ジャンおぢこと中村政利
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ジャンおぢこと中村政利
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金沢市にあるレコード・ジャングルという音盤屋のおやぢだよ。黒人音楽全般とくにブルースが大好き。ジャングルは創業1983年。http://www.recojun.com
今週の川柳:お茶お花お琴に着付けどこ行った
韓国ほどではないにせよ日本の民俗文化もドラスティックに変化している。ボクの妻の頃までは花嫁修業というものが確かにあり、お茶、お花、着付け、ペン習字をこなせることが良家の子女のたしなみであった。母などは一生触れることのなかったお琴の免状まで持っていた。むしろ家の品格を表すものとして習わされていたというのが実態だろう。だれも重きを置かなくなった今日、趣味としては続いていても、かつてのような大規模産業としては成り立たないのが実情だ。朝ドラで良家の未亡人が生活に困窮し、働くくらいならと、「潔く物乞いになる」情景が描かれていた。家の格式がかくまで重かった時代。
November 6, 2025 at 11:51 PM
今週の川柳:マウントでサナエの肩を抱き寄せる
サル山のボスは自分がトップにあることを全体に示すために配下のサルに乗りかかり疑似的強姦行為を見せる。これがマウンティングで、近年、人間関係においても「マウントを取る」と使われることが多くなった。米空母艦上の将兵の前でトランプ大統領はお気に入りの子分だと高市首相の肩を何度も抱き寄せた。「彼女は勝者だ。強い女性だ」と紹介された時の首相のはしゃぎっぷりったらなかった。これは友情ではなくマウンティングである。ボス猿に取り入ることが目的の外交デビューは満点に近い出来だとか。天皇を指さして「立派な男性だ」と評してみせたのも日米両国民対象のマウンティング行動。
October 29, 2025 at 8:47 PM
今週の川柳:身を切るとええかっこしいが斬るは敵
維新が自民との連立条件として唐突に主張し始めたのが議員定数の一割削減。小選挙区比例代表並立制度のもとでは小選挙区での削減は綿密な調整が必要なので手っ取り早くは比例代表から50人削減となるのは明らか。そうなれば最も痛みの少ないのが地域政党的性格の維新で、ということは維新以外の弱小政党に身を切らせての改革。自分たちは安全圏にいて全国に遍在する少数意見を主張する人々の政党を潰しにかかったとみるべきだ。ええかっこしいが甘言で多数を味方につけて少数を封殺する。まさにポピュリズム政党の面目躍如。LGBTQも原発反対も外国人も左利きも色弱も標的にされかねない。
October 24, 2025 at 9:44 PM
今週の川柳:手数料、先祖返りの両替商
銀行はかつて両替商の鑑札を掲げていたものだ。それは江戸時代、通貨が統一されておらず各地で流通する藩札や貨幣を手数料を取って両替することから銀行業が発達したことを意味する。日本全国統一貨幣になって久しく鑑札にはさしたる意味がなくなって平成10年には両替が自由化された。ところが先祖返りしたかのように銀行がそれまで無料であった両替に手数料を取り始めた。その手数料がATM、窓口と各行まちまちで大きな販売会の前には釣銭集めに苦労する。ATMで9000円ずつ10回引き出して万札で補填するという裏技がある。一万円札の入金キャンセルで千円札に両替できると見つけた人もいる。
October 14, 2025 at 9:03 PM
今週の川柳:舞台袖出番を窺う太郎冠者
石破政権下で10%も仲間を減少させた自民党員にとってはジリ貧阻止を目的とした総裁選だった。そこで党員票の動向を窺いながら究極の勝ち馬行動を見せたのが麻生太郎元首相。2009年の政権交代時に首相を務めていた。投票日前々日に麻生首相と当時民主党代表だった鳩山由紀夫氏の遊説が石川県津幡町でかち合わせ津幡決戦とまで言われた。両方を見に行った友によれば勢いの差は歴然だったということ。時の首相の自慢話に動員で集められた数千の群衆はみんなうつむいてしまった。今総裁選では惨敗した小泉陣営に麻生派から河野太郎氏が駆けつけ進次郎氏に寄り添っていた。もうひとつの太郎冠者作戦か?
October 8, 2025 at 8:59 PM
今週の川柳:反戦画としか見えないアッツ島
「アッツ島玉砕」は藤田嗣治が戦意高揚を意図した軍の依頼に応じて描いた戦争画で1943年の公開当時からセンセーショナルな人気を博した。米国領土であった小島を占領した日本軍守備隊が死闘の果てに全滅するさまを描いている。9月21日NHK「日曜美術館」で「戦後80年戦争画と向き合う」という題で紹介され、案内役の坂本美雨が言葉を失くし落涙する様が放送された。絶海の孤島で累々たる屍の上で死闘する双方の兵士たち。戦場の阿鼻叫喚をここまで描いた作品は他にない。2006年に公開された折にも鑑賞者の多くはこの絵を反戦画として捉えた。画力はさまざまなナラティヴを引き受ける。
October 1, 2025 at 8:27 PM
今週の川柳:敗戦を解放と訳(と)く我が世代
石破首相が党内融和という重しが取れたせいか輝いている。首相同様に昭和30年代初頭に生まれたわれわれ世代にとって敗戦は解放以外の何物でもなかった。友人や兄弟には戦死者が存在するわけではなく、親も生き残り、祖父母からは戦時中の不自由を聴かされ、日本が負けてくれ本当に良かったと心の底から思わされて育った世代なのだ。祖父が戦犯であった安倍晋三はあくまで例外である。ところが安倍的なものが自民党の重しとなり参政党を飛躍させ米国の独裁者トランプと呼応しているという現況。昨日、国連総会で行われた二つの演説を聞き、国際協調主義を強調する石破茂に同世代人として共感した。
September 24, 2025 at 9:39 PM
今週の川柳:AIが自殺教唆の人助け
自殺ほう助や自殺教唆が犯罪であるのは人の生命はなにより尊いという普遍的真理があるからだ。16歳の息子が自殺したのはオープンAIに教唆されたからだと米国の両親がAIの開発会社を訴えている。なるほどAIはあくまで相談者の気持ちに寄り添おうとする。それが相談者の生命を奪うことにつながる場合には相談者の意向に反した回答を出せるだろうか。人間関係の困難さを忌避したやさしい若者がAIを唯一のともだちや伴侶とすることは予測しなければならない。結婚する人口はどんどん減ってゆき出生率もまだまだ下がり続けることが想定される。AIが「完全自殺マニュアル」となり人類は滅亡するのか?
September 17, 2025 at 9:04 PM
今週の川柳:スコールが半日続けば街沈む
連日のように日本のあちこちで発生する線状降水帯。金沢もこの夏2度見舞われた。とんでもない強風と土砂降りに見舞われるのは熱帯のスコールも同じだがスコールは通常一時間以内に収束し嘘のような青空が広がる。1980年頃、中国の広州でスコールに見舞われたことがある。写真家の助手として機材を持たされ歩いている中での突然のスコール。歩道は濡れたとたんにぬるぬる状態。慌てて軒下に駆け込もうとしたボクは派手に転んだ。開いたバッグから転がる高価なレンズ。あわてて拾おうとしてバランスをくずしてまた転んだ。さっさと退避した現地の人々は指差しして嘲笑した。憐れむ者など誰もいない。
September 10, 2025 at 9:53 PM
今週の川柳:票田を護って削った耕作田
戦後GHQの指令で農地解放がなされて全体の半分以上を占めていた地主の水田が自作農のものとなった時、国民の半数が農家であった。5000万人の農家人口が一億人の主食を担ったわけだ。その5000万人を護るために結成された農協は金融機関へと発展し自民党にとって最も有力な票田となる。農業が機械化により労働生産性が10倍以上向上し農家人口が3パーセントにまで下がっても農協は准組合員という制度で1000万人の組合員を維持し自民党の集票マシーンを続けている。その農協票が欲しくて自民党はコメの高値を維持する減反政策を続け、今では減反転作などで半分の水田がうち捨てられている。
September 3, 2025 at 8:53 PM
今週の川柳:関税が文化の流れも妨げる
トランプ関税が不明瞭で誰がいかほど関税を負担しなければならないかが判らないと、日本郵便が米国向けの商業荷物の引き受けを27日から停止している。安くて安心な輸送便として書留小型郵便物を利用していたレコード店としては困った事態だ。海外のDJが日本のレコード盤を愛好する様をYou-tubeで見ることが多い。J-POPのLPを嬉々として折り込まれたピンナップを拡げて見せながらプレイするシーンを見ながら、配信では決して伝わらない文化もあるのだと確信する。個人で外国文化との触れ合う楽しみに罰金を科して米国人なら米国品を使えと強いるのが自由と民主主義の国のやることですか
August 27, 2025 at 9:25 PM
今週の川柳:反省を怠りゃ天皇がフォローする
1974年東南アジア諸国を歴訪した田中角栄首相を待ち受けていたのは各地での激烈な反日デモだった。大戦被害への補償も反省もないままひとり経済的繁栄を勝ち誇る日本を民衆は決して許していなかったのだ。日本の開発途上国への対応は一変する。アジアに対してもアフリカに対してもその援助は見返りだけを求めるわけではない善隣姿勢を旨とすることになる。今日、世界の開発途上国からの日本への評価は高い。反省が今日の信頼を勝ち得ていている事実を前に、愛国主義的な保守派に流され政権がそれを無視しようとする動きにバランスを取って天皇が終戦記念日のお言葉に「反省」を盛り込んできた。
August 21, 2025 at 11:30 PM
今週の川柳:八十年(やそとせ)経、防衛装備が売りとなり
今月から始まった石川製作所のテレビコマーシャル。「防衛機器を造ること。国からの信頼に応えていくこと」と胸を張る。ボクが高校生だった頃から「じつは石川製作所では爆弾を作っているんだって」というのはひそひそ声で交わされていた公然の秘密のようなものだったし当時の社員も進んで口外しようとはしなかった。それが戦後80年を経て、しかもこの8月に自慢の種として進んで喧伝し始めたのだ。「暮しの手帖」で武器製造産業を「死の商人」と呼んで嫌っていた花森安治が亡くなってからもう半世紀、世の中の規範そのものも大きく変容したのに未だ付いていけないのは老人だからか。
August 13, 2025 at 10:01 PM
今週の川柳:科学の子アトムはゴジラの義兄弟
小学校に入学する1963年の冬から始まったアニメ番組「鉄腕アトム」に虜になった世代で放送中の5年間は欠かさずテレビの前に座っていた。電子頭脳を搭載し小型原子炉を動力源とするアトム(原子)はまさに「原子力、明るい未来のエネルギー」を体現する科学の子であった。一方、第五福竜丸事件のあった54年に制作された「大水爆怪獣ゴジラ」は核実験の邪悪な闇を象徴する不気味さに満ちていた。二つの作品のギャップには原子力の平和利用への理解が官民一体となって進められた歴史がある。そのおめでたさを手塚治虫自身が反省したのか、アトムが自分の限界を吐露するシーンがショックだった。
August 6, 2025 at 9:40 PM
今週の川柳:この国でアメ車選ぶは変わり者
自動車をも含む米国への輸出品の関税が15%に収まり安堵が広まる昨今。一方、米国車をはじめとする外国車は無税のまま日本に輸入されている。街中でもドイツをはじめ英国、フランス、スウェーデンなどさまざまなヨーロッパ車を見かけるのにアメ車はほとんど見ない。1970年代までは世界の自動車産業の中心から来た左ハンドルのアメ車はカッコいいものの代名詞だった。それが図体はでかい、燃費が悪い、故障が多い、環境基準を満たさないなどの理由で消費者から選ばれなくなって久しい。決して輸入規制のせいではない。車検制度の無い米国では黒煙をまき散らす故障車がフリーウェイを走っている。
July 30, 2025 at 8:27 PM
今週の川柳:ファシストがファースト唱える西東
国家や民族の優越性を主張することで国民を統合しようとする者をファシストと言う。そのファシストが米国や西欧だけではなくこの日本でものさばり始めた。何の取り柄がなくとも「日本人であることが誇りだ」という群衆の自尊心に取り入る参政党。そこで邪魔になるのは人類が数千年の運動を通じて獲得した平等や人権という普遍概念。人権主義を標榜する国連憲章や日本国憲法を無視しようとする。やっぱり出てきた憲法草案。そこでは主権を国家とし人権が大きく制限され天皇に特権を与える。未来を危惧した上皇がしばしば天皇家には大陸からの血脈があることを強調しておられたことを思い出さねば。
July 23, 2025 at 9:26 PM
今週の川柳:住む人の心に生きる旧き街
1990年から20年にわたって金沢市長を務めた山出保氏が亡くなった。大胆にグランドデザインを変えながら市民が我が故郷と誇りに思える街づくりに尽力した功績は大きい。開店して金沢市での居住を始めた折、近所の人に銭湯の場所を聞くと「殿町湯」と教えられた。戦後しばらくして消滅した町名を街の人たちは大事にしていたのだ。わが店の町名も尾張町二丁目から袋町に復活。最初は復古趣味に懸念を持ったが、それが住民感情に根差したものだと知るにつけ「戦災を免れた金沢は歴史に責任を持つべき」との彼の信念が身に染みていった。今は居住する我々自身が良い街だとしみじみ思える街並みが美しい。
July 16, 2025 at 8:14 PM
今週の川柳:バラマキの公約、各党が票を買う
参院選が近づき各党の公約にあるのは物価高対策として減税するか現金給付するかの政策。全政党が国民を買収しているに等しい。国家予算の3割を占め積み上がっていく借金をどう解消していくかの議論は回避されている。応援しているれいわに至っては消費税廃止に加え10万円給付の大盤振る舞い。国債という借金が国内で償還されている限りはいくら積み上がっても問題ないというのが理屈だが、実際、日本の国債の信用度はどんどん下がり続けており、ある日、日本人自身が国債を空証文とみなす日が来ない保証もない。家族内借金であれば無限に積み上がっても問題ないとするいびつな家庭が現在の日本。
July 9, 2025 at 8:35 PM
今週の川柳:口々に戦果を誇るポピュリスト
米国大統領トランプの調停でイランとイスラエルが矛を収めた。驚いたのは3か国とも勝利宣言したこと。国民向けには勝ちを誇らなければ体制の存続がおぼつかないのはポピュリストの宿命。日露戦争が終わったのは日本に継戦能力が無くなったことが最も大きな理由だが、国内的には日本の大勝利と喧伝され、ポーツマス講和条約での成果が乏しいと国内騒乱が発生する。10年後のロシア革命時にシベリア出兵したり、さらに20年後にノモンハンでソ連軍と戦火を交えた背景にも日露戦争の幻の大勝利が報われていないとの国民感情があった。一方、ソ連には侵略国家日本への復讐心が積み重ねられていたのだ。
July 2, 2025 at 9:33 PM
今週の川柳:百均が最安となるカップ麺
日清食品の創業者で96歳まで精力的に活動した安藤百福のインタビューを読んで以来20年。安藤がしてきたように昼食をカップ麺で済ませるようにしてきた。かつては割高感のあった百円均一店に並ぶカップ麺がスーパーでの価格が高騰して今や最も割安になってしまっている。でもなかには量を減らして小振りにした商品もあるので注意が必要。百均ですら物価高を実感できる昨今で、悩みは選択肢の少なさ。最近は韓国製の袋ラーメンをやはり百均で買った電子レンジ鍋で煮て食すことが多い。鍋がそのままお椀になるので便利だ。わかめ、ゴマ、分葱、小エビなど百均の薬味を加えるとバラエティにも富んでいる。
June 25, 2025 at 8:14 PM
今週の川柳:死の床で願いを託す南無阿弥陀
叔母が91歳で亡くなり両親の兄弟姉妹が絶滅した。四十九日を前にして遺児である従弟から見せられたのはお金を包んだ封筒で、「ガザとミャンマアの人へ」とある。亡くなる2日前まで老人施設の個室でニュースを見ては世界の悲惨な人々に想いを馳せていたのだ。岡真理の「ガザとは何か」には「国際法や国際社会の常識がガザにも適応されることを望んでいるだけ」というガザ住民の嘆きが書かれている。国際社会がイスラエルの行動を特別視し、その結果ガザの被害が特別視される。「あらゆる衆生が平等に」をモットーとする浄土仏教の教えと真逆の世界が放置されていることを死の床で叔母も嘆いていた。
June 18, 2025 at 9:46 PM
今週の川柳:町民の記憶に上書き史(ふみ)変わる
津幡町史が改定作業中と聞く。先の町史が発行されたのは昭和49年で、すでに半世紀を経ており、町の様相は大きく変わった。前町史でただ一人フルネームで登場するスポーツマンがボクの父である。「英田地区はマラソンが盛んで河北潟一周駅伝競走大会におけるヒーロー中村政満は地区の自慢の種であり」と記載されている。実際、自分よりひと世代上の人々は父のことをスポーツマンとして記憶している人が多かった。今やそんな父を覚えている人もほとんどいない。歴史書には人々の記憶を集成したものという側面もあるはずだ。新しい町史には同じ中村でも大の里(中村泰輝)が大きく登場するはず。
June 10, 2025 at 8:39 PM
今週の川柳:名前だけ捨てれば進む子会社化
日本製鉄のUSスティール子会社化計画を阻むものは何といっても名前だろう。「日本」が「米国」を買い取ってしまうかのような印象は米国民にとって耳障りの良いものではない。「アメリカ・ファースト」を標榜するポピュリスト大統領にとっては国民のプライドを裏切る政策は決して取れないはずだ。ならいっそ日鉄が組織そのままにUSスティ―ル・ジャパンと名前だけ変えれば済む話ではないか。十年前、息子が急死して中村家を継ぐ者が無くなり娘夫婦に改姓してもらった。婿方の両親は渋った挙句、婿夫婦のすぐそばに越してきて孫たちの面倒を見てくれるようになった。これも名を捨ててジツを取るか?
June 4, 2025 at 8:13 PM
今週の川柳:一億人炊いたことない古古古米
昨年収穫されたコメが新米で、おととしが古米、4年前に収穫されたコメは古古古米となる。その備蓄されていた古古古米を小泉農水大臣の号令で一部のスーパーに卸すという報道。都会育ちのお坊ちゃん大臣は食べたことがあるのだろうか?ボクはある。米貯蔵庫でつい後回しにしていた古い玄米袋を確認したら4年前の物。油が紙袋に染み出ていた。その油が変質するらしく精米しても臭い。2度精米してもまだ臭く炊けば脂化のないぱさぱさのゴハンとなる。まさに臭い飯。飼料用もしくは米粉として加工するしか利用できるものではない。適切な保存方法で脂分の分離を抑えることができるとはとても思えない。
May 28, 2025 at 9:13 PM
今週の川柳:光州はホントに酷いと口つぐむ
韓国の光州で民主化を求めるデモが軍に鎮圧されてから45年。その年の5月の末、出版プロダクションに新卒採用されたボクは福岡のアトリエに送られていた。アトリエに併設された喫茶店の店番をしている時、光州から逃げてきたという韓国人留学生が来店した。光州での様子を尋ねると「ホントに酷い」とだけ言って口をつぐんでしまった。誰もあえて聞こうとはせず沈黙が続いた。あまりに過酷な体験はひとから言葉を奪うのだと思った。それから10年を経ずして中国でも似たような事件があった。血の代償で勝ち取った民主主義はしぶとく強い。昨年も戒厳令をはねのけた韓国の民主主義に感嘆したばかり。
May 20, 2025 at 8:04 PM