りえら
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りえら
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20↑(成人済)腐//DC(景零)/OP(ゾサ)
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OKAYAMAパネルもありますよ😂😂
November 9, 2025 at 10:05 PM
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#にじのっく5
こっちにも一応あげておきます！楽しみだ🎶
August 9, 2025 at 11:45 AM
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届いたよォォォ
August 4, 2025 at 11:55 AM
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背中に萌える
July 20, 2025 at 11:16 AM
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イベントお疲れ様でした🎶
アニメ忘れず見ます！！
July 14, 2025 at 11:00 AM
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一応こちらにも。よろしくお願いいたします！
May 11, 2025 at 11:49 PM
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#ゾロサン #zosan
ゾサに子供のちびなすがいる家族設定。会話のみ。
December 17, 2024 at 12:40 PM
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ブランケットに手を伸ばすと、肩に掛けてやった。ブランケットごと暖めてやろうと、しばしの間そっと抱きしめていた。こいつがいつも使っているやたらといい香りのするシャンプーと、寝る前に吸っていたであろう微かな煙草の匂いがする。　 　相変わらずサンジは瞳を閉じたままだ。肩にもたれかかっている頭を持ち上げ、ピンと跳ねていた後頭部の髪の毛を手櫛で直した。そのままサラサラと前髪を撫でる。普段はこの長い前髪のせいで顔の半分しか分からないので、顔の全てが見られるのは貴重である。相変わらず変な眉毛だなと指でくるくる撫でると、くすぐったいのか「んん…」と身を捩らせていた。 　こうして見ると綺麗な顔をしているなと思う。眩しいほどの金髪、通った鼻筋に、意外と長いまつ毛。こいつのことを見た目で好きになったわけではないが、好きになれば外見も全て愛おしくなるものだ。 　髭も生やしていて、おれに喧嘩を売る度に眉間に皺を寄せて、悪そうな人相をしていることも多い。しかし、寝ているときは存外可愛らしくもある。 　こうして黙っていれば天使のようだ。これも惚れた弱みか。 　午前５時５０分。 　穏やかに過ごす時間も悪くないが、そろそろ時間が迫ってきた。 「おい、そろそろ時間だ」 　ブランケットを剥いで、両肩を掴んで軽く揺さぶるも頭はグラグラとして未だ力が入っていない。今日の起きなさはなかなかに重症である。さすが のゾロもやや焦ってきた。 「てめえ、このままならキスしちまうぞ」 　昼間なら蹴りを食らいそうな言葉も今のサンジには届いていないようだ。何の返事もないのをいいことに、ゾロは顔を両手で挟むと、グッと自分に引き寄せて口付けた。チュとわざとらしくリップ音を立ててみせたが、相変わらず無反応。少し調子に乗って強引に舌も入れたやった。深い口付けにサンジは息苦しそうにしていた。 　だが、正直このままだとゾロの方がまずいと感じ、唇から離れた。ここ数日寒さにやられていたサンジの体調が気になって、夜の誘いもせずにいたのだ。一人でも抜いてなかったうえ、長時間抱き着かれ、匂いを嗅いで、キスまでして……自身が反応してしまいそうだった。　 　危ない危ない。精神統一、耐えろ。 　でも、ここまでしてやってるんだから、もう少しだけ。 「なぁ、今夜いいか？」 　サンジの耳元で囁いた。もちろん返事はなかった。 「おい、起きろ！！」 　夜の雰囲気になりそうだったのを勢いよく切り替えた。さて、こいつをどうやって起こすか。あまり無理に起こすのは忍びないと思い、そっと声をかけたり揺すったりしていたが…時間も時間なので仕方がない。　 　ゾロはやや強引にサンジの頬を引っ張ったり、鼻を抓ったりしてみた。 「……痛ェ」 　サンジがゆっくりと目を開けた。視線が重なって、こいつの綺麗な瞳も好きだなと思う。 「ゾ、ロ？」 「おう。よく眠れたか、クソコック」 「ん……おはよう」 「はよ」　 　サンジは眠たい目を擦りながら、優しく微笑んで見せた。それから大きな欠伸を一つして、うーんと伸びをした。 　午前６時。 　まだフニャフニャとしているサンジが立ち上がって両手を広げて待っている。ゾロも椅子から立ち上がり、エプロンを手に取った。首にかけてやり、後ろをキュッと結んでやった。エプロンなんて自分でも着たことがないのに、まさか人に着せる方に慣れるとは。 「できたぞ」 「さん、きゅ」 　背中をポンと叩くと、サンジはよたよたとキッチンへ向かった。鍋を取り出すと、水を入れ火を点け、湯を沸かし始めた。始めはこんな状態で料理をするなんて、と危なっかしく思っていたが、料理を始めるとだんだん意識がしっかりしてくるらしい。１５分もすれば鼻唄を交えながら、大きな鍋に入ったスープをくるくるとお玉でかき混ぜている。 　そして、朝食の準備がひと段落すると自分の身支度を整え、みんなを起こしてまわるのだ。こんなに寝起きの悪いやつがみんなを起こしているというのは些かおかしな話でもある。 　ゾロはくるくると動き回りながら料理するサンジをしばらく眺めたのち、邪魔にならぬようダイニングからそっと抜け出した。 　午前７時すぎ。 「起きやがれ、このクソマリモ！！」 　甲板で眠っていたら、大きな蹴りが一発落とされた。 「――痛ってェなぁ！！」 「飯に来ねェのが悪ィんだよ。さっさと来い、そして食え！！」 　すっかり日中モードとなったサンジがそこにいた。ほんの一時間前のことなどなかったかのように文句が飛んでくる。 「くそ。誰が起こしてやったと……」 　蹴られた場所を擦りながら立ち上がろうとしたら、胸倉をグッと掴まれた。サンジの顔に引き寄せられると耳元で囁かれた。 「あと、今夜いいぜ？」 　サンジはニヤンと笑うとパッと手を離し、ダイニングへ戻っていった。 「あいつ……」 　前言撤回。あいつは天使なんかじゃない、悪魔だ。いや、小悪魔か？ 「今晩覚えとけよ」 　そしてまた一日が始まる。夜が楽しみだ。
December 2, 2024 at 7:55 AM
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支部（https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19272362）
初めて書いたゾサでした。
#ゾロサン　 #zosan
#11月32日はゾサの日
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「コックは朝に弱い」、「りえら＠dchropzs」と記載されています。 以下は本文の内容です。 　ゾロは普段決まった時間に寝起きをしない。身体が睡眠を欲していれば取るし、そうでなければトレーニングに励む。そのため夜中ずっと起きていることもあれば、逆に日中ずっと寝ていることもある。まぁ、ご飯の度にコックに起こされはするのだが。 　しかし、ここ数日は珍しく必ず起きている時間があった。 　午前５時半。 　トレーニングに励んでいたゾロは、その手を止め、タオルで汗を拭った。展望室を出て、向かうは男部屋。そっと扉を開くと、まだみんな夢の中でスヤスヤと寝息が聞こえてきた。ボンクから手足をはみ出して寝ているルフィをグイッと押し込んで、お目当ての人物の元へ腰を下ろした。 「おい、コック…」 　他を起こさぬよう、小声で話しかけユサユサと肩を揺する。しかし、サンジは一向に起きる気配がない。それどころか起こすなと言わんばかりに毛布を頭まで被ってしまった。 　ゾロがこの時間に起きている理由、それはサンジを起こすためであった。 　サンジは、コックという立場上、一味の中で寝るのが一番遅く、起きるのは一番早い。料理の支度や後片付けに時間を要するからだ。それだけでなく、洗濯掃除など家事全般もこなす。この船内で、生活力という点においては一番しっかりしたタイプだとゾロは思っていた。 　付き合うようになり、身体を重ねるようになって初めて知ったのだ。サンジが実は朝起きるのがあまり得意ではないことに。最初の頃は、昨晩激しくしすぎたか？と少しばかり反省したことも あった。しかし、添い寝して眠っていただけの日でも、朝はかなり不機嫌で、それとこれとは関係ないのだと分かった。（もちろん夢中になって何度もやりすぎると身体がしんどいのでそれはそれで怒られることもある。） 　でも、コックとしてのプライドとやらがあるらしく、絶対に寝坊をすることはない。必ず時間までにはキッチンに立つし、完璧な朝食が並んでいた。 　その朝の弱さがここ数日急激に悪化した。 　どうやら冬島の気候に入ったのが原因らしい。サンジの朝の弱さはチョッパー曰く低血圧が原因だが、病気なわけではないので治療や薬も特にないらしい。それに加えて、元々冷え性なのにこの寒さのせいで、より布団から出てこれなくなってしまった。とうとう先日、寝坊しかけたらしく、さすがに心配になった本人から「起こしてくれ」と頼まれてゾロはこうして毎朝サンジの元へやって来ていた。 　ちなみに起きるのが苦痛なら早く寝ればいいのではないか、と提案したこともあった。しかし、サンジは朝が苦手なだけで、睡眠時間が短くても構わないらしい。ショートスリーパーというそうだ。確かに昼寝をしている姿を見たことがないので、納得した。 「おい、起きろよ」 　先程よりやや大きく全身を揺さぶるも、うんともすんとも言わない。毛布を少し捲って顔を覗くと、見事なほどにスヤスヤと寝息をたてていた。ここまで気持ち良さそうに寝ていると起こすのも悪いような気がしてきた。多分世の中の子供を起こしている親たちもこんな気持ちなのだろう。 　しかし、起こさなければ朝食作りに間に合わない。それは本人が一番嫌がることだ。心を鬼にして勢いよくバサッと毛布を全て剝ぎ取ってやった。 「んー……」 　暖かい毛布の中から突然冷たい空気の中に放り出されたせいか、さらにギュッと身体を縮こませた。サンジの背中をポンと軽く叩きながら、耳元で声をかけた。 「おい、朝だぞ」 「うう……」 　寒さで少しだけ意識が浮上してきたのか、もぞもぞと身体を動かしていた。 「起きられるか？」 「ん」 　そう問いかけると、サンジは仰向けになり、両手を広げて伸ばしてきた。ゾロは、またか……と心の中で溜息をついた。何故なら昨日も一昨日も同じ状況だったからだ。 　ボンクに横たわるサンジに身を寄せ、背中に手を回すと、そのままガバッと抱き上げた。サンジの両手はゾロの首に巻き付いた。これで落としてしまう心配はないが、こうなると起きているのではと思う。しかし、肩にこてんと頭を傾け、未だに瞳は閉じたままだ。無意識でこうしているのなら逆に器用だ。 　サンジを抱き上げたまま男部屋からそっと出て、ダイニングへ向かっていると、ブルックと会った。そういえば、こいつが昨日の不寝番だったか。 「ゾロさん、おはようございます」 「おう、ブルック、お疲れ」 　ブルックはゾロに抱っこされて眠っているサンジの顔を覗き込んだ。 「ヨホ、今日もまだお休み中ですか、サンジさん」 「ああ、でもそろそろ起こしてやらねェと」 「そう思いまして、先ほどダイニングの暖房つけておきましたよ」 「あのフランキーが作ったやつか」 　あまりにも寒そうにしているサンジを見かねてフランキーがお手製の暖房器具を作ってくれたのだ。ダイニングに設置されたそれにサンジはもちろん、女子たちも暖かくていいと喜んでいた。 「そうか、ありがとな」 「いえいえ。では私は一旦仮眠とりますね、失礼します」 　ちなみに二人が恋愛関係にあることはこの船のみんなが知っている。はっきりと言ったわけではないが、知らぬ間にバレていた。ゾロは別に気にしていないが、サンジはとにかく恥ずかしいらしかった。そのため、誰かがいる前では絶対にゾロに近付こうとはしてこない。近付いて来るのは喧嘩をふっかけてくるときだけだ。 　今はまだ寝ているので、たとえ抱き上げられていても、それをブルックに見られていても構わない。これが本人に意識があるときなら、恥ずかしさに耐えきれず、今ごろ多分船が壊されているだろう。 　午前５時４０分。 　ダイニングに入るとブルックが暖房をつけてくれていたおかげでじんわりと暖かかった。椅子にサンジをおろそうとするもギュッと抱き着いたまま離れようとしない。仕方なくそのままゾロが椅子に座り、その上にサンジが寄りかかる体勢になった。 　首に回された手に冷たさを感じ、近くにあった
December 2, 2024 at 7:55 AM
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「なに！？　どういうこと！？」 「まぁ、色々あるんだよ」 　てへへ、なんて言って笑いながら、のらりくらりと彼からの質問をかわす。「それって映像じゃなくて、本物がいいってこと！？」「お前、そういう相手いんの！？」「なぁ、色々ってなんだよ！！」と景光の両肩を掴み、執拗に問い詰めているが、どれにも答えず。 　零は一人背中に嫌な汗をかいていた。映像に興味はない、本物がいい、そういう相手と色々……。それらをつなぎ合わせた矢印の先にいるのは間違いなく自分だからだ。 　零と景光は同い年で同級生、幼馴染。そして││恋仲である。 　決して大きな声では言えないが、もうすでに何度も身体を重ねている。所謂そういう間柄でもあった。 　付き合うようになったが、学校では普段通りにしていたし、誰かに関係を伝えたことはない。それなのに、思いのほか踏み込んだことを景光が言い出して、自分だけが驚いている状況。 　焦る零に気付いていないのか、気付かないふりをしているのか。景光は彼からの問いかけを無視したまま、残りのお弁当を美味しそうにぱくぱくと食べていた。 　しばらくすると昼休憩の終わりを告げるチャイムが鳴り響く。 「席戻らないと、授業始まるぞ」 「くそ、諸伏！　絶対俺は聞き出すまで、諦めないからなっ！」 　ヒーローものに出てくる悪役の定番台詞みたいなものを吐き捨てて、彼は自分の席へと戻って いった。去ったのを確認してから、じとりと景光を見つめる。 「なんで、あんなこと言ったんだよ」 「だって事実だろ？」 　映像に興味ないのは事実だし、それともオレがそういうとこ出入りした方がいいのか？　なんて聞いてくる。 「そ、れは……いや、だけど……」 　景光のペースに惑わされそうになり慌てて、そうじゃなくて！　バレるかと思って焦ったじゃないか、と咎める。 「まぁ、そうなったときは守るから」 「守るって……」 「だってオレ、お兄さんだし？」 「なっ……！」 　自信たっぷりなその表情に、言い返す余裕なんて途端になくなってしまう。 「あ、そういえば。今日オレんち、おじさんもおばさんも夜いないんだけど……来る？」 　含みのある目を向けられれば、もう頷くほかない。 　お兄さんだから守る、なんて言いながら。 　年上のくせして、年下に手を出すなんて悪い男。 　まぁ、それを許しているのも自分なのだけど。 　毎年のことながら、慣れないこの短期間の年齢差。早く自分の誕生日がきてほしいと思いながら、空っぽになった弁当箱の蓋を勢いよく閉じた。
November 23, 2024 at 11:51 AM
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#景零　いい兄さんの日、ってことで再掲。ひろの方がぜろより誕生日が少し早いという設定のお話です！ #新書ページメーカー https://sscard.monokakitools.net/pagemakers/shinsho/index.php
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「ほんの少しだけお兄さん」、「りえら＠dchropzs」と記載されています。 以下は本文の内容です。 「え、零って八月生まれなの？」 「そうだけど」 　新学期。進級して、クラス替えがあった。まだ慣れない新しい教室の後ろに掲示されている自己紹介カード。名前や誕生日などを記入したそれらを眺めながら、景光は目を輝かせている。 　少し前にようやく声が出せるようになった景光は、思っていた以上に人懐っこかった。反動なのか元々の性格なのか分からないが、よく喋る。それに比例して僕たちの仲もぐっと縮まっていた。 「オレはね、七月！」 　自分の書いたカードを無邪気に指差す。 「そんなに喜ぶことか？」 　零はどこか訝しげに、景光を見つめた。同じ誕生日で喜ぶなら分からなくはないが、一か月くらい違うのだ。 「だって、オレの誕生日が先にきて……年上になるだろ……そうしたら、零よりお兄さんになれる！」 「えっ」 　驚いた声をだす零と、にこにこと笑っている景光。例え誕生日が先でも同級生には違いないのだから兄だとか年上だとか、考えもつかなかった。景光は兄がいるから、そういうのに敏感なのかもしれない。 「お兄さんになれるの、楽しみだなー」 　早く誕生日こないかなーと、身体を軽やかに揺らしている。あんまりその気持ちは理解できないが、それでも景光が元気でいることが一番だ。どこか得意げな景光を横目に、優しく微笑んだ。 　時は過ぎ、二人は高校三年生になった。 　昼休み、景光と零は教室にいた。席が前後の二人。前が零、後ろが景光。零の机をくるりと回転させ、景光の机とくっつけて、向かい合わせになってお弁当を食べている。 「ふふ」 「なんだよ、急に笑って」 　どこか浮かれている景光は、弁当の卵焼きを口に運びながら突然笑い出した。 「今日からしばらく零よりお兄さんなんだなーって思うと嬉しくて」 　思わず眉を寄せ、はーっと大きなため息を吐いた。 「そのくだり、何年続けるつもり？」 「え、これからもずーっと？」 　にやにやと、いたずらに笑う。つまり僕たちはずーっと一緒にいられるんだ、って少しだけ心臓が跳ねたのは絶対に内緒だ。 　今日は景光の十八歳の誕生日。 浮かれている理由はこれだ。単純に誕生日だからというのもあるし、それ以外の理由も自分だけは知っている。 　景光と零は同い年で同級生、幼馴染。けれど、誕生日は景光の方が少しだけ早い。景光は自分が先に誕生日を迎えると、いつも決まってこの台詞を言う。初めて互いの誕生日を知ったあのときからずーっと変わらずに。よく飽きずに続けられるな、と思う。それに誕生日はほんの一か月の違い、大して変わらないというのに。兄弟のいない零にとって、この景光だけが持つ数字のこだわりは未だに分からないままだった。 　そんな会話を交わしていると、傍にいたクラス メイトの男子が声をかけてきた。 「え。諸伏、今日誕生日なの？」 「あぁ、そうなんだ」 「へー。おめでと。ってあげるもん、これくらいしかないけど」 　そう言って、ポケットからのど飴を取り出して景光に差し出した。 「貰えるだけでも嬉しいよ。ありがとう」 　本当にたまたま持っていたものを渡しただけだろうに、景光は心から嬉しそうだ。誕生日を祝ってもらうというのはいくつになっても気恥ずかしさと有難さが常に同居している。不思議な感覚だ。 「えー、でもいいなー……」 「いいってなにが？」 　なにかを羨ましがる彼に、景光が首を傾げる。なんとなく嫌な予感のする零をよそに、彼が周りを気にしながらこそこそと二人に向かって話し出した。 「だって今日で十八歳になったってことだろ？　もうあれやこれや解禁ってことじゃねぇか」 「あれやこれや？」 「はー……鈍いなぁ、諸伏は。あのＤＶＤショップの奥深く、のれんの向こう側に！　俺たちの憧れが詰まった七色の夢世界が広がっているというのに……！」 　わざとらしいほどの身振り手振りに、気合の入った語り口。 「なぁ、降谷なら分かるだろ？」 両手を大きく広げたまま、こちらへ視線を寄越す。嫌な予感は的中だ。そういう話を景光の前でしないで欲しいし、自分にも振らないでほしい。けれど、残念ながら今は逃げられそうもない。 「……例え十八歳になっても僕たちはまだ高校生だから、そこには入れないぞ」 「えっ！？　そうなの！？」 　冷めた目でそう言えば、本当に知らなかったらしく両手で口を覆い、大袈裟なほど驚いている。もちろん時と場合によると思うが、少なくとも男子高校生が制服着て入ろうとすれば、声くらいかけられるだろう。詳しくないから、知らないが。 　もうこの話は終わりだ、と素知らぬ顔で弁当のから揚げを口に運ぶ。これ以上話は広がらないだろうと思っていたら、今度は矛先が景光へ向いてしまった。 「諸伏、ピンときてない感じ？」 　話分かんなかったか？　とこそこそ内容を詳しく説明しだす。お願いだからやめてくれと思いながらも、彼は「大人の映像のことだよ」と生き生きとしている。ただ景光はそれでも「うーん」とどこか腑に落ちていない感じだった。 「やっぱ諸伏、真面目そうだし、こういうの興味ないかぁ」 　納得したような、していないような様子で頭の後ろで両手を組んだ。 「あ、その、なんというか……」 　なにを考えているのだろう。じいっと景光の顔を見ていると、一瞬だけ意味ありげに視線が合わさった。その瞬間。 「映像は興味ないかな」 　一瞬、ドキッとして心臓がとまったかと思った。 「……映像はって！？」 　この話題にのってこない二人に退屈そうにしていた彼が、机にバンと両手をついて、景光へと身を乗り出した。
November 23, 2024 at 11:51 AM
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びんじょーしてアップしてみる！
#景零
夏のはじまり(4/4)
小学校ひれちゃんのお話。
(景零) 夏のはじまり① (景零) 夏のはじまり② (景零) 夏のはじまり③ (景零) 夏のはじまり④
November 15, 2024 at 1:23 PM