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全日本模型ホビーショーの衝撃。完全新作「タミヤ 1/72 F-14D トムキャット」が待ちきれない!!! #イベント #軍用機・旅客機 #nippper #プラモデル
全日本模型ホビーショーの衝撃。完全新作「タミヤ 1/72 F-14D トムキャット」が待ちきれない!!!
 この部分がですね……と説明のために取り出したF-14が、あれよあれよという間に細分化されていく。接着剤をつけていないのに、カウルのサイドにしっかりついている主脚。コクピットなどの最小単位までバラして、また組み立てる。段差ひとつない構造、精度、航空機模型の常識が破壊されていく……。  タミヤがホビーショーに隠し玉を持ってきた。設営日のタミヤブースには、厳重なパーテーションがなされていたという。F-14は、航空機メーカーが勝負をしたいときに選ぶモチーフ。『TOPGUN』で主役を張った映画スターであり、これはけんたろうの主観ではあるが、画になる角度がとても多い"美人"なのである。何なら戦闘機なら零戦の次に人気と言っても差し支えないだろう。  F-14D、ということは2006年に退役した晩期の姿ということになる。エンジンはより新しいF110へと換装され、コクピットを第四世代戦闘機のように液晶のグラスコクピット化し、もはやあまり撃つ相手もいない空対空ミサイルフェニックスの変わりにレーザー誘導爆弾を装備、それにともないターゲッティングポッドを装備、さらに翼のミサイル取り付け部のパイロンも高機能なものに換装、と空軍のF-16、F-15に引けを取らないような性能になった姿なのだ。  タミヤは当然のようにそのあたりの差異は心得ている。2016年から1/48のF-14を発売していて、そのときに現代的ジェット戦闘機のプラモのひとつの到達点を築いて居るからだ。全体のシルエットはもちろん、隙間ない精度から生まれる翼の可変時への本体変化部差し替え、接着がキレイに決まるパーツ分割、クリアーパーツへの大きなのりしろなど、実機の再現性だけでなく組み立てへの配慮が行き届いていた。自分は当時「世界で唯一"組める"ジェット戦闘機」と絶賛していたほどだった。  F-35シリーズでは1/48を先行して発売し、1/72では単なる縮小にせず美味しいところを魅せていくという考え方だったが、今作は10年越しの濃縮還元版。翼の開閉は連動し、本体側のシーリングも差し替えで再現。1/72では上面翼の根本パネルライン1枚分を差し替えメンバーに加えてしっかり強度を確保しに行くちょっとした気の利いた変更も入っている。  同梱のミサイルのなかでは中サイズのスパローミサイルはなんと翼まで一体化され、組み立てのなかで大変なところは整理が進む。インテークは実機の境目同様に奥側を分割し、パーツを縦に抜くことで合わせ目がないトンネル状態になっている。そのうえでカウルや本体と内外のパーツがピッタリ合わさるので、私はそれを見ながらこんな精度と設計はタミヤしかできないと感嘆したのである。  さらに恐るべしはマーク類を5種用意。展示された黒いヴァンパイアーズのF-14は兵装試験の部隊ながら、ミサイル装着部はグレーという、特別カラーあるあるな部分も再現。そして、今回特徴的なのはマーキングを選んだ段階でミサイル兵装も選択される形式。部隊と年代が紐づいたうえでそのころの兵装もいっしょにパッケージングされている。フェニックスミサイルは2004年に一足先に退役したのもあって、5パターンのマークを選べばそのまま武装が決定されるようになった。戦闘機の兵装で悩むことはけっこう多いので、ここが先に決まっているのは実は偉大なのだ。  個人的に毎回タミヤのF-14、ひいては航空機で痺れるのは、ディテールが何なのか理解したうえで強弱をつけたり、表面の表現を変えるところだ。ここは動翼だからスジを太くする、パネルラインだから細くする……そういった機能を理解したうえで刻まれたディテールが本物を縮小したかのように機能する。1/72でもそのディテールが炸裂。翼の上面で別パーツのように反射する部分が見えるが、これは実機ではスポイラーで立ち上がる部分で、同じパーツでも翼とは曲率を変えた表現になっている。これがタミヤらしい機微のある、本物らしさを捉えた表現である。  デカールによる可変翼可動部の汚れ表現や、ディテールとデカールの組み合わせで立体感を強調するコクピット、意外とそのままデカールを貼るだけでなんとかなりそうな成形色……。精度だけでなく、作ることに気を回したサポートも充実している。やはり「"完成できる"ジェット戦闘機プラモデル」はここにある。発売日は未定ながらもうすぐ出せる雰囲気もありつつ、3スケール揃い踏みパネルの年号には2026年表記。まだ10月半ば、たった数ヶ月かもしれないが待ち切れない……! 新しいF-14とともに、ジェット戦闘機プラモデルがもっと楽しくなる時代が来ることは間違いない。
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無塗装でもデカール貼りきればレーシングカーモデルの醍醐味を味わえる!/タミヤ カストロール・トヨタ・トムス スープラGT #キットレビュー #自動車 #nippper #プラモデル
無塗装でもデカール貼りきればレーシングカーモデルの醍醐味を味わえる!/タミヤ カストロール・トヨタ・トムス スープラGT
 水転写デカールを貼ろう。チームカラーやスポンサーロゴで彩られたレーシングカーのボディ。プラモでそれを成す水転写デカールを見て「カッコ良い!」と「ムズそう!」が同時に去来する。箱絵のカストロールカラーに惹かれてキットを手にしたのだ、デカールを貼ろう。いや、失敗しそう。  しかし今回、スープラGTを無塗装で組みきったこともあり「ここで失敗したら今までの塗装の苦労が台無しだ…」という気負いは皆無だ。それに、これだけの量を貼っていくのならズレにシワ、破れなど多少の失敗も紛れるはずだ。なにより、nippperで紹介されてきた水転写デカール攻略ツールらが「やれる!やれる!」と背中を押してくれる。なので今回はあらためてそのツールを紹介していきたい。これで恐れも少なくなるはずだ。  まず、プラモ向上委員会の『デカーリングQuickトレイ』はマストバイ。「これしきほかの何かで代用できるでしょ!?」と思われるかもだが、デカールが適度な湿り気を持って待機してくれているのは革命的。使い続けていくうちにデカールのサイズがこのスポンジトレイの上に収まる程度なら、そうも苦労はしないという経験則が身についていた。そして今回は全てトレイに収まったこともあり「やれるぞ俺!」という自信につながった。  そしてグッスマの『デカール軟着剤』と『デカール軟化剤』もマストバイ オブ マストバイ。トレイと合わせて水転写デカール貼りにおける三種の神器だ。貼る箇所に軟着剤を塗り、デカールを置く。位置を決めたら軟化剤をデカールに塗る。後は放置。しばらくすると曲線主体のグラマラスボディだろうが、柔らかくなったデカールがピターッ!と面に沿って貼り付いてくれている。  水転写デカール貼りと合わせてレーシングカーモデルなら貼っておきたいタイヤマーク。台紙から取り出し、余白をつけて切り出し、薄紙一枚はがしたらタイヤへ置いて指でこすりつける。後は濡らした綿棒などで押し付け、マークがタイヤに密着しているのを確認できたら薄紙を剥がして完了。デカールのことを考えたら大変イージーな工作だ。それでいてコントラストが強く、精巧さが高まるのはかなり嬉しい。  デカールが乾いたら仕上げに水性プレミアムトップコート光沢をブバーッ!と吹き付け。クリアー塗料が垂れてきそう… と思うくらいたっぷり吹き付けるのがポイント。半日もすればグロス塗膜が仕上がり、潤いテカテカのレーシングカーを目の前にして「やったぜ俺!」と爆裂ライジングできた。そう、このトップコートひとつでデカール貼りのミス(シワにズレに破れ)は誤魔化されてしまう。デカール剥がれも防げるのでこの光沢トップコートは必須の工程だ。そして完全無塗装の真っ白プラモがデカールの色をまとっただけで、こんなにも緻密さをグンと増す不思議。レーシングカーモデルの醍醐味を、工数カロリー低めながらしっかり味わえたような気がする。  繰り返しになるが、最後にトップコートを施せば、些細なミスは気にならなくなるので恐れずに水転写デカール貼りにぜひ挑戦してもらいたい。今回のスープラGTも遠くから見たらノーミスでの堂々のゴール!のように見えるから。遠くから見たらね。さて、デカール貼りに慣れたことなので、今度はカストロール セリカを組んでみようかな。
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【レビュー】改良進化の集大成が組んで触って頼もしい!/PLAMAX 1:72 VF-1 ストライクバルキリー
 #キットレビュー #ロボット・アニメメカ #マクロスモデラーズ #nippper #プラモデル
【レビュー】改良進化の集大成が組んで触って頼もしい!/PLAMAX 1:72 VF-1 ストライクバルキリー

 気が付けばPLAMAXのバルキリーファイターもバリエーションを重ねていて、劇場版の大本命と言えるストライクバルキリーがリリースされたのも半年以上前(!)。ブースターが足されたんでしょ?くらいに思っていたのだけど、遅ればせながら実際に組んで手にしてみたら想像以上の大傑作!パーツ追加にとどまらない、PLAMAXバルキリーの集大成といえる内容だったのでその良さみをシェアしたい。  飛行機本体としての部分はファストパックなしの素のPLAMAXバルキリー由来なのでここでは割愛……としたかったんだけれど、そうもいかない点がいくつもある(!)。PLAMAXのバルキリーの金型は細かく改良が加えられていたようで、主翼部品はまさにそれ。  シリーズ最初のキットではシールでの表現だった翼端灯などのモールドが追加され、飛行機プラモとしての精密感が増している。さらに表裏の貼り合わせ勘合も見直され、上面へ勘合として貫通させていた丸モールド部を上面と一体化し、他の彫刻と馴染むようになった。これらはバリエーションキットがリリースされるごとに順次追加改良されていたそうで、メーカー様に於かれましてはそういうこともアナウンスして欲しい(聞いてたら毎回飛びついたのに……)。  そんなベース機体の改良部で面白かったのはキャノピー先端部。キャノピーの枠とノーズコーンにはさまれた箇所に白い部品を置き、最後には塗装かシール/デカールで黒くする指定になっている。実はこの箇所はもともとキャノピーの枠と黒く一体成型された部品だったのだけれど、TV版カラーのリリースに合わせて変更されたのだそうだ。劇場版のカラーリングを前提にした場合、改良とは言えない変更なのだけれど、キャノピーを開けた状態に改造しようと思ったときにデフォルト状態で窓枠で独立したパーツが手に入るようになったのは悪くないと思える。  マーキングはデカールとシールの両方が付属するようになった。地味に大きな改良点だったのがシールの台紙。シリーズ初期のキットではひとりでにカールしてしまい、丸まってしまった台紙を広げながら貼ることになるシロモノだったのだけど、素材が見直されて快適に使えるものになった。自分が最初のキットをレビューしたときに苦言を呈した点のことごとくが改善されているのだ(!)。  新規ランナーに目を向けてみると総じてスジボリが深い。シャープだとか細いとかそういうことではなくて「深い」。ここ最近のトレンドともいえるタッチを活かして塗膜をしっかりと乗せるタイプの筆塗りを意識してか、既存ランナーのそれよりも明らかに深い。  追加装備であるファストパック部分だけが深めに設計されたのかと考えていたんだけれど、白い新規ランナーの部品も明らかに既存ランナーに比べてスジボリが深い。写真に撮っても彫刻の影の落ち方が深いのがわかると思う。ファストパックに接する部分なのでバランスをとっているのかもしれない。  このキットの目玉といえる背部ブースター。先述したモールドの深さもさることながら、キモといえるのはその固定方法。垂直尾翼を折りたたんだユニットの左右から、これでもかというほどにしっかりとした勘合を設けている。  尾翼ブロックにどれだけしっかりと固定されていたとしても、その尾翼ブロック自体は繊細なヒンジで畳む構造を再現しているので結局脆いのではないか?と思ってしまうのだけど…  左右ファストパック側から本体背面にもう一点接するようにマウントが存在する。折りたたまれた尾翼ユニット左右だけではなく胴体背面に設けられた勘合で確実かつ強固に固定される。設定では尾翼ブロックへの固定だけなのだけど、そのまま素直に再現するとどうしても強度的に不安の残る箇所だった。この勘合はこの製品で追加された変更点ではなく、最初のPLAMAXキットから設定にはない謎の凹みとして存在していて、フタになる部品を貼り付ける仕様だった。ここにきて「答え合わせ」が成されたことになるんだな。  この固定強度のおかげでブースターをわしづかみにして持てる!。勘合の太さだけでなく、多点支持からくる剛性の高さがあってこそ。これだけ丈夫だと展示会への参加なんかでも安心して運べるね。 
 下面へ畳まれる腕部も、その追加パックのハメ合わせも、そしてそこから吊るされるガンポッドの固定も、「これでもか!」というほどしっかりと組みあがりの剛性を意識したものになっている。だからこんな風にガンポッドをつまんで持つことも難なくできる。全体に剛性が高いので安心して手でつかんで快適にスーパー/ストライクパック装備の姿をぐるぐるいろんな角度から眺めることができる。模型と言ったら精密さや繊細さが魅力としてフィーチャーされがちだけど、机に静置した状態じゃわからない「手にもって眺められる丈夫さ」も魅力たりえるんだな。  買うだけじゃなくて、組むだけじゃなくて「実際に手に持って眺めて」みてほしい。盛りに盛ったフル装備を安心して手に持てるってだけのことが存外に面白いんだなって実感できるから。ホントに手に持ってるほどに嬉しいんだよ。このキット。組みやすさ、扱いやすさを掲げたコンセプトの結実とそこに至るまでに続けられた改良進化。PLAMAXファイターバルキリーの到達点として、何機も組み揃えたくなるだけの魅力をしっかりと備えている。
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【工具レビュー】モデルアート監修!ステルス機専用の水性ホビーカラー「ライトニンググレー」が新発売!/ライトニンググレー2レビュー #軍用機・旅客機 #筆塗り #水性塗料 #塗料 #nippper #プラモデル
【工具レビュー】モデルアート監修!ステルス機専用の水性ホビーカラー「ライトニンググレー」が新発売!/ライトニンググレー2レビュー
 スケール模型雑誌「モデルアート」が監修した、ステルス機を塗るのにぴったりの専用色「水性ホビーカラー ライトニンググレー1」、「ライトニングレー2」が発売となりました! 水性ホビーカラーを愛用しているフミテシとしては嬉しい限り! 専用色ってやっぱり安心できるので、この塗料のおかげでステルス機の世界へと気軽に飛び込んでいけますね。前回の「1」に引き続き、今回は「2」の特徴をレビューします!  GSIクレオスHM02 水性ホビーカラー MODEL Art ステルス機カラー ライトニンググレー2  「ライトニンググレー2」の最大の特徴はメタリック塗料であること。ソリッドなグレーの他に、F-35の表面に見えるうっすらとした粒子感あるグレーを、メタリック塗料で表現しようと開発されました。実機の雰囲気を塗料で表現するために、メタリック感はとってもマイルドになっていて、まもなくソリッドな塗料になっちゃうんじゃないの!? ってくらい抑えられています。  蓋を開けてみると、アイスクリームのクッキー&クリームのような表情でお出迎え。しっかりとグレーになるまで撹拌してから使用します。  塗料を出してみると……「え? 本当にメタリック塗料なの???」と一瞬ドキッとします。塗料を少し垂らしてみると、メタリックの粒子がキラキラと見えてきました。そこまでしないとはっきりとメタリックの粒子が見えてこない塩梅で調整しているのです。  まずはグレーのパーツに筆塗りをしてみます。確かにパーツの角などに金属粒子が多く引っかかって、キラキラと輝いているのがわかります。  エアブラシで均等に吹き付けてみると……とっても綺麗なライトグレー……。  曲面の多いズゴックに吹き付けてみます。曲面に反射している光も柔らかく、メタリック塗料でありながら、半光沢よりもつや消し寄りのツヤ感になっている印象。タミヤのフラットアルミのメタリック感をさらにマイルドにした塗料といった感じです。関節のグレーなどに使用すると、マイルドなメタリック感がアクセントになってくれそうですね。  本塗料を監修したモデルアートの記事を読むと、F-35に使うなら、塗装した上から半光沢でコートしてあげるとより実機の雰囲気に近くなるそうです。最後の1手が大事な塗料なんですね。  半光沢でコート。すると先ほどよりも光を反射するようになり、メタリックの粒子感もより目に入ってくるようになります(それでもまだかなりマイルド)。この絶妙なニュアンスが表現できるからこそ、ステルス機らしい塗面を表現できる「ライトニンググレー2」は、これまでのメタリック塗料には無かった表情を、調色無しで楽しめます。ぜひ1本手元に置いて、あなたの好きな模型に塗ってみてください。  
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形状、質感ともに世界最高峰。/タミヤ製新型プレリュードの本体は「超リアルな荷物」にあり! #キットレビュー #自動車 #nippper #プラモデル
形状、質感ともに世界最高峰。/タミヤ製新型プレリュードの本体は「超リアルな荷物」にあり!
 タミヤの最新作はゴルフバッグ、スーツケース、ボストンバッグの超リアルなプラモデルです。 ……というのは半分ウソで、半分ホント。カーモデルのオマケでありながら、おそらく実物の3Dスキャンをベースに質感表現をとことん追求した3つの「荷物」を組み、眺め、塗る楽しさを味わえる。これまで多くの兵士やドライバーの人形を立体化してきたテクニックを使って、「クルマに積むものあるある」が手に入る面白さ。  タミヤ製のHonda プレリュード BF1は、実車と同じく「後席をバタンと倒して広いラゲッジスペースを確保する」というギミックを備えている。ただおもしろいからそうしているのではなく、このクルマのコンセプトと後席の持つ実際的な機能を考えると"そうせざるを得ないよな"と感じ入る……というのはすでに書いたとおり。しかし、「せっかくなら実際にどれくらい荷物が入るのかも体感しちゃいましょう」というのを立体的に見せられるのがプラモデルという媒体のおもしろいところだ。  出色なのはボストンバッグの分割だ。底面を斜めに通る分割線はボストンバッグの側面の縫い目に沿って上昇し、ジッパーの部分を通る。最小単位のパーツでふたつの持ち手とマチの面のテクスチャーを再現するための工夫だ。表面のゴワッとしたシワの入り方はいかにも革製品といった表情で、タン(=なめし革の色)の塗料で塗装してブラウンのスミ入れ塗料をフワッと乗せるだけでとてもリアルな仕上がりになる。  説明書には「自由に塗装して下さい」の文字。革製のボストンバッグはもちろん、スーツケースやゴルフバッグだって世の中には多種多様な色とデザインのものがあるから、どんな仕上がりにするかでこのクルマのオーナーの個性を表現できる。自動車のカスタムではなく、そこに積み込む荷物で何を演出するかを考えるのはとても楽しい。  スーツケースはハンドルやキャスターを塗り分けるとぐっと実在感が増すし、光沢仕上げがよく似合う。反対にゴルフバッグは地味なものからド派手なものまでさまざまなデザインがあり、地色とパイピングのコントラストで遊んだり側面にお気に入りのデカールを貼ってオリジナルな見た目を楽しめる。塗り分けはちょっと難しいところもあるが、リアゲート越しにちらっと覗く程度ならばあまり神経質にならなくてもOKだ。  「奥行き147cm、幅104cmの荷室にゴルフバッグがふたつ積み込める」というのは新型プレリュードの魅力のひとつ(=言ってみりゃこれは機能そのものというよりも、パーソナルクーペというものを知っている人たちに向けた再提案)としてHondaが大いに推している部分。 つまるところこの自動車のターゲット層がそこにあるということだろうし、プラモデルを自動車の広告として機能させるのならばHondaにとってもこれ以上ないオマケパーツに違いない。反対に言えば、プレリュード以外の車種に対しても多様な「荷物」のパーツが用意されれば(──あるいは自分で作れば)、さまざまな世代にとっての「自動車のある暮らし」、あるいはそのクルマが持つ時代性を多様なカタチで表現できるはずなのだ。
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【レビュー】タミヤを超えるのはタミヤだけ/ドゥカティ スーパーレッジェーラV4 with RACING KITに込められた「狂気的コダワリ」とは!? #バイク #キットレビュー #nippper #プラモデル
【レビュー】タミヤを超えるのはタミヤだけ/ドゥカティ スーパーレッジェーラV4 with RACING KITに込められた「狂気的コダワリ」とは!?
 タミヤの最新バイクプラモ、1/12 ドゥカティ スーパーレッジェーラV4 with RACING KITがだいぶヤバいです。実車は1195万円、生産台数500台という超プレミアムバイクなのですが、実物を買うと「レーシングキット」という箱がくっついてくる。公道を走るための保安部品を外して箱に入った排気管、クラッチカバーやフューエルキャップ、ブレーキレバー・プロテクションなどを取り付けるとサーキット走行ができるのです。2022年に発売されたタミヤのスーパーレッジェーラV4のバリエーションキットとしてレーシングキットを装着した状態の姿が製品化された、というのが今回のアイテム。  そもそも2022年に発売されたタミヤ製スーパーレッジェーラV4がどれだけすごいキットなのかというのはnippperでも取り上げましたが、今回まとめて読めるようにnoteで再編集しておいたのでそちらを読んでください(ついでに有料マガジンorサポーターズクラブに加入してくれると本当に嬉しいです)。 で、3年越しに発売された「with RACING KIT」のほうは保安部品などをひとまとめにしたランナーが削除され、レーシングキットを再現するパーツが収まったランナー1枚を追加。それだけならただの一部新規パーツの仕様替えですよねという感じですが、説明書を読んでいるとなんだか違和感がある。組み立て図の向きや手順が微妙にノーマル版と違うのです。  全日本模型ホビーショーの会場にてタミヤのスタッフに訊いたところ、「ノーマル版で組み立てが難しいと感じた場所、位置関係が分かりづらかったところもあったので、今回はそこを改善した説明書にしています」とのこと。イマドキの説明書は3Dの設計データをベースに作っているわけですが、向きを決めてレンダリングして必要な線だけを抽出して色付けて配置して……って超めんどくさいんですよ!じゅうぶん組めるプラモデルであったにも関わらず、さらに組みやすくするために説明書を再製作するタミヤ、スゴすぎる。  デカールもノーマル版とレーシングキット版でほとんど同じなんですが(そりゃ実質同じバイクですからね)、よく見るとアンダーカウルに貼るデカールに微妙な切れ込みが入っていたり、ハンドルのグリップに入る赤いアクセントなどが追加されていたりと微妙な変更があります。これも「パーツ形状に合わせやすくなるようアウトラインを微妙に変えたり、塗装が難しいと思われるところをデカールに置き換えるなど、実際に製作して気になったところに手を入れています」という回答が。タイヤもスリックに変更されたのでタイヤマークが省かれていますね。  白いカウルパーツさえ塗ればかなり雰囲気よく仕上がるキットではあるのですが、保安部品がないぶんバイクとしてよりピュアな形状が楽しめる上に、ウインカーとかミラーといった「組み立ての終盤で神経を使うパーツ」をスキップして完成に至れる……という意味でさらに組み立て体験が向上しています。 私的には「バイク模型作ったことない人」にも心の底からオススメしたい。特別なことをしなくてもビシーっと組み上がるし、無塗装でも、カウルだけ塗装でも、エンジンやブレーキに少し色を足すだけでも、あらゆるレベル感でそれぞれに「いいな」と思える仕上がりになってくれる傑作キットです。  タミヤがすごいのは、もともと超絶良い出来のプラモデルをもとにバリエーションキットをサクッとリリースするのではなく、ユーザーに気づかれないほど細かいところをブラッシュアップし、さらなる確実な組み味を約束してくれるところ。しかも「ただでさえ高性能なバイクをサーキット走行可能な姿に仕上げる」という実車のユーザーにしか楽しめない体験をプラモデルで味わえるんですからね。やっぱりすごいプラモデルですよこれは。
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工具レビュー/ウェーブの新作パンチで秋景色。爆速で落ち葉が作れる「HGクラフトパンチ 落ち葉」 #工具 #情景 #nippper #プラモデル
工具レビュー/ウェーブの新作パンチで秋景色。爆速で落ち葉が作れる「HGクラフトパンチ 落ち葉」
 暑い夏も終わり、プラモにも念願の秋到来です。さぁ、あなたのプラモに「落ち葉」を添えましょう。小さい秋を見つけるのではなく、自ら秋を創造する。そんなツールが「ウェーブ HGクラフトパンチ 落ち葉」でございます。  パンチと言っても拳ではなく、紙に穴を開ける方のパンチです。リングファイルにプリントをまとめた時に使用したあれです。僕は学生時代、綺麗に揃って穴を開けられるクラスメイトを見ていつも羨ましく思っていました。穴がズレズレのフミテシプリントチームは、ファイルからはいつもこんにちはしていたので、プリントの端っこがくちゃくちゃになっていたもんです。でもこのパンチは、書類をまとめるための穴を開けるのではなく、「落ち葉」の形に紙を切り抜くツール。好きな色の紙をこのパンチで切り抜けば、彩り豊かな落ち葉を模型に添えることができます。  こんな風に折り紙や画用紙を挟んで、ガチャンとパンチするだけ。Sサイズは1/35スケールや1/24スケールの模型にぴったり。Lサイズは1/12スケールの模型に添えるとちょうど良い感じになります。  こちらは折り紙の緑や黄色、茶色などを重ねてパンチしている様子です。4枚くらい重ねても綺麗に切り抜くことができました。  あとはこんな風にあんたの好きな模型に振りかけたり、足元に散らせば完成です。紙ですから、塗料で塗って模型により馴染ませることだって可能です。薄いプラペーパーも切り出すことができましたでの、お好みで使用してください。ぜひあなたの模型に、秋の雰囲気を纏わせて楽しんでください。それでは〜〜。  
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真っ赤な熱気に誘われてPLAMAXの「いなほ with ホンダ耕耘機F90 水田車輪」を買った話。 #はたらくのりもの #キットレビュー #nippper #プラモデル
真っ赤な熱気に誘われてPLAMAXの「いなほ with ホンダ耕耘機F90 水田車輪」を買った話。
 八月の終わりに友達と東京ドームで行われる都市対抗野球を見に行った。一昨年から見始めたが、プロ野球と違った面白さが詰まっていて、気づいたら昨年も、今年も……と毎年見に行くようになった。しかも、今年は3日間で6試合も見たのだ。 「チーム券」という出場企業から配られる券で入場すると、応援グッズがいろいろともらえる。マフラータオル、うちわ、ユニフォームが入った袋を「ハイどうぞ!」と渡されて入場すれば、すでに応援グッズに身を包んだ人がたくさんいるなんてこともある。この日見たホンダの試合はまさにそれ。僕らも券に書かれた席に座って、ひと息ついてから「外は暑い」とか「ホンダはユニフォームをくれるのか」とかひと通りの感想を口に出しながらユニフォームを着る。実際、フルセットで応援グッズを用意しているチームがすべてではないのだ。  真っ赤なユニフォームを着て、お互いに「ガチ勢じゃん!」と笑いあって、そこからスタンドに人が徐々に増えていく、いよいよ試合が始まってふと席を見渡すと本当に真っ赤。配布されたユニフォームを席問わずほとんどの人間が来ているのはプロ野球と全然違う。それを見て友達が「ホンダレッドだ!」と言う。ド派手な応援と自分たちの高揚感からつい口をつくような言葉だった。  あとでホンダレッドが実在する言葉なのか調べてみると、メーカー公式サイトに専用のページがあって驚いた。我々が適当に放った赤色の名称は存在していた。そのページには耕運機や発電機が載っていて、何も車やバイクだけではないことをしっかりと教えてくれたのだった。そして「耕耘機はプラモデルがあるぞ!」 と思い出したのでマックスファクトリーのいなほ with ホンダ耕耘機F90 水田車輪を入手したのだった。  こういう時ものすごく嬉しいのは、赤がちゃんと赤いプラスチックで表現されていること。エンジンの大きさをしっかりと感じられるのも気分が良くて、それはプラモデルを作ってる人間からすると車の1/24よりも少し大きい1/20という縮尺だからというのもあるが、今から作業をするぞ!といういなほちゃんがいることで、大きさを推し量れるからだと思う。 試合の熱気にやられて、なんとなくホンダにちなんだものを作りたくなった。チーム券が配られて応援グッズもしっかり用意される理由ってのはこういう風に、なんとなく観戦してみて、気づいたらその企業への興味関心が深まるところにあると思う。来年は来年で足を運んでみると、別の企業に興味関心が湧くのだろう。
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花金だ!仕事帰りに買うプラモ。これぞウォーハンマーのエントリーグレード!「ウォーハンマーヒーローズ」 #キットレビュー #フィギュア #花金プラモ #nippper #プラモデル
花金だ!仕事帰りに買うプラモ。これぞウォーハンマーのエントリーグレード!「ウォーハンマーヒーローズ」
 週末の模型ライフが楽しくなっちゃうプラモを、フミテシの独断と偏見でお届けする「花金プラモ」。今週は、現在「週刊ウォーハンマー」も書店で展開されている、ミニチュアゲーム『ウォーハンマー』から、気軽に買えてすぐに組み立てられる「ウォーハンマーエイジ・オブ・シグマー - ウォーハンマーヒーローズ:ストームキャストエターナルズ」をご紹介します。とりあえずウォーハンマーのミニチュアを1個買ってみたいという方にとっても、最高のプラモデルです!  この「ウォーハンマー ヒーローズ」というシリーズは、『ウォーハンマー』の特徴的なキャラクターたちをピックアップして新規造形で送り出したブラインドボックスのコレクションシリーズです。今回ご紹介するキットは、ファンタージ世界を舞台にした『ウォーハンマーエイジ・オブ・シグマー』のメインキャラクターである「ストームキャスト・エターナル」がピックアップしています。  お値段も1200円ほどで、ミニチュア、キャラクター解説カード、ゲームで使用する際の能力が記されたカードがセットされています。どんなキャラクターが出るかは開けてからのお楽しみですが、どのミニチュアでも『ウォーハンマー』のキレキレのディテールや、面白いパーツ分割を堪能できます。  このキット、工具いらずで、このように指でパーツを取り外せます。組み立ても接着剤を使用しないでパーツ同士を合わせていけるので、買ったその場で組み立てて遊ぶこともできます。  全高約5cmほどのミニチュアにこれだけのディテールが刻まれています。顔は素顔とマスクが選択できます。素顔のバキバキの彫刻が素晴らしいです。ナイスアニキ。  パーツの分割はまるでパズル。胴体と足を一緒に成型したりと、可動モデルで見ることができないユニークな分割を楽しめます。これらが組み合わさっていくと、しっかりと鎧や腕が破綻なく自然なポーズで、僕たちの目の前に現れるのです。  そしてこの金の成型色の美しさ!! 塗らなくても、かっこいい金の戦士を手に入れることができます。指と比較するとその大きさもわかってもらえると思います。小さなミニチュアにこれだけのディテールが凝縮されているのです。  そしてさらに広がるラインナップ。かっこいい武器や、ゴツい体型、それぞれキャラクター性が際立った戦士ばかりです。ひとつ買ってみて面白いと感じたらぜひ、もう1個いっちゃいましょう! 組み立ても簡単なので、週末に気軽に最高のプラモデルを作ることができますよ。ぜひ「ウォーハンマーエイジ・オブ・シグマー - ウォーハンマーヒーローズ:ストームキャストエターナルズ」をゲットしてください。
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【レビュー】Honda製の5リッターV8エンジンを組み立てる船外機のプラモデル!/PLAMAX BF350 #キットレビュー #軍艦・船 #nippper #プラモデル
【レビュー】Honda製の5リッターV8エンジンを組み立てる船外機のプラモデル!/PLAMAX BF350
 ホンダといえばやはりエンジンのメーカーです。F1、バイク、インディカーなど、プラモデルを作っているとホンダのエンジンを組む機会はけっこうあります。カウルの下に隠れてしまいがちなエンジンですが、実際に手で組み立てるからこそ、構造の意味や仕組みの面白さがよくわかる。プラモデルの魅力が詰まっている部分です。  そんなホンダというメーカーは、じつにプラモフレンドリー。さまざまなホンダのマシンを模型として作れますが、今回ついにたどり着いたのが大型船外機「BF350」。船のうしろで推進力を生み出すすごいマシンです。「ホンダは海にもエンジンを持っているのか……!」という驚きとともに、V8エンジンという構成、そしてF1と同じ1/20スケールという点にも惹かれて、見てみたくなりました。  ランナーは金属を意識した色味になっていて、特にエンジン部のグレーが絶妙です。少し特別な金属のような質感で、外装やブラケット部分のメタリック感との対比も楽しいところです。  エンジン部分はV8ということで、レース系のプラモデルではおなじみの構成ですが、4952立方センチメートルというスペックには驚かされます。約5リッターというのはモータースポーツではめったにない大排気量です。ル・マンのLMP2クラスが4.2リッターで「大きい」と言われるくらいですから、それよりさらに上。とんでもなくパワフルなエンジンです。  F1などでおなじみの吸気・排気や冷却用ラジエターの配管なども当然あると思いきや、このモデルは船外機。冷やす水は船外機なので汲み上げ放題、排気もスクリューの中央にある穴から水中へ……って、ズゴックかよ! しかも動力はエンジンからスクリューへ直結しているのでギアボックスがありません。見慣れたV8エンジンなのに、メカの総体としては自動車とまったく違う姿になっているのが面白いところです。このごついシャフトを差し込む部分をよくぞここまで再現してくれたな、と思います。動力が“直接伝わる”という構造が手でわかります。  カバーに貼るメタルインレットは少し緊張する作業です。台紙をはがして貼りつけると一気に完成に近づくので、ズレないように慎重に。マスキングテープでガイドを作っておくと安心です。最後に透明シートをゆっくり剥がして、インレットが正しい位置についているか確認しましょう。これだけで仕上がりの印象がぐっと引き締まります。  そしてエンジンのプラモデルを作っていたら、女の子がついてきました。プラマックス×ホンダシリーズでおなじみの「みのりちゃん」です。キャップかグラサンか、ライフジャケットの着こなしを選べるのも楽しいところです。パーツの分割や合いの良さはさすがで、お腹まわりの合わせ部分にしっかりしたガイドがあり、気持ちよく組み立てられます。  流れるような外装の内側で、モンスターV8エンジンが唸り、力を余すことなくスクリューに伝える。そして熱せられたエンジンや排気を湖の水で冷やす。そんな仕組みを、自分の手で組み上げながら理解できるのが最高です。流麗なカバーの下に、モータースポーツ顔負けのすごいエンジンが潜んでいることを指先から体感できる。この感覚は、まさにプラモデルでしか味わえません。さらに1/20スケールの女の子プラモデルも付いてくるので、この体験はまさに“買い”なのデス!
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【レビュー】/初めてのマシーネンクリーガーにも最適!新作「グッカー」でマシーネンクリーガーの楽しさを体感しよう。 #キットレビュー #ロボット・アニメメカ #マシーネンクリーガー #nippper #プラモデル
【レビュー】/初めてのマシーネンクリーガーにも最適!新作「グッカー」でマシーネンクリーガーの楽しさを体感しよう。
 現在1/20スケール、1/35スケールというふたつのスケールでどんどん新商品が発売されているプラモデルコンテンツ「マシーネンクリーガー」。イラストレーター・横山宏が原作の本作は、彼がフルスクラッチした模型を礎に、「模型のプラモ化」というまさに現在のオリジナルメカコンテンツの先頭を走ってきたコンテンツです(シリーズ開始当初のタイトルはSF3D)。今は各メーカーから新商品が出ているので、どのプラモを買っても横山メカの楽しさを思う存分味わえます。そんなプラモの中から今回は、新作の「グッカー」をご紹介します。こちらはマシーネンクリーガーらしいバリエーション展開のかっこよさを体感できます。  このグッカーという機体は、マシーネンクリーガーの2大勢力のひとつ「シュトラール軍」のスーツである「グスタフ」のバリエーション。デザイン発表当時は夜戦型という設定だったのですが、今回初めてプラキット化されるにあたり「強行偵察型」になりました。グスタフと異なるのは新規で高感度センサーのパーツがボディに増設されていることです。  キットはこれまでのシュトラール軍のスーツのパーツからグスタフ、ケッツァー、新規のグッカーのパーツを組み合わせて構成されています。こういう、これまでのスーツの系譜をランナー(プラモのパーツが収まった枠のこと)で体感できるのも楽しく、バリエーションを楽しんでいるぞという通な気分にも浸れます。  マシーネンクリーガーの良いところは、大きなパーツ変更はないながらも、しっかりと特別な仕様に見えるところ。横山宏氏の、実際の兵器やスケールモデルの豊富な知識とデザイン力が樹脂化され、僕たちの目の前に現れるのです。グッカーもスーツの新規ランナー1枚と、フィギュアの新規ランナー1枚だけで、ベースとなっているグスタフとは大きく印象が変わるプラモになっています。  マシーネンクリーガーのキットは、どれもフィギュアの仕上がりがピカイチ! かっこいいメカやスーツと共にハイレベルなフィギュアをプラモで作れるのも魅力です。  中身もみっちりとしていて、シート周辺の密度感も抜群。この中に先ほどのフィギュアをはめるだけで、まるで本当に人が着ているような雰囲気になります。この見せ方も本当に素敵なプラモデルなのです。  マーキングもどれを貼るか迷ってしまうほどかっこいい! 一応設定的なものはありますが、自由な組み合わせで、あなただけのグッカーを作っても良いです。マシーネンクリーガーは、色やマーキングはあなたの好みで思いっきり楽しんで良いという土壌が成熟しています。  マシーネンクリーガーを代表する「スーツ」系を、これから作ってみたいという人はぜひこの機会に、最新キットの「グッカー」をゲットしてください。ボリューム感もベストで、マシーネンクリーガーのかっこよさを初体験するのにベストと言えると思います! ぜひ楽しんでください。それでは〜。
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手のひらサイズの戦車模型をドンドコ作りたくなるルビコンモデルズ の「拡張パーツ」を褒めたいッ! #キットレビュー #戦車・軍用車両 #nippper #プラモデル
手のひらサイズの戦車模型をドンドコ作りたくなるルビコンモデルズ の「拡張パーツ」を褒めたいッ!
 小さな模型だからこそ、手軽にカスタマイズ遊びを楽しめる魅力が満載の「ルビコンモデル」。手のひらに乗るサイズながら、ディテールもしっかりしている上に、小サイズながらの組み立てやすさも追求しているので、ひとつ作ると何個でもおかわりしたくなってしまいます。そしておかわり欲を熱くさせる理由が今回ご紹介する「拡張パーツ」なのです。  主役は「1/56 ドイツ SdKfz 250/1 Alt」。独特なフォルムが魅力の、ドイツ軍の小型装甲兵員輸送車です。複雑な履帯も、一体成形のパーツに、転輪を3つ取り付けるだけで、お手軽ながらも非常に立体感のある足回りが完成します。難しい組み立ては苦手……という方にも優しい設計ですね。  そしてこのキットに「SdKfz 250/9・251/23 拡張パーツ」を合わせると、さらに自由度が広がります。このパーツを使うと、20mm機関砲と7.92mm機銃を備えた、金網のグレネードスクリーン付きの砲塔を搭載できます。シンプルだった兵員輸送車が、一気に攻撃力マシマシな偵察車両に大変身です!  さらにこのキット、ちょっとした工夫で1台の車両で、2つのバリエーションをまるごと楽しめてしまう最高の遊び方ができるんです。やり方はとっても簡単。「車体の上部パーツを、組み立て段階ではまだ接着しないこと」たったこれだけです。  兵員輸送車(250/1)の兵員室インテリアパーツと、拡張パーツの偵察車両(250/9)の砲塔がついたインテリアパーツは、それぞれが1つのユニットになっています。なので、その日の気分でインテリアユニットをごっそり入れ替えるだけで、あなたのSdKfz 250は、兵士を運ぶ「250/1」になったり、砲塔で敵を睨む「250/9」になったり、自由に変身できるのです!  組み立てた後も、付属のフィギュアを乗せたり、パーツを付け替えてガチャガチャと遊べる。これは本当に楽しいです。そして組み替えを存分に楽しんだ後は、「よし、今回は250/9でいこう!」と決めて、しっかりと接着して塗装に進む……。そんな一台で何度もおいしい楽しみ方もできるのがこのキットの魅力です。ぜひ皆さんもこの「組み替え遊び」を楽しんでください!
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自動車プラモをもっと好きになる/『オートスポーツ』2025年11月号が面白すぎて心の絶叫が止まらない! #雑誌と書籍 #nippper #プラモデル
自動車プラモをもっと好きになる/『オートスポーツ』2025年11月号が面白すぎて心の絶叫が止まらない!
 「いまのスーパーGTの源流にはシルエットマシンがある!『カッコイイ』と『乗りたい』は、人為的に作り出せる"現象"なのだ!」という文法でぶち抜き32ページの巻頭特集を組んだ9月末売りの雑誌『オートスポーツ』2025年11月号がすこぶるおもしろい。Kindle unlimited(初月無料)に加入していれば実質0円で読めるのでこの記事に巡り合ってしまった人は絶対に読んだほうが良い。  カーカルチャー、とくに改造車の世界というのはとにかく難解だ。難しくて分かりづらいというよりも、教科書的な解説にはなかなか巡り会えないからだ。彼らの意図は合法と違法の間で行為(改造や走行や集会)を通じて表現され、なぜそうするのか、それが何を参照していてどう発展させるのか……といったことはあえて体系化したり、言語化したりする必要に迫られないのだろう、とオレは考えていた。「異文化において、そこにある種の美学があることはわかるが、なにがどうなっていると美的であるのかというのを理解するにはそこに身を投じるしかない」的な難しさと言っていいだろう。  例えばアオシマのカーモデルにおいて、改造パーツを自分で取り付けるグラチャンシリーズや街道レーサー系のキットと現代的なLBWKのど派手なカスタムカーはどこかで血が繋がっていそうだということはわかるのだが、それがどこに源流を発していてどのように変遷し、海外の金持ちやトップレーサーにも愛好されるようになったのか……というのは皆目検討もつかないというのが本音だった。  しかし、'70年代末期に勃興し、'82年からわずか2年だけ異様な盛り上がりを見せたシルエットフォーミュラによるレースを源流として見るという視点を与えられると、これまで触ってきたカーモデルや模型店の棚でじっとこちらを見ている未知のアイテムたちが突如として輝き出す。  言ってみればリアルロボットアニメの隆盛とほとんど時を同じくして、愛車を「フルアーマー化」した作例を持ち寄り、見せびらかしてはさらに先鋭化した表現に挑み……という現象が、サーキットを震源地として全国の若者に爆発的なムーブメントとして広がりを見せたというのは、とてもプラモデル的である。もちろんそこには現代的なコンプラでは考えられないような非合法性や迷惑行為といったネガティブな要素もまとわりつくのだが、それを理由にカルチャーそのもののを「なかったこと」にはできないはずだ。  特集内では数々のシルエットフォーミュラをデザインした由良拓也やマッチこと近藤真彦、トムス会長の舘信秀といった面々が赤裸々に当時のことを語るインタビューが収録されており、一人で読んでいても思わず声が出てしまうほど痛快だ。とかく「速いこと」が重んじられるレースの世界において、そもそもシルエットフォーミュラというのはズバリどういう規定だったのか? そして悪く言えば"カッコだけ"のマシンがなぜ日本の若者に一大センセーションを巻き起こしたのか。こうした過去を体系的に読める文章は、じつのところインターネット上にはほとんど存在しない。 昔話だけではなく、そのカルチャーが遺したモノとコト、現代のスーパーGTとの接点、その課題、さらには未来に向けた提言までもがぎゅぎゅっと濃縮された出色の特集。圧倒的おもしろさで「こういうまとめ方と課題設定は、商業誌じゃないとできないよな!」と悔しくなり、またこんな特集に巡り会えたことが本当に嬉しくなる最高の読書体験だった。みなさんも、ぜひ。
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イケオジプラモに捧げる恋文/ヘキサギア ガバナー パラポーン・センチネル Ver.2.0 #キットレビュー #フィギュア #nippper #プラモデル
イケオジプラモに捧げる恋文/ヘキサギア ガバナー パラポーン・センチネル Ver.2.0
  拝啓、ヘキサギア ガバナー パラポーン・センチネル Ver.2.0様 突然の便りをお許しくださいますよう、謹んでお願い申し上げます。  貴方様を拝見した瞬間、わたくしはセンチネルVer.2.0様(以下、おセンチネル様)に恋をしてしまったのです。プラモレビュー上でラブレターを綴る事を奇妙に感じる方もいるかもしれません。しかし私にとって、多くのプラモレビューは、ひとつの恋文の形にも感じられるのです。  さて、初めておセンチネル様のお姿を拝見したのは、Xの「ヘキサギア公式@コトブキヤ」様のおツイートでのことだったと思います。その気高く凛々しきお姿を見たとき、厳ついマスクの下に、セクシーなイケオジの顔を隠しておられると、なんとも悩ましく感じました。真剣な眼差し、ほんの少し乱れた髪、魅惑のヒゲ、クソデカバルクの胸部、パツパツ太もも、おん身のあらゆる美が胸の鼓動を高鳴らせました。  素顔のおヘッドは目が窪んでいて、ペイントするなり、デカールを貼るなりどちらにせよ苦労しそうだわ……と思いましたの。ですが、わたくしの愛は容易く折れません。艶消しスプレーを吹いた後、シタデルカラーとファレホを使っておヘッドをペイントしました。目がかなり小さくて難儀しましたが、愛の力でなんとか致しました。  貴方様を拵える前、パーツ数の多さに少し尻込み致しました。しかし心配は無用でした。説明書が非常に丁寧で、難しいことはございませんでしたの。  イケオジヘッドがデフォルトで付いてくる事が本当に嬉しいです。貴方様のような素晴らしくセクシーな殿方のプラモが世に増える事を祈りつつ、筆を置かせていただきます。 敬具 追伸/2025年10月現在、ガバナー パラポーン・センチネルは「センチネル」(Ver.1.0にに相当)、「センチネル Ver.1.5」、「センチネル Ver.2.0」と三種類ございます。今回御紹介したのがVer.2.0ですので、皆様よくご確認の上お買い求めくださいませ。
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レビュー/“スーパー銭湯みたいに気楽な名キット”――「バンダイHGスコープドッグ」は何体あってもいい。 #キットレビュー #ロボット・アニメメカ #ボトムズ #nippper #プラモデル
レビュー/“スーパー銭湯みたいに気楽な名キット”――「バンダイHGスコープドッグ」は何体あってもいい。
 スコープドッグはなんぼあっても良いですからね。ようやく店頭で見つけたスコープドッグも、あれよあれよと言う間に消えていく、見ていた私も危うくなくなるバンダイのHGスコープドッグを手に取りました。そうです、初ゲットです。  完成品かプラモデルかでも、いろいろなスケールでも、そしてメーカーでも、たくさんのスコープドッグが発売され、ファンとしては嬉しい時代が続いています。バンダイも2000年代後半から1/20スケールでスコープドッグなどを発売していて、今回のHGスコープドッグでひさびさのボトムズ完全新キットが登場となりました。スケール表記こそありませんが、まあコレクションサイズとしてもおなじみの1/35とほぼ変わらないと言っても良いでしょう。  バンダイも久々のスコープドッグ、しかも自社含めたくさんのアイテムがあるので、今回のHGスコープドッグはかなり割り切っています。並んだ3パーツは胴体から頭部で、ここは人が入るコクピットでもあるのですが、完全に埋めてしまってアクションをするための軸が入るようになっています。上を向けるスコープドッグ、という唯一無二の存在になろうとしているわけです!  胴体中央部は前後で分割。このHGスコープドッグスコープドッグは基本パーツの合わせ目が来ないように分割しています。胴体はさすがに前後に合わせ目がくるのですが、全体なるべくディテールっぽく処理できるようにしています。  肩を一体成型していて、しかも接続がボールジョイント。バンダイらしくこれでも肩を腕を横にあげられるように良い位置関節を整えています。  さすがに武器は合わせ目が出るのですが、色分けバッチリで銃身の側面の穴が抜けているなど、ディテールを頑張っています。武器のマガジンパーツがたった1パーツというのが面白い。ちょっとぐらいの厚みをぎゅっと成型していい感じのべこっとした箱感をだしています。  関節はC型の嵌合で、パチンパチンとハマっていきます。カバーパーツをはめることで、動かしているときの脱落防止になっているんです。またパーツのはさみ忘れ、入れ忘れがなくなるような設計にもなっています。ってこれ、オプションなしで降着ギミックがあるんだ……!  地味に気持ちがいいのはランナーの設計です。脚を組み立てるとき、パーツの住所が近いところにあるので、探す時間がほとんどありません。ダンボール戦機や30MMから連なる思想で、これがあると結構組み立てがすらすら進んで気持ちが良いんです。  わずか45分で組み立て終わってしまいました。スコープドッグはそれこそたくさん組んでいたので、今回説明書を見たのが向きを確認する2回ぐらいだったのですが、本当に早い。最近のバンダイが「組み立てた先」の時間をよく考えていて、よく動くことを楽しんだり、工作や塗装などの追加作業ができるような速度を確保しています。ということでアームパンチ!  きちんと既発の製品に目配せして、自分たちの得意なところをしっかり入れてきたバンダイのスコープドッグ。スコープドッグはアストラギウス銀河じゅうで作られたマシンなので、BD社製のマシーンはこうだったみたいな解釈で楽しんじゃってもいいですね。じつはみなさんおなじみの電車でも同じ型番なんだけど違うメーカーで作られていて、細かすぎる違いがある、というのもあるんですよ。  素早く組めるところ、すごいクリアランスで降着までこなすところ、バンダイさすがだなという部分がたくさんあります。温泉がたくさんあるなかで、温度、薬効、泉質みたいなのを競い合うなかで、スーパー銭湯が建った感じ。気楽にみんなで楽しめる、組み立てのほうに気が向いているのがまさにバンダイらしさなんです。実際にここまで早いと、まだまだ余力があるので、塗ったり汚したりしてもいいな、と思えます。そりゃみんなおかわりしちゃうよねえ……ということで、私もついにゲットして、その面白さに魅せられたのでした。
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工具不要、熱量無限。上海のホテルで僕を楽しませてくれた「1/144 ビルドストライクガンダム」との思いがけない出会い。 #キットレビュー #トラベル #ガンプラ #nippper #プラモデル
工具不要、熱量無限。上海のホテルで僕を楽しませてくれた「1/144 ビルドストライクガンダム」との思いがけない出会い。
 上海のおもちゃ屋さんの前に「ガンダムの看板」が立っていました。それは数年前に僕を熱くさせてくれた「ビルドストライクガンダム」。TVアニメ『ガンダムビルドファイターズ』の主人公ガンプラです。看板のQRコードをスマホで読み取ってみると、今年から中国では『ガンダムビルドファイターズ』が放送とのことで、中国版のホビーサイトで猛プッシュされていました。お店に入ると、中国版パッケージのHGキットも多数ラインナップされていました。  看板になっていたプラモデルがこちら。「1/144 ビルドストライクガンダム」。EGやHGと言ったブランド名は特にありません。価格も49.9元(日本円でおよそ1000円)と手に取りやすい価格でした。箱に書いてある通り、このキットを作るのに工具は入りません。そう! ホテルの部屋でもすぐに組めちゃうってわけです。海外旅行中に「ホテルで気軽にガンプラを楽しむ」。そんな想像もしていなかった体験を味わうこともできたのでした。  完全新規のキットで、パーツ数もとってもシンプル。各構造を見てみるとエントリーグレードよりもさらにシンプルに、「ガンプラと初めて出会った人」が組んで、机の上にきれいに立たせることができるガンプラになっていると感じました。圧倒的な可動範囲や細部までのパーツ分割といったハイエンドガンプラを目指すのではなく、アニメを見て昂った気持ちをすぐにガンプラで昇華できる……それがこの「1/144 ビルドストライクガンダム」なのです。  手首まで一体になった前腕フレーム。そして肩のスラスターまでが一緒になった上腕&ヒジ関節。ヒジのみが可動します。かつて『機動戦士ガンダム00』放映時に発売された、「FG」シリーズのコンセプトを受け継いだような仕様です。  脚部も太ももとヒザ関節のフレームを一体化。股関節はボールジョイント接続なので、足を広げたりして立ち姿を調整することができます。  ビーム・サーベルも腰アーマーと一体化されています(手持ち用のビーム・サーベルも1本付属)。これによってパーツがポロポロと落ちることはなく、いつでも腰にビーム・サーベルをかっこよくマウントした状態で飾っておくことができます。  手でパーツが簡単に外れるので、開封してすぐに組み立てられます。およそ10分で、僕の前に「1/144 ビルドストライクガンダム」が爆誕しました。しかも関節構造がシンプルなので、気軽に立たせることもできます。たくさんガンプラに触れてきた人は、よく動くガンプラでかっこいいポーズをつけることができるでしょう。でもこれから「ガンプラと出会う人」の中には、動きすぎて上手く立たせることが難しい! という人も出てくるはずです。まさに中国で放送スタートした『ガンダムビルドファイターズ』から入ってくる方に、直ぐに組んでもらって、気軽に扱えってもらえるように生まれたガンプラなのですね。  このコンセプトのおかげで、僕は海外旅行中にもプラモ欲を満たすことが出来ました。完成したガンプラを持ちながら、窓から上海の景色を見る。完成した日はあいにくの曇り空だったけど、そんな景色も僕は忘れないと思います。思いがけない出会いとなった「1/144 ビルドストライクガンダム」のおかげで、またひとつプラモな思い出が刻まれたのでした。
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タミヤの設えともてなしを無塗装でも堪能できる純レーシングカー!/1:24 カストロール・トヨタ・トムス スープラGT #キットレビュー #自動車 #nippper #プラモデル
タミヤの設えともてなしを無塗装でも堪能できる純レーシングカー!/1:24 カストロール・トヨタ・トムス スープラGT
 「オーバーフェンダーはほら、自分で付けたいでしょ?」「づげだいっ!!」……という声なき会話が成立するように、タミヤのキットには「工作をさせる」という設えともてなしがある。ディティールを成立させる都合で分割される部位があるのとは別に、組み味を楽しんでもらうためのピース分けがある。ボディでいうと前者はボンネットベント(4枚羽が2ピースからなっている)で、後者はオーバーフェンダー(貼ると途端に強強ルックになって嬉しい)となる。  もちろんどのメーカーもディティールの再現と合わせてエンジョイな組味を盛り込むことには苦心している現在なのだが、この『1/24 カストロール・トヨタ・トムス スープラGT』は30年も前のキットだ。オーバーフェンダーを切り出し、ゲート跡をデザインナイフで削ぎ、タイヤハウスに添えると隙間もズレもなく合わさる。裏から流し込み接着剤を差すと別パーツだとは知覚できないフィットっぷりだ。この一件だけでもこのキットに決めてよかったと心底思えた。  今回に限らずカーモデルは可能であればまず最初にボディから組むことにしている。接着剤で汚したりするとガッカリ具合がとんでもないので、なるべく集中力のある元気なうちに済ませておきたい。最近はニトリル手袋をして指紋をつけないようにしているし、箱からボディを取り出したらとにかくまず『カーペインターHANDLE』をズドン!と装着している。この便利ツールは塗装時以外にもパーツを貼っていく際においても活躍するのだ。適度な自重で安定感がありながら底面が回転し、作業に調子の良い向きにスムーズにもってこれる。なにより両手がフリーになるのは工作していくうえでバツグンの利便性だ。  ちなみにこのスープラGTは真っ白なプラモだ。メッキホイールにゴムタイヤ、クリアパーツなどの要素はあれども、基本は白いプラパーツで構成されている。そう、塗られる気満々な純白っぷり。「ボディはいいけどシャーシまで白なのか……!」と、正直ちょっと残念な気持ちはあった。それはさておきボディの組み味が最高だったので、シャーシも塗装のことはいったんさて置きでその組味にフォーカスしていきたい気分になった今回。レーシングカーとしての機械構造、レイアウトや形状の無骨さに注視するのには真っ白な模型が逆に良いのでは?ほら、豆腐だって醤油とか何もかけずに純然たる豆腐のみの味を楽しむときもあるじゃないか俺。という論法で。  エンジンルームは下から覗けるとこ以外はスッパリと省略されていることもあり、シャーシはテンポ良く組み上がっていく。そしてこのロールゲージの取り付けには感動モノの設えが用意されていた。室内に突き出たリアサスペンションがロールゲージと噛み合うのだが「純レーシングカーにおけるボディ剛性とは」を示すが如くタイヤハウスをブチ抜きでリアサスペンションが1ピースで突き出ているし、それを噛み合すのにロールゲージは知恵の輪みたいになっているし、もはや文章や写真では伝えきれないのでキット買って組んで確かめて! プラスチックで示すボディ剛性のエンジニアリングだから!……と、無塗装精神で組み上げていったのだが、正直言ってこんなに盛り上がってしまうとは思いもしなかったスープラGT。カストロールカラーのデカールは貼っておきたいのでその話はまた後日。
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プラモデルを通して世界を観測する人が新型プレリュードの後席について思うこと #キットレビュー #自動車 #nippper #プラモデル
プラモデルを通して世界を観測する人が新型プレリュードの後席について思うこと
 Hondaの新型プレリュードが大人気だ。「どことなくプリウスみたいな見た目のわりにだいぶ高額だし、言うて中身はシビックType-Rとほとんど同じようなクルマでしょ?」と多少冷ややかな目で見ていたのだが、フタを開けてみれば受注は大爆発。実車が展示されるイベントでは老若男女が実車に群がってひっきりなしにドアを開けたりハンドルを握ったりしているので、やっぱりニューモデル(&伝統のある名前)というのは強いんだなぁ……と感心する。さて、そのプラモデルのたったひとつのディテールの話。  実車の発売とほぼ同タイミングで発売されたタミヤの1/24 プレリュード(これはHondaが図面や資料を提供してそうなるようにタミヤに売り込みをかけたのが真相だ)をしげしげと眺めていると、とにかくシートの分割がやたらと凝っている。実車の色分けと構造を再現するためにひとつのシートが2色4パーツに分割されていて、バックレストの側面にベルトループ、背面には縦に入ったスリットとそこから突き出したノブが彫刻されている。おそらく実車でも特徴的な箇所だからわざわざ彫刻したのだろうが、その用途が皆目検討もつかない。 ……というのはウソで、小さなノブはシートを倒すためのレバーであろうというのはなんとなく予想がついた。実車を眺める機会があったので「このレバーはなんのために付いているのですか」とスタッフに尋ねると「後席の人が乗り降りしやすいよう前席を倒すためのレバーです」と概ね予想通りの返事が返ってきた。「なるほど〜」と感心したふりをしながらドアを開け、レバーを操作して驚いたのは、本当にバックレストがバタンと前に倒れるだけの機能しかなかったこと。前席そのものをスライドさせるには座面の横にあるレバーを別途操作しなければいけないのだ。  じつのところ、新型プレリュードの後席は名だたる自動車レビューサイトも「かろうじて人間が座れる程度の空間」「頭の上は全部ガラス」「内側に傾斜したCピラーが頭に当たる」「子供を短時間乗せるなら実用範囲内」と評しており、前席を適正なドラポジに合わせるとバックレストと後席の座面の間には脚が入る隙間もないというのが実情だ。タミヤのプラモデルも前席は決められたポジションで固定する設計となっており、組み上げてみると後席に人間が座るのはほぼ無理なのがわかる。  ならばどうして「前席を倒すレバー」がこんなに押し出しの強いディテールになっているんだ……(しかも前席をスライドするレバーはどうやっても後席から届かない位置にあるではないか!)とうろたえても始まらない。このクルマのコンセプトはあくまで「二人の時間を演出するスペシャリティクーペ」であり、後席を前に倒せば巨大なラゲッジスペースとして使用できることも大きなセールスポイントだ。タミヤもおそらくこのクルマのちょっと不可解なところも理解したうえで、きちんとセールスポイントを押し出すために後席が畳める可動ギミックを実装し、新型プレリュードの"特徴"を伝えようとしている。しかし、機能の再現だけで終わらないのがタミヤのプラモデルのおもしろいところ。続きは後日。そんじゃ、また。
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レビュー/2時間で>・#8221;最強のゴジラ>・#8221;を作れる時代が来た!「コトブキヤ ゴジラVSビオランテ」が教えてくれる成功体験。 #キットレビュー #フィギュア #nippper #プラモデル
レビュー/2時間で”最強のゴジラ”を作れる時代が来た!「コトブキヤ ゴジラVSビオランテ」が教えてくれる成功体験。
 プラモデルを初めて作る人も、もうバリバリ作って楽しんでいる俺たちにも、めちゃくちゃかっこいいプラモを完成させることが出来たぞという「最高の成功体験」を味わわせてくれるのが、この「コトブキヤ『ゴジラVSビオランテ』 ゴジラ(1989)」(以下ビオゴジ)です。  壽屋(KOTOBUKIYA) 『ゴジラVSビオランテ』 ゴジラ(1989) 全高約200mm ノンスケール プラモデル  まず完成するとめちゃくちゃでかいです! 奥にあるのはコレクションサイズにも最適な「東宝 TOHO MONSTERS KIT 001 ゴジラ(1993)」。14cmサイズとなかなかのサイズなのですが、手前のコトブキヤのゴジラは全高約20cm。さらにビオゴジの特徴でもある長大な尻尾も表現されていますので、縦も奥行きもあるビッグプラモとなっています。そしてこの迫力あるゴジラが、2時間もかからずに組み上がってしまうのです。圧倒的スピード感で、「大迫力のゴジラを俺が作ったんだぞ!」という満足感でいっぱいになれます。  そして世は怪獣プラモブーム。このキットを組むと怪獣プラモのトレンドも楽しめます。怪獣プラモの面白さは「表裏で表情が大きく異なる」ことです。ランナー(パーツが収まっている枠のこと)の表には体表の細かな凹凸が刻まれているのに対し、裏側は大きな軸や建物の梁や桁のようなものが成型されています。しかもしっかりとパーツ同士が噛み合うように、全ての軸や桁がとっても大きく迫力ある姿を見せてくれます。丸みのある怪獣を美しいパーツにして、しかも組みやすさを追求するというメーカーの努力が両面に現れているのです。  この胸からお腹にかけての巨大なパーツの表面のツルツルしたところは、胸や脚の付け根のパーツが取り付けられるスペースとなります。胸をしっかりとフィットさせるための大きな穴、股関節付近には足を強固に接続できる極太の軸が確認できます。  本キットは接着剤を使わず組み立てられるスナップフィット仕様。パーツの合わせの精度も抜群なので、組みにくいところがありません。  ゴジラのマッシブなパーツを組み合わせていく工程は、楽しいの一言! どんどん迫力ある筋肉が目の前に爆誕し、それがやがてゴジラという形として机上に現れるのです。  背ビレのパーツと背中にはそれぞれ対応した番号が刻まれているので、塗装時に外したりしても取り付け箇所が分かるようになっています。軸の形状もそれぞれ異なるので、間違っている場所にはパーツが刺さらないようになっています。  頭部は口を開けたものと口を閉じたものの2種がセットされます。パーツの一部差し替えで口開け/口閉じを再現するのではなく、模型にした時にベストな形状とプロポーションとなるようにそれぞれひとつずつをまるっと差し替える豪華な仕様なのです。  上の写真の丸い玉が二つ付いたパーツは、ゴジラの眼球になります。  首から丸っと差し替えて表現します。これによってより自然な造形と、美しいプロポーションを両立しているのです。  使ってない頭部はどうするんだと思うじゃないですか。安心してください。作品タイトルロゴ入りの台座がセットされます。これに使用していない頭部をセットすれば、おしゃれなゴジラヘッドディスプレイの完成です! あなたのお気に入りのプラモフィギュアを添えれば、記念撮影的な景色も楽しめます。素敵ですね〜〜。  そしてコトブキヤ直営店、コトブキヤオンラインショップでこの「コトブキヤ『ゴジラVSビオランテ』 ゴジラ(1989)」を買うと、なんと「スーパーX2」のプラモが特典として手に入ります。ゴジラと同スケールで表現されているので、ゴジラの周辺に浮かせたくなること間違いなし! しかもファイヤーミラーの開閉も差し替えで再現されているんです。ゴジラの頭部といい、開閉差し替えにこだわりを感じますね! 本当に良いプラモなので、ぜひゲットしてください。  およそ2時間で「現代の怪獣プラモの組み味」、「特大サイズの迫力」、「成型色の良さによる塗らなくてもかっこいい仕上がり」を堪能できる本キットは、まさにプラモデルの成功・感動体験が詰まりまくっているプラモデルです。ぜひニッパーとデザインナイフを用意して、コトブキヤが送り出した最高にかっこいいビオゴジを楽しんでください。それでは!  壽屋(KOTOBUKIYA) 『ゴジラVSビオランテ』 ゴジラ(1989) 全高約200mm ノンスケール プラモデル
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【レビュー】鉄道造形のコダワリに注目せよ!/海洋堂渾身のゴジラ模型に込められた鉄分の味 #キットレビュー #フィギュア #nippper #プラモデル
【レビュー】鉄道造形のコダワリに注目せよ!/海洋堂渾身のゴジラ模型に込められた鉄分の味
 トラス構造が嫌いな人間はいないと言われています。それがすこしひしゃげた複々線用のラーメン架線柱であった場合などいとおかし……というわけで、海洋堂のARTPLAシリーズ最新作、「SCULPTURE WORKS ゴジラ Re:イマジネーション」です。  いわゆる初ゴジの"電車咥えポーズ"をイメージソースとしながら、稀代の原型師である松村しのぶ(チョコエッグでみんなお世話になったはず!)がリミックス&リマスターした造形をジオラマ的なプラモデルに仕立てた一作。そしてゴジラの組み立てを云々する前にオレは言いたい。このプラモは鉄道部分があまりにも良すぎる!「歪んだ国鉄60系客車の外板と床下機器をメチメチと貼っていくエクスタシー」などというのはこれまでこの世に存在しなかったわけで、その時点でエポックメイキングと言わずしてなんとする。  メコメコに噛み砕かれた客車をゴジラの上顎と下顎でサンドイッチするの、こんなに楽しいのかよ。そして歯の造形もシワの造形も客車のせいで歪んだ唇の造形もまた楽しい。こんなに小さいのに台車が片方外れて心皿が見えてんのかなコレ……みたいなディテールも彫刻されていて、「なんとなく電車」じゃなくて「"電車咥えポーズ"というのは俗称で、これEF58形電気機関車に牽引されてた客レなので電車じゃなくて無動力の客車だからな!」という気迫が伝わってきます。もしくは私が勝手に受信しているだけかもしれません。  有楽町あたりをイメージしたという高架の表現もまた素晴らしい。味も素っ気もないスラブ軌道ではなくバラスト敷で枕木もレールもヨレヨレ、レンガ積みの欠けや石のアーチに入った亀裂も非常に美味しく、箱組みなのにビタンバチンとパーツが合わさって立体的なジオラマベースになっていくのを誰でも味わえる……。こんな造形、ひと昔前なら文字通りガレージキットか高額な塗装済み完成品でも買ってこないと楽しめませんでしたから、プラモデルで組めて、なんなら塗れるというのはとても嬉しい。  ガーター橋を踏み抜くゴジラ、あたりに散らばる瓦礫!「複々線でビームがそんな高いところにあったらパンタグラフが架線に届かないでしょうが」というオタクの戯言より大事なのは全体の雰囲気ですよ雰囲気。ここに日本初の高架があり、忙しなく列車が往来する複々線があり、電化されているということを示す記号を誇張することで、初ゴジが東京を蹂躙しているという情景を強力に示しているわけですよわかりますか早口ですみませんねホント。  クチに2両も咥えているのに手でも1両持ってこちらを睥睨、「旧客美味しいです!」と言わんばかりのゴジラ氏。ダイナミックなゴジラの造形とパーツ割りに対し、小さくとも抜かりなく分割してあらゆる角度から鑑賞できるように設計された客車によって「巨大生物とちっぽけな人工物の対比」が見た目にも組み味的にも脳髄を直撃するレベルで伝わってくるのがめっちゃいいんですこのプラモ。  ということで鉄道の話ばっかりしましたけど、キット全体を見ると「組んだらゴジラができますね」という当たり前のその向こうに、海洋堂はちゃんと挑んでいます。私が次回ゴジラの組み味の話をするまでに、あなたも同じプラモを買って手元に置いてパーツを眺めながら……あるいは組んだ状態で「そうそうそう!」と言いながらいっしょに語り合いましょう。ものすごくおもしろいプラモです。みなさんも、ぜひ。
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レビュー/『宇宙からのメッセージ』リアべスペシャルの40年ぶりプラモデル化に万歳! #キットレビュー #SFメカ #nippper #プラモデル
レビュー/『宇宙からのメッセージ』リアべスペシャルの40年ぶりプラモデル化に万歳!
 1978年『スターウォーズ』第1作のブームの中制作された東映映画「宇宙からのメッセージ」。その特撮部分を一部流用したテレビシリーズ「宇宙からのメッセージ 銀河大戦」も放映。一般的にはマイナーなこの2作に共通するメインメカが今回の主役「リアベ・スペシャル」です。  ひおあきら先生がデザインしたこのアシンメトリーな宇宙船は、本体のアームを展開、台形の「コメットファイヤー」(写真左)と矢のような「ギャラクシーランナー」(写真右)と言うシルエットの異なる2機と分離合体する、知る人ぞ知る名メカニックでした。  放映時バンダイから発売されたプラモデルは繊細で魅力的な出来映えでしたが、テレビや映画に登場した姿とは少し違っていました。だからこそファンは自分なりに手を加えて“画面の中のリアベ・スペシャル”を目指していたのです。 その後塗装済み完成品やガレージキットも発売されたものの、プラモデルとして正確なリアベ・スペシャルは待ち望まれており、このたび実に40年ぶりにとなるプラモデルがHMAから発売されることになりました。今回はTV版「宇宙からのメッセージ 銀河大戦」仕様とのこと。  じつは私こと聖なるおでん、本商品にアドバイザーとして協力しました。私が資料を集めて改造し、SNS上で発表した旧キットの改造作品を見て、声をかけていただいたのです。旧キット制作時の劇場版の資料に加え今回「銀河大戦」全27話のリアベ・スペシャル登場シーンから各部のディテールをリサーチした資料で制作しました。 原型はデジタル3Dで作成されるため、フォルムのチェックバックを行い、それが終了したらディテールを指示し制作してもらう、と言う工程を続けたものの、こだわり過ぎて想定スケジュールを大幅に超過し、リリースも危ぶまれましたが、担当者の熱意でついに発売まで漕ぎつけたのです。  繊細なディテールの細かく分割されたパーツを組んでいくことで徐々に美しいフォルムとなる様子は、宇宙船を組み立てているような錯覚も受けます。接着や合わせ目消しが必須の易しい作りではないですが、完成の喜びも大きい製品になっています。リアベ・スペシャルは劇中でも汚しが印象的で、白い基本色と細部を塗った後、ウェザリングカラーでウォッシングしたり、リアルタッチマーカーでウェザリングを加えると、生き生きと劇中のリアル感を増してきます。  プロポーション重視のモデルであるため、本来変形する子機2機の翼は差し替えになっていたりと、改造の余地もあり、透明パーツになっている部分は、コクピットを作ったり電飾したり、なんてことも考えられます。どんな完成品がでてくるか、今から楽しみです。  驚くべきは、リアベ・スペシャルの魅力は、映像未見でも印象に残るようで、SNSでも展示会でも必ず「このメカカッコいいですね!」と言う方が必ずいます。日本SFメカの中でも屈指の名デザインと言えるリアベ・スペシャルの魅力に、あなたも取りつかれてみてはいかがでしょうか?
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レビュー/作る楽しみ・動かす楽しみ満載!令和に甦った「エイチエムエー 宇宙からのメッセージ 銀河大戦 リアベ・スペシャル」 #キットレビュー #ロボット・アニメメカ #nippper #プラモデル
レビュー/作る楽しみ・動かす楽しみ満載!令和に甦った「エイチエムエー 宇宙からのメッセージ 銀河大戦 リアベ・スペシャル」
 パーツの一つ一つを自分の手で組み上げる「作る楽しさ」と、完成後に動かして遊べる「ギミックの楽しさ」。この二つが高次元で融合した、素晴らしいキット。それが今回ご紹介する「エイチエムエー 宇宙からのメッセージ 銀河大戦 リアベ・スペシャル」です。1978年とおよそ50年前にTV放送された東映制作の特撮ドラマ「宇宙からのメッセージ 銀河大戦」のメカが、令和にプラモデルとしてやってきたのです!!  今日ご紹介するHMAの「1/144 リアべスペシャル」は、箱を開けた瞬間に「パーツに刻まれたメリハリあるディテール」、「塊感のある大きなパーツ」にグッときます! 大きなパーツにニッパーを入れる瞬間はいつだって楽しいもの。この本体パーツをカットする時なんて、最高の気分になりました。  パーツ数は少々多めですが、各パネルがカチリと合ってくれるので組み立てはそれほど難しくはありません。そしてこのキットの真骨頂は、組み立てた後に待っている「遊ぶ楽しさ」にあります。  2機の艦載機「ギャラクシーランナー」と「コメットファイヤー」が付属! しかも、この艦載機の主翼は、完成後も「展開状態」と「格納状態」に差し替えが可能なんです! 気分に合わせてディスプレイを変えられるのは、本当に嬉しいポイントですね。もちろんリアべスペシャル本体に格納・搭載することもできます。  リアべスペシャル本体も、遊び心が満載です。艦載機の格納スペースでもあるアーム部分は、ぐぐっと展開させることが可能。さらに脚(ランディングギア)も、特撮をイメージできる「飛行状態」と、どっしりと大地に立つ「駐機状態」を選んで付け替えられるようになっています。  少年時代にこの独特なメカデザインに夢中になった方も、今回初めてその姿を知る方も、世代を超えて誰もが楽しめること間違いなしです。ぜひじっくりと作りごたえのあるリアべスペシャルに挑戦してみてください!
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きっかけはタミヤの1:700暁/塗装で味わうフネの巨大さは、さらなるデカさに私を誘う #キットレビュー #軍艦・船 #nippper #プラモデル
きっかけはタミヤの1:700暁/塗装で味わうフネの巨大さは、さらなるデカさに私を誘う
  艦船模型は他のスケールモデルにはない独自の精密さがあると思っている。ただ、熱心に作り続けてるわけではないので、どーんと大きな魅力を話すことはできない。それでもピンセットで甲板上に微細な部品をひとつずつ配置していく時間はなかなかない緊張感。  タミヤの1/700 暁は艦船模型の中でもかなり小さい駆逐艦を立体化したもので、パーツ数も少ない。数年に一回くらいのペースで船のプラモデルを作るものだから、毎回作りやすそうな小型のものを選びがち。しかし艦船模型の売り場は箱の大きさの大小の差が激しくて、ついつい大きいものにはビビってしまう。ただ、塗ることで感じた印象から「もっと大きい船を塗るとどうなるんだ……?」という好奇心も生まれる。  それに、一気に仕上げようとすると極小のパーツはどこかに飛んでいくから休憩のタイミングも重要で、なんというか「作る」の中に「休む」がしっかり含まれている点が癖になる。今まで数えるほどしか作ったことはないけど、それでもプラモデル売り場で手に取ると、あの時間に再会できる気がしてしまうくらいには忘れ難い魅力がある。 短い期間でいくつもの艦船模型を作るということはせず、思い出したように買っては作るを繰り返しているので、組み立てる際の感覚は毎回の制作ごとに「あー、そうそうそう」と思い出されるような感じ。歯車のようなギザギザとしたパーツが気づけば艦橋として立ち上がる瞬間は、毎回毎回「そんなことになるのか」と驚く瞬間だ。  この「歯車が艦橋になる!」みたいなプラモデルのマジックは1/700といった船ならではの大きな縮尺の世界だからこそ起きる面白さだと今回ようやく気づく。人の目で捉えられる情報量と、模型としての見た目というバランスの中で生まれたアイデアというか。  艦船模型は完成した姿は細長く、遠目にはやや存在感が薄いような気がしていたのでドライブラシなどで陰影を際立たせることで、遠くからでも輪郭が浮かび上がるような仕上がりを考えていた。しかし、実際に筆を動かしてみると、過度にエッジを強調しすぎるよりも曖昧な陰影が残っているほうが、全体像を掴みきれないスケールの大きさを表現できているような気がした。  1/700にして20cmくらいの全長、原寸にしたらとても大きい。そんなサイズのものを前から後ろまでシャキッと目で捉える機会なんてなかなかない。ピンセットを使うような精密な作業が続くかと思ったら、塗装では曖昧なぼやけた雰囲気を生み出す……ということで、繊細さを霧に包むような工程が巨大さの演出に一役買っているのが本当に面白かったし、次はもっとデカイやつを!という気持ちが生まれたのがとても良かったです。
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花金だ!仕事帰りに買うプラモ。現代の最強艦載機を最新キットで気軽に味わえる幸せ「タミヤ 1/72 ロッキード マーチン F-35C ライトニングII」 #キットレビュー #軍用機・旅客機 #花金プラモ #nippper #プラモデル
花金だ!仕事帰りに買うプラモ。現代の最強艦載機を最新キットで気軽に味わえる幸せ「タミヤ 1/72 ロッキード マーチン F-35C ライトニングII」
 週末の模型ライフが楽しくなっちゃうプラモを、フミテシの独断と偏見でお届けする「花金プラモ」。今週は、今現在1/72スケール飛行機模型において最高の組みやすさとかっこよさを体感できるプラモデル「タミヤ(TAMIYA) 1/72 ウォーバードコレクション No.94 ロッキード マーチン F-35C ライトニングII」をご紹介します。タミヤ 1/72 F-35シリーズのトリを飾る存在です。  急にこのF-35Cを作りたくなった理由が先日、編集長のからぱたとライターのけんたろうと事務所で打ち合わせをしていた時に出た「F-35Cって謂わば現代版の最強トムキャットなんよ」って言葉……。確かに艦載機(機体各部を航空母艦上で運用するために開発した機体。船に乗せるって大変だ!)だし、1機でさまざまな役割もこなせる。しかもステルス機……。そんな風に見ていると、このF-35Cの魅力をもっと知りたいと思えてきたのです。だったら、「タミヤのプラモを組むのが一番早い」。そう、知りたいモチーフがあったらプラモを組む……これはタミヤが教えてくれた最短の方法なのです。  F-35Cのキットの中には印刷物がたくさん! 説明書の他に、機体解説の冊子も入っています。F-35ってA型(空軍向けが通常の滑走路で使う)、B型(STOVL(短距離離陸/垂直着陸)を可能にしたタイプ)、そして今回のC型と3タイプあるのですが、この冊子ではC型を中心に他のタイプと何が異なっているのか? F-35の艦載機仕様ってどんな特徴があるの? ということが記載されています。組む前に読んでも組んでから読んでも、F-35Cという飛行機と仲良くなれるようになっています。  ステルス機の表面は、通常の飛行機とは異なる表情を見せています。しかも意外と塗り分けのパターンが細かいです。それをサポートしてくれる秘密兵器として、原寸のカラー塗装図がセットされます。コピーしてカットすればマスキングシートにもなりますし、筆塗りでF-35Cを塗る時は、塗り分け箇所を指差し確認して筆を進めていけます(タミヤのくっきりとしたディテールなら、筆塗り時もマスキングはほぼいらないでしょう)。さらにキャノピーなどのクリアーパーツ塗装を一気に快適にしてくれるマスクシールも付属! これはありがたいですね。  本キットは初手から僕たちに翼を畳むのか、展開するのかという「嬉しい選択」をもたらしてくれます。胴体と主翼の間に設けられた小さな桁。これをカットすると「畳んだ状態」、カットしない場合は「展開状態」になります。個人的にはF-35Cならではの翼をたたんだ状態を作りたいので、今回はカットしました。おかわりしたら、展開状態を作ろうと思います。F-35Cは他のタイプよりも大面積の翼となっているので、展開状態はその迫力をより楽しめます。  翼を畳んだ状態を選択すると、かっこいいヒンジパーツを使用できます。細かな彫刻がいけてますね!  折りたたんだ翼を、しっかりと固定できるように、翼内部には専用パーツがセットされます。この切り欠きが軸穴となり、翼をしっかりと支えてくれます。左右を間違えないように「R」と刻まれているのも嬉しいですね。  1/72スケールですが、内側の構造も見ながら本体を貼り合わせていけます。エアインテークからのメインノズルまでの道をあなた自身の手でシンプルに体感できるのです。  そして内側のパーツが入っていても、外側はピッタリと合う精度。さらに翼の各パーツをセットするために用意された無数の切り欠きもピッタリと合わさり、この後の工程になる翼パーツの取り付けにも一切支障は出ませんでした。気持ち良すぎる組み味です。  内側の取り付け軸に「スコン」とハマるとがっちりと固定される脚部。誰もが正位置で、強固に取り付けられるおもてなしがされています。  この未来的形状のパーツは、お腹側に搭載されるステルス性を備えたガンポッド。最新装備に触れられるのも、最新鋭機のプラモならではですね。  動翼部分も差し込むだけで正位置が確保されます。絶妙にカーブした曲面など、F−35の複雑な三次曲面と、主翼各部の動きが織りなす美しい姿を本キットは味わえます。  コクピットは最後の工程にやってきます。F-35Cの形が完成してから、アニキを搭乗させる瞬間はまさに完成の儀式。しかもシートやパイロット、計器盤は接着しなくてもある程度固定されるので、塗装した後に接着することも可能となっています。  艦載機ならではの翼の折り畳み、着艦・発艦をサポートする力強い脚などF-35Cならではの魅力満載な本キット。本格的に運用が開始されれば、「これからの空母の景色」を担っていくことになるでしょう。ぜひこの週末は、タミヤの1/72 F-35Cを楽しんでください。最高に楽しい飛行機模型です。それでは!
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プラモ旅の帰りに「コレが欲しかったんだよ!」と叫ぶ/ガシャポンから出てくるジャストな箱を見つけた話。 #工具 #nippper #プラモデル
プラモ旅の帰りに「コレが欲しかったんだよ!」と叫ぶ/ガシャポンから出てくるジャストな箱を見つけた話。
 熊本空港のターミナル隣に開業した「そらよかビジターセンター」。まだテナントが揃いきっていないので人影もまばらなんですが、そこにズラッとガシャポンコーナーがあったのでふと目をやると、そこには親の顔より見た塗料、ヤスリ、マスキングテープ、ノギスといったプラモデル用ツール&マテリアルの写真。なんだこれは……。  こんなビジュアル見たらびっくりするでしょ。ガシャポンから出てくる折りたたみコンテナってめちゃくちゃ小さいだろうから、「もしかしてヤスリやマステや塗料のボトルもミニチュアなのか!? プラモデル製作環境そのものをミニチュアにしてしまう時代キタ!?」と早合点しそうになったものの、左上の「FLAT GASHAPON」というロゴと筐体の形状に気が付きます。  フラットガシャポン……つまり、コイン入れてハンドル回すと平らなものがニューっと出てくる筐体なんですねコレ。初めて見た。下には通常のカプセルの取り出し口もあるので内部構造はどちらの景品にも対応しているのでしょうねきっと。そして平らなものが出てくるのはジャンボカードダスの子孫みたいな感じで懐かしい。私が子供の頃と違うのは、違うのは現代はアクスタやラバーコースターみたいな「平らで大きな景品」が大きな市場になっていることです。 >【フラットガシャポン】ガンダムシリーズ ミニおりたたみコンテナ  しかし折りたたみコンテナが500円で出てくるたぁねぇ。厚みは折りたたまれた状態で約8mm、RX-78ガンダムの透明ステッカーが貼られたものが当たりました(印刷じゃないんだ!)。質感はそんなに良いもんじゃないですけど、なんせ500円ですからね。四枚の壁を立ち上げてパキンパキンと爪を噛み合わせると立派に箱になってくれます。外寸は幅154mm✕奥行き100mm✕高さ50mmで、本当に小物をチョンと入れておくくらいしか使い道はない。  しかし私がなぜ熊本にいたのかというと、プラモデルのたたき売りをしていたからなんですね。寄ってらっしゃい見てらっしゃい、プラモデルっておもしろいですよというのを小さな台で実演する。子供が「なにこれ〜」と寄ってきて手を伸ばすのはいいが、そこに刃物やら液体やらを並べているのはあまりよくないなと思っていて、しかし箱というのはコンパクトな荷造りとあまり相性が良くない。こんなふうに小さな折りたたみコンテナがあったら……あるじゃねーか!しかも帰り道で見つけるなんて!というのが今回のオチ。  出先でプラモデルを頻繁に作るため、必要十分なツール&マテリアルをまとめて入れてある百戦錬磨のポーチにもこの折りたたみコンテナならすっぽり入ります。えー、めっちゃ嬉しい。問題はこのアイテム、取り扱いのあるベンダーが信じられないくらい少ないこと!もし見かけたら絶対手に入れたほうがいいっすよ……。実際出先でプラモデルを作るときにツール&マテリアルを適宜ハコに入れておきたいという超ニッチな需要がどこまであるかわかりませんけど、私はこれで次の旅にも安心して行けそうです。そんじゃまた。
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