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良かったものの感想を書いています。たまに日記も書きます。 最近はミステリー小説にハマっていますが、媒体、ジャンル問わず色んなものが好きです。
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くらげバンチ12周年企画でつくみずの新作が予告、6つの新連載と20の読み切りも発表
https://natalie.mu/comic/news/646399?utm_source=bluesky&utm_medium=social

新連載と読み切りは本日から順次掲載。「少女終末旅行」の新規イラストも公開された。

#くらげバンチ
佐々木さんこんばんは。
この度は誤った情報を発信してしまって申し訳ありません。正しくは『神隠しと日本人』です。

興味がおありでしたらKindleの三冊まとめた合本版がお得なのでオススメです!
訂正
×異界と日本人
○神隠しと日本人
の間違いでした。合同版で買ったのでごっちゃになってしまった。
小松和彦先生
異界と日本人

めちゃくちゃ面白かった。
神隠しがフィクションとして当たり前になったどころか、より相互監視の目が厳しくなった現代だからこそより読む価値が生まれてると思う。
特に結びの文章が素晴らしく、何度も読んでしまう。

『現代こそ神隠しのような社会装置が必要なのではないか、と。(中略)神隠しのような、一時的に社会から隠れることが許される世界が用意されていたらどんなに幸せだろう。』

その通りだと思う。
全てを投げ出して、社会や責任から逃げ出したくなる時はある。
生と死の中間の選択肢に神隠しがあったら良いのに。
死にたい時は死に、生きたい時は生きる。凄い甘美な理想に思える。
unZIP何度もリピートした後だと最初と全然印象変わる。
最初は核Pだけどソロ寄りだなと思ってたけど、しっかり聴くとP-MODELからの流れを感じ取れてちゃんと核Pだとなる。

今の所Timelineの始まりが特にお気に入り。サビの歌詞が舟を想起させ泣けてくる。
今村昌弘先生
明智恭介の奔走

『屍人荘の殺人』の前日譚。

日常の中のミステリーを明智さんと葉村君がドタバタ解決する短編集。

クスリとくるし、殺伐とした話は無いので楽しく読めるけれどここから屍人荘に繋がる事を思うと悲しくなる。

この作品から読むって事はほぼ無いだろうから、今村先生は読み手がこういう感情になる事も想定して書いてるんだろう。
その思惑の中に今村先生らしい非情さが表れてる。

やたら癖の強いキャラクターも出てたからいつか本編に登場するんだろうか。続き待ってます。
烏谷昌幸先生
となりの陰謀論

最近読んだ新書の中だと、図も多くて文章も分かりやすい。めっちゃ良かったです。

本著で現実の陰謀論について詳しく知ると、只事では無いなと怖くなった。

特に第三章の「陰謀論の内容が馬鹿げていることは、かえって恐ろしい効果を生み出す」のくだりはなるほどと納得。

絶対的忠誠を要求する独裁者が、忠誠心の強さを測るリトマス紙として陰謀論を利用すると聞くと、
オーウェルの『1984』にあるような思考停止の絶対服従が思い浮かんで、うわぁとなる。
他人事だと思わないで、もっと知っていかなくちゃな。
村田沙耶香先生
世界99

思っていても口にしない様なこと。あえて目を逸らして知らないふりをしてきたもの。
そういう直視し難い凡ゆるが本著には容赦なく書かれている。

倫理観どころか自分そのものすら解体されていく感覚に何処か既視感を覚えるのは、もう忘れてしまった過去の自分の記憶なのか、存在しない記憶なのか。

読んでいて中島義道先生の『差別感情の哲学』を思い浮かべた。自分を含めた人間の綺麗じゃなさを受容することは簡単ではないけれど、少しは自覚的で有るべきだなと。

白藤さんが空子のことを「キサちゃん」と呼ぶシーンの度に涙が出そうになった。分かり合えない切なさや、切実さがグッと来て辛くなる。
白井智之先生
死体の汁を啜れ

相変わらず容赦ないなぁ。
登場人物の誰がいつどうなってもおかしくない。だからこそハラハラするし、心が動かされる。

グロいし、ナンセンスなんだけど妙にコミカルに感じるのが凄いんだよな。
地の文で情景を描写する表現とかも「何でそんな言い方するのよ」と思わずツッコミたくなるし、振り切って笑えてくる。
これは白井作品全般に言えるけど、本作は比較的マイルドなので初めての白井作品にするならおすすめなのかも。

最後はみんながどう解釈したのか気になる。僕は最高!だと思ってます。
藤本靖先生
OSO18を追え"怪物ヒグマ"との闘い560日

audibleで。普段なら手に取らないジャンルだけど、何となく聴いてみたら面白かった。

勝手にOSO18って昔の話だと脳内で変換してたんだけど、2019年の話だったことにまず驚いた。

牛を襲いまくる狂暴かつ残忍な熊というイメージがあったが、それも本著を読んだ後では180度変わってしまう。

討伐隊vs OSO18の闘いの結末もノンフィクションならではといった感じでそれが逆に良い。
顛末も結末も生々しく、現実の出来事だとまざまざと思い知らされる。

あとOSO18って前足幅18㎝に由来するのだけど、実際は16㎝くらいだったらしい。
民俗学の異界とミシェル・フーコーのヘテロトピアの類似性についてchat GPTに相談したら、
村澤の研究で取り上げられていると解答があった。

こういう面白そうなものに限っていざ調べると、大体そんな本は無いとなるので今回もどうせいつものハルシネーションだろと思って調べたら、本当にあってかなり興奮した。

どうやら村澤和多里先生と村澤真保呂先生の「異界の歩き方」と言う本に書いてあるっぽい。
Kindleには無いみたいなので久しぶりに紙の本を買うことになりそう。
ガルクラ完全新作映画制作決定嬉しすぎ〜!!!

続きやってくれるなら総集編の映画も観に行きます。
いつかは読まないとなぁと思っていた日本霊異記をようやくaudibleで聴けた。分かりやすい現代訳があって助かる。

様々な因果応報譚詰め合わせセット。

カラスのNTR話お気に入りです。(中巻 2話)
カラスは何となく不吉の象徴である様に言われる事が多いけど、奈良、平安時代くらいには既にその片鱗があったのを知れて良かった。

あとは蟹が恩返しする話。これは今だと逆に珍しく感じる。恩返しと言えば、鶴、亀、雀のイメージがある。

伊藤龍平先生のヌシについての論考を読んだ時にもデカい蟹の話はそこそこ出てきたから、昔の人は蟹に思う所あったんだろうな。
改めて見ると実際かなり変だしな、蟹のビジュって。
染井為人先生
悪い夏

触れ込み通り悪い奴しか出てこない。クズのアベンジャーズ。
話が進む毎にどんどん状況が悪くなっていく。まさしく悪い夏。
この作品にはこのタイトルが最も相応しいと思わされる。

主人公の守の境遇だけを見れば不条理文学のそれ。カフカの変身を思わせる圧倒的な理不尽。

それを染井先生は後書きで
『近くで見れば悲劇だが、遠くから見れば喜劇である』(意訳)
と言っていて、作家としても人間としても途轍もない凄みを感じてしまう。
この境地に至っているからこそ、ここまで胸を揺さぶる作品を書けるのだろうな。
滝川さり先生
ゆうずどの結末

角川ホラー文庫の『ゆうずど』を読むと呪われる。
このありがちな設定でここまで引き込まれる話を作れるのは凄い。

全6章が同じ呪いを扱いながらそれぞれ違うテイストの作品になっていて読んでいて全くだれてこない。
特に第2章がお気に入り。
単話としてみても面白い。

ネットロアの要素もしっかり組み込まれていて現代のホラーという感じでありながら、背筋先生や梨先生とはまた違った趣きがある点も面白い。
滝川先生の作品を読んでいるとこれからもホラージャンルは発展していくかもしれないと胸が躍る。
滝川さり先生
あかずめの匣

これかなり面白いです。

ホラーでありながら謎解きの要素もあり、怪異ものでありながら、人怖要素もある。たくさんのホラージャンルが複合しているのに、全くごちゃついていない。

巧妙に仕組まれた叙述トリックでどういう事?とつい読み返してしまい、腑に落ちた瞬間に感じるピースのハマる感覚がとても気持ちいい。
作中にある違和感や矛盾めいた描写の全てが回収されるので、後味が悪いホラーなのに読後感はとてもすっきり。

4章に分けられた短編が最後のエピローグに収束していく構成だが、第1章単話だけでも十分な程に完成されているのも凄い。それが4つもあるので満足度も高い。オススメ。
みそきんをようやく食べれた!
カップラーメンの中では美味しい方だと思う。
これでもっと出回ってたら定期的に食べたくなるかも。

みそきんメシは美味いって聞いてたけど、逆にこっちはそんなだったな。
とりあえず食べれて満足。

冷静にこれが転売とかされてるの狂気でしかない。
谷口義明先生
ゴッホは星空に何を見たか

天文学者によるゴッホ解説。面白い。

個人的に宮沢賢治との関連性には注目していたから、本著で触れられていて良かった。
ゴッホと賢治に共通する創作の作法。なるほどな〜。
やっぱり人を惹きつける作品にはその中に真に迫る何かを想起させる力がある。

短く、図も多くて読みやすいので本著かなりオススメです。
米澤穂信先生
本と鍵の季節

古典部シリーズとも小市民シリーズともまた少し違うテイストの青春ミステリー。

米澤先生らしい、高校生とは思えない程に大人びた登場人物達の会話がクセになる。
でも折木や小鳩君よりは堀川君のが普通の高校生ぽかったかも。

『ロックオンロッカー』はお気に入り。
友達を連れ立って美容院に行くというシチュエーション。いくら割引になるとはいえ、嫌すぎる。
嫌すぎて笑える。

作中では連れションみたいなもんだと松倉君は言っていたけど、全然違うと思う。実際堀川君はかなり嫌がってた。

『金曜に彼は何をしたのか』はまさに米澤先生って感じるビターなオチで良かった。
小川一水先生
ツインスター・サイクロン・ランナウェイ

本格SF×百合。
最高です。

まず設定が面白い。
人類は宇宙を泳ぐ魚を漁獲して暮らしている。という壮大でワクワクしかしない設定に、クソみたいな家父長制や女性蔑視の残る因習社会を掛け合わせていて、自由さと不自由さのバランスが実にSFって感じで最高。

地の文の描写もとても良い。
『水に漬けた花束みたいに、大きな体をくたりとジェルに浮かべてしまう。』
なんて美しい表現なんだ。思わずクラっとした。

二人の関係性がどう進展していくのか。困難をどう乗り越えるのか、続きが楽しみ。
フィルムエストTV 架空名作劇場
人情刑事 呉村安太郎

お婆さんはグミを食べない。
という偏見から推理を展開する90年代ドラマ風の番組。

偏見過ぎて笑える。
まあでもグミを好んで食べる年寄り観た事ない。

犯人を取り押さえる場面でキャストがぞろぞろ集合するシーンとか、細いあの頃のドラマあるあるが存分に盛り込まれている。
世代かと言われたらそうでもないけど。

これは2話。
TVerでフルバージョンが観れる。

youtu.be/puLYLfFSfxc?...
おばあさんはグミを食べないという決めつけの世界線
YouTube video by フィルムエストTV
youtu.be
青崎有吾先生
11文字の檻 青崎有吾短編集成

買おうか迷っていたらaudibleに来て早速聴いた。ただ『前髪は空を向いている』という作品は未収録だったので注意。

僕が好きな『恋澤姉妹』が本著にも含まれていたので、電子書籍で買ってしまうのもアリかも。

表題作の『11文字の檻』はかなり良かったな〜。
ノーヒントの状態から11文字のパスワードを当てなければ出られない。という絶望的なシチュエーションを如何に打開するのか。
短編とは思えない程の満足度があります。

最後に作者による各話解説があるのも嬉しい。平成のエラリー・クイーンって呼ばれる事に思う所があるみたいで、申し訳ないけど笑ってしまった。
小野不由美先生
残穢

映画は観たことあったけど原作はまだだったので読んだ。

読み終わってまず映画の完成度の高さに改めて驚かされた。
原作の魅力を損なうことなく、むしろ映像化したことで生まれた怖さもある。残穢の様なホラー映画がもっと増えて欲しい。

怪奇現象を静かに、密やかに、しかし確実に日常を脅かしてくる存在として書いている所が特に好みだ。
気付いた時には既に抱き付かれているかの様な恐怖。
この作品には残穢という言葉が相応しい。
女神の継承を観た。よく話題に上がるだけあって凄かった。

ミン役を演じたナリヤ・グルモンコルペチさんの迫真の演技が特に素晴らしい。
まさに鬼気迫るという感じで、迫力に圧倒させられる。

あとは大掛かりな儀式のシーン。これも凄い迫力。圧巻でこのシーンだけでも観る価値あった。

でも前評判を見たり、予告を観たりして想像した感じの怖さとは違ったな。
勿論ちゃんと怖いけど、結構パワープレイだった(特に終盤)

逆に序盤から中盤にかけての、良く無いものが忍び寄って来る感じの表現は好きでした。

神様の良い部分だけ享受しようなんて烏滸がましいよね、思い通りにならないからこそ人智を超えた存在なんだし。
今更ながら変な家の映画観た。

原作が終始落ち着いた空気感で進行していくのに対し、本作はなんか終始ドタバタしてる。
特にジャンプスケア苦手な人はこの映画は苦手かもな。

でも作り手のこういうホラーが好きで、やりたいんだ!って気持ちが伝わる映画だと思う。
僕が変な家の映像化に求めていたものでは無かったけど。
もっとジトッとした怖さで観たかったがそれは雨穴さんがYouTubeでやってるしな。

映画ならではの雨宮さんと栗原さんの関係の掘り下げは良かった。ホラー映画でこういう友情が少し描写されるみたいなの好き。

あと効果音が良かった。床の軋む音とか襖を開ける音とか。結構こだわって作ってたと思う。