#中等教育の失敗
LightNews LightNews
intolerance.bsky.social
>2RPs 「大学生相手に『みなさん、高卒として学習指導要領でいわれている能力、当然あるので…』となったらほとんどの人が脱落するのでは？」
→仰るとおりですね。
ただ、為念申しあげたいのは、「高卒として学習指導要領で言われている能力が身についていない」という事実、これは（後期中等教育の）失敗を表しているのではないということなんですね。そもそも教育はその程度には無力であり、いずれ働く者となった際におぼろげながら思い出して自分で調べられる力を涵養する、その程度には有力であることを表しているに過ぎないのですな。
September 6, 2025 at 5:37 AM
daeyong.bsky.social
「主権者教育」という表現は好きではないが、今後のことを考えると、そういう悠長なことを言っている場合でもないという事実。しかし、問題は某極右排外主義政党を支持する世代の人たちには、いわゆる「主権者教育」を受けていないのではないか？　という疑問が湧いてきた。いずれにしても、どうしてこうなった。
#初等教育の敗北
#中等教育の失敗
#教師のバトン
July 13, 2025 at 3:05 AM
8xx3xx8.bsky.social
佐野満／幻死痛
(1/2)

ガラスの幸福の日(遅刻)！で描きました。
本編終了後の佐野(と東條)の話です。
暗いです。
※多大なるネタバレがあります。本編履修前の方はご注意ください
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「佐野満／幻死痛」、「@8xx3xx8」と記載されています。 以下は本文の内容です。 　――雨が降っている。 　 　ばらばらと防弾盾に打ち付けられた銃弾みたいに音を立てる水滴を見つめる青年は、さながら防弾ガラスに守られる貴重品のように固く足を縮こめて座り込んでいた。――貴重品、などという例えは彼にはあまりに皮肉やもしれないが。青年の住まいは六畳一間のワンルームであった。彼の生まれは随分と豊かで、けれど彼はその豊かな暮らしに相応しい値札とブランドを獲得することに失敗したのだった。 　中等教育を終えるや否や生家を放り出された彼が何とか見つけ出したねぐらがこのワンルームだ。部屋に詰め込まれた荷物の雑多さからも彼の生活の放埒具合が伺われる。不安定な生活への不安感を拭うために日銭を浪費しているのだろうか。彼の住処からは凡そ一貫性というものが読み取れず、ただただ寒々しい孤独だけが我が物顔で居座っている。節操のない物品が犇めく中、固く目を閉じた青年の唇に色は見えない。 　 　――腹が、痛むのだと言う。こんな雨の強い日は。 　 　それはちょっとした親切心とほんの少しの下心であった。数歩前を歩く陰気そうな青年――学生だろうか、擦り切れたトートバッグから何やらプラスチック製のバインダーが覗いている――のポケットから零れた小さな鍵、それを――今になって思えばこれが選択のミスだったのだろう――手に取って追いかけてやったのだ。こんな風の冷える日に家に入れないのは可哀想だし、だとか、ひょっとしてお礼なんかもらえちゃったり、だとか。少し上擦った声が空気を揺らして、あのお、これ、落としませんでしたかあ、なんて。 　 　果たしてそれは陰気な青年の自宅の鍵であった。ありがとう、目も合わせずにぼそぼそ呟いた彼の腕を掴んだのは極めて反射的な、脊髄反射的とも言えるような無意識領域下での行動だった。 「ね、ちょっとお茶しませんか」 「……お礼を寄越せってこと？　鍵を拾ったくらいで」 「そうかも、ううん、自分の分くらい自分で出すからさ」 「どうして？」 「わかんないや。でも、おたくとは話さなきゃって」 「……洗剤なら間に合ってるけど」 　つれない青年を丸め込んで入った喫茶店。メニューが紅茶しかないそこは東條悟と名乗った彼――某大学の院生だと言う――の行きつけの隠れ家、らしい。愛想の悪い店員が勧めるダージリンのファーストフラッシュの湯気をくゆらせた会話は当然ながら弾まず、終始こちらを訝しげに睨む東條から得たものはたった二つ。「十数分の会話でもう充分にわかったよ、佐野くんって本当に頭が悪いんだ」という暴言と、青年――佐野満の胸ポケットにグシャグシャになって入っていたレシート裏に走り書きされた本物かどうかも分からない電話番号だけだった。 　あの日の獲得物であるレシートはなくさないように木製の食器棚の片隅、マグカップに角を踏み潰される形で保管されている。ざあざあと雨が降る中、痛む腹を抑えた佐野の脳裏にちらりとレシートの白が翻る。酷く、腹が痛む。まるで鋭利な刃物で貫かれたように。あるいは、獣に腹を捌かれたように。 　 　雨上がりの朝、佐野の気分は最悪だった。最悪な気分のまま何とか契約を更新した二つ折りの携帯電話を開く。酷い夢を見たものだ。夢の中の佐野は現状を打破する秘策を持っていた。夢の中の佐野は麻薬の様な高揚感に浮かされ予定調和のように美しく選択を誤り続けた。夢の中の佐野は東條とともだちであった。夢の中の佐野は――虎に腹を刺されて死んだ。酷く無様な死に様であった。手にした希望を奪われる夢だった。手にしたからこそ奪われる、夢見たからこそ挫折する、そんな、酷い夢だった。何も得ず、何も希わず、ただただ機械的に食って寝て働く――さながら現実の佐野のように――、そんな時計仕掛けの舞台から飛び降りたイフの佐野がそのまま絞首台からも足を踏み外す夢だった。 「……お前には底辺がお似合いだって？」 　ぽつり、口から零れた思考が鼓膜を揺らして脳に戻る。酷く惨めな円環だった。ぴぴぴ、と調子外れに高い電子音が思考を霧散させる。無意識に押した発信ボタン――発信先は先日登録した陰気な学生だった。 「……なに？」 　開口一番物憂げな声。先程まで眠っていたかのような、 気怠げな音が何故だが安心感と危機感、両面的な温度で以て耳元の空気を揺らした。 「こんな朝早くに、なんの用？」 「あ、いや、ごめん。……嫌な夢を見てさ」 「それでぼくに？　佐野くんってともだちいないんだ」 　はは、と吐き捨てるような笑い声。こちらを見下す声色は少しだけ機嫌を上向かせたようだった。普段ならこんな態度を取られるや否や心のシャッターを降ろすはずの佐野はけれど、不思議と懐かしさを感じて息を吐き出した。 「ううん、俺さ、東條とともだちになりたくて」 「変な人、ちょっとぐいぐい来すぎて気持ち悪いかも」 「ごめんって。でさ、ちょっと聞いてくれない？」 「……少しだけなら」 「ありがと！」 　そうして語った纏まらない夢の話に東條は冷たい溜息を返した。 「不安なんだ？」 「……なにが」 「踏み出すのが」 「……なにを、」 「ぼくも見るよ、嫌な夢」 　ふ、と息を吐くような微かな笑みが携帯電話の向こうにありありと感じられて、佐野は小さく息を飲んだ。やけに優しい笑みだった。 「夢の中でぼくは打ち込めるものを見つけるんだ。荒唐無稽な研究なんだけどね」 「……うん」 「それで、ぼくは英雄になろうとするんだ」 「……英雄に？　世界を救う大発見！　ってやつ？」 「ううん、よくわからないんだ。でも、夢の中のぼくは栄光を確信してる」 　変でしょう、と笑う東條に佐野は言葉を返すことが出来なかった。だって、夢の中の佐野だって栄光を確信していた。現実の佐野が莫迦な話はやめろと吐き捨てたくなるような荒唐無稽な御伽噺だ、 「それで、ぼくは死んじゃうんだ」 「……どうして？」 「車に轢かれて。なんにも為さないまま、なんにも成れないまま」
December 8, 2024 at 4:46 PM