一気に意識が醒める。身を起こして見渡すと足元まで全部が覆われていた。 　重なる布団の上に仕上げのようにかけられた白布。綺麗な刺繍が縁取っていて――雪の星の模様だ。糸がきらきらしている。 　見惚れるうちに主人も目を覚ます。こっちを見上げる顔がすぐ、満足げに微笑んだ。 「これ……どうしたんですか」 　この布は昨日眠ったときはなかったものだ。寝た後で、主人がかけたんだろう。 　毛布の下で手が握られる。あやすように指が擽る。 「気に入ったか？」 　頷く。すごく、素敵だ。朝から興奮している。此処での暮らしは家具でもなんでも綺麗なものばかり見るけれど、これは、気に入った。 　雪に似た真っ白、撫でても壊れない雪のかたち。とても嬉しくて―― 「朝に積もっているのを見つけると、お前は贈り物でもされたような顔をするからな。……一度、私がやってやろうと思っていた。いい気分だ」 　俺に、こうして見せる為に用意して、仕掛けられたと思うともっと嬉しい。雪を貰えるなんて。 　天から降る雪も、俺たちは勝手に加護のように思っているけれど。これは俺だけにだ。 　俺の、ご主人様がくれた雪。 「これなら|暑期《ハアル》にも見られる」 「はい」 　ずっと残る雪だ。 「目が冴えたかも知れんが。今日はもう少し寝ていてもいいだろう」 　中に引き寄せられるとあたたかい。さっきまで、寝ていたときと同じはずなのに、もっと特別な居心地に感じられる。ふふと笑いが漏れた。頬に接吻がある。 　寝ていてもと言いながらあちこちを撫で回す主人の所為で目は冴えっぱなしだった。人が起こしに来て、今日は雪が積もっておりますよと教えてくれるまで、そうしていた。 （了・画像二枚目ALTテキストなし）
December 26, 2024 at 10:40 AM
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真面目世話焼き年下×ちゃらんぽらんろくでなし年上。神話の植物を身に宿す『庭』とその世話をする公務員庭師『園丁官』の近世欧風ファンタジー、後日談。
クリスマス系イベント、いちゃいちゃ冬のデート編。冬至なので本日。

【R18創作BL小説】　『緑を分けて』　本編　→　 novel18.syosetu.com/n7631ie/
#創作BL
創作BL小説『緑を分けて』後日談、クリスマス系イベントネタ短編 （以下本文） 　冬の一大イベントと言えば冬至の日、優しい夜の女神ユフ・シルヘトの大祭日である。人々はご馳走を食べて、長い夜に多くの火を捧げて闇と語らう。そうしてまた、新たな日、新たな年の到来を喜ぶのだ。 　その一週間前、いよいよ年末年始のムードが高まる中、二人は南広場を歩いていた。雪が積もっていて寒い割に人が多いのは、飾りつけされ出店も幾らか出ているからだ。常緑樹のリースに鹿の角や毛皮、種々の蝋燭、神話の場面を織り込んだ華やかなタペストリーもこの時期特有だ。 　とはいえ欠かせぬリースはこういう行事に熱心なカイが早い時期に行きつけの花屋でよいのを買っていたし、蝋燭ももう準備万端、他の飾りは毎年買うようなものでもない。買い物が目的ではなく雰囲気を味わいに寄ったのだった。その中で、よい香りの漂う列に並ぶ。 「二杯、ください」 「はいよ」 　白い糖衣、芥子粒を包んだ滑らかに丸い菓子――ハーゲルを口の中で転がしながら、温めたスパイス入りの葡萄酒を味わう。これが冬の定番である。ホットドリンクは家庭でも作るものだが、広場の屋台で売っているものはどうしてか、格別うまい。冷え切った空気の中で白い吐息と入れ替えていくのが堪らないのだ。 　外回りでよくありつくカイも、彼に連れ出されるようになって外出が増えたセヴランも、これは好物だった。こういう場所に来ると必ず一杯飲んでしまう。 　ふう、と湯気を吹き飛ばして、セヴランは尋ねる。 「カイ、新年一発目俺のとこだけ？」 「そう。貴方だけ見たらもう帰る」 「じゃあ長居できるな」 「頼むから、起きて部屋を暖めておいてくれよ」 「んー努力はするけどさあ、寒いんだよね……」 「寒いから言ってるんだよ」 　祭日とその翌朝――年明けは普通、家族と過ごすものだ。皆休日である。のだが、園丁官はそうも言っていられない。最低限、発現がある庭は確認しなければならなかった。その為に数名の園丁官が仕方なく出勤することになっている。カイもその一人で、来年一日目の予定は、プレーツ宅の訪問、以上。である。 　カイにしてみれば、悪い話でもない。 　妻子持ちのデニスなど他の人たちに休みを譲るていで、自分の家族にも出勤だから仕方ないという体裁をとり、セヴランと過ごせる。一石二鳥、実に合理的である。 「夜からいれればいいのになー」 　セヴランは笑う。カイはちょっと誤魔化して砂糖菓子を舐めた。 　セヴランと――恋人と夜を過ごしてみたい気持ちは勿論あるのだが、同時に家のほうも大事だ。今回それを秤にかけて相談などするより先に、セヴランは一歩引いてしまったのだ。家族を愛することの大切さと限りを知っているゆえの譲歩だった。甘えたことも分かりやすく軽く、冗談らしく言う。 　――来年こそは一緒にと言おう。 　カイは早くも一年先の決意をして、今は今で楽しく笑った。ぽつぽつ話しながら冷めるのが早い葡萄酒を味わって飲む。小さくなったハーゲルを噛み砕き、香ばしい芥子の風味も感じつつカップを返しに行く。そのまま、また歩き出す。 （画像二枚目に続く） 「――こんなとこで皿売ってる。去年もあった？」 「去年は……なかったかな。初めて見たかも」 　進んだ先で色とりどりの品を並べていたのは、食器店だった。見れば商店街の老舗の名を出した看板で、出張とある。 　カイが商品を見に近づいていくのに、セヴランも横に並ぶ。カイはこういう物でもやはり植物の意匠を特に好んだ。今日の場合は冬らしい柄が並んでいるので、花柄というよりは葉や実を描いたものが多かった。 　ご馳走を載せるプレートも華やかに並んでいたが――今さっき温かいものを飲んだ後味が唆し、マグカップに視線が寄っていく。これで飲めば寛げそうだとイメージが擡げてくる。その中でも特に彼の目を惹いたのは、濃い緑色の器だった。 　生命力を象徴する、新年の色だ。人気なのか何種類かあり、柄が違う。 　ヤドリギのレリーフが白く浮かび上がっている物を、カイの手が持ち上げる。大きさも丁度いい。 「これがいいな」 「いいじゃん、買えば」 　いつの間にか選んでいて零される呟きに、他を眺めていたセヴランも確かめて言う。こういうとき全然止めないのが彼の主義だった。 　カイは値札も確かめて、少し迷って、悩んで、カップを見つめていた。一つ既に持っているのにもう一つ、左手が同じ物を持ち上げにいく。ちらとセヴランを窺って目が合う。 　無言の意味するところを察して、セヴランは身を起こすように背筋を伸ばした。体と同時に、緩みそうな口元を引き締める為だった。 「買えば」 「……二つ、ください」 　再度の促しを――許可を聞いて、カイはマグカップを二つにして店員へと差し出した。ほんのり頬が熱い。 　予期せずおそろいのカップを買ってしまった。これまでも揃いのティーセットで茶を飲んでいたがそれとはまたわけが違う。嬉しかった。 　マグカップは丁寧に包まれて、並んで箱に納まった。 「よい祭日を」 「ありがとう」 　店員の挨拶も殊更麗らかに聞こえる。大事に抱えて数歩離れて、カイは改めてセヴランのほうを見た。 　セヴランはに、と目を細めた。箱に手を当てる。 「来年、頑張って来なよ。これ用意して待ってるからさ」 　――本当に？　起きているかも疑わしい。 　と思うのに、カイは心底期待もしてしまう。まず、今年もまだ一週間あるが――それまでカップは取っておいてもらおうとも思う。 「ワイン買わなきゃな、それとも紅茶？　ミルクがいい？」 （続き） 「――全部飲む」 「はは、そだな」 　一回目は年明けのお楽しみとして。その後は何回使ってもいいのだ。欲張る年下の恋人に、可愛いんだからなあ、とセヴランは吐息を弾ませた。 「ハーゲルも買っておこう。俺やっぱあれ舐めるの好き」 　雪のように白い菓子の粒も、彼らには楽しい冬のひとときを数える道具のように思える。 　年明け、二つのカップを満たす飲み物は屋台のものに劣らぬ格別の味わいになるに違いなかった。 （了）（以降画像ALTテキストなし）
December 21, 2024 at 1:40 PM
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【R18創作BL小説】『家政婦、男娼、お嫁さん』1.3万字短編
novel18.syosetu.com/n1682ja/
#創作BL #narou #narouN1682JA
タイトルどおりの受をお嫁さんにする話。
生活に疲れた攻と並程度の家事ができる受の、生活感があって山場とかは特にない、さらーっとした茶漬けのようなテイスト。ハッピーエンド。

いい夫婦の日宣伝！
novel18.syosetu.com
November 22, 2024 at 2:13 PM
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【R18創作BL小説】『橘言』（一万字以下短編）
novel18.syosetu.com/n3296jt/
#narou #創作BL
多くの臣を切り捨て恐れられた帝の御代。御前で詩を吟ずることになったタチバナはその披露の後に「面白い話」を請われ、誰も知らぬような話をせねばならないと追い詰められた結果出任せに猛獣の鬣に住む美しい精霊の話をする。

冷徹と恐れられる帝、無表情無口攻め×その寵愛を受け心を慰めた官人、黒髪美人受け
和風～中華風ファンタジー、身分差。
別離死別エンド、未亡人系の受け。
November 22, 2024 at 11:14 AM
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【R18創作BL小説】アジアンファンタジー
『坤輿の上』
novel18.syosetu.com/xs9377a/
十二の州から成る大国コンヨでの話。現在三作。

豊穣祈願の旅をする、引率の厳つい将軍×尾を持つ美人誘い受。馴れ初め話。
心配性な青年×危険な任務につく見た目少年の伝令。いちゃいちゃ夫婦。
冷徹と恐れられた帝×美しい嘘の話でその心を慰めた官人。身分差と別離の話。

#創作BL
November 15, 2024 at 11:01 AM
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新作が書けました。一万字程度の字数的には読みやすい、湿っぽい話です。
和風～中華風ファンタジー、身分差。
別離死別エンド、未亡人系の受け。
#創作BL
November 14, 2024 at 1:33 PM
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【R18創作BL小説・短編】『橘言』
novel18.syosetu.com/n3296jt/
#narou #創作BL
多くの臣を切り捨て恐れられた帝の御代。声が美しいと噂され御前で詩を吟ずることになった官人タチバナは、その披露の後に「なにか面白い話を」と請われ、誰も知らぬような話をせねばならないと追い詰められた結果出任せに猛獣の鬣に住む美しい精霊の話をする。嘘の上、盛り上がりや落ちも欠いた話になり最悪の覚悟もしたタチバナだったが、帝には気に入られさらに夜に侍ることとなり――
冷徹と恐れられる帝、無表情無口攻め×その寵愛を受け心を慰めた官人、黒髪美人受け
November 14, 2024 at 1:32 PM
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宣伝RTやフォローありがとうございます！
October 26, 2024 at 12:05 PM
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短編も宣伝しておき
もう宣伝するものがないので書かねばならない。はっはっは。
October 26, 2024 at 12:03 PM
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【R18創作BL小説】『家政婦、男娼、お嫁さん』（短編・1.2万字）
novel18.syosetu.com/n1682ja/
#創作BL #narou

仕事に疲れて生活が荒れていた攻（26）が普通程度に家事ができる男娼の受（18）と出会ってそのままお嫁さんにするだけの話。
生活感あり山場なしの日常系、家事と料理。何処かの欧風架空異国。
novel18.syosetu.com
October 26, 2024 at 12:01 PM