三山千日
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三山千日
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20↑"みやまちか"は一次創作の名義(二次創作では"刻斗."。脹と👓️🍑と猫と素朴なお菓子が好き)ブルスカでは一次創作文をメインに諸々※フォロバは基本しません/「いいね」は素敵、有益な情報、共感する発言にしています/🚫[禁止]無断転載 Reprint without permission/無断使用(生成AI学習) Unauthorized use/自作発言 Self-made statement[No!]🚫
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bluesky公開短編小説(#200字小説 )とタイッツーショートショート(#アドリブ文書きタイツ)をまとめた短編集『混沌から星屑を拾う』 ncode.syosetu.com/n5779je/
"小説家になろう"にて公開しています。

※『三山 千日』もしくは『刻斗.』の創作物(イラスト、文、画像、雑貨)は全文もしくは一部の無断転載、無断使用、生成AIの学習、盗作を固くお断りします。
※『混沌から星屑を拾う』は上記URLとbluesky、タイッツー以外では公開しておりません。
#一次創作小説 宣伝
短篇集『混沌から星屑を拾う』
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ちょってした隙間時間に読める300字程度のショートショートメインの食べ物、季節、猫、幻想的なものからメランコリックなものなど、著者が混沌とした思考で思いつくままに書いた短篇集
数だけはあるので、1から順にぼちぼち読むもよし、タイトルからテキトーに選んで読むもよし
たまに6千~1万字の掌編も混じっています。
タイトルに※がついたものは、不快要素が含まれますので注意
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#一次創作小説
『ひとりじゃなくふたり』
ncode.syosetu.com/n6529ik/
序盤はショートショートだったのに話数を重ねるにつれ、文章量が増えていくし更新期間が間延びしていっているという、謎の新米『兄弟』ヒューマンドラマ。
社畜の『兄』がボケ倒し、『弟』がツッコミつつご飯作りつつ、たまに思春期らしい部分を覗かせる作品です。
みどころは方向音痴と兄の在り方をこじらせながら、『弟』に胃袋をワシ掴みされた『兄貴』と、そんな『兄貴』を見るのが娯楽と化してきている『弟』です。
本編よりも番外編が充実してきています。
一言感想なり☆での評価をいただけますと本当に励みになります。
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#一次創作小説
大事にするということ。

外れたボタンを付け直す。
服のほつれを修繕する。
穴が空いたり擦り切れたら布をあてよう。
裂けたら接ぎ、刺繍をすれば傷も目立たない。
少し引っ掛けただけで裂けるのならば、細く長く裂いた紐を織り、分厚い布にしてあげる。
丈が合わない、小さいというのなら、誰かへおさがりか、別のものに仕立ててやろう。

いつになったらお暇をいただけるので? なんて、文句を言われるかもしれない。
それでも、使い捨てられるよりはマシでしょう。
この世に形あるものとして生まれたのなら。
#200字小説
まどろみの中で、香ばしくて懐かしいにおいがした。
思考せずともそれがカキモチを焼くにおいだと即座に気付く。

大寒に撞いた餅を切って干した保存食でありお茶請け。
祖母は冬の間、よくオーブントースターの前に座ってカキモチを焼いていた。
だから、私にとってカキモチは祖母の思い出でもある。

でも、どうしてカキモチの香りがするんだろう?
大寒に餅を干す人はおらず、カキモチのストックも、それを焼く祖母もとうにいないというのに。

まどろみからうつつに移る頃にはもう、香ばしいにおいは感じられず、寂しさだけが起き抜けの脳を占拠していた。
もうじき祖母がよくカキモチを焼いていた冬が来る。
#一次創作小説 #オリジナル小説
短編集『混沌から星屑を拾う』本日更新
ncode.syosetu.com/n5779je/
『雨のち曇り』
今回は憂いのあるお話多め
ベシャベシャに泣きじゃくった後に快晴が来るなんてことがないときもあるんだよってことです
ncode.syosetu.com/n5779je/74
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#オリジナル小説
短編集『混沌から星屑を拾う』
本日更新しました。
ncode.syosetu.com/n5779je/
『ある人が初めて迎えるお彼岸』
お彼岸のしんみりする話をメインに収録しています。 ncode.syosetu.com/n5779je/73
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#キミウチ(仮
毎月というわけではないけれど、気が向いたら足を運ぶ場所がある。
海辺の、いつなくなるとも知れぬ寂れた町。

バス停から約十分、海風に吹かれながら歩き、たどり着いたのは古びた墓石。
顔も声も輪郭を失いつつあるその人に手を合わせるだけが目的の小旅行。

目的が済めば、帰りの便まで待ち惚けを食らうはめになるけれど、その間は海を眺めたり、寂れる一方の町を散策したり、海岸で甘ったるい缶コーヒーを飲みながら読書に耽るなど、自由に過ごせた。
今日は電話をしている。

『次はウチも連れてって』
電話の相手との約束に、次、ここに来るのが既にして待ち遠しいなんて、浮かれすぎだと自分に苦笑した。
#200字小説
気付けば、部屋か夜の闇に沈んでいた。
どっぷりと黒く、重く、カーテンの隙間に見る灰鼠のみが黒以外の色を報せる。

外からはゴウと風の唸りが聞こえ、剥き出しの肌は微かな冷気を感じていた。

来たばかりと思っていた秋が、眠ろうとする気配だ。
暗がりの奥深く、ひょろりと枯れた冬が、しんねりと出番を待っているのを肌がしかと感じていた。

今冬はどんなものになるだろう。
心に穴が空き、淵からボロリホロリと崩れる夏が過ぎ、泣き疲れた秋も寝床に就こうとしてる。
冬はどこまでつらくなるんだ?
それでなくとも、毎年、冬は心が凍えて泣かされるってのに。
#200字小説
この世界の誰もが、私のことを知らなくなる日がいつか訪れるのだろう。
姿が見えて、声や足音、私が立てる物音が聞こえ、すれ違ったときのにおいを嗅いだとしても、誰も"その人間"が"私"だと認識できない世界が、未来が、いつか来る。

"今の私"がどんなに声を上げたって、『だから、何?』と振り向かれず、たくさんの物語を書いたって、見向きもされず、ただ通り過ぎるだけだからこそ、その未来を予測するのだ。

"私"という人間はいつか誰からも認識されなくなり、いないことにされる。
それでも、誰からも認識されない"誰か"は死ぬまで惨めに生きているのだろう。孤独に押し潰されながら。
昔の――私がまだ小さかった頃の記憶がふと蘇った。

母が台所から離れている間に、オーブントースター庫内で火が上がるというちょっとした小火で、それを発見した私が母を大声で呼ぶというものだ。

それを家族に話したが、誰も知らないらしい。
「夢だったんじゃないか」と。
いや、あったわ、小火騒ぎ。
人をほら吹きか、夢とうつつの区別のつかない可哀相な奴みたいに扱うな。

私しか覚えていないその事象。
覚えていない人間が多くなると、なかったことにされる事象。

人に認識されないと、
人の記憶に残っていないと、
『そんなものはなかった』と消されてしまう存在に憂う。

私はきっと、『いなかった』人間だから。
#短編小説
短篇集『混沌から星屑を拾う』
本日更新です
ncode.syosetu.com/n5779je/
『こいぶみ』(再掲)
電脳空間という遠距離恋愛
ncode.syosetu.com/n5779je/72
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#200字小説
カンカンカン警告音。
「ここでキスして」
君は強請る、線路のど真ん中。
降りる遮断機、掴まれたネクタイ、涙の池に沈む君の瞳。

無茶を言う。試されている。
正解なんてわからない。だって、ハナからないもの。
僕の答えはすべて誤答に決まっている。
面白い答えもわからないから、一番、つまらない返事を敢えてした。

「した途端に別れることになってもいいのなら」
僕らが。それに、この世と。
「それが嫌なら着いておいで」
閉じた遮断機の向こうに、君の望む恋路はまだ続いてる。警告音はしばらく鳴りっぱなしだろうけど。

そうして僕らは遮断機を潜る。
キスはしなかった。大勢に見られる趣味はない。
#オリジナル小説
『ひとりじゃなくふたり』
最近『兄弟』になったばかりの『兄貴』と『弟』の日常譚
ncode.syosetu.com/n6529ik/
本日、本編更新しました。
『謎の女と難しそうな話』 ncode.syosetu.com/n6529ik/33
"クソ親父"の四十九日法要と突如として現れた謎の女性の話はまだまだ続きそうです。
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#キミウチ(仮) #一次創作小説
よりよりこよこよちまちまと、こよりを紡ぐ。
苦手な授業の時間を捧げたこよりは、次の休み時間でキミの手首に巻いた。

「何、してるんですか」
半眼での質問の意味は、きっと困惑と呆れの二通りある。
それでもキミは抵抗することなく、手首をウチに差し出してくれるんだ。

「お昼休みまで外しても、うっかりちぎってもダメだから」
こよりの両端を結ぶのって、結構難しい。強く締めると切れそうだし、緩くてもほどけそう。
「四限目、体育なんですけど」
「気をつけたまえよ。外した罰は昼休み中、ウチと手繋ぎだからね」
「えぇー」

結び目を気持ち緩くしたのは秘密。
#小説
「ちょっと、愛を囁いてみて」
と付き合って一年目の彼氏の耳元で頼んでみる。

まず、蚊でもいたの? って勢いで、声を掛けた方の耳を平手打ちしてた。
それから、真っ赤な顔して部屋の隅まで後ずさって、ベッドに乗り上げ、カーテンにくるまる。
……愛の言葉がめちゃくちゃ遠ざかっちゃったんだけど。

なんか、巻きカーテンの中からボソボソ言ってるから聞き耳を立ててみた。

「あいしています」

愛を囁いてる。
確かに囁けと言ったよ。けど、恋人の耳元じゃなく、カーテンの中で囁くのは流石に反則だと思うわけ。
だから、こっちも巻きカーテンの中に頭を突っ込んで、愛をしこたま囁いてやった。
#200字小説
道の駅で買った獅子唐が、今のところ十割の確率で辛い。
それも、名に冠する獣の王だか霊獣に相応しい、一口食べれば悶絶し咳き込むほど暴力的な辛さだ。
焼いても、種を取っても、おひたしにしても、彼奴め暴虐の限りを尽くしやがる。

そういうわけで、恨みを込めて種子を除き、こま微塵にして、油で炒め尽くす。
断末魔か反撃ののろしか、獅子唐の身を焦がす煙は喉と鼻を刺激する凶器となった。
そこに砂糖と味醂と料理酒と味噌を入れ、練り、出来上がったのが本日のご飯のともである。

一舐めで噎せた。こいつ何してもダメだ。
茶匙一杯の獅子唐味噌は茶碗のご飯を道連れに胃へと消えた。
#しょーせつ
体に鈍化のデバフと面倒くさいの呪いが掛かっていた。

徒歩十五分のバーガー店の、未確認生物図鑑なんて、気になるおまけの付いたセットメニューを求めようにも、バーガーだのパンケーキだの、サラダだのポテトだの、各種ジュースだのを選ぶのも面倒だ。
おまけとあつあつパイは気になるけど、本当に必要かと天秤に掛けてしまうほどには今は体が重かった。

小さじ一杯程度の幸せが必要だ。
五枚切を四等分にした食パンに、りんごシナモン、板チョコの二種をトッピングしてトーストする。
それだけで、おまけもパイも『今日はよし』になった。
結局、人間は空腹になると欲だらけになるのだと知った真昼。
ブタ草が元気になれば、私は不調になるわけで。
そうやって、仕方ないわねと飲むアレルギーの薬が、眠気と倦怠感を呼ぶのです。

体は体内の花粉の存在を敵と見做して、洟やらくしゃみやら湿疹やらを駆使して外に追い出そうとしてるから辛くって。
辛いのならば、体ごと怠くさせて、敵判定も鈍らせようぜって、薬でそうさせているのかね?
人間の体はよくできているのか、単純なのか、よくわからないけど、不器用で面倒くさいのは確か。

秋らしい、冷ややかな秋の夜。
私は怠い体を椅子に委ね、ホットジンジャーハニーティーで体の芯から温まろうとする。
労らねば、すぐくたばる体だからね。
#オリジナル小説
#一次創作小説
短編集『混沌から星屑を拾う』
本日更新しました。
ncode.syosetu.com/n5779je/
『初盆と憂い』
ncode.syosetu.com/n5779je/71
今回はタイトルどおり、メランコリックなお話が多めですが、初秋のお話もあります。
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#200字小説
今年の初夏に収穫して、丁寧に下ごしらえしてから砂糖に漬けた梅シロップ。
夏の間は水分補給と熱中症対策に随分と世話になった。

秋の晩、日中の馬鹿らしい暑さにくたびれて、思いたって梅シロップを水で薄めて飲んでみる。
一口で、初夏の廊下を思い出す。

ザルに空け、黄熟するまで待ち惚けを食らってた梅たちの、「まだか、まだか」と待ちわびるようなふくよかな香。
ふっくらとした輪郭と色がカナリアのようとか、リンゴのようと微笑んだあの日をありありと思い出す。

梅が見せてくれたつかの間の夢に、ほっとした。
私はまだ生きている。
#200字小説
秋の淡い青空に、黄色の風船。
祭りで賑わう雑踏の中で、ちっちゃなもみじがうっかり手放してしまったのだろう。
風に流され上空を泳いでいた黄色は、ほどなくして電線に紐を取られ、絡まった。
「あーあ」と、私以外にもその黄色に目を向けていた誰かが、私の思いを代弁する。

恐らく、そう時を置かず、あの風船は割れてしまうだろう。
たくさんの人の声や舞台の音響、屋台の呼び込み、祭り囃の喧騒に紛れることなく、パァンと割れる風船の断末魔はこの祭の度に聞かされるのだ。

どこかで、チビの泣き声は聞こえてやしないか。
ただそれさえも、喧騒に掻き消えるのだが。
(私が文章や絵を創作することになんの意味や価値があるのか』と、私の周囲も私の作品を読まれた方でそう思われる方もいらっしゃると思います。
かくいう自分自身でさえ、「閲覧した人の誰の心にも響いてなさそうなものをずっと創り続けることになんの意味と意義があるのか」ときっと誰よりも感じています。
私の創作は誰からも必要とされていないと痛感するとき、「もう辞めろ」と"創る自分"に罵声を浴びせたことも何度もあります。

それでも泣きながら、絶望しながら書いているのだから、これはもう『生きているから』書かねばならないのでしょう。

付き合いきれなくなりましたら、どうぞいつでも切り離してください。
#オリジナル小説
#短編小説
短編集『混沌から星屑を拾う』
更新しました。
ncode.syosetu.com/n5779je/
『夏、ときに狂おしく』
一部不快表現あり注意
猛暑の中で作った話とあって気怠げな話が多いですね。 ncode.syosetu.com/n5779je/70
書きためていた短編小説も残り僅か(各話の執筆日が最近のもの)となりました。
そろそろ不定期更新となる日が近付いています。
ncode.syosetu.com
#200字小説
赤いネットにゴロゴロと入った秋の実り、栗。
湯がいて、鬼皮を剥き、湯がいて、湯がいて、筋を取り、湯がいて。
味見だと、作業者の特権を差し出されて、歯を磨いた直後でも迷わず受け取る。当然でしょ。
口に放り込んだ茹で栗は、ただ湯がいただけなのに、ほっくりしみじみ甘かった。幸せを噛み締める。

砂糖を煮含めた渋皮煮。
鍋から直接爪楊枝を刺したそれはいやに硬かった。
首を傾げつつ齧れば、栗なのに変なバナナの臭いがする。食べちゃダメだと吐き出したそれは傷んでて、人の本能に感心させられた。

改めて鍋から取った渋皮煮は、本能まで大絶賛の出来で、本日二度目の興奮を口一杯楽しんだ。
#キミウチ(仮
暗い気持ちを抱えるときがある。鉛を飲み込んだような、胸が重苦しく、泣いてしまうようなときが。
以前の自分は、部屋の隅で膝を抱えてやり過ごすほかなかった。
今は、予感があったら、柑橘系の、なるだけ酸っぱい果実かレモン果汁を買い求めることにしている。

果汁と蜂蜜、もしくは砂糖を加えて、お湯か炭酸水か水で割ったものをちびちびと飲む。
残った皮は豆皿に取り、自分の側に置く。

柑橘のかおりにあなたを思い出す。
強い酸味で涙は引き、ほのかな甘さに辛い心を慰められた。

重症だなぁ、自分は。
この病はきっと、一生治らない。