フィネガンズ・ウェイクを読む
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最高の文学を日常に。 ジェイムズ・ジョイスの『フィネガンズ・ウェイク』を読む番組です。毎週のライブ配信に加え、アーカイブ動画やゲスト回、そして「ノート」のβ版もあります。メンバー随時受付中です。 主催者: 早川健治 協賛: 駐日アイルランド大使館|James Joyce Centre|Blooms & Barnacles 公式ウェブサイト: https://kenjihayakawa.com/finneganswake/
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ただいま追加の『フィネガンズ・ウェイク』新訳テキストを鋭意制作中です。

すでにI.2章の新訳は下記で公開しております。
finneganswake.net/translation/...

その他の新訳部分は、まだウェブでの公開予定は立っていませんが、31日に東京で開催されるイベントで朗読される予定です。
finnegans-wake-2025-in-tokyo.peatix.com
Reposted by フィネガンズ・ウェイクを読む
10/31(金)、文学配信番組「フィネガンズ・ウェイクを読む」のリアルイベントが東京・国立駅近くの会場で開催されます。映画上映、トーク、朗読と盛りだくさん。

【監督来日】『フィネガンズ・ウェイク』を観る【上映会+トーク通訳付き+新訳】 finnegans-wake-2025-in-tokyo.peatix.com @PeatixJPから
つまりそれは、筋金入りの文学好きであるとか、専門的な研究をしているとか、そういった特別な何かがないと参加できないようなものではなく、好奇心さえあれば誰でも参加でき、何かしら得るものがある読書会でした。

今回、10月31日に東京の国分寺で開催するこのイベントも、まさにそのような集まりです。特別な資格や知識やスキルは必要ないですし、何か準備が必要というわけでもありません。ただし、わけのわからないものとの出会いを楽しいと感じる心は必要です。それなので、「たまにはわけのわからないものに出会ってみるかな」という感じで足を運んでくださると、主催者としてもとても嬉しいです。

よろしくお願いいたします!
中の人はアイルランドという小さな島国の首都ダブリンで、2016年から2019年まで「ジェイムズ・ジョイスのでかい本を読む読書会」の幹事をやっていました。木曜日の午後19時から『ユリシーズ』、日曜日の午後18時から『フィネガンズ・ウェイク』を英語原文で毎週音読するだけの会でした。

マニアックだと思いますよね? でも、驚くなかれ、参加者のほぼ100%は(マニアックではないという意味で)「普通」の人たちでした。私も含めてですが、みなさん日中は仕事をがっつりした後で、夕方の時間を使って会場に集まり、この難解と言われる本を一緒に毎週読んでいました。
こんにちは、Twitterのアルゴリズムに見放されたアカウント、「フィネガンズ・ウェイクを読む」です。これを読んでくださった方は、青空RTで加勢してくださるとめちゃんこありがたいです。🙇

というのも、このたび色々な幸運が重なり「あるイベント」を開催する運びになったのですが、なにゆえ表面的にはマニアックに見えてしまうイベントゆえ、届く人に届かないと人が集まらないのではという焦燥感がぬぐえず、右往左往しております……。

そのイベントというのがこちらです。
finnegans-wake-2025-in-tokyo.peatix.com

実はなぜマニアックではないのか、苦し紛れの説明を試みます。
【監督来日】『フィネガンズ・ウェイク』を観る【上映会+トーク通訳付き+新訳】
20世紀アイルランドの作家ジェイムズ・ジョイスが書いた最後の小説『フィネガンズ・ウェイク』は、「誰にも読めない寄書」「文学の極北」などと形容されてきました。この謎に包まれた作品を題...
finnegans-wake-2025-in-tokyo.peatix.com
今週の配信では174ページを読みます。引き続きシェムがいかに「Low」であるかが語られます。この章は、このまま最後まで自虐自伝が続くのか、それともどこかで変化が起こるのか……?

とても読みやすいページなので、番組史上最短の配信になる可能性もあります。ご都合つきそうな方は、お気軽にお立ち寄りください。 kenjihayakawa.com/finneganswake
【中の人のぼやき】もう翻訳を始めてかれこれ10年以上が経ちますが、今まで訳してきたどの文章よりも長い18ページでした。原文1ページあたり15時間〜20時間くらいかかりました。同時に、かつてない独特の充実感があり、とにかく楽しい数百時間でした。まだ始まったばかりですが!
今週は今関さんをお招きしての定期ゲスト回です。ジョイスによる自虐的シェム伝はどこまで深まっていくのかっ......!?

途中参加・聞き専も大歓迎。ご都合つきそうな方は、お気軽にお立ち寄りください。 kenjihayakawa.com/finneganswake/
【合点】ウェイクの第I.2章の新訳を進めるときに、音読みの漢字を連打するのはなるべく避けようと努めてきたのですが、なぜそういう方針にしたのかがなんとなく曖昧なままでした。

「ゆる言語学ラジオ」の音韻論の回で川原教授による「音読みの2拍目の子音はtとkしかない」という説明を聞き、なるほど、先ほどの翻訳方針は音の多様性が失われるのを嫌って採用したのかと、合点がいきました。 youtu.be/EsyYaoSHXvQ?...

無意識に行っていたことを透明化してくれる瞬間は、理論を学ぶときの一つ醍醐味ですよね〜!
人形浄瑠璃社会の隠語に「しゃむ太郎」というものがあるらしく、こちらは「みすぼらしい人」で、そこそこShamとも響き合う言葉ですし、これが本当の最適解かもしれません。「シェムはしゃむ太郎だった」はかなりスッキリしていますが、スッキリしすぎているので隠語だということに気がつかれにくいという短所もあります。むむむ……。
もう一つの候補としては、「しゃしゃむしゃ」が「台無しになる様子」なので、「シェムはシャシャムシャだった」も候補です。「...ろく——シャシャムシャ。」という文末ならば、より「シャムロック」にも近づけます。ただ、「台無しになる」と「詐欺師」(Sham)の間には意味の乖離があるので、原文がそれを許容してくれるかどうかが問題ですか。
津軽弁で「さらむ」は「もてあそぶ」「いじる」という意味らしく、だとすると「シェムはサラムだった」もありそうです。直前の"...rending of the rocks"も「ろくでなし」とかけて訳せば、"...rocks – Sham."の「シャムロック」のパーツも「サラムロク」で……というのはちょっと無理そうですね。
"Shem was a sham"に語感が最も近い和訳は「シェムはしょっこいだった」でしょうか(「しょっこい」は盗人隠語で「詐欺師」という意味です)。
出だしの3ページですでにジョイスのギャロウズ・ユーモアとスカトロジーが炸裂している第7章ですが、今週もこれを読み進めます。ご都合つきそうな方は、ぜひお立ち寄りください。 kenjihayakawa.com/finneganswake/
今週は今関さんをお招きして171ページを読みます。ジョイスが白ワインを賞讃して言った奇妙な褒め言葉が出てきます。

ご都合がつきそうな方はぜひお立ち寄りください。 kenjihayakawa.com/finneganswake
パウンドがエリオットとルイス経由でジョイスに贈ったのは、実はスーツだったが、ルイスが後日談でそれを靴だと勘違いしていただけということを第6章を読み終わった今更に知りました……😱
先週末は土曜日・日曜日の連続配信でした。ご参加・ご視聴をありがとうございました!

今週から第1巻第7章を読み始めます。いつもどおり、金曜日の20時からライブ配信があります。また、メンバー向けのアーカイブ動画として後日のご視聴も可能です。 kenjihayakawa.com/finneganswake

「気がつけばもう第7章」という感じがします。ここまで番組を継続できたのも、一緒に読み進めてくださった皆様のおかげです。心から感謝申し上げます。😊📚
ライブ配信でご参加くださったみなさま、すてきな時間をありがとうございました。

10月12日までアーカイブ動画を一般公開しておきます。 www.youtube.com/live/OakheH1...
【キャロル・ウェード】第1巻6章の全ページを絵画にしてみたら……?
YouTube video by Kenji Hayakawa
www.youtube.com
第I.7章は、わりと地味な章だと言われており、他の章に比べるとジョイス愛読家界隈でも読解は下火であると言えそうです……が、だからこそまだ発掘されていない解釈や味わい深さがテキストに眠っている気がして、むしろこれから読むのが一層楽しみになってきます。
今週の配信はお休みです。

来週は13日(土)にキャロル・ウェードとのインタビュー回、14日(日)に今関さんとのクイズ回となっております。乞うご期待!
夜な夜なニュースです。

「フィネガンズ・ノート」第I巻第3章をリリースしました!
finneganswake.net/notes/i-3/

わずか27ページ分の原文に対して1132本の日本語の註をつけた渾身のウェブサイトになっております。スマホにもやさしいデザインです。お気軽にサーフィンしてみてください。