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大田区立龍子記念館にて『川端龍子生誕140年特別展ー川合玉堂と川端龍子ー』を観ました。展示内容は玉堂美術館全面協力のもと玉堂の作品が中心でしたが、もちろん龍子の作品もあります。今まさに「誕生140周年・川端龍子展」が全国を巡回中ですが、なぜか関東圏は巡回せず・・・。しかしこの展覧会も非常に見応えがありました。最晩年に玉堂・龍子、そして横山大観を加えた巨匠三人による展覧会「雪・月・花」「松・竹・梅」に出品した各作品は三者三様の世界が窺えて素晴らしい。そして忘れてはいけないのは、「趣味は建築」と話す龍子自らが設計した旧宅とアトリエです。開館日の10時、11時、14時より公開しています。最高ですよ。
文化村ル・シネマにてミゲル・ゴメス監督『グランドツアー(2024)』を見ました。監督が脚本を執筆する前にアジア各地を旅しながら撮影したドキュメント映像(カラー)と、その後に書かれた脚本をもとにスタジオで撮影されたフィクション映像(モノクロ)が混在する意欲的な作品でした。先鋭的な映画監督を多数輩出するポルトガル出身ですから「現代性とは何か」を真摯に受け止めている点は素晴らしい。しかし「ちょっとどうにかならないか?」という点もありました。特にモリーが初めて登場する大切なシーンに創意工夫を感じられず残念でした。カラオケで「マイウェイ」を熱唱し感極まるおじさんのドキュメント映像に拮抗しきれていません。
東京芸術劇場にて『ロバート・ウィルソンと日本ーイメージの演劇の受容についてー』を聞きました。レクチャー講師はロバート・ウィルソン研究の第一人者内野儀さん。開口一番「ロバート・ウィルソンは日本であまり評価されていない」から始まり、鈴木忠志さんとの深い友情(1982年第一回世界演劇祭で初来日した際の通訳が内野さん)、貴重な映像を交えながらロバート・ウィルソン演出を解説してゆくという充実した内容でした。一ミリの照明のズレを許容せず、劇場スタッフを激怒させるエピソードが素晴らしい。レクチャーの最後は、レディ・ガガとの共同作業の映像でした。 www.youtube.com/watch?v=ySWC...
Lady Gaga Video Portrait: The Death of Marat
YouTube video by Lumen Arts LLC
www.youtube.com
セルリアンタワー能楽堂にて『当麻』を観ました。今年五月の『実盛』と合わせて「他力本願への祈り」と銘打たれたシリーズです。ちなみに去年は「鬼 さまざま」でした。来年はどうなりますか、楽しみです。『当麻』は、東京でも昨年公開された『当麻曼荼羅』を一晩で織り上げたとされる中将姫と、阿弥陀如来・観音菩薩の化身との邂逅を描いた世阿弥作の二時間を超える名曲です。特に喜多流では扱いが重く滅多に上演されません。シテ方友枝雄人先生は今回が初の『当麻』でしたが、重々しさを感じさせず、一心不乱な中将姫の舞が軽やかで素晴らしかった。「唱ふれば 仏もわれもなかりけり 南無阿弥陀仏の声ばかり すずしき道は 頼もしや」
言葉が・・頭が・・狂ったみたいにちかちかと動きつづけて・・さっとつかんでまた先へ・・何もありゃしない・・また別のところへ・・別のところを試す・・その間じゅう何かが必死に・・彼女の中の何かが必死に・・もうやめてくれって頼んでる・・かなえられない・・祈りはかなえられない・・それとも聞こえなかったのか・・声が微かすぎたのか・・そこでまた先へ・・つづける・・努力して・・わからないまま・・彼女は自分が何の努力をしてるのか・・何を努力していいのかわからないまま・・からだ全体が消えちゃったみたいで・・口だけが・・狂ったみたいに・・そこでまた先へ・・・・  

『わたしじゃない』ーサミュエル・ベケットー
Reposted by 佐藤裕樹 Yuki Sato
イザベル・ユペールの一人芝居『Mary Said What She Said』を観てきました。まさか『ガラスの動物園』につづき再びユペール様の芝居が日本で観られるなんて!

処刑前夜、メアリー・スチュアートが語る過去の記憶と心の叫び。表情を殺した、まるで死化粧のような蒼白な顔。畳みかけるように繰り返される詩的な独白。舞台奥からゆっくり前に進む動きは能のようでした。音楽と照明だけの観念的でミニマルな舞台。女優イザベル・ユペールの圧倒的なエネルギーに慄く。

席が2列目で前過ぎて字幕がよく見えなかったのですが、悲劇の女王メアリー・スチュアートの威厳と気品と覚悟は伝わってきました。圧巻の90分。
Reposted by 佐藤裕樹 Yuki Sato
「Mary Said What She Said」観てきた。ダリル・ピンクニー作、ロバート・ウイルソン演出、ルドヴィコ・エイナウディ音楽により、スコットランド女王、メアリー・スチュアートが断頭台へ送られる直前に自らの人生を振り返る独白劇。照明と音楽と録音音声と地声との交錯、様式的でコントロールされた最小限の繰り返しの動きで、彼女の生々しい怒りと哀しみが迫りきた。
swarmapp.com/user/1635616...
Reposted by 佐藤裕樹 Yuki Sato
Mary said what she said
秋の隕石2025東京

イザベルユペールの一人芝居はみたい。英仏の歴史とフランス語が分かればもっと楽しめたのだろうが、分からなくても刺さる舞台だった。
静の演技ってのは、身体能力も必要だと思う。全く動かないのに、いや動かないからこそ、美しい影、美しい響きのフランス語のフレーズが場面を変え、抑揚を変え、繰り返されることで、じわじわと迫ってくる。照明も素晴らしく、小さくない舞台で的確に表情をとらえる。
王室、人権、女性、争いが当然のことのように現代と繋がっていて、重いのに美しい舞台だった。
俳優の凄さを堪能。
東京芸術劇場にてイザベル・ユペール主演『Mary Said What She Said』を観ました。演出・舞台美術・照明は2025年7月31日に逝去されたロバート・ウィルソン。「演劇とは何か?」「何が演劇を演劇たらしめるのか?」という思考を観る者に託す、極めて密度の高い舞台でした。私はベケットの「わたしじゃない」を想起しましたが、それはベケット以後に何がまだ可能なのかを問う、その真摯さゆえだと思います。これこそが現代演劇。悲劇のスコットランド女王メアリー・スチュアートの死への道行。イザベル・ユペールが体現する孤独。メアリーの言葉が、荒れ狂う嵐の如く錯乱して舞台空間をひとり歩きする。言葉の身体。
12/20よりゴダール監督『新ドイツ零年(1991)』がロッセリーニ監督『ドイツ零年(1948)』と合わせて映画館で公開されるとの事。今いちばん再見したい映画なので、大変嬉しいです。遺作『シナリオ』において『はなればなれに』と共に最も印象深く引用されておりました。  www.zaziefilms.com/zero/
豊洲シビックセンターホールにて『高橋アキ・ピアノリサイタル』を聴きました。シューベルト「即興曲 変ト長調 作品90-3 D.899」・桑原ゆう「御法の雨[世界初演]」・佐藤聰明「ピエタ・ピエタII・ピエタIII[世界初演]」・アンコールでピーター・ガーランド「南十字星の郷愁」・サティ「ジュ・トゥ・ヴ」。それに加えて本日10月8日が誕生日の武満徹生誕95年を祝った「ロマンス」「閉じた眼ー瀧口修造の追憶にー」「閉じた眼II」「ビートルズ武満徹編曲:ゴールデン・スランバー」が名演でした。格好いい鮮やかなオレンジ色のスラックス姿の高橋アキさんが弾くシューベルトから武満さんへの流れが素晴らしかったです。
Reposted by 佐藤裕樹 Yuki Sato
Jakob Bro × 高田みどり@ 銕仙会能楽研修所,
銅鑼、和太鼓のソロから、ギターがループで音を重ねていく。その様を伺いつつ、マリンバ、シンバルへと移る。不意にギターの音が一瞬で止み、マリンバのソロが浮かび上がる。そして次は、ギターのフレーズの変えつつの演奏。最後は、幾つものシンバルを叩きながらフェイドアウト。そんな様々な景色を色を見せてもらった1時間20分。
静謐で、寡黙で叙情的なアルバムとは対照的な演奏に驚いた、初めての能楽堂でのライブ。
文化村ル・シネマにてゴダール監督『シナリオ(2024)』を(二度)見ました。簡潔さにおいて、私が考えるゴダール最高傑作の一本『讃えられよ、サラエヴォ』を想起させますが、この新しさは唯一無二。「DNA」「MRI」という二部から成るように、アンナ・マニャーニとアンナ・カリーナの運動が、「死ぬ時以外は空高く飛び姿を見せないという、インディアンの伝説の鳥」を語る若き日のゴダールと、「白い馬」について語る亡くなる前日のゴダールが交差する。引用される『新ドイツ零年』「Die Kunst der Fuge」の字幕そのままに、ゴダール版フーガの技法。「Fuge」はイタリア語で逃走という意味だからピッタリです。
わたしは國學院大学を出てから足かけ三年、大阪府立今宮中学校の嘱託教員となって、そこの第四期生を三年級の中途から卒業するまで教えていた。私はそこの八十人ばかりの子どもに接して、初めて小さな世間に触れたので、雲雀のようなおしゃべりも、栗鼠に似たとびあがりも、時々私の心を曇した悪太郎も、それから又、白眼して、額ごしに、人を盗み見た、河豚の如き醜い子も、皆懐かしい。この書の口訳は全て、その子どもらに理解が出来たろう、と思う位の程度にしておいた。
いわば万葉集遠鏡なのである。ー『口訳万葉集』折口信夫ー

ここで『口訳万葉集』から一首。

世の中を何に譬へむ。朝発き、漕ぎにし船の痕なきがごとし(沙弥満誓)
高円の 秋野の上の 朝霧に 妻呼ぶ雄鹿 出で立つらむか(大伴家持)
 
働いて 働いて 働いて 働いて 働いていく(高市早苗)

一週間前に読んだ事もない万葉集から無理をして大伴家持の歌を持ちだしてましたが、やはりこの人は全く歌心を持ち合わせておりませんね。

何事も無理をしちゃいけません。
Reposted by 佐藤裕樹 Yuki Sato
9/27今夜は『Eddie Prévost Day2: DUO & DUO – Eddie Prévost Day2 –』
エディ・プレヴォ,Sachiko M
エディ・プレヴォ,大友良英
@渋谷公園通りクラシックス

エディ・プレヴォは前半は大太鼓にシンバルを擦ったり、後半はドラムセット
それぞれ30分余りほど
実はAMMも全く聴いたことがないのだが、前知識ゼロでレジェンドの演奏を聴けるのはとても幸せ
サイン波とシンバルの擦弦音、多彩な音色でひしゃげるような音が響くところが印象深かった。ギターとドラム、緩急際立ち生み出される間がたまらない。
#日々音塗れ2025
公演通りクラシックスにて『エディ・プレヴォDay2:DUO & DUO』を聴きました。1965年にキース・ロウ等(のちにコーネリアス・カーデュー加入)と共に即興演奏・実験音楽グループAMMを立ち上げたエディ・プレヴォ15年ぶりの来日ツアーです。DUOのお相手はSachiko M と大友良英さん。演奏前に大友さんから「写真撮影くらいは良いかなと思っていたけど、昨日の演奏中の撮影音が酷かったのでNGでお願いします」とアナウンスがありました。これは音楽に限らず美術館、劇場でも起きている大問題だと思います。時間と空間への意識が、どんどん希薄になっている。一期一会。二つのDUO、どちらも素晴らしかった。
Reposted by 佐藤裕樹 Yuki Sato
見逃しつづけていた『トルテュ島の遭難者たち』をようやく昨晩鑑賞。冒頭の女性とのエピソードの断ち切り方。ロビンソン・クルーソーツアーで集まった人々が路線バスにのりこんで、バックドアをあけて荷物をのせて、そこからカメラがそのまま車内に入っていく、どうってことない動きだけど、いいなあ、いいですね、と思うカメラが随所に。バカンス映画というよりも題どおり遭難映画になっていくも、ナナ・ヴァスコンセロスが歌って演奏し、ヤギがメェ〜となく船のシーンもいちいちよい。最後はバナナ映画になって終わるのも爆笑。ナリユキでつくっているようにしか見えない話なのに、見ているだけでうれしくなる、ロジエはやっぱり最高〜
Reposted by 佐藤裕樹 Yuki Sato
今日はFUJIFILM SQUAREで深瀬昌久「洋子|遊戯」、nca | nichido contemporary artで今西真也「ひろがってゆくイマージュ」、CALM & PUNK GALLERYで成田輝 「遠くのペラペラ」、 SNOW Contemporaryで原口典之「Circulation」の第二期を見て回りました。美術館の展示は時間切れでまた今度。原口よかった原口。作家の手の加え方と見る側への開き方の配分が絶妙で。
シネマヴェーラ渋谷にて溝口健二監督『残菊物語(1939)』を見ました。溝口の最高傑作のひとつ、つまり映画史上の最高傑作です。この至高の映画を国立映画アーカイブ所蔵の35mmフィルム上映で見る事ができる貴重な機会です。素晴らしいシネマヴェーラのチラシ解説文の通り「男ではなく芸に身を捧げた女の覚悟と意地の物語」。歌舞伎の御曹司・菊之助と夏の夜の川縁を歩きながら、赤子を抱いた使用人お徳は菊之助の芸を一刀両断する。その言葉は、菊之助が手に持つ風鈴の音のように清らかに透き通っている。よく冷えたスイカを切り分けて一緒に食べるシーンが、何故これほど胸を打つのか。真心が映っている。これが全身全霊というものか。
ちなみにこちらは『その夜の妻』の2年前に撮られたヴィクトル・シェストレム監督『風』の、リリアン・ギッシュです。小津は『風』を見ていたのだろうか?
シネマヴェーラ渋谷にて小津安二郎監督『その夜の妻(1930)』『東京の女(1933)』を見ました。先日のルビッチ特集に引き続き、『蓮實重彦著「日本映画のために」刊行記念』と銘打たれた大充実の日本映画特集が始まりました。映画内でルビッチの『百万弗貰ったら』を観るシーンがある『東京の女』を特集一本目に上映する辺りが流石です。『その夜の妻』の2丁拳銃、リアリティを完全無視した室内装飾、『東京の女』の壁一面にかけられた柱時計など、小津映画にある過剰さ・異様さをまざまざ感じさせる二本立てです。柱時計の過剰さが、東京物語で紀子が受け取る懐中時計と繋がっている。2丁拳銃を構える原節子さんを見てみたかった。
『民藝誕生百年』見逃しました!やはり良かったですか、残念です。私も「こんなに暑い最中に、何でカレーうどん?」と思いながら食べました。フランソア喫茶室は、ケーキが美味いんです。しかしまぁ兎にも角にも暑いですね。もう10月・・・。
私も数日前に京都・大阪に行きましたが、どこもかしこも暑いですね。全然ビアじゃないんですが、フランソア喫茶室は繁華街にありながら静かなので、いつも立ち寄っちゃいます。あと京都駅地下のつくもうどんが、普通に旨いです。