古賀及子
『よくわからないまま輝き続ける世界と 気がつくための日記帳』
古賀さんと息子さんと娘さんの3人の日々の生活が記されている、2024年6月から10月までの日記。
「日記に書くために簡単なトピックを生活に組み入れる」を実践して日記に書いて、それをまとめたものとのこと。
面白くてどんどん読んでしまう。
簡単なトピックは大事に発展することはなくて、淡々と生活に組み込まれて、続いたり続かなかったりする。
それが記されているだけなのに、どうしてこんなに面白くなるのか。
古賀さん、すごいなぁ。
ほかの日記も読みたくなりました。
古賀及子
『よくわからないまま輝き続ける世界と 気がつくための日記帳』
古賀さんと息子さんと娘さんの3人の日々の生活が記されている、2024年6月から10月までの日記。
「日記に書くために簡単なトピックを生活に組み入れる」を実践して日記に書いて、それをまとめたものとのこと。
面白くてどんどん読んでしまう。
簡単なトピックは大事に発展することはなくて、淡々と生活に組み込まれて、続いたり続かなかったりする。
それが記されているだけなのに、どうしてこんなに面白くなるのか。
古賀さん、すごいなぁ。
ほかの日記も読みたくなりました。
映画『旅と日々』にも、ベルンハルト『凍』にも、『凍』と併読していた武田百合子『富士日記』にも。『富士日記』は年末年始の日記を読んでいた。
雪深い地域は大変である。
映画『旅と日々』にも、ベルンハルト『凍』にも、『凍』と併読していた武田百合子『富士日記』にも。『富士日記』は年末年始の日記を読んでいた。
雪深い地域は大変である。
トーマス・ベルンハルト
池田信雄 訳
『凍』
画家のシュトラウホを観察する任務を与えられた研修医が記した27日間の記録。
ただひたすらに寒さについて、寒村の陰鬱な情景、画家の絶望が綴られる。
なぜかいつの時間帯に読んでも、睡魔がやってきて、読み終えるまで時間がかかった。
読むのにうってつけな気候になり、朝方などは時々震えながら読んだ。
辛い終わりでした。
「凍てはすべてを蝕む」。木も人間も家畜も、木や人間や家畜の中にある何もかもを。血はどんなに早く流れていても、滞る。
トーマス・ベルンハルト
池田信雄 訳
『凍』
画家のシュトラウホを観察する任務を与えられた研修医が記した27日間の記録。
ただひたすらに寒さについて、寒村の陰鬱な情景、画家の絶望が綴られる。
なぜかいつの時間帯に読んでも、睡魔がやってきて、読み終えるまで時間がかかった。
読むのにうってつけな気候になり、朝方などは時々震えながら読んだ。
辛い終わりでした。
「凍てはすべてを蝕む」。木も人間も家畜も、木や人間や家畜の中にある何もかもを。血はどんなに早く流れていても、滞る。
『エディントンへようこそ』
コロナ禍のアメリカ南西部の小さな町が舞台。
政治的対立や分断、陰謀論と真意不明のSNSの情報が混乱を招き、それはそれは大変なことになる。
どうしてこうなったのかわからない。わからないことに怖さを感じる。
それにしても酷い話でとても疲れました。
疲れたけれど面白かったです。
面白いと言っていいかはわかりません。
『エディントンへようこそ』
コロナ禍のアメリカ南西部の小さな町が舞台。
政治的対立や分断、陰謀論と真意不明のSNSの情報が混乱を招き、それはそれは大変なことになる。
どうしてこうなったのかわからない。わからないことに怖さを感じる。
それにしても酷い話でとても疲れました。
疲れたけれど面白かったです。
面白いと言っていいかはわかりません。
この1年間、べらぼうに面白いものを見せてもらいました。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
この年末年始は、録画してそのままになっている1話から、順に見返したい(希望)。
この1年間、べらぼうに面白いものを見せてもらいました。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
この年末年始は、録画してそのままになっている1話から、順に見返したい(希望)。
駅の催事でまとめ買い。
駅の催事でまとめ買い。
『落下の王国』
今日も懲りずに。
ああ良いものを観た。
韓国版のポスターが美しい。
『落下の王国』
今日も懲りずに。
ああ良いものを観た。
韓国版のポスターが美しい。
ハン・ガン
斎藤真理子 訳
『すべての、白いものたちの』
急に寒くなったので、こちらもなんとなく思いついて読み返す。
白いもの。ゆき、つき、いき。
部屋の中で読んでいるのに、指が冷たくなってなんだか良かった。
冷たい指先でページをめくるのにぴったりな本だと思う。
これは簡単に感想を述べられる作品ではなく。
装丁と造本が本当に美しくて好きです。
ハン・ガン
斎藤真理子 訳
『すべての、白いものたちの』
急に寒くなったので、こちらもなんとなく思いついて読み返す。
白いもの。ゆき、つき、いき。
部屋の中で読んでいるのに、指が冷たくなってなんだか良かった。
冷たい指先でページをめくるのにぴったりな本だと思う。
これは簡単に感想を述べられる作品ではなく。
装丁と造本が本当に美しくて好きです。
4月にファレル・ウイリアムスの映画を観てから、だいぶ長い期間N.E.R.Dとファレルを交互に聴いていた。
そしてどちらも5位が意外。
4月にファレル・ウイリアムスの映画を観てから、だいぶ長い期間N.E.R.Dとファレルを交互に聴いていた。
そしてどちらも5位が意外。
ハン・ガン
斎藤真理子 訳
『ギリシャ語の時間』
視力を失う可能性がある病気についての本を読み、なんとなく思いついて読み返す。
突然に言葉を失った女と、少しずつ視力を失っていく男が古典ギリシャ語を通じて出会う。
夏の季節の描写であっても、たえず冷えきった寒々しい感じがして、息苦しさもある。
男の独白がとてもよい。
ハン・ガンの小説ではこれが一番好きです。
ハン・ガン
斎藤真理子 訳
『ギリシャ語の時間』
視力を失う可能性がある病気についての本を読み、なんとなく思いついて読み返す。
突然に言葉を失った女と、少しずつ視力を失っていく男が古典ギリシャ語を通じて出会う。
夏の季節の描写であっても、たえず冷えきった寒々しい感じがして、息苦しさもある。
男の独白がとてもよい。
ハン・ガンの小説ではこれが一番好きです。
穂村弘
『満月が欠けている 不治の病・緑内障になって歌人が考えたこと』
穂村さんは緑内障の治療を開始して20年になるという。
目が見えなくなる(かもしれない)という恐怖を感じながら、生活するのは大変だろうと思う。
緑内障の治療について、病気との付き合い方、生きのびること、いろいろ勉強になった。
瞳を巡る短歌や、穂村さんの主治医の鈴木克博さん、春日武彦さんとの対談も興味深くて面白かったです。
目をもっと大切にせねば…。
穂村弘
『満月が欠けている 不治の病・緑内障になって歌人が考えたこと』
穂村さんは緑内障の治療を開始して20年になるという。
目が見えなくなる(かもしれない)という恐怖を感じながら、生活するのは大変だろうと思う。
緑内障の治療について、病気との付き合い方、生きのびること、いろいろ勉強になった。
瞳を巡る短歌や、穂村さんの主治医の鈴木克博さん、春日武彦さんとの対談も興味深くて面白かったです。
目をもっと大切にせねば…。
もう2年前。
時の流れは早いなぁ。
もう2年前。
時の流れは早いなぁ。
『七人の侍』
『旅と日々』
『爆弾』
『落下の王国』
『兄を持ち運べるサイズに』
今月はやはり以下の3作が素晴らしかった!
映画って本当にいいものですねぇ。
『七人の侍』
『旅と日々』
『爆弾』
『落下の王国』
『兄を持ち運べるサイズに』
今月はやはり以下の3作が素晴らしかった!
映画って本当にいいものですねぇ。
シェリー
『フランケンシュタイン』
梅村由美 山口晃
『ヒゲのガハクごはん帖』
北村紗衣
『「名作」と友達になる 学校では教えてくれないシェイクスピア』
リチャード・フラナガン
『第七問』
町田康
『口訳 太平記 ラブ&ピース』
赤染晶子
『初子さん』
バリー・ユアグロー
『松明のあかり 暗くなっていく時代の寓話』
片桐はいり
『もぎりよ今夜も有難う』
古賀及子
『おかわりは急に嫌 私と『富士日記』』
今月は、なんとも辛く苦しい小説と楽しいエッセイを交互に。
いまはベルンハルトを読んでいるところ。
シェリー
『フランケンシュタイン』
梅村由美 山口晃
『ヒゲのガハクごはん帖』
北村紗衣
『「名作」と友達になる 学校では教えてくれないシェイクスピア』
リチャード・フラナガン
『第七問』
町田康
『口訳 太平記 ラブ&ピース』
赤染晶子
『初子さん』
バリー・ユアグロー
『松明のあかり 暗くなっていく時代の寓話』
片桐はいり
『もぎりよ今夜も有難う』
古賀及子
『おかわりは急に嫌 私と『富士日記』』
今月は、なんとも辛く苦しい小説と楽しいエッセイを交互に。
いまはベルンハルトを読んでいるところ。
『旅と日々』
夏と冬のそれぞれの季節の怖さと美しさが切り取られていて、とてもよい。
波、雨、風、雪、風、列車の音がしっかりはっきりわかるところもよい。
李の「さようでございますか」、べん造の「おめぇはべらべらどよぐしゃべるの」の言い方と、その言葉が出てくるまでの一連の流れが本当によい。おかしくて絶妙。
いいものを観ました。
『旅と日々』
夏と冬のそれぞれの季節の怖さと美しさが切り取られていて、とてもよい。
波、雨、風、雪、風、列車の音がしっかりはっきりわかるところもよい。
李の「さようでございますか」、べん造の「おめぇはべらべらどよぐしゃべるの」の言い方と、その言葉が出てくるまでの一連の流れが本当によい。おかしくて絶妙。
いいものを観ました。
『兄を持ち運べるサイズに』
地元ではないけれど、見知った場所で撮影されていることと、以前読んだ原作が良かったので観に行く。
家族や兄弟でも知らない一面はあるし、伝えていないことも見せていない一面があるもの。
『兄の終い』というタイトルが好きだったので、なぜタイトルが変わったのか、ちょっと気になります。
友人と朝から夕方まで入り浸った場所が写っていました。
そして牛タン弁当を食べたくなりました。
『兄を持ち運べるサイズに』
地元ではないけれど、見知った場所で撮影されていることと、以前読んだ原作が良かったので観に行く。
家族や兄弟でも知らない一面はあるし、伝えていないことも見せていない一面があるもの。
『兄の終い』というタイトルが好きだったので、なぜタイトルが変わったのか、ちょっと気になります。
友人と朝から夕方まで入り浸った場所が写っていました。
そして牛タン弁当を食べたくなりました。
古賀及子
『おかわりは急に嫌 私と『富士日記』』
武田百合子の「富士日記」からの引用と、それにまつわるエピソードで構成されたエッセイ。
これは少しずつゆっくり読みたい、と思ったにも関わらず、面白くて一気に読んでしまいました。
そしてやっぱり「富士日記」をむしょうに読みたくなり。
・昭和の時代がいかにめちゃくちゃだったかを、令和の世から噛みしめられるのも、この日記の魅力のひとつ。
前に読んだのは令和元年だったので、令和の世になってからしばらくたった今、昭和を噛みしめるために読み返したい(希望)。
古賀及子
『おかわりは急に嫌 私と『富士日記』』
武田百合子の「富士日記」からの引用と、それにまつわるエピソードで構成されたエッセイ。
これは少しずつゆっくり読みたい、と思ったにも関わらず、面白くて一気に読んでしまいました。
そしてやっぱり「富士日記」をむしょうに読みたくなり。
・昭和の時代がいかにめちゃくちゃだったかを、令和の世から噛みしめられるのも、この日記の魅力のひとつ。
前に読んだのは令和元年だったので、令和の世になってからしばらくたった今、昭和を噛みしめるために読み返したい(希望)。
この本は旅先で読んだとか買ったとかもなんとなく覚えている。
この本は旅先で読んだとか買ったとかもなんとなく覚えている。
片桐はいり
『もぎりよ今夜も有難う』
なにか楽しい本が読みたくて、久しぶりに手に取りました。
片桐さんが映画館でもぎりとして働いていた頃のこと、旅先でめぐった映画館のこと、適当な駅で降りて適当なバスに乗って行く読書旅のこと。
どのエッセイも懐かしい感じがして楽しい。
「トムの会」は今も開催されているのだろうか。開催されていてほしい。
20年以上コンスタントに新作がやってきて、年に一度は会うことができる俳優はなかなかいない。それはトム・クルーズ。
そういえば、ここ数年「ディカプリオの会」的なことはやっているな…。
片桐はいり
『もぎりよ今夜も有難う』
なにか楽しい本が読みたくて、久しぶりに手に取りました。
片桐さんが映画館でもぎりとして働いていた頃のこと、旅先でめぐった映画館のこと、適当な駅で降りて適当なバスに乗って行く読書旅のこと。
どのエッセイも懐かしい感じがして楽しい。
「トムの会」は今も開催されているのだろうか。開催されていてほしい。
20年以上コンスタントに新作がやってきて、年に一度は会うことができる俳優はなかなかいない。それはトム・クルーズ。
そういえば、ここ数年「ディカプリオの会」的なことはやっているな…。
『落下の王国』
これはもう、ラストのアレクサンドリアのセリフに尽きる。
本当に上映してくれてありがとうございます。
わたしは登場人物が映画を観ているシーンがある映画が好き。
『落下の王国』
これはもう、ラストのアレクサンドリアのセリフに尽きる。
本当に上映してくれてありがとうございます。
わたしは登場人物が映画を観ているシーンがある映画が好き。
映画館の入場券が挟まっていた。
こういう半券の映画館はまだどこかにあるのだろうか。
映画館の入場券が挟まっていた。
こういう半券の映画館はまだどこかにあるのだろうか。
バリー・ユアグロー
柴田元幸 訳
『松明のあかり 暗くなっていく時代の寓話』
トランプ政権下のアメリカに住む著者が、日々の不安や恐怖を描いた小説集。
寓話として読めないくらい現実に近づいているようで(もはや現実になっている?)、なんとも言えない気持ちになる。ざわざわする。
アメリカは大変だ…などと、他人事のようには言えなくなっている現在の日本にも当てはまるだろう寓話がいくつか。怖い。
それにしても、今年の4月から6月にかけて書かれた小説集を、こんなに早く読むことができるとは。
本当にありがたい。
いま読めて良かったです。
バリー・ユアグロー
柴田元幸 訳
『松明のあかり 暗くなっていく時代の寓話』
トランプ政権下のアメリカに住む著者が、日々の不安や恐怖を描いた小説集。
寓話として読めないくらい現実に近づいているようで(もはや現実になっている?)、なんとも言えない気持ちになる。ざわざわする。
アメリカは大変だ…などと、他人事のようには言えなくなっている現在の日本にも当てはまるだろう寓話がいくつか。怖い。
それにしても、今年の4月から6月にかけて書かれた小説集を、こんなに早く読むことができるとは。
本当にありがたい。
いま読めて良かったです。
赤染晶子
『初子さん』
「初子さん」「うつつ・うつら」「まっ茶小路旅行店」の3作からなる、働く女性が主人公の小説集。
どれも人間のおかしみ、やるせなさや苦しみが描かれているが、どんどん息ぐるしく狂気を帯びてきて、読んでいて落ち着かなくなる。
ときどき差し込まれる一文が重い。なんともすごい小説でした。
・ああやって、本当のことを隠すのだろう。それでいて、本当のことが隠しきれずにいる。
・来なくてもいい客が増やした家事はおもしろくない。
・ぬるま湯は水よりも重い。この湯の中で生きる人は湯の抵抗で動きが緩慢になる。
赤染晶子
『初子さん』
「初子さん」「うつつ・うつら」「まっ茶小路旅行店」の3作からなる、働く女性が主人公の小説集。
どれも人間のおかしみ、やるせなさや苦しみが描かれているが、どんどん息ぐるしく狂気を帯びてきて、読んでいて落ち着かなくなる。
ときどき差し込まれる一文が重い。なんともすごい小説でした。
・ああやって、本当のことを隠すのだろう。それでいて、本当のことが隠しきれずにいる。
・来なくてもいい客が増やした家事はおもしろくない。
・ぬるま湯は水よりも重い。この湯の中で生きる人は湯の抵抗で動きが緩慢になる。