シン・TOMITA
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シン・TOMITA
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元書店員。元九州の本屋さん
。小説好き。特に新刊読了を主に投稿してます。直木賞は長年のファン。X歴は15年くらいです。いや、もっとか
北大路公子「キミコのよろよろ養生日記」集英社読了。著者のエッセイを読むと元気が出る。人間はぐうたらでいい。肩の力が抜けココロが楽になる。突然の大病から手術で体力を失い副作用が全開で体感体重が四トンからのよろよろ復活の二年の養生日記である。もちろん必殺の言葉遊びからの安定の落ちありです。
December 15, 2025 at 7:55 AM
一穂ミチ「アフター・ユー」文藝春秋読了。青吾は勤務を終え帰宅、恋人の多実がいない。10年一緒に暮らしていたが突然消えた。ある日、警察から五島列島海難事故で同船の男女が行方不明と。誰だこの男は?思えば多実のことは何も知らないな。真実を知る為に男の妻と島に向う。パズルはつながるのか?
December 14, 2025 at 6:52 AM
今野敏「白露」幻冬舎読了。警視庁捜査一課の樋口の携帯に遺体発見の一報が入る。第一発見者は外国人の建築作業員だった。SNSに事件についての書込みがあった。捜査を地道に進めながら現代版名刑事は思う「日本はいつからこんな国になったんだ?」人気警視庁強行犯係・樋口顕シリーズ。最強中間管理職
December 13, 2025 at 8:12 AM
小野寺史宜「タクジョ!あしたのみち」実業之日本社読了。女性がドライバーなら女性はタクシーに乗りやすい。ならばわたしがドライバーになればいい。そんな理由でタクシードライバーになった。大卒後に入社してタクジョ7年目の夏子ほか若者たちの業界物語、第3弾。なんかホッとする。明日へ踏み出す。三十路で何か始めてみるか。考えて考えて書店に向かった。女性店員さんに「本を読みたいと思ったんですけど」夏子は読書デビューをした。・・・→書店員として、うれしいです。お客さんと交わす言葉が最高。良き出会いがたくさんたくさん、そんな寒い冬のカイロみたいにココロが温まりました。全六編
December 10, 2025 at 8:16 AM
佐藤厚志「ジャスティス・マン」文藝春秋読了。名は体をあらわすという。中身は正確だが見た目は逆。小さく壮健かつ強靱な大山茂は名門ホテルの客室課長だ。俺は不正を正さないと気がすまない。接客のプロを自負それゆえ客となるとカスハラマンになる。ただ純粋に間違いを正したいだけだ。暗黒喜劇かな?著者は書店員の経験ならではが作品に活きている。カスハラとかが生々しい。カスハラと反カスハラとの負けられない闘いがある。どっちに付くかは読み手次第。著者の狙いは何なんだ。暴走のメーターが振り切れる。主人公の頭の中こそがこの物語だ。ある意味、すがすがしい。あっという間の一気読みでした。
December 9, 2025 at 8:38 AM
額賀澪「さよならの保険金」角川書店読了。「麻海はどういう筋読みをしたんだ」数字は正直だ。調査依頼は八割が黒。就活の最終面接の日、家族と就職先を一度に失った。叔父の保険調査員の仕事を手伝うことに。ひとは時に保険金で人生が狂う。そんな普通のひとたちの物語。麻海と叔父、まるで親子のようだ。読み終えて、なぜかラーメンを食べたくなった。今日も寒い。交通事故鑑定人はテレビでみて馴染みはあったが保険調査員の仕事は頭になかった。この保険調査員というのは、嫌な思いをする仕事だ。そういえばこの仕事にスポットを当てた小説は初読みかもしれない。今日もどこかで悪魔が囁く。お金の誘惑…
December 9, 2025 at 5:48 AM
大島真寿美「#うまれたての星」集英社読了。アポロが月面着陸した年、牧子は出版社に就職した。その頃は女は適当な時期に辞めていくのを期待して採用、いわゆる腰掛け、そして寿退社だ。仕事は男性が中心で女性は補助。全国の少女たちが熱狂した女性漫画雑誌の編集部を舞台にした女性たちの奮闘物語だ。
December 6, 2025 at 7:54 AM
荻堂顕「いちばんうつくしい王冠」ポプラ社読了。夏休みの初日、8人の中学生が集められた。着ぐるみは言った「キミたちには、やってもらわないといけないことがあるんだ。それを終えるまではキミたちはここから帰れないよ」課題は…そして判定は着ぐるみだ。演劇は完成するのか。物語の意味は実に深い。
November 28, 2025 at 6:34 AM
#川越宗一「#大日の使徒」PHP研究所読了。是枝弥二郎は薩摩に生まれ戦乱の時代に一人生き抜いた。日本から逃れそしてザビエルと出会い洗礼を授け帰国。これは日本のキリスト教の始まりである。人は生まれも育ちも最悪でも生き様により変化し成功する。弥二郎は「俺は死なぬ。生きて本懐を遂げる」
November 24, 2025 at 6:47 AM
川村元気「8番出口」水鈴社読了。地下鉄の出口はたくさんある。その出口の表示に書かれているのをみて執筆かと思いきや制作されたゲームタイトルを原作として書き下ろした小説だった。まるで夢の中で出れなくてもがき続けるさまが描かれている。手軽に読める。色でいえばイエローだ。案内板を参考に!
November 20, 2025 at 7:53 AM
椰月美智子「9月1日の朝へ」双葉社読了。父親と三人の母親がいる一家の普通でない普通の物語。三男一女の個性的な子供たち。9月1日は日本で子どもが一番多く命が絶ってしまう日。夏休みという名の青春。多様性がどうとか、こうとか言われているが、こんな世界や生活もあっていい。家族とは?を考える。
November 20, 2025 at 6:15 AM
葉真中顕「家族」文藝春秋読了。民事不介入と言って、警察は、ご家庭のトラブルには、おいそれと口出せんのですよ。それから警察はマニュアル通りの対応をした。これはまともでないラスボス率いる軍団による家族という名の犯罪史。物語はモチーフから生まれた。読み始めたら後戻り出来ない。悪い夢をみているような
#尼崎変死殺人事件
November 18, 2025 at 7:33 AM
阿津川辰海「最後のあいさつ」光文社読了。逮捕されたのは日本で一番有名な刑事だった。しかし真犯人は別におり「流星4号」という名前で犯行声明文が出る。意外な形で犯人は逮捕された。三十年後、事件は動き出す。ミステリー作家の相棒がこのネタが提供され執筆することに。ドラマ以上にドラマだった。
November 15, 2025 at 7:39 AM
清水晴木「未来への人生ノート」幻冬舎読了。大学の就活サポーターの平人生(たいらじんせい)は就職相談や模擬面接を担当する校務員。四人の大学生との、これも人生。それぞれが抱える悩みや壁に自らの経験を踏まえ導いていく。就活とは?考え考え行動する。今どきの若者の就活、人生ノートをご覧あれ✨
November 13, 2025 at 6:18 AM
真梨幸子「波乱万丈な頼子」中央公論新社読了。いやあ、まいった。恐るべし真梨幸子。昭和から始まり読者を油断させ最近の話題や情報を盛り沢山で連続殺人事件が展開する。頼子よ何人登場するのか。事件は解決したが最後の後日談が最優秀の短編だと思う。結末はえ〜の連呼。何回どんでん返しするのか?
November 12, 2025 at 5:52 AM
遠田潤子「天上の火焔」集英社読了。備前焼窯元一家の三世代を描いた人間ドラマ。小六の深田城は家族の人間関係で悩んでいた。祖父とは仲がいいが父とは会話がない。心が通う日は訪れるのか。終わりと再生の繰り返し。1300度を超えていけ。人の世界の温度を超えていけ。天上の火焔をつなぐ灯火読了✨
November 10, 2025 at 7:05 AM
町田その子「彼女たちは楽園で遊ぶ」中央公論新社読了。怒りという煮え立つ感情だけと向き合って冷静さを保った。九州の片田舎に住む女子高生の凛音。喧嘩別れした親友が新興宗教に入り退学した。取り戻そうと潜入するが…。一方、町で若者の連続不審死が起きる。言葉に出来ない程、残酷なホラー小説
November 7, 2025 at 8:21 AM
月村了衛「地上の楽園」中央公論新社読了。在日朝鮮人の孔仁学は公立高校で差別を受けていた。少年は生来学ぶことが好きだった。成長するにつれ、頭の中のおもちゃは道具に、道具は武器に変化。知識は武器なのだ。そんな中、北の帰国運動が起き祖国へ帰る会合に参加する。物語は地獄の扉だった。驚愕‼️
November 6, 2025 at 8:28 AM
久坂部羊「命の横どり」集英社読了。息子が脳死と告げられる。まだ心臓は動いている。家族は私だけ反対。自分の都合で人を待たせたらいけない。人に迷惑をかけてはいけない。息子の臓器を待っている人がいる。日本の心臓移植を巡る人々の物語にSNSやマスコミの嵐を呼ぶ。臓器の提供は命の横どりなのか?
November 4, 2025 at 6:56 AM
阿刀田高「90歳、ひとり暮らし」新潮社読了。90歳になれば人間どこやら不自由になる。それを認め日々暮らす。あの直木賞作家の今、過去、未来をユーモアたっぷり独特な感性で語る。料理のためにスーパーに杖ついて行き3食を作り、食前食後に友の読書。適度に手抜き「機嫌よく毎日を過ごす」いいね
November 3, 2025 at 12:44 AM
夏川草介「エピクロスの処方箋」水鈴社読了。雄町哲郎は、京都の町中で働く内科医だ。大学病院で医局長を退職して今は外来・病棟・訪問診療をこなす。腕がいいのか人がいいのか難題がやってくる「医者にとって大切なのは哲学だよ」哲郎にはひとを安心させる力がある。シリーズ続編。心地よい風が流れた。
November 2, 2025 at 8:12 AM
城戸川りょう「高宮麻綾の引継書」文藝春秋読了。外見も中身も超攻撃型の若手社員。上も下も関係ない。明日は決戦の日。親会社のビジネスコンテストで優勝して事業化する。優勝したがリスク回避の理由で潰された。それは訳ありの事件の臭いが。只では起きぬ。なんだこのハチャメチャな。なぜかスッキリする。
October 30, 2025 at 6:51 AM
森絵都「デモクラシーのいろは」角川書店読了。民主主義とはなんぞや?自由と平等だろ!それが実に深いのだ。リュウは戦後1年経った頃、四人の若き女性たちに民主主義を教える教師となる。個性あふれる生徒たち。軍国主義、男尊女卑、トップダウンなどに洗脳された大規模実験。現代の礎となる民主主義を感じて欲しい。
October 29, 2025 at 8:24 AM
有栖川有栖「濱地健三郎の奇かる事件簿」角川書店読了。あなたは幽霊を視たことはありますか?志摩ユリエは心霊現象が専門の探偵事務所に勤めている。外見も内面も紳士的なボスの助手が仕事だ。こんな特殊な探偵で仕事があるのか?それが意外に、本文を読めば納得する。ちょと怖いミステリ。オチで安堵する。
October 25, 2025 at 8:21 AM
伊兼源太郎「このノラ猫、幸せ調査員にて」幻冬舎読了。吾輩はノラ猫、幸せ調査員である。名前はノラである。神様がおれに与えた名だ。人に化け特殊能力でうまく潜り込める。そして幸せを配分するにふさわしい人間を探すが行き当たらない。そんな人間たちの六短編。神様は今日も首を長くして待っている🐾
October 24, 2025 at 6:41 AM