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主に読んだ本の感想を書きます。本は古めのものを中心に年間300冊くらい。その他クラシック音楽、ノベルゲームのことを書くことも。プロテスタントのクリスチャン。山口県下関市出身、北海道札幌市在住。気軽に絡んでください。 ノベルゲームレビューブログ http://nagisanet.blog.fc2.com/ Youtube https://www.youtube.com/@nagisapiano
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なお第4楽章の最後で、ちょっとだけ「恋人のテーマ」が流れた後、全管弦楽の一撃がギロチンの落下を表現しているのですが、そのあとのピツィカートが、ギロチンで切り落とされた首が転がる様子を描写しているという、なかなか悪趣味な曲です(笑)。
ベルリオーズ「幻想交響曲」op.14。美しいファンタジーの世界を表現した曲……では全然なく、美しい女性に出会い、舞踏会で彼女と再会し、田園で彼女を思い、夢の中で彼女を殺してギロチン送りにされ、最後は地獄のお化けが変な踊りを踊ると言う、奇怪千万な曲。

でも、そんな訳の分からない物語を知らずに聴く方が楽しめるかも知れません。大変な名曲です。聴くとその異常な感性にやられてしまうのですが、時々聴きたくなってしまうという、不思議な魅力があります。

シャルル・ミュンシュとオットー・クレンペラーが昔から名盤として知られていますが、私の好みはクレンペラー。
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Berlioz:Symphonie Fantastique:Klemperer/Philharmonia O '63:High quality sound version
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もう1本、カードマジックの動画。一番の見どころは、私の妻のカードの扱いかも知れません(シャッフルがなかなか上手い)。J.K. ハートマンの、「Pair Faced」というカードマジックです。これもどの本で覚えたのか、もう全然覚えていないのですが。

でも、これ、改めて自分で見ても、結構不思議に感じます。タネはどうなってるんだっけ(笑)。
昔撮った手品動画でも。アレン・ラングの「Prelude」というカードマジックです。どの本で覚えたのか、もう忘れてしまいましたが(私の本棚の中のどこかにあるはず)。私の妻が、手だけ登場します。

今自分で見てみても、これはなかなか面白いマジックだなと思います。
なお、数年前から読んだ本は全部記録し、感想を残していますが、辻村深月で日本人作家は100人目。次は150人を目指します。増えれば増えるほど大変になるので、そう簡単にはいきませんが。

外国人作家は150人くらいだったと思います。こちらが200人に達する方が先かも。
小川糸「にじいろガーデン」読了。今年226冊目。30代で夫との離婚に悩む泉は、ある日息子の草介と共に駅のプラットフォームにいたところ、自殺しようとしていた女子高生の千代子を止める。やがて三人は山奥の町に移住することに。

レズビアンの二人を中心に描かれた家族の物語。家族のドラマとしてはありだと思う。ただ恋愛ものとしては、女同士であるだけに衝突が生々しい。また共感できるポイントがなく、私は残念ながら楽しみきれなかった。

今作が訴えようとしているテーマ自体は、決して押し付けがましくないし(この手の物語が押し付けがましくなると、途中で付き合い切れなくなるので)、こういう物語があっても良いとは思う。
三浦綾子「青い棘」読了。今年225冊目。医大で歴史を教える邦越康郎は、嫁(息子の妻)の夕起子に複雑な思いを抱いていた。戦時中に亡くした前の妻、緋紗子に声などの雰囲気が似ていたのだ。夕起子の方でも、康郎に憧れに近い感情を持っていた。

康郎と夕起子の、微妙な距離感が非常に上手い。また、康郎の娘であるなぎさのちょっとした変化、彼女の夫である兼介とのずれ具合の描写も、抑制が効いた中に生々しさを感じさせて印象的。

読後感はすっきりしており、大傑作とまでは思わないが、安心して読める長編小説。キリスト教要素が強い三浦の作品(「塩狩峠」「氷点」など)に抵抗があれば、この辺りから手を出すのも悪くないのでは。
今シーズンの初積雪。風が強く気温も低く、非常に寒い1日でした。この時期の雪はすぐに解けますので、本格的に「ずっと雪の中」になるのは12月なのですが、今年もいよいよこの時期がやってきたか、という感じです。

北海道に引っ越して2年半。色々な人から「北海道はどう?」と言われますが、その時の私の答えは、いつも同じです。

「北海道は、日本語が通じる外国です」。そのくらい、私の故郷山口県とは全てが違います。

これからの時期は、雪が降る夜に妻と鍋を囲み、麦焼酎のお湯割をいただくのが最高の贅沢です。
実は! なんとサイゼリヤに一度も行ったことがないのです……。妻も外食が好きではなくて、なかなか。今度一度行ってみます。

インターネットって、頭に血を上らせたりせず、自分で自分を落ち着かせて、良い意味で一歩後ろから見るくらいが、健康的に補足長く楽しむコツなんじゃないかと思って、それを心がけています。

あまり自分の曲を聴くことはないんですが、やまさきさんの「和泉くん。」の主題歌は、野田さんの歌い方が見事すぎて、私も自分の曲や歌詞ではなく、野田さんの声を聴くためだけに、時々聴いています。気に入っていただけて嬉しく思います。
久々にフルートを取り出し、吹いてみました。曲は、現在作成中のノベルゲーム「ARISA - Echoes of Memory - 」のオープニング主題歌。

創作者にも色々いますが、自分で書いた物語の主題歌を、自分で作詞作曲編曲し、それを自ら演奏するという人も、なかなかいない気がします(笑)。

フルートをまともに吹くのは8年ぶりくらい。指は覚えていましたが、息の入れ方とかアンブシュア(唇の形)が怪しく、苦労しました。たまには河川敷にでも楽器を持って行って、吹きまくった方が良いかも知れません。
今は合成音声による歌(初音ミク的な)非常に進歩していて、耳が肥えていない人であれば、人間と区別がつかないところまで来ています。

「合成音声でこれだけ歌えるなら、人間の歌手はもういらないな」というコメントをどこかで見たことがありますが、それは音楽を知らない人の意見。そんな訳はないのです。上に書いたように、だからこそ人間が歌うこと(特にライヴで)の価値は、どんどん上がっていくのです。

これは楽器も同じで、これだけ音楽制作ソフトや打ち込みが進歩したら、人間の演奏家がいらなくなるかというと、んな訳はないのです。音楽にちょっと詳しい人なら分かることです。

人間による創作の価値と楽しさは不滅です。
以前、AI推進派のクリエイターの方が、AIを否定する創作者を見下して馬鹿にするような発言を見たことがありますが、そういうのは駄目です。

全部が人間の手で作るとは限らない時代になった(昔は全部が手作業でしたが、今は身の回りのもので手作りの方が少ないですね)からこそ、人間が作ったものの価値は、より上がるのです。他のジャンルは全てそうです。創作が例外であるはずがありません。

なお私は、音楽制作だけはAIに頼ろうとは思いません(もちろん一部面倒な作業をAI的操作で任せることはありますが)。AIはあくまで道具です。それを理解した上で、便利に活用したいものです。
ただ、PixivでAI生成イラストがたくさんあるんですが、綺麗だなとは思うものの、多少拙くても人間が描いたイラストの方が圧倒的に魅力的ですね。

たまに、水彩で描いたアナログイラストがアップされているのを見ると、「おお!」と思いますもの。

私は、AI時代が到来したら、より人間の創作の価値が輝くと思っています。手編みより機械編みのマフラーの方が品質が高いのは当然ですが、なればこそ一層手編みのマフラーって嬉しくてありがたいですよね。

そういう「機械やコンピューターには絶対にできない、プラスアルファの魅力」は、今後ますます大事になってくるんじゃないでしょうか。
AIについては、色々な意見があっていいと思います。私は「便利だからどんどん使おう派」。実際今AIで画像を作って作品制作してますし(時間と苦労がものすごいけど)。

何度も書きましたが、私は自分の創作物(音楽や文章)をAI学習に使われても、なんとも思いません。それどころか「こんなのが役に立つならどうぞ」と思っています。人間が学ぶのと何も変わらないと思っているので。

もちろんAIを否定する人の気持ちも分かるし、それは尊重されるべきです。法整備なども急務です。

将来的にはAIが、道具の一つとして適切に使われるようになればいいですね。とりあえず、もっと楽に立ち絵が作れるようになってほしい(笑)。
リチャード・カーティス「ノッティングヒルの恋人」読了。今年224冊目。同名の映画の小説版。バツイチの冴えない書店主ウィリアム・タッカーと、世界的なハリウッドの大女優アナ・スコットの恋物語。

イギリスが舞台で、カーティスもイギリスで活躍する脚本家だけあって、全編に満ち溢れるブリティッシュジョークが非常に楽しい。ニヤリとできる台詞のやり取りがたくさんある。ウィリアムの友人たち、妹のハニーも個性豊かで、会話劇としては文句なし。

一方で恋愛小説として読んだ場合は、ちょっと大雑把というか、心理描写が細やかとは言いがたく、展開も飛ばし気味なところを感じた。これはやはり映画で見た方が楽しいと思う。
有吉佐和子「私は忘れない」読了。今年223冊目。スターになる夢を掴み損ねた売れない女優門万里子が、「忘れられた島」と呼ばれる、鹿児島県の黒島に渡り、気の良い島の住人たちと、万里子は少しずつ交流を深めていく。

最初は、ただの気晴らしで来て、黒島のあまりの文明未開ぶりに絶句した万里子が、だんだん島民と交流を深める様子が、非常に良い。登場人物が誰も彼も非常に魅力的で、自然の猛威と戦う描写も迫力十分。またラストが大変印象的で、忘れ難い印象を残した。

スマホもインターネットもAIもない素朴な生活に心を動かされてみたい人には、一読をお薦めする。令和の現代にこそ、じっくり味わう物語なのではなかろうか。
なお画面写真は、立ち絵も背景もAIです。背景は、新千歳空港〜札幌〜小樽を結ぶ快速「エアポート」の車内。
制作中の、マルチエンド長編恋愛ノベル、「ARISA - Echoes of Memory -」。画面は開発中のものではなく、「北へ。White Illumination」のパロディ。本編にこんなシーンはありません(笑)。

シナリオがとうとう1MB(50万文字)を超えました。今トゥルールートを書いています。AIによる立ち絵作成に苦労し過ぎており、この問題だけで完成する気がしません(シナリオは絶対に最後まで書けますが)。

北海道の架空都市(モデルは小樽)を舞台に、恋愛支援AIの応援で恋愛成就を目指す大学生の物語。ヒロインは3人。物語はまあまあ面白い……かな?(笑) #プレミアムノベルゲ制デー
北村薫「夜の蟬」読了。今年222冊目。「空飛ぶ馬」に続いて、国文科の女子大生の主人公と、噺家の春桜亭円紫が謎を解く、日常ミステリーのシリーズ第2弾。3篇の中編を収める。

収録作は「朧夜の底」「六月の花嫁」「夜の蝉」の3本で、ミステリーとしては「空飛ぶ馬」の方が出来栄えは上だと思う。ただ、このシリーズの特徴ではあるが、とにかく描写が緻密で文章が美しい。

そして何より人間ドラマとして非常によくできている。「日常ドラマの中のミステリー」ではなく、「ミステリー要素がある文学小説」と表現しても大袈裟でないくらいだ。女子大生である主人公「私」の心情の揺れを楽しむ物語。青春文学として非常に完成度が高い。
2か月で940KB(47万文字)、3ルート分のシナリオを書き、いよいよ真ルートを書き始めたのですが、さすがに短期間で一気に大量に書いたせいか、ちょっと意欲とアイディアが枯渇気味。大体のプロットは作ってあるのですが。

ここのところの創作は、出力に偏って入力が乏しかったためかも知れません。しばらく、読書などで心に刺激を与え、作曲をやったりして、気分を変える方がいいのかも。

ヒロインのテーマ曲でも作曲すれば、気分と意欲が上がるかも知れないので、明日ちょっと曲のスケッチでも作ってみますか。
さらに、詳しい答え。たった1枚作るだけとか、服装や髪型、色味が微妙に異なる差分でもいいならともかく、ノベルゲームの立ち絵で、表情が変わるたびに他の部分も変わったのでは使い物になりません。

AI自身も「それは無理」との見解でした。
Twitterにて、私が「AIで立ち絵を、差分含めて違和感なく仕上げるのは、膨大な時間と気が遠くなるような試行錯誤が必要」と書いたら、引用で「無料のAIでも、プロンプトさえちゃんと書けば、立ち絵も差分も作れる」と書かれた。

で、その真偽をAI自身に聞いたところ、「現状のAIは、その仕組み上『一部だけ変更して他は全く同じ』というのは無理で、プロンプトだけで差分を大量作成というのは難しい。画像処理ソフトによる細部の編集や、パーツごとの編集が不可欠」と言われました。

ちょっともやもやしたので、こちらに書いておきます(笑)。
シェイクスピア「恋の骨折り損」読了。今年221冊目。ナヴァール王国の若き王と3人の貴族ビローン、ロンガヴィル、そしてデュメインが、「3年間女性とは関わらず、学問に専念する」という誓いを立てる。

だがその直後、フランスの王女が3人の美しい侍女を連れてナヴァール王国にやって来、彼らの誓いはあっという間に揺らいでしまう。王を始め4人が4人とも恋に落ちてしまうのだ。そんな男女の恋の顛末を描いた喜劇。

4人とも誓いを立てたものだから、なんとか自分の恋心を隠そうとするも、手紙の誤配などでどんどんバレてしまう。その辺りのどたばたぶりがなんとも面白い。平兼盛の「忍ぶれど 色にいでにけり 我が恋は」の世界。
アマチュアが作ったフリーゲームに、SNSで「つまらん」なんて書いてしまう人は、人間的に本当に無理だなあ……。そういうことを指摘することに、何かの優越感でも感じているのだろうか?

まあ、お金を払って買ったプロの作品であっても、やたらと駄目出しをして「つまらん」と言ってしまう人よりも、「この作品は、ここは気になったがここは良かった!」と言える人の方が、人生を100倍も有意義に生きているように感じます。

なので、やたら「つまらん」なんて書いてしまう人は、ある意味寂しい人なんでしょうね……。
フランソワーズ・サガン「一年ののち」読了。今年220冊目。この本はサガンの3番目の長編小説。パリに住むマリグラス夫婦は、毎週月曜日にパーティを催しており、そこに集まる人々の人間模様を描いた群像劇。

サガンの、洒落た都会風の描写の中に漂う、えも言われぬ儚さが存分に発揮された文章は大変魅力的。登場人物が多く、愛憎渦巻く様子は日本のメロドラマのよう。

それだけだと読んでいられないようなものになりかねないが、そこはサガン。メロドラマなのに上品さを感じる。とは言え、物語としては大した起伏があるわけではない。気怠い人間模様が延々続くだけ。これを楽しめるかどうかで、サガンという作家との相性が分かるかも。