シン・TOMITA
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シン・TOMITA
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元書店員。元九州の本屋さん 。小説好き。特に新刊読了を主に投稿してます。直木賞は長年のファン。X歴は15年くらいです。いや、もっとか
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森絵都「デモクラシーのいろは」角川書店読了。民主主義とはなんぞや?自由と平等だろ!それが実に深いのだ。リュウは戦後1年経った頃、四人の若き女性たちに民主主義を教える教師となる。個性あふれる生徒たち。軍国主義、男尊女卑、トップダウンなどに洗脳された大規模実験。現代の礎となる民主主義を感じて欲しい。
有栖川有栖「濱地健三郎の奇かる事件簿」角川書店読了。あなたは幽霊を視たことはありますか?志摩ユリエは心霊現象が専門の探偵事務所に勤めている。外見も内面も紳士的なボスの助手が仕事だ。こんな特殊な探偵で仕事があるのか?それが意外に、本文を読めば納得する。ちょと怖いミステリ。オチで安堵する。
伊兼源太郎「このノラ猫、幸せ調査員にて」幻冬舎読了。吾輩はノラ猫、幸せ調査員である。名前はノラである。神様がおれに与えた名だ。人に化け特殊能力でうまく潜り込める。そして幸せを配分するにふさわしい人間を探すが行き当たらない。そんな人間たちの六短編。神様は今日も首を長くして待っている🐾
まさきとしか「スピーチ」幻冬舎読了。札幌の豊平川の川岸に遺体が発見された。二人の女性刑事は懸命に捜査する。殺人犯の母の手記と同時進行。監視しているが、同時に監視されている。いつもイライラしている。隣家に住む男を逮捕して欲しいと警察にいってもあしらわれる。犯人は私の息子だ。鼓動上昇
木野寿彦「降りる人」角川書店読了。三十歳の宮田は鬱のような状態で仕事を辞め失業保険が無くなり期間工で働く。そこは生きられる場所だった。この閉鎖的な空間を同じ時間共有する。まるで刑務所だ。期間工の社会の位置とそこに生きる人々の世界観はなぜか楽しくもあり悲しい。結末はどう迎えるのか?
前川ほまれ「在る。」角川書店読了。透子は富士見ウエストケア病院に勤めている。休職明け異動になり今日からは第七病棟だ。そこはうつ病や不安症患者のストレスケア治療が中心。その病棟医長の海野綾乃はSOGI支援医として様々な性の在り方にまつわる不調をケアする。実態と希望が広がる医療小説です。
山口未桜「白魔の檻」東京創元社読了。禁忌の子に連なるシリーズ第2弾。研修医の春田芽衣は城崎と地域医療実習に山奥の病院に行く。そこは濃霧に覆われていた。そんな中、院内で変死体を発見。翌朝に大地震発生して周囲はガスで孤立。犯人は必ずこの病院の中にいる。連続殺人事件と医療従事者の矜持に
相棒の秋穂は萩尾に尋ねる。それだけですか?「気にするな。俺たちは俺たちの仕事をしただけだ」この男みかけはあれだがかっこいい。仕事は出来るが手柄はとらない。短編パターンは同じ。まるで人気刑事ドラマか水戸黄門だ。萩尾は仲間からハギさんと呼ばれている。彼とルパンたちが難事件を解決する。
今野敏「職分」双葉社読了。警視庁捜査第三課・盗犯捜査警部補の萩尾48歳。体も中身も疲れたおじさんだが経験値はある。相棒の秋穂は32歳で元気いっぱい。職人刑事の先輩に遠慮はない。本人は一課を行きたがっているが萩尾は足が向かない。しかし度々お呼びがかかる。なぜか活躍するが謙虚なプロ刑事である。
相場英雄「ブラックスワン」幻冬舎読了。台湾で警護の仕事を個人で請負う元自衛官の城戸。娘から友人を沖縄に連れて行ってほしい。台湾では二人を狙撃してきた。ブラックスワンとは?真衣は何者なんだ?沖縄に入ると城戸は公安に、真衣は中国本国からマークされる。答えはなぜ狙われるかだ。衝撃な結末が…
垣谷美雨「いまだ悪戦苦闘中」双葉社読了。著者42個のエッセイ集。高齢者の代弁で辛口だが共感する。実に気持ちがよろしい。年齢も近いせいか「同じ時代を生きてきたんだな」と勝手に親近感を感じた。「人生の航海は後悔とともに続く」とあるが、その通り。読んだからには参考にしますよ。腑に落ちる
奥田英朗「普天を我が手に 第二部」講談社読了。国が戦争をしていたって、青春はあるのだ。数少ない昭和元年生まれの四人の運命が交差する。太平洋戦争が勃発。それぞれが耐えながらも生き抜く。新しい夜明けの前に向かい、戦争の嵐を浴びながら。まだまだ知らない戦争がある。未来は若者が握っている。第三部へ続く。発売予定日2025年12月17日。感動のクライマックスへ
芦沢央「おまえレベルの話はしていない」河出書房新社読了。読みながら気持ちが大きくなる。乱暴な言葉使いさえ普通になる。それは非日常だから。小学生の頃からライバルの芝と大嶋。道標で棋士と弁護士に分かれた。夢が叶えたものの低迷、方や夢破れ弁護士に。二つの短編小説が同時交差。結末が青春だ✨
朝井リョウ「イン・ザ・メガ・チャーチ」日本経済新聞出版読了。レコード会社勤務の慶彦(47)はアイドルグループ運営することになり一変する。推しに出会いのめり込む者、のめり込んでいた者。三人三様の物語に衝撃が走る。新しい現代ならではの小説に戸惑いながら完走した。人は踊らされているのか?
櫻田智也「失われた貌」新潮社読了。顔のない遺体が谷の下でみつかった。早朝にスマホが鳴る。コーヒーと胃薬を常飲する刑事の日野は現場に向かう。仕事も家族も不器用な男。だがパズルのピースを保存記憶するように捜査する。このミステリー警察小説はマニアにはたまらないだろう。結末は呟いては❌️
丸山正樹「青い鳥、飛んだ」角川春樹事務所読了。たかが万引きと世間は思っている。コンビニ店主の克己は子供の頃から「不正」が大嫌いだった。泳がして数多く捕まえた。今日も確保…もみあい万引き犯を死亡させ、克己や家族をドン底へと。歯車が狂い始め、万引き犯も同様。それが交差、されど万引き?
佐々木愛「じゃないほうの歌いかた」文藝春秋読了。歌に関する五つの短編。冒頭のカラオケのイメージ映像に出ていそうな女と言われたことが、二度あるがインパクトある。これで興味が増して、この小説の勝ちが決定した。やはり一発目の短編だけありいい。ひさびさに青春というか、安心感がある物語✨
小宮山花「私、山小屋はじめます」山と渓谷社読了。南アルプスにある光小屋の管理人となった著者。百名山最後の一座を光岳にしようとしてくれた方に「私たちになにができるだろう」くす玉でお祝い🎊女性ならではの発想でいい。宿泊客にできることを日々考えてる。前向きな悪戦苦闘が楽しく綴られついる🧗
桂望実「腕が鳴る」祥伝社読了。物語は5人の物があふれ困ってプロにお願いする短編集。そこに登場する整理収納アドバイザーの真穂。簡単には処分出来ないのはそれぞれ人生があるから。難題ほど燃えるし依頼者に寄り添う対応。そこまでどうしてする?真穂の波乱万丈人生が、そして宝塚がいい仕事をする✨
小野寺史宜「あなたが僕の父」双葉社読了。電話での会話で不安な点があり久々に館山の実家に帰る。後ろのバンパーが凹んでいた。母が亡くなり一人暮らしの父とは会話がずっとない。暫く滞在して確信。認知症かも?仕事は東京だがテレワークで側にいることに。父の老いを、今と過去を重ね現実に向き合う。
岩井圭也「追憶の鑑定人」角川書店読了。土門誠は、民間の天才科学鑑定人である。元科捜研トップの鑑定技術力。無表情で気難しいがむずかしいほど燃える。要は興味を引くかどうかだ。そして事件を解決する。そんな難題短編が四つ。物語には助手の柊子がいい仕事をする。この無口な無愛想な男が嘘を暴く。
真藤順丈「#英雄の輪」講談社読了。琉球のなんもかもが奪われ戦争は終わった。しかし人々の戦いは終わらない。宝島に続く物語が始まる。叫びや想いが伝わる。最終章あのヤマコが帰ってきた。復帰後6年も経った1978年7月30日に車は左に変わる。結末は映画のように終わるのさ。戦果アギヤーの六つの宝
藤岡陽子「春の星を一緒に」小学館読了。星の数はこの病棟で生き抜いた日々。亡き父のよく口にした「奈緒、お前はよく頑張ってる」これはシングルマザーと息子と医師が緩和ケア病棟を舞台にした医療小説です。最後、不覚にも涙😿結末におまけで涙😿帯に夏川草介氏のお墨付きの言葉。タイトルの意味とは?
下村敦史「暴走正義」幻冬舎読了。正義シリーズ。犯罪には色々ある。正義には法がちらちらする。今を表すのはSNSが絡んでくること。六つの短編が共通するのは正義。そして肩こりかというくらい凝っている。各章読了後、意味を考える。この表現テクニックが憎い。それを今回もたっぷりと味わったのだ。
江上剛「信念の経営者・小原鐵五郎」PHP研究所読了。終戦は近い。強い信用組合こそが、戦後の復興の要であり庶民の助け合いの組織なのだ。昭和20年8月10日15の組合が合併成立。これは信用金庫の神様と言われた男の物語である。鐵五郎は性善説で人を信じた。想いは伝わる。そして序章と終章が素敵だ✨