まなと
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まなと
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そのうち続きを書きます
September 29, 2025 at 9:11 PM
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改めてありがとうフォロワー……とりあえず形になりました

子ギルとぐだお（4/6ページ）
September 29, 2025 at 9:11 PM
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デスティニーは我が王でした
August 6, 2025 at 11:04 AM
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秋口に書こうと思ったまま放置してたやつ・慶次の話（BSR+だいぶ捏造設定）
March 24, 2025 at 1:07 PM
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エルとキャスギルの話（今日あげました）
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。 画像情報：generated by 文庫ページメーカー / フォント：源暎こぶり明朝 以下は本文の内容です。 　たしか――、と賢王ギルガメッシュは考える。視界は寝起きでぼんやりしている。 　たしか、雑種の部屋でブリーフィング（お説教）のあとに何か面白い話（雑談）をさせていたのだったか。それがあまりに退屈なので、眠くなって……記憶はそこまでだ。 　サーヴァントには眠りは不要なものである。生命体ではないのだから当然だ。霊は霊。マテリアル体を得ていても、それは単なるエーテル体の魔術的具現でしかない。物理的に滅びまた再生するサイクルを繰り返すことは生物の特権だ。呼吸、食事、排泄、睡眠など、生命活動の一切を行う必要がない。 　英霊の根本的な性質は記録であるからだ。恒常的不変であるからだ。 　だがそれでいて、サーヴァントにはエネルギー供給が必須である。マスターからの魔力供給によって現界する。そこには循環が成り立っている。単一で自己定義を成し得る完璧な存在ではない。供給元がある以上、それが途切れれば 存在が消失する。途切れずとも、供限界まで活動を続けていれば、自ずと休止状態になる。 　それが眠りに近いこともある。 　キャスター・ギルガメッシュは、再び頭上をしげしげと見上げて瞬いた。眠っていたのだから当然横になり、背は寝台に触れている。だが真上を人を模したものに覆われているとなると、これはよく分からない状況である。まして、その、人を模したものは、 「ぐぅ……」 　ギルガメッシュの見上げる先で呑気に寝息を立てているのであった。 　動けない。何故かというと――その人を模したものの背からドーム状の構造物が作られている。それがギルガメッシュの寝ている場所を、カプセルか蛹のようにまるごと覆い尽くし――閉じ込められているからだ。ところどころに隙 間があるので、密閉されているわけではない。まるで……と似たものを挙げようとしたが、地球外生命体の巣にでも喩えるしかなくて諦めた。全てを知るものであっても、見たことのないものはあるのだ。 　というわけでとりあえずギルガメッシュは、まだ眠りこける宇宙人的存在の鼻を摘んだ。 「ぐぅ……ふが」 　人真似が上手なサーヴァントは、寝息を吐くのを妨げられて間抜けな声を出す。緑の睫毛が縁取る瞼を上げると、うつくしい碧色の瞳があらわれた。眠そうである。 「何をしている、エルキドゥ」 「あぁ……起きたのかいギル」 　エルキドゥは、くぁと欠伸をすると、目をこすりながらこちらを見下ろした。 不必要に人真似をするくせは、英霊になっても抜けないらしい。これは自ら姿を現うつしたシャムハトにいたく懐いていた。姿を模倣しただけでなく、行動まで逐一似せようとした。この世に生まれた意味を思い直すほどに『そう有りたい』と願わせたものらしい。 「おはよう、ギル」 「間抜けな挨拶はいい。そこで何をしている？　疾く退けよ」 「僕は……マスターに君を見ていてくれと頼まれたんだ」 「雑種に？」 「何やら急いで管制室に行かなければならないらしくてね、でも眠っている君を放置してはいけないだろう。そばにいてくれと頼まれた」 「子どもでもあるまいに……」 「でも君、捨て置かれたらきっと不機嫌になるだろう？」
February 15, 2025 at 7:27 PM
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マリギルと弓ギ・２
「なんだお前、殊勝で気持ち悪いな」 「そんな酷いこと言わないでくれないか。アナタの顔で言われるとますます刺さる」 「なんだ貴様……」 　そこで英雄王はしばらく頭の上にクエスチョンマークを浮かべた。それが数秒後にエクスクラメーションマークに変わる。 「恋でもしているのか？」 　マーリンは、応えられずに沈黙を返した。 　その沈黙こそが金。ギルガメッシュ王は、ゆっくりとその表情を愉悦の笑みのかたちに変えてゆく。あっ、喜悦の感情が流れてくる。美味しい。美味しいけれど彼の気持ちの由来がぜんぜんいただけない。えっなんだって？　彼はなんて言った？ 　恋。 「夢魔がぁ⁈」 「知らぬわ。だが貴様、その顔……」 　英雄王はニヤニヤと笑う。 「面白い。我が協力してやろう！」 　オモチャを見つけた猫の顔をしている！ 　マーリンは、全力で夢魔としての力を振るうと、この夢を見なかったことにしてアーチャー・ギルガメッシュの無意識化から脱出した。
February 1, 2025 at 4:35 PM
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マリギルと弓ギ・１ #文庫ページメーカー
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。 画像情報：generated by 文庫ページメーカー / フォント：源暎こぶり明朝 以下は本文の内容です。 　そんなわけで、早速マーリンはギルガメッシュの夢にお邪魔していた。 　そもそもサーヴァントが夢を見ることはない。マーリンの訪う〝夢〟とは、無意識化の意識の動きそのもののことだ。覚醒前の虚ろな自我、意識が沈んだ後も遮断されないで続く感情、スリープモードやアイドリング状態の精神活動そのものと言って良い。それらは当人が思うよりもずっと広大で、マーリンからすれば無辺なる空間として認識される。マーリンはそこに花を咲かせるのが好きなのだけど、茫漠とした場所はひとそれぞれに違っていて個性的なのだった。 　ここには、見知ったウルクの城砦がある。 　装飾にはラピスラズリが使われて、青色は空よりもなお鮮やかである。英霊マーリンは第七特異点で写し身が体験した全てを、自らの記憶として取り込んでいた。なんせ最後には本体が走って駆けつけた有り様なのだ。 あれだけのことを覚えてなくてなんとする！　と思う。 　だけどギルガメッシュは、と、いまだにマーリンは本人に聞けないでいた。ウルクの危機に瀕して駆けつけたと嘯く賢王ギルガメッシュ。彼が第七特異点の出来事を語ったことは、まだ、ない。 　藤丸くんには話しているのかな。でもそんなことこのボクが聞けるわけないじゃないか。 　なんて感傷に浸っていたところである。 「夢魔めが、人様の夢でぼうっとするとは何事か！」 　ギルガメッシュ王の声に叱咤されてマーリンは全身を凍らせた。 　アーチャー・ギルガメッシュがこちらを睨んでいる。 「おうおう、盗みの瞬間を見咎められた猫の子がごとく毛を逆立ておって！」 　からからと笑いながら、アーチャーのギルガメッシュはこちらにやってくる。先ほどは隣の建物の最上部にいたはずだが、三歩歩けば隣の階段に立っていた。夢ならばそんなことは当たり前だ。しかしこの英雄王、夢の中を歩くのがお上手。さすがと内心手を叩きながら、マーリンはばつが悪い思いで英雄王をおずおずと見上げている。 「貴様、小さき我の赦しを得たからと言って、この我の夢に不法侵入とは何事か」 　と、言う英雄王の眉間には、深く不快を示す皺が何本も刻まれている。 　マーリンは、言い訳を考えて、 「そもそも一足飛びに目当ての夢を訪れなかったのが気に食わん」 　ぼやかれてぎくりとした。 「何故わざわざここを選んだ。我を楽しませるだけの話題の提供が出来る のだろうな？」 　言い訳をさらに考えて――マーリンは一切を諦めて両手を挙げた。 「お許しを……ギルガメッシュ王。情けないけど、賢王のアナタの無意識を覗く勇気がなかった」 「爺に何を遠慮する？　あやつは貴様を気に入っているだろうに」 　言われて、マーリンは、 「ほんとう⁉︎」 　自分でもビックリするくらいの大声を出していた。目の前で英雄王が驚いたネコチャンの顔をしている。 「きゅ、急に大きな声を出すでないわ！」 「す、すみません」 　マーリンは耳を伏せる気持ちで縮こまる。
February 1, 2025 at 4:35 PM
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マーリンとこども≠子ギル・続き（了）
（気が向いたらマリギルにつづきます） #文庫ページメーカー
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。 画像情報：generated by 文庫ページメーカー / フォント：源暎こぶり明朝 以下は本文の内容です。 「おつかれさまでした、魔術師マーリン」 「……満足そうで何よりだよ少年王」 　蕩けるように愛らしい微笑みを投げかけるのは、かの英雄王の幼年体、少年王ギルガメッシュだ。このカルデアでは『ギルくん』と呼ばれている。 「いやあ、助かりました。女性にいただいた招待状を突き返すわけにはいきませんし」 「うーん僕としては、そんな気遣い君らしくもない、と言いたいところなんだけれど」 「アナタの言うのは、」 　ギルくんはそこで表情を歪めると吐き捨てた。 「大人のボクらしくない、ということでしょう」 　ギルくんは丁寧な言葉遣いを好む。けれどその顔には『くそくらえ』という感情が滲み出ていて、マーリンの夢魔としての舌にも触れた。不味い。マーリン、ほんとうに憎悪はあまり食べたくないのだ。 　だからマーリンは実のところギルくんが苦手だ。ほら、子どもって感情をまっすぐに表すだろう？　そこにマーリンの好む繊細な妙味はないわけ。 　でも、彼はギルガメッシュだから。 「安心して。対価はちゃんと払いますよ。でもどうせアナタにはどんな宝も必要ないんでしょう？」 「よくおわかりで」 　苦笑して肩をすくめたマーリンに、ギルくんは紅の瞳を柔らかく細めた。 「ふふっ」 　先端にきらめきを乗せる金色の睫毛が、瞬きに合わせてゆっくりと上下する。 　そうしてギルくんは、ていねいに、まろやかな声音で続く言葉を紡いだ。 「マーリンは素直な良い子ですね」 　ひぇ……、と息が溢れて、マーリンは失態を恥じる。夢魔として、いや大人として、子どもの王気（色気）にあてられて竦んだなんて笑い物だ。賢王の萌芽は反則だと思う。 「もちろん。ボクに分からないことなんてありません。だからアナタに……」 　そうして、ギルくんはマーリンをちょいちょいと手招いた。近付いたマーリンの――首元をその小さな掌が掴む。これは、所謂〝胸ぐらを掴み上げる〟というやつだ。 　呼気が、触れるほどに近い。ギルくんの指先が喉元にわずか爪痕を残す。ぎゅ、と強く握られた拳の小ささ。 「赦しを与えます」 「ゆる……」 　し――。 　魔性の血に巡るオドが反応して昂ぶる。魔の者はすべからく契約を力の源する。そのかたちは時に訪いへの許しとして齎される。呼びかけへの応え、ノックし扉への返答、契約書への署名、または血判など。そこにもって与えられる王の赦しとは、つまり、 「た、たべほうだいってこと……？」 　ギルくんはそれを聞くとやれやれとため息を吐いた。 「なんて趣のない表現をするんですか」 　はー、と形の良い額に手を当てている。マーリンは恥入りもせずにえへと笑った。我ながら適切な表現をしたと思うのだ。 「さて、食べ放題になるかどうかはアナタ次第。ボクはただ、我（ボク）たちの夢に立ち入る罪に赦免を与えるだけです」 　そしてギルくんは余裕の笑みを浮かべる。 「まあ、誰の夢がアナタの好みかなんて、千里眼で見るまでもないことですからね――」 マリギルにつづく
February 1, 2025 at 11:09 AM
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マーリンとこども・続き（まだ途中） #文庫ページメーカー
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。 画像情報：generated by 文庫ページメーカー / フォント：源暎こぶり明朝 以下は本文の内容です。 　小さくて可愛らしい装飾のテーブルには、これまたピンクで水色で可愛らしいティーセットが乗っている。揃いのデザイン椅子に背を丸めて座った私の隣には、少女の姿をしたナーサリー・ライム。私を挟んで逆隣にはポール・バニヤン。あと向かいにジャックとジャンヌダルクオルタサンタリリィ。 　お皿にお菓子をたくさん並べて、午後のお茶会ごっこを楽しんでいる。 　あくまで「ごっこ遊び」だ。それはそう、だって彼らは子どもなのだから。美しく飾られたおいしいケーキ、ふっくらとしたスコーンだって子どもだけで用意できるはずはない。エミヤに前から頼んでおいて、紅茶のセットと一緒に準備してもらったらしい。シュミレーター内に不思議の国の庭を再現しているから、ダ・ヴィンチにだって許可も取っている。 　しっかりとした企画構想に事前準備が必要な、本格的な『ごっこ遊び』だ。 　お菓子のバリエーションだって、各人の好みを把握して反映している。シュミレーター内のデザインだって必要だし、マーリンは美しい招待状さえ受け取っていた。この全てをコーディネートしたのは、私の隣で微笑むナーサリー・ライム――今は少女の姿をした英霊だ。 「ああ、魔術師マーリン、アナタをこの場にお呼びできてとても嬉しいわ！」 　ナーサリーはそう言って楽しそうに紅茶のカップを持つ。お砂糖たっぷりのあたたかなミルクティーだ。 　マーリンは、 （私はなんでここにいるんだろう） 　と思いながらも、それを口にすることはなかった。さすがにそのくらいはわきまえている。ここには名代で立っているのだから迂闊なことは出来ない。 「あたしだって彼の国の出身だもの、誰もが知るような偉大な物語の先人にはあこがれてたのよ！」 「わたしたちは知らなかった。けど、ナーサリーが語り聞かせてくれたんだ」 　ジャックが言った。マーリンは視線を巡らせてジャンヌとバニヤンを見遣る。そこにナーサリーほど激烈な歓迎の意志はなかったが、それなりの好奇心と興味がキラキラとこちらを見つめている。この場の主が前もっていかにマーリンを持ち上げていたのかがよく分かった。 　居心地の悪いのをおくびにも出さず、マーリンはにこやかに笑ってみる。 「こちらこそ、君たちのような小さな淑女たちから微笑みをいただけて光栄だ。せっかくだから今日は王の話でもしていこうか」 　結局、お茶会はティーコゼーをかぶせたポットの紅茶が冷めきってしま うまで続いた。 　ころころと広がる少女の笑い声は、砂糖とスパイスと甘やかな何かで作られているのだと思う。けれどもそこに、マーリンの好むような喜悦の感情は含まれていない。 　というわけで、 「うぅ……おなかすいた……」 　マーリンは空腹である。 　子どもの相手なんて慣れてない。あしらい方も分からないから気をつかう。こんなの労働みたいなものだ。嗚呼、マーリンの大嫌いな、労働！ 　だったら対価があってしかるべしだと思うんだけど……。マーリンはじとりとした目で〝雇い主〟を見上げた。彼は楽しそうにニコニコ笑う。 「おつかれさまでした、魔術師マーリン」
February 1, 2025 at 4:12 AM
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マーリンとこども（途中） #文庫ページメーカー
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。 画像情報：generated by 文庫ページメーカー / フォント：源暎こぶり明朝 以下は本文の内容です。 　そもそも私に子どもの相手ができると思うかい？ 　アルトリアは子どもの頃から育ちを見届けたんだろうって？ 　いやあれは子どもの頃から、到底『子ども』なんて言えないほど理性的だった。無鉄砲を通すことはそりゃあったけど、どんな我侭にも一本筋が通っていた。それに我を張る理由の９割は人助けだったから、改めて人の道を教え諭す必要はなかった。 　当時の私は彼女の夢にハッピーエンドの王様になるための心得を説くだけのリモート教師だ。けれどそもそも彼女は聡明で理想高く、私が教えたことなんて実践的な小技に過ぎない。哲学ははじめから彼女の内側に備わっていた。 　彼女は本来、人の喜ぶ顔を見るのがただただ好きで……。……それだけの、果てのない青空を見上げるばかりの少女だった。 　で、カルデアには、子どもサーヴァントというカテゴリがある。 　カテゴリ？　いや属性？　まあそんなようなもの。 　前述の通り子どもの扱いなんて解らない私だから、彼らと積極的に関わるようなことはなかった。だって仲良くなったからって、夢魔として食べちゃうわけにはいかないだろう。なんと私には倫理観が備わっているんだ！　……子どもには手を出さない程度の倫理観がね。 　だから今こんなことになっているっていうのが、本当に分からないんだ。 　小さくて可愛らしい装飾のテーブルには、これまたピンクで水色で可愛らしいティーセットが乗っている。同じデザインの猫足の椅子に背を丸めて座った私の隣には、少女の姿をしたナーサリー・ライム。私を挟んで逆隣に
January 30, 2025 at 11:48 PM
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マリギルちょっとつづいた #文庫ページメーカー
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。 画像情報：generated by 文庫ページメーカー / フォント：源暎こぶり明朝 以下は本文の内容です。 　だからこそ、魔術師マーリンは、この王様の側をうろちょろすることにしているのだ。 　この王様はネガティブさに縁がない。常にポジティブ、自尊心尊大、楽しいことが大好きなくせにやせ我慢も大好きだ。だからこの人の感情は独特の味わいをしている。マーリンの大好きな喜悦の甘さに隠し味みたいに酸味や苦味が交じる。単純に言ってしまえば美味しい。あと量も多い。 　だから王様は、現在カルデア唯一の夢魔にとって非常に美味しいご馳走なのだった。 　ここで話は冒頭に戻る。 　人間の感情を喰う夢魔にとって、狩りに相当する行為がある。それが セックスである。人間に干渉し、一時に膨大な感情を吐き出させることが出来る。喜びや恥じらい、快楽や多幸感、どれもマーリンの好みの味わいをしてる。日常の中でごく自然に生まれるそれらと比べて質は劣るが、この際目を瞑りたい。だってどれも滅多にありつけないご馳走なんだ。即席の調理だって食べられるだけありがたいってもんじゃないか。 　ということで、よくマーリンは王様におねだりをしている。 「ねえギルガメッシュ、疲れてないかい？　良かったらちょっとベッドでマッサージでも……」 「要らぬ。我は忙しい。暇な夢魔は去ね」 「そ、そんなこと言わずに……少しくらい手を止めてさあ……」 　ここで『手伝うから』とは言わないのがマーリンの自堕落である。だ がしかし、一度自ら労働力を差し出したりなんかしたら、ギルガメッシュは――特に魔術師の方のギルガメッシュは――自分の仕事が終わるまで骨の髄が枯れるまでマーリンをこき使うに違いない。しかもこの男、次から次へと仕事を探し出す能力を持っている。まあそんだけ課題が山積みのカルデアもカルデアなんだけど。ギルガメッシュ王の仕事が終わる時なんて待っていて訪れるものではないのだ。 　だからマーリンはなんとかして作業の手を止めさせようとする。 「ほらギルガメッシュ、君に必要なのは休憩だよ、休憩。手がこんなに冷たい。眉間にシワが寄ってきた」 「貴様が要らぬ顔を晒すからだ」 「この顔にそんなこと言うの君くらいだよじっさい！　ああ悲しい…… わたしは涙を流すと溶けてしまうんだ夢魔だからね」 「どこのマイナーな民間伝承だ？　溶けそうになったら報告しろ。どこぞの神医のもとに送り届けてやる。嬉々として解剖してもらえるだろうよ」 　ああ、塩である。 　淡々とよくまわる口を聞きながら、マーリンはギルガメッシュの感情の変化に感覚を研ぎ澄ませていた。それはずっと鎧を纏って凪いでいて、ちっとも揺らいだりしない。いいかい？　狩りはもう始まっている。マーリンは自分にそう言い聞かせながら内心舌なめずりをする。ギルガメッシュは美味しい獲物だ。第七特異点に写し身を英霊として置いた頃、何度も味わったからこの舌がよく知っている。
January 24, 2025 at 9:31 PM
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マリギル冒頭（つづかない）
January 24, 2025 at 10:17 AM
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らくがき　エルキドゥ
January 4, 2025 at 3:23 AM
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昨年中はお世話になりました。本年もゆるりとやっていきます。どうぞよろしくお願いいたします。

※画像は毎年まとめてる字書きログ2024
December 31, 2024 at 4:16 PM
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泰平サナダテつづき（伊達サイド）
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。 画像情報：generated by 文庫ページメーカー / オリジナル素材 / フォント：アプリ明朝 以下は本文の内容です。 『落としていれば良かった』 　真田が独りそのように呟いたのを、二の丸に面した濡れ縁から伊達は見咎めた。唇を読んだだけのこと。元よりあの小虎は表情が読みやすいのだ。 　江戸にて真田の赤備えは、連隊の訓練を任されている。信之への家康の言い分を伊達はよく知っていて、それに幸村までも駆り出されているのを知っていた。 　……戦場の鬼に、他に任せてやれる仕事がないのだ。 　あの無敵の本多忠勝でさえ、活躍の場を失って屋敷に篭りきり。まして敵方にあった武将の処遇など、文句のつけようもあるものか。 　初陣も果たさぬ小童が槍を振り回す。鎧兜はぴかぴかと光ってろくに傷もない。真田はその手を凝っと見つめた。紅蓮の瞳、炎が宿る。 　その目が先ほどまでは自分を見つめていた。穴の空くほど。視線だけで 射殺そうというほど。伊達はそれをちゃんと知っていて、けれど一度も視線を返さなかった。笑ってしまう。まるでいまの自分は二階座敷の窓辺に姿を見せる太夫だ。 　真田はもはやこちらを見ない。見つめる先にあるのはぎらつく銀の刃である。敵の喉を裂き、血潮にまみれ、首級を掲げるはずの槍の穂先である。あの目、あの眼差しと同じ燦く殺意。 　……伊達はこの泰平の世を楽しむことの出来る人間であるはずだった。 　そう俺はアイツと違って鬼ではない。伊達はかねてからずっとそう思っている。人ならざるに惹かれるのは人の性分、せいぜいがそのくらいの破綻でおさまっている。だから茶会も開く、商材を探し安く買い付けて売る、優れた職人を一族ごと奥州に招いて支援する。 　奥州での治世は、小十郎に任せていて問題がない。江戸でするべきこと といえば、繁栄と文化を奥州の地へと繋ぐ仕事だ。こと泰平の世にて、当主の責務はぐっと軽くなった。もはや政宗の日々は、商家の大旦那と変わりないだろう。 　手紙を書きたいとも思う。忍ばぬ忍びを呼びつけて言伝を押し付けるのだ。 　――だがあれも既にこの世にいない。 「どいつもこいつも……少しくらい面白えもんを残して逝けってんだ」 　――それでも虎がいる。 　牙を磨いて、低く身を伏せて、林の中に潜むがごとく黙りこくる虎である。ひとたび駆ければ風がごとく、炎を燃やして敵を焼く。戦場でこそ花開く紅蓮である。その鮮やかな色！ 　彼が焦がれたのはそういうモノである。 　だから、真田がさっき呟いたのを、伊達は聞かなかったことにした。過去を見るなんてあの男にまるで似合わぬ。盤上をひっくり返して灰にしてくれないか。 　今日は譜代も交えた酒宴に呼ばれている。歩けども鳴りもしない濡れ縁の板を踏みしめながら、伊達は若武者の訓練を眺めるともなく見遣る。その刃を振るう先など無ければいいのに、その刃を突き立てて武功を立てるに憧れる。それは実に筋の立たない話であって、平和のおためごかしに相違なかった。 　人々を守護する領主の顔の下、政宗がこっそり恋い焦がれる紅がある。 　これはただそれだけの話である。 　あの時落ちていれば、この胸の燻りも炭となって崩れたろうか。
December 15, 2024 at 3:13 AM
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戦国BSR／サナダテ（物騒）
December 11, 2024 at 9:11 AM
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ススキ野原に風が吹く ／ 慶次と家康（宗兵衛と竹千代）
November 26, 2024 at 5:06 AM
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冒頭
October 29, 2024 at 1:59 AM
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ギルと張り合って2枚来た
October 12, 2024 at 7:47 PM
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推しガチャ記念撮影
October 7, 2024 at 4:31 AM
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June 6, 2024 at 1:56 PM
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TOS-R／リヒラタ／千年夫婦③
June 5, 2024 at 11:21 PM
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続きのリヒラタです。

TOS-R／リヒラタ／千年夫婦②
June 3, 2024 at 10:55 PM
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切り分けた混沌の塊のうち、欲望の方です。

TOS-R／リヒラタ／千年夫婦①
June 1, 2024 at 1:03 AM
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フォルテッシモのファンア（過去絵）
May 27, 2024 at 5:04 AM