ざんくるす(Zankurus)
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カマヒレウミヘビ
Ophichthus tomioi McCosker, 2010
カマヒレウミヘビのイラスト

ウナギ目ウミヘビ科ウミヘビ属
全長: 50 cm
分布: 和歌山県串本沖、セーシェル、フィリピン、フィジー、マルキーズ諸島
SO: 1+4; IO: 3+3; POM: 6+2; ST: 3; PAL: 62; PDV: 16〜18; PAV: 60〜67; TV: 166〜189
 水深270〜442 mに生息する。
 頭部長は全長の9.1〜10.0%、尾部長は59.2〜62.6%。背鰭始部は胸鰭後端付近上方に位置する。胸鰭は伸長し先端が尖り、鎌状を呈する。後鼻孔開口部は口の外側に位置する。鋤骨歯は大部分で1列、両顎歯は整った2列(一部3列の場合あり)で歯間は狭い。
 体は紫みを帯びた褐色で、腹側はわずかに赤みを帯びた乳白色。垂直鰭は概ね無色透明、臀鰭では尾端拡張部後方から基部にかけて黒色域をもつ。

McCosker, J. E. 2010. Deepwater Indo-Pacific species of the snake-eel genus Ophichthus (Anguilliformes: Ophichthidae), with the description of nine new species. Zootaxa, 2505: 1-39.

日比野友亮・平井隆之・川端秀樹・宮崎祐介. 和歌山県から得られた日本初記録のOphichthus tomioiカマヒレウミヘビ(新称)(ウナギ目ウミヘビ科). Ichthy, National History of Fishes of Japan, 55: 72-76.
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Hibino, Y. and Agyeman, E. 2025. First Record of Cirrhimuraena chinensis (Actinopterygii: Anguilliformes: Ophichthidae) from Ise Bay, Central Japan. Species Diversity, 30(1): 17-24.
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ゴテンバウミヘビ
Cirrhimuraena chinensis Kaup, 1856
ゴテンバウミヘビのイラスト

ウナギ目ウミヘビ科ウミヘビ亜科ショウキウミヘビ属
全長: 29 cm
分布: 三重県伊勢湾、台湾、中国
SO: 1+3; IO: 3+3; POM: 6+3; ST: 3; PDV: 11〜12; PAV: 46〜48; TV: 151〜154
 三重県産の個体は干潟の砂泥域から得られている。
 尾鰭はない。尾部長は肛門前長より長い。上唇に髭状の突起群をもつ。歯は小さい。
 吻背面は直線的で、吻端は尖る。吻長は頭部長の15.6〜29.2%。鋤骨歯は前方で1列。背鰭始部は鰓孔直上より後方に位置する。胸鰭は長く先端は尖り、頭部長の47.4〜78.1%。臀鰭は後方で盛り上がる。
 体背側は明黄褐色で小黒色素胞が散在。腹側は灰白色。

 ショウキウミヘビ属は有効種の数が定まっていないなど分類学的に混乱しており、本種を含めた再検討が必要である。Hibino and Agyeman(2025)は三重県伊勢湾から本種を報告した。
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いきもにあ2025 新刊の合同誌だよ〜〜
テーマは"眼状紋"です。目玉模様。
豪華メンバーでお届けしてまいります…というかよくみんな参加してくれるなこんな企画
いきもにあ2025 新刊
眼状紋

A5/たぶん20p/フルカラー
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ビワマス
Biwa salmon
Oncorhynchus biwaensis Fujioka, Kuwahara, Tabata, Fuke & Nakabo, 2025
ビワマスのイラスト 上:♂婚姻色、中上:♀婚姻色、中下:成魚(銀白色個体)、下:稚魚(parr)

サケ目サケ科サケ属サクラマス種群
体長: 60 cm
分布: 琵琶湖およびその流入河川
D: 14; A: 11〜14; P1: 13〜14; P2: 9; GR: 17〜20; 幽門垂数: 43〜65; LL: 127〜139; TRa: 19〜22; TRb: 21〜24
 川の砂礫中で孵化した稚魚は2〜4月に体長25 mmほどで産卵床から浮上し、小型の昆虫を食べる。5〜6月に降雨で河川が増水すると、50 〜70 mmほどの稚魚の多くは琵琶湖へ降下する。降下後体は急激に銀白色化し、パーマークも消失するが、海水適応能は上昇しない。オス幼魚の一部は7月以降も河川に留まり、その年の秋には成熟し産卵に加わる。産卵後も死亡しない。
 琵琶湖では主に水温が20℃以下になる沖合の水深70 mまでの深層域で暮らす。琵琶湖への降下後、最初の数ヶ月間は主にアナンデールヨコエビを食べるが、成長に従いアユなどの魚類も多く食べるようになる。
 満3〜5歳で成熟。成熟すると8月頃から婚姻色が現れる。繁殖期は10〜12月で、11月に最盛。遡上は主に9月に始まり(一部は6〜7月)、降雨により河川が増水した時に多く見られる。メスは河川中流域の淵尻や平瀬に直径約2 mの産卵床を形成し、雌雄ペアで産卵。産卵後は死亡する。

 体は紡錘形だが側扁。未成熟魚における体高は体長の20.9〜26.7 %;吻は短くやや尖り、吻長は体長の5.5〜7.0 %;眼は小さく、眼径は体長の4.2〜6.3 %;眼窩間幅は体長の6.7〜8.0%。成熟したオスはメスより顎が伸長し、口は鉤状(鼻曲がり)。
 鱗は長楕円形で、長径/短径は1.26〜1.64。焦点は中心よりわずかに前方にあり、頂部の長さ/基部の長さの比は0.99〜1.45。隆起線は円形で、頂部で消失しない。
 稚魚にはパーマークがあり、体長20cm未満の個体では0〜15個の赤色斑が並ぶ。湖内の銀白色個体の体は銀色で、背側に黒色点が散在。背鰭先端は黒くない。
 産卵期は雌雄ともに体は黒褐色で体側に桃色または紫色の雲状斑の横帯がある。オスは頭部、胸鰭、腹鰭、臀鰭がより黒色になる。

 琵琶湖漁業の重要な対象種であり、現在は刺網やトローリングなどで漁獲される。

藤岡康弘. 2016. サケ科魚類のプロファイル-14 ビワマス. SALMON情報, 10: 49-52.

藤岡康弘. 2018. ビワマス(p. 139). 中坊徹次(編). 小学館の図鑑Z 日本魚類館〜精緻な写真と詳しい解説〜. 小学館.

Fujioka, Y., M. Kuwahara, R. Tabata, Y. Fuke and T. Nakabo. 2025. The Biwa salmon, a new species of Oncorhynchus (Salmonidae) endemic to Lake Biwa, Japan. Ichthyological Research.

加藤文男. 2002. 日本産サケ属(Oncorhynchus)魚類の形態と分布. 福井県自然史博物館研究報告, 49:53-77.

馬渕浩司・西田一也・吉田誠・桑原雅之. 2020. 琵琶湖南湖の南部で得られたビワマス成熟雄の記録. 魚類学雑誌, 67(2):215-222.
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ユウレイオニアンコウ
Soft leftvent angler
Haplophryne mollis (Brauer, 1902)
ユウレイオニアンコウ(描き直し)のイラスト 中央: 擬餌状体と腹部にオスが寄生したメス 右下:オス(自由生活期)

アンコウ目オニアンコウ科ユウレイオニアンコウ属
体長: 15.9 cm(メス)、1.6 cm(オス)
分布: 小笠原諸島近海、岩手県沖、世界の熱帯〜温帯
D: 3; A: 3; P1: 15〜18; C: 9; V: 22

 水深220〜2250 mに生息する。
 オスは矮雄で、真正寄生型。オスはメスの頭部や体幹部のあらゆる場所に、あらゆる方向から寄生し、擬餌状体に寄生した例もある。オスの寄生数は通常1〜2個体、最大6個体。寄生後、メスの体からオスの口腔内へ乳頭突起が突出し、皮膚や血管といった組織が融合、オスの眼や両顎歯等は退化。雌雄の性成熟はオスの寄生後に完了すると考えられている。

 メスの体は短く高く、一部個体では胸鰭基部における体高が体長の70%に達する。頭部は大きく、体長約50〜60%。下顎に髭はない。両顎歯は多く比較的短く、3〜4列。鋤骨歯はない。蝶耳骨棘、前頭骨棘がある。下顎結合部に1本の棘がある。前鰓蓋骨後下部の隅角部に2〜5尖頭の側扁した1本の棘がある。誘引突起は極めて短く、擬餌状体は頭部背面にほぼ密着。擬餌状体は楕円形で、2〜6本に先端が細かく分枝した付属突起がある。肛門は体の腹中線より左側に開口。尾鰭最下部の軟条の長さがは上の軟条の約半分。擬餌状体内部の発光腺には多数の共生細菌が生息しており、これにより擬餌状体が発光する。

 オスの体は比較的細長い。頭蓋冠は強く湾曲せず、体背面の輪郭は直線状またはわずかに凸状。蝶耳骨棘はないか小さく鈍い瘤状。両顎歯は自由生活期および寄生初期で見られる。上顎の歯状骨には横方向に3〜6本の歯が並ぶ。下顎の歯状骨は対となり、それぞれ1〜3本の歯がある。眼は筒状で前方を向く。嗅覚器官は肥大化し、5〜7の嗅板がある。

 体を覆う皮膚は一様に色素胞を欠き半透明。腹膜、鰓孔および肛門周辺は黒色。メスの擬餌状体内部の発光腺は背面が銀白色で外側面が黒色。オスや変態期までのメスでは、皮下の体側筋の表面に2列の黒色素胞帯が並び、尾鰭基部付近で黒色素胞叢を形成。メスでは成長にともない二次的な黒色素胞が尾鰭基部付近から前方へ広がり、やがて黒色素胞帯を覆う。

チョウチンアンコウ亜目魚類の中で最も標本が得られている種の一つ。

Munk, O. and E. Bertelsen. 1983. Histology of the attachment between the parasitic male and the female in the deep-sea anglerfish Haplophryne mollis (Brauer, 1902) (Pisces, Ceratioidei). Videnskabelige Meddelelser fra Dansk Naturhistorisk Forening, 144: 49-74.
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×Soft leafvent angular
〇Soft leftvent angler
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ユウレイオニアンコウ(メス)
Soft leafvent angular (female)
Haplophryne mollis (Brauer, 1902)
ユウレイオニアンコウ(メス)のイラスト

アンコウ目オニアンコウ科ユウレイオニアンコウ属
体長: 15.9 cm(メス)、1.6 cm(オス)
分布: 小笠原諸島近海、岩手県沖、世界の熱帯〜温帯
D: 3; A: 3; P1: 15〜18; C: 9; V: 22
 水深220〜2250 mに生息する。
 オスは矮雄で、メスを見つけると噛みつき、メスと皮膚や血管が融合する。寄生場所は頭部や体幹部のほぼ全域にわたり、寄生する向きも定まっていない。オスが擬餌状体に寄生した例もある(Bertelsen and Pietsch, 1983)。オスの寄生数は通常1〜2個体、最大6個体。寄生後、メスの体からオスの口腔内へ乳頭突起が伸長する。

(以下メスの形態)
 体は楕円形でやや側扁。頭部は大きく、体長の半分を超える。下顎に髭はない。口は大きく、口裂末端は眼後縁より後方。両顎歯は比較的短く、3〜4列。鋤骨歯はない。蝶耳骨棘、前頭骨棘がある。下顎結合部に1本の棘がある。前鰓蓋骨後下部の隅角部に2〜5尖頭の側扁した1本の棘がある。誘引突起は極めて短く、擬餌状体は頭部背面にほぼ密着する。擬餌状体は楕円形で、1〜6本の先端が細かく分枝した付属突起がある。肛門は体の腹中線より左側に開口。鱗はない。擬餌状体内部の発光腺には多数の共生細菌が生息しており、これにより擬餌状体が発光する。
 体を覆う皮膚は一様に色素胞を欠き、白色を帯びた半透明。皮下の体側筋の表面には筋隔を除いて黒色素胞が分布し、尾鰭基部付近にいくにつれ高密度になる。各鰭は白色を帯びた半透明で、外縁部は白色。擬餌状体内部の発光腺は背面が銀白色で外側面が黒色。

 本種は世界各地から比較的多くの標本が得られている。和名は(尼岡, 2013)により提唱されたが、国内での確実な記録は小笠原諸島近海の標本をもとに(Tasuta et al. 2014)によりなされた。また(木村ほか, 2018)は岩手県沖からも本種を報告しており、この際Haplophryneの和名にユウレイオニアンコウ属を提唱している。

尼岡邦夫. 2013. 深海魚ってどんな魚-驚きの形態から生態、利用-. ブックマン社, 東京: 232 pp.

Bertelsen, E. and T. W. Pietsch. 1983. The ceratioid angularfishes of Australia. Records of Australian Museum, 35(2): 77-99.

木村克也・今村央・成松庸二. (2018). 岩手県沖から採集された国内 2 例目のユウレイオニアンコウ Haplophryne mollis. 日本生物地理学会会報= Bulletin of the Biogeographical Society of Japan, 73: 160-163.

Pietsch, T. W. 2009. Oceanic Angular Fishes. Extraordinary Diversity in the Deep Sea. Berkeley and Los Angeles: University of California Press: pp. ⅰ-xii +1-557 pp.

Regan, C. T. and E. Trewavas. 1932. Deep-sea angularfishes (Ceratioidea). Dana Reports, 2: 1-113.

Tatsuta, N., H. Imamura, K. Nakaya, T. Kawai, T. Abe, K. Sakaoka, S. Takagi and M. Yabe. 2014. Taxonomy of mesopelagic fishes collected around the Ogasawara Islands by the T/S Oshoro-Maru. Memoirs of the Faculty of Fishes Sciences, Hokkaido University, 56(1): 1-64.
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日本産ウミヘビ科魚類・各属の頭部
Ophichthidae
日本産ウミヘビ科魚類各属の頭部のイラスト(線画)

左から
ニンギョウアナゴ亜科
ニンギョウアナゴ属・ムカシウミヘビ属・ミナミミミズアナゴ属・ミミズアナゴ属

ウミヘビ亜科
キリンウミヘビ属・ヒレアナゴ属・ボウウミヘビ属・カズラウミヘビ属・ダイナンウミヘビ属・ゲットウウミヘビ属

ダケノコウミヘビ属・ショウキウミヘビ属・トガリウミヘビ属・ハクテンウミヘビ属・ミナミホタテウミヘビ属・ソラウミヘビ属

ヒモウミヘビ属・ゴイシウミヘビ属・タツウミヘビ属・ゴマウミヘビ属・ウミヘビ属
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自分用と布教用で2冊
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アマミホシゾラフグ
White-spotted pufferfish
Torquigener albomaculosus Matsuura, 2014
アマミホシゾラフグ(♂)のイラスト、右下はメスの臀鰭

ニザダイ目フグ亜目フグ科シッポウフグ属
体長: 8.7 cm(♂)、9.0cm(♀)
分布: 奄美大島北部・南部,加計呂麻島,沖縄島浜比嘉島沖
D: 9~10; A: 6; P1: 14; V: 8+11=19
 水深10~32 m(奄美大島,加計呂麻島。産卵床も確認)100 m(沖縄島。標本のみ)の砂底に生息する。飼育下ではほとんどの時間で砂中に潜っていた(園山ほか,2017)。
 産卵期は3月から9月。オスは胸鰭,臀鰭,尾鰭を用いて,7~9日ほどかけて,直径約2 mにもなる円形の産卵床をつくる。完成後メスが産卵床を訪れ,オスはメスに求愛し,中央部でペア産卵する。産卵の後,オスは巣にとどまり,孵化するまでの約5日間,ファニング行動や他魚を追い払うなど卵の世話をする。仔魚は日没時,オスのファニング行動と同時に孵化する。繁殖後巣は放棄され,やがて崩壊する。
 眼は背側に位置する。顎はよく発達し,下顎の輪郭は側面から見ると角ばる。鼻孔は2孔。腹側縁に1皮褶があり,胸鰭後方から尾鰭基部に達する。前頭骨は眼窩を横切って延長し細くなり,前頭骨後縁における篩骨の中央背面の幅の2倍を超えない。篩骨の背側面は前頭骨の前縁よりも前方へ十分に延長し,前頭骨の後縁における篩骨の中央背側面の幅の2倍を超えない。体背面は口唇部後方から背鰭起部前方まで小棘に覆われ,腹面は臀鰭起部前方まで2根を有する小棘に覆われる。オスの臀鰭第1・第2軟条はメスに比べ厚い。
 頭部と体の背側は明黄褐色~茶色の網目模様と白色斑に覆われる。腹側は銀白色で,顎から臀鰭起部にかけて白色斑に覆われる。眼背縁は明黄色。背鰭・臀鰭・胸鰭は透明でわずかに黄色味を帯びる。胸鰭基部前端は黄色,基底も淡い黄色。尾鰭は透明で,鰭条に黄褐色斑点がある。生時,胸鰭から尾鰭基部にかけての側中線に沿って1列の明褐色斑点が並ぶ。
 卵は沈性粘着卵で無色透明,多数の油球がある。仔稚魚は,尾部に黒色素胞を持たないこと,小棘がはじめに鰓蓋に形成されること,稚魚期初期において体側や背面が銀色で腹部が黄色を呈していること等で他のフグ科魚類と区別できる。

Dekkers, W. J. 1975. Review of the Asiatic freshwater puffers of the genus Tetraodon Linnaeus, 1758 (Pisces, Tetraodontiformes, Tetraodontidae). Budragen Tot de Dierkunde, 45(1): 87-142.

Kawase, H., Y. Okata, K. Ito and A. Ida. 2014. Spawning behavior and paternal egg care in a circular structure constructed by pufferfish, Torquigener albomaculosus (Pisces: Tetraodontidae). Bullten of Marine Science, 91(1): 33-43.

Kawase, H., Y. Okata and K. Ito. 2013. Role of Huge Geometric Circular Structures in the Reproduction of a Marine Pufferfish. Scientific Reports, 3: 2106.

Matsuura, K. 2014. A new pufferfish of the genus Torquigener that builds “mystery circles” on sandy bottoms in the Ryukyu Islands, Japan (Actinopterygii: Tetraodontiformes: Tetraodontidae). Ichthyological Research, 62, 207-212.

園山貴之・萩本啓介・石橋敏章・須田有輔・青沼仁志・松浦啓一. 2018. 沖縄島東岸の浜比嘉島から得られたアマミホシゾラフグの記載と飼育下での行動. 魚類学雑誌, 65(1): 81-84.

園山貴之・畑弘己. 2022. 飼育下におけるアマミホシゾラフグの卵と仔稚魚の成長およびフグ科他種との比較. 魚類学雑誌, 69(2): 159-168.
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アマミホシゾラフグ
White-spotted pufferfish
Torquigener albomaculosus Matsuura, 2014
アマミホシゾラフグ(♂)のイラスト、右下はメスの臀鰭

ニザダイ目フグ亜目フグ科シッポウフグ属
体長: 8.7 cm(♂)、9.0cm(♀)
分布: 奄美大島北部・南部,加計呂麻島,沖縄島浜比嘉島沖
D: 9~10; A: 6; P1: 14; V: 8+11=19
 水深10~32 m(奄美大島,加計呂麻島。産卵床も確認)100 m(沖縄島。標本のみ)の砂底に生息する。飼育下ではほとんどの時間で砂中に潜っていた(園山ほか,2017)。
 産卵期は3月から9月。オスは胸鰭,臀鰭,尾鰭を用いて,7~9日ほどかけて,直径約2 mにもなる円形の産卵床をつくる。完成後メスが産卵床を訪れ,オスはメスに求愛し,中央部でペア産卵する。産卵の後,オスは巣にとどまり,孵化するまでの約5日間,ファニング行動や他魚を追い払うなど卵の世話をする。仔魚は日没時,オスのファニング行動と同時に孵化する。繁殖後巣は放棄され,やがて崩壊する。
 眼は背側に位置する。顎はよく発達し,下顎の輪郭は側面から見ると角ばる。鼻孔は2孔。腹側縁に1皮褶があり,胸鰭後方から尾鰭基部に達する。前頭骨は眼窩を横切って延長し細くなり,前頭骨後縁における篩骨の中央背面の幅の2倍を超えない。篩骨の背側面は前頭骨の前縁よりも前方へ十分に延長し,前頭骨の後縁における篩骨の中央背側面の幅の2倍を超えない。体背面は口唇部後方から背鰭起部前方まで小棘に覆われ,腹面は臀鰭起部前方まで2根を有する小棘に覆われる。オスの臀鰭第1・第2軟条はメスに比べ厚い。
 頭部と体の背側は明黄褐色~茶色の網目模様と白色斑に覆われる。腹側は銀白色で,顎から臀鰭起部にかけて白色斑に覆われる。眼背縁は明黄色。背鰭・臀鰭・胸鰭は透明でわずかに黄色味を帯びる。胸鰭基部前端は黄色,基底も淡い黄色。尾鰭は透明で,鰭条に黄褐色斑点がある。生時,胸鰭から尾鰭基部にかけての側中線に沿って1列の明褐色斑点が並ぶ。
 卵は沈性粘着卵で無色透明,多数の油球がある。仔稚魚は,尾部に黒色素胞を持たないこと,小棘がはじめに鰓蓋に形成されること,稚魚期初期において体側や背面が銀色で腹部が黄色を呈していること等で他のフグ科魚類と区別できる。

Dekkers, W. J. 1975. Review of the Asiatic freshwater puffers of the genus Tetraodon Linnaeus, 1758 (Pisces, Tetraodontiformes, Tetraodontidae). Budragen Tot de Dierkunde, 45(1): 87-142.

Kawase, H., Y. Okata, K. Ito and A. Ida. 2014. Spawning behavior and paternal egg care in a circular structure constructed by pufferfish, Torquigener albomaculosus (Pisces: Tetraodontidae). Bullten of Marine Science, 91(1): 33-43.

Kawase, H., Y. Okata and K. Ito. 2013. Role of Huge Geometric Circular Structures in the Reproduction of a Marine Pufferfish. Scientific Reports, 3: 2106.

Matsuura, K. 2014. A new pufferfish of the genus Torquigener that builds “mystery circles” on sandy bottoms in the Ryukyu Islands, Japan (Actinopterygii: Tetraodontiformes: Tetraodontidae). Ichthyological Research, 62, 207-212.

園山貴之・萩本啓介・石橋敏章・須田有輔・青沼仁志・松浦啓一. 2018. 沖縄島東岸の浜比嘉島から得られたアマミホシゾラフグの記載と飼育下での行動. 魚類学雑誌, 65(1): 81-84.

園山貴之・畑弘己. 2022. 飼育下におけるアマミホシゾラフグの卵と仔稚魚の成長およびフグ科他種との比較. 魚類学雑誌, 69(2): 159-168.
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博ふぇす無事終了いたしました!
最初の方バタバタしてしまってすみませんでした...
ウミヘビ図譜、多くの方に手に取っていただけてとても嬉しいです!お暑い中お越しいただき誠にありがとうございました🐟
8月以降にはboothでの通販も予定しています。
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🐟【お知らせ】🐟
7/21(月)のはくふぇすで合同誌
『日本産ウミヘビ科魚類図譜』
を出します🌊🐍

国内で記録されているウミヘビ科魚類全72種の全身カラーイラストを掲載しています。

ウミヘビ科の著名な研究者である日比野友亮先生(@wormanago.bsky.social)による解説や検索表付きです!

2025年 7/21(月祝)
東京ビッグサイト南1ホール
E91
#博物ふぇす
表紙 図版の凡例 解説と検索表の凡例 本書の解説
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ナンセイカスベ
Nansei skate
Bathyraja nansei Misawa, Moteki & Endo, 2025
ナンセイカスベ(オス,背面)のイラスト

ガンギエイ目ヒトツセビレカスベ科ソコガンギエイ属
全長: 65cm; 体盤幅: 42cm
分布: 沖縄トラフ
 水深790〜1000mに生息する。
 体は極めて小型。体盤は広い菱形で,体盤幅は全長の63.9〜65.7%,体盤長は体盤幅の76.5〜77.7%,後縁は丸い。体盤の最大幅は項部のすぐ後方で,吻-体盤の最大幅間の水平距離は体盤幅の42.2〜47.1%。頭部は小さく,頭部長は背面で26.8~27.9%,腹面で38.6~38.9%。吻は幅広く短い。吻軟骨は細く,容易に折り曲げることができる。眼前吻長は体盤幅の17.5~18.3%,口前吻長は16.0~18.0%,鼻孔前吻長は13.5~14.3%。眼は比較的大きく、眼窩長は全長の4.4~4.7%、眼窩間長の1.27~1.43倍。眼窩間長は体盤幅の5.0~5.5%,噴水孔間長は5.6~6.1%,鼻孔間長は10.5~11.6%で,いずれも比較的狭い。左右の鰓孔は互いに接近し,左右の第1,第3,第5鰓孔の間の距離はそれぞれ全長の11.3~12.8%,9.2~10.5%,7.3~7.8%。尾部は細長く,全長の55.5~56.6%。背鰭は互いに離れ,背鰭間長は全長の0.9~1.1%。腹鰭は2葉に分かれ,切れ込みは深く,前葉は比較的長い。交接器は長く頑強,先端は尖り,pseudosiphonは深く明瞭。歯列数は36-37/35-39。
 体盤背面に鱗がまばらにあり,胸鰭中央部や腹鰭後葉にはほとんどない。鱗は吻部,眼窩間,眼球を覆う皮膚,胸鰭縁辺,背鰭と尾鰭,項部から尾端にかけての体軸部で密に分布。尾部背中線上に肥大棘が並び,その数は背鰭前で22~27,背鰭間で1。項部,肩帯部,腰部,眼窩・噴水孔の内縁に肥大棘はない。
 生鮮時の体背面は一様に青暗灰色,腹鰭前葉の前縁部,交接器先端,肥大棘は白色。固定後の体色は背面,腹面ともに一様に暗褐色。
 本種は沖縄トラフより3個体の雄が採集されている(仲谷,1984; Ishihara and Ishiyama,1985)。チャレンジャーカスベ B, isotrachysと混同されていたが,(Misawa et al. 2025)により新種として記載された。

Hubbs, C. L. and R. Ishiyama. 1968. Methods for the taxonomic study and description of skate (Rajidae). Copeia, 1968: 482–491.

Ishihara, H. and R. Ishiyama. 1985. Two new North Pacific skates (Rajidae) and a revised key to Bathyraja in the area. Ichthyological Research, 32(2): 143-179.

Last, P. R., W. T. White, J. J. Pogonoski and D. C. Gledhill. 2008. New Australian skates (Batoidea: Rajoidei) – background and methodology (Pp. 1–8). In Last, P. R., W. T. White, J. J. Pogonoski and D. C. Gledhill (eds.) Description of new Australian skates. CSIRO Marine and Atmospheric Research Paper, 021. CSIRO Marine and Atmospheric Research, Hobart.

Misawa, R., M. Moteki and H. Endo. 2025. Bathyraja nansei, a new deep-water softnose skate (Rajiformes: Arhynchobatidae) from the Okinawa Trough, southern Japan. Ichthyological Research. DOI: https://doi.org/10.1007/s10228-025-01034-x

仲谷一宏. 1984. ソコガンギエイ属の1種(Pp. 68-69). 岡村収, 北島忠弘. 沖縄舟状海盆及び周辺海域の魚類, 日本水産資源保護協会, 東京.
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最近買った本です。どちらもとても良き...
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左:さとかつさん『琉球蟹探訪』小学館クリエイティブ
右:炬茶さん『水景回遊』
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ペヘレイ
Argentinian silverside
Odontesthes bonariensis (Valenciennes, 1835)

ペヘレイのイラスト

トウゴロウイワシ目 Atherinopsidae Odontesthes
体長:最大52cm
分布:アルゼンチンのブエノスアイレス州、ブラジルのリオグランデ・ド・スル州原産
D: Ⅳ~Ⅵ+Ⅰ, 9~11; A: Ⅰ, 16~19; P1: 14~15: P2: Ⅰ, 5~6; LL: 56~66; V: 47~51
 南米南部に広がる平原地の湖沼河川に生息する。広塩性魚で、主に汽水域で暮らす。群れを作って表層を泳ぎ回り、透明度の高い湖では中層や底層でもみられる。
 仔魚は動物プランクトンを主に食べるが、成長につれ雑食性となり、主に甲殻類を食べ、水生昆虫、陸生昆虫、魚類、および貝類も補足的に食べる。
 天然水域での産卵期は主に冬の終わり頃~夏の半ばで、一部は水温が再び低下する秋から初冬にも産卵する。産卵が近づいた雌を複数の雄が追跡し産卵・放精する。卵は沈静欄で直径約1.6 mm、5~7本の付着糸により産卵床に絡みつく。雄は1歳、雌は満2歳で成熟。多年魚で、野生下での寿命は3〜4歳。
 孵化後数週間の間に経験する水温で性が決定することが知られている。水温が25℃付近の場合では遺伝型性に従うが、より高水温ではXXがオスに性転換する割合が増加し、29℃以上で全てオスになる。逆に、低水温ではXYがメスに性転換する割合が増加し、19℃以下で全てメスになる。
 体は長紡錘形で頭部は小さい。前上顎骨は前方に突出可能。頭部背面の鱗は逆向きでない。眼窩下方の鱗は2〜3列。口唇の靱帯が発達。
 体は大型。第1背鰭は肛門上方または後方に位置する。鱗は櫛鱗で比較的大きく、胸鰭後部における体背側の横列鱗数は11未満。鰓弓下枝の鰓耙数は32~38。鋤骨歯は中央に1つの歯帯を形成。大型個体では下顎が上顎より突出。
 体背面は淡緑黒色、腹面は銀白色で、筋肉は透明で青白い。体側中央の側線に沿って幅広い銀色縦帯が走る。
 本種はアルゼンチンでは遊魚として人気であり、また世界各地へ移植されている。日本でも1966年以降、一部施設で養殖されているほか、霞ヶ浦、北浦、利根川や相模川河口に移入個体が確認されている。

Dyer,B.2006.Systematic revision of the South American silversides(Teleostei,Atheriniformes).BIOCELL,30(1):69—88.

Strüssmann,C.A.,T.Saito,M.Usui,H.Yamada and F.Takashima.1997.Thermal thresholds and critical period of thermolabile sex determination in two atherinid fishes,Odontesthes bonariensis and Patagonina hatcheri.Journal of Experimental Zoology,278(3):167—177.

ストルスマン,カルロス A.・安田直弘.2005.24.ぺへレイ(Pp.260—270).隆島史夫・村井衛(編)水産増養殖システム(2).恒星社厚生閣,東京.
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🐟【お知らせ】🐟
7/21(月)のはくふぇすで合同誌
『日本産ウミヘビ科魚類図譜』
を出します🌊🐍

国内で記録されているウミヘビ科魚類全72種の全身カラーイラストを掲載しています。

ウミヘビ科の著名な研究者である日比野友亮先生(@wormanago.bsky.social)による解説や検索表付きです!

2025年 7/21(月祝)
東京ビッグサイト南1ホール
E91
#博物ふぇす
表紙 図版の凡例 解説と検索表の凡例 本書の解説
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