#ヨージのオススメ本
アラブ文学研究者である岡真理に、 

「蟹の虚ろなまなざし、あるいはフライデイの旋回」

というエッセイがある。青土社より刊行の、

『彼女の「正しい」名前とは何か』

に収められている。

このエッセイには、「コミュニケーション」について、不可能性とでも言いたくなるようなその難しさが示されている。

そして、その難しさを乗り越えるための一縷の望みも。

私が、マイノリティの著した文学を論じる際、常に念頭に置く一篇である。

#岡真理
#青土社
#彼女の「正しい」名前とは何か
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青土社 ||哲学/思想/言語:彼女の「正しい」名前とは何か 新装版
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November 3, 2025 at 3:49 AM Everybody can reply
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三十年前、浪人生時代に読んだ一冊、斎藤忍随『プラトン』(岩波書店)を、ゆえあって読み返した。

例の「洞窟の比喩」について、〈イデア/現世〉の二項対立的な捉え方(ニーチェ的な解釈)をバリバリ脱構築してて興奮した。確かによく考えれば、あの比喩において、二つの次元は繋がっているんだよな……言われてみれば確かに。

三十年前にはまったく気づけなかったことも読めるようになっているのだから、僕のここまでの時間も、すべてが無駄だったというわけではないのかもしれない。

#ヨージのオススメ本
#斎藤忍随
#プラトン
#岩波書店
#岩波新書

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プラトン/斎藤 忍随|岩波新書 - 岩波書店
斎藤 忍随 著
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October 16, 2025 at 6:55 AM Everybody can reply
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既読の岩波新書で、知的興奮を最も味わえた一冊、あるいは、その後の哲学や思想の学びの礎となってくれた一冊は、

木村敏『心の病理を考える』(岩波書店)

です。

この一冊を読むことができれば、人文哲学系の学びの地平がぐぐぐん!と開ける、そんな名著です。

例えば、私が後年にアガンベンの言う「剥き出しの生」について学んだとき、仮にもイメージを掴めたのは、本書のおかげでした。

1994年の刊行ゆえに用語の古さなどはあるのだろうが、そこは補註などでカバーすれば、まだまだイケるはず。

復刊してほしいなぁ。

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心の病理を考える/木村 敏|岩波新書 - 岩波書店
木村 敏 著
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September 4, 2025 at 7:11 AM Everybody can reply
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……うぉぃ………俺、預言者かもしれねぇ………ざわざわ…ざわざわ…

森山卓郎『表現を味わうための日本語文法』(岩波書店)

本当に、「岩波現代文庫」から復刊されたよ!!

しかも、「新たに二つの補説を加えた増補決定版」!!

これは、これはこれはこれは、本当に嬉しい、嬉しい、嬉しーーー!!

日本語の文法を、どう「読み」に活かすかを、わかりやすく、丁寧に、かつ、めっちゃくちゃ面白く解説してくれる本書は、ガチのガチでオススメです。

岩波書店さん、ありがとうッッッ!

#岩波書店
#森山卓郎
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August 15, 2025 at 2:57 PM Everybody can reply
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「表現の自由」を楯に、差別の言葉を書き殴る人たちに、ぜひ、学んでほしい哲学者がいる。

イマヌエル・カントである。

カントの哲学を学んだうえで、もう一度、「自由」の意味について、じっくり考えてみてほしい。

きっと、「自由」と「差別」とが相容れないということが、腑に落ちるはずだ。

……なんて偉そうなことを言ってなんだが、カントは難しい。

僕も、何度も何度も何度も何度も挑戦して、そのたびに挫折して、「入門」書ですら理解できなくて……ということを繰り返してきた。

そんな僕にとって、この、

御子柴善之『考える勇気』(岩波ジュニア新書)

は、本当の救いだったのです。

#ヨージのオススメ本
July 28, 2025 at 2:07 PM Everybody can reply
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私が一生をかけて読もうと決意した思想家に、スピヴァクがいます。

スピヴァクは、例えば、「サバルタン」という概念に、「最も虐げられた人々」という意味を読み込みました。

サバルタンは、自分で自分を語ることができません。

種々の条件から、そうした生き方を強いられてしまったのです。

このような人々の「声なき声」に、どうすれば耳を傾けられるのか。

そこで鍵となるのが、「アンラーン」、つまり「学び捨てる」という行為……なのですが、長い間、私にはこの概念の意味をつかめませんでした。

そう、下地ローレンス吉孝『「ハーフ」ってなんだろう?』(平凡社)のこの一節に出合うまでは。

#ヨージのオススメ本
July 27, 2025 at 10:20 AM Everybody can reply
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優生学・優生思想についての概要や歴史について、グローバルな視野から俯瞰する入門書として、私が読んだなかで「コレ!」と言える一冊は、例えば、

フィリッパ・レヴィン『14歳から考えたい 優生学』斉藤隆央訳(すばる舎)

です。

翻訳ということで、ところどころ、読みづらく思う箇所も無きにしも非ずですが、けれども、「14歳から考えたい」という文言に偽り無し、多くの読み手を受け入れてくれる一冊です。

優生学・優生思想の呪縛から私たちを解き放つために、知っておきたい基本の知識を、本書でたくさん学べます。

#ヨージのオススメ本

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14歳から考えたい 優生学 - 株式会社 すばる舎 学び・成長・成功をあなたに
14歳から考えたい 優生学詳細をご覧いただけます。
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July 26, 2025 at 12:06 PM Everybody can reply
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津久井やまゆり園で、かけがえのない多くの命が奪われた日から、9年が経ちました。

この凄惨な事件の背景には、「優生思想」があります。

様々な定義こそあれ、「遺伝的に"優秀"な血のみを残し、民族や人類を進化させる」という考えを含み得る、恐ろしい思想です。

私は、「〇〇ファースト」というイデオロギーもまた、こうした思想からそう遠いところにはないと思っています。

本日の #ヨージのオススメ本 は、人間の命を価値づけたいという欲望へ抗うための対話の書、

最首悟『能力で人を分けなくなる日』(創元社)

を挙げたいと思います。

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July 25, 2025 at 11:21 PM Everybody can reply
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師岡康子『ヘイト・スピーチとは何か』(岩波新書)が、「表現の自由」をたてにとった差別を痛烈に批判し、そして、ヘイトスピーチを新たな法で規制することを主張したのが、2013年のこと。

それから十数年経った今、日本はどうなったか。

事態は少しでもマシな方向に進んだと言えるのか。

言える──と答えられる人は、きっと、「ここではない、どこか他の異世界」を生きる人なのだろう。

本書『ヘイト・スピーチとは何か』の悲痛な叫びに、社会が、もう少しだけでも応えようとしていたなら……そう思うだに、あまりに悔しい。

#ヨージのオススメ本

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July 25, 2025 at 1:15 PM Everybody can reply
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小池陽慈さん、# ヨージのオススメ本 タグで本の情報をまとめて遡れるようにしてくださっているのとてもありがたい

次に図書館に寄るとき探してみます
July 21, 2025 at 2:04 PM Everybody can reply
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たぶん、いま、私たちの社会にとっていちばん大切だと言える言葉の一つがこれ。

梁英聖『レイシズムとは何か』(ちくま新書)

は、歴史的な名著だよ、ほんと。

皆で読み継いで、必ずや、未来へと手渡さなくてはいけない一冊。

#ヨージのオススメ本

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July 21, 2025 at 1:59 PM Everybody can reply
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「レイシズムはこのように科学理論として、生物学的な人種の存在と、その特徴を「証明」した」

—『レイシズムとは何か (ちくま新書)』梁英聖著

引用した文における「証明」にカギ括弧が付されている理由を、文脈も無しにパッと理解できる──ということもまた"読解力"であるとするなら、読解力なるものは、単に情報を処理することではなく、"倫理"とも深く結びつくものなのだと思う。

私たち、国語科教育に携わる人間の責任は、重い。

#ヨージのオススメ本
#梁英聖
#レイシズムとは何か
#ちくま新書
#筑摩書房

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July 21, 2025 at 2:03 AM Everybody can reply
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代表制民主主義には穴があります。

というか穴だらけです。

多数決の選挙だけでは、民意をきちんと反映させる政治なんて無理なんです。

そもそも、市民でありながら投票権をすら認められていない人々がいるこの社会の現状で、〈市民の思いが十全に代表される〉ことなどあり得ません。

だから、真に民主主義を練り上げていくためには、〈選挙では反映することのできない声〉を、選挙以外の方法で政治に届かせることが、とても大事になるんです。

小熊英二『社会を変えるには』(講談社現代新書)

に、その方法を学べます。

#ヨージのオススメ本

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『社会を変えるには』(小熊 英二) 製品詳細 講談社
〈私はしばしば、「デモをやって何か変わるんですか?」と聞かれました。「デモより投票をしたほうがいいんじゃないですか」「政党を組織しないと力にならないんじゃないですか」「ただの自己満足じゃないですか」と言われたりしたこともあります。しかし、そもそも社会を変えるというのはどういうことでしょうか。〉(「はじめに」より) いま日本でおきていることは、どういうことか? 社会を変えるというのは、どういうことな...
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July 20, 2025 at 11:15 AM Everybody can reply
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平凡社から、「中学生の質問箱」という、誠実で良心的なシリーズが刊行されている。

例えば、

齋藤純一『平等ってなんだろう?』

は、ロールズなどの政治哲学を、それこそ「中学生」にも読めるように丁寧に解説してくれる一冊である。

そうして、引用した一節などは、あまりにも未熟な私たちの「民主主義」を、少しでも練り上げて未来へと手渡すために、とても大切な論点・議題を示している。

ジュニア向けのレーベルは、"ジュニア"に限定されたものではなく、広く、市民の皆で享受すべき文化である。

今回の選挙における惨状を目にし、その思いは、さらに強くなった。

#ヨージのオススメ本

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July 20, 2025 at 8:33 AM Everybody can reply
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創元社「あいだで考える」シリーズから刊行された、中井敦子・森岡素直『ユニヴァースのこども』を読み、感動でいてもたってもいられなくなり、感想をしたためました。

まだ、自分でもうまく思考をまとめきれていない感が拭えませんが、それでも、今の思いを精一杯言葉にしています。

私は、『ユニヴァースのこども』は、セクシュアリティや性の多様性、性的マイノリティをテーマとするのみならず、「まことのことば」をめぐる思索の書であると感じ、今回はそう読んでみました。

そうして、それは、「国語」という教科とも、深くかかわるものである、と。

#ヨージのオススメ本

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言葉と出会い直す ~中井敦子・森岡素直『ユニヴァースのこども』(創元社)を読んで~|小池陽慈☆『マンガ森の彷徨いかた』
「まことのことば」  中井敦子・森岡素直『ユニヴァースのこども 性と生のあいだ』は、創元社「あいだで考える」シリーズから2025年6月に刊行された一冊である。 書籍詳細 - ユニヴァースのこども - 創元社 敦子さんと素直さんは、互いを大切なパートナーとして、敦子さんが出産した満生ちゃんと暮らしている。素直さんの性は女性/男性の www.sogensha.co.jp ...
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July 11, 2025 at 3:25 AM Everybody can reply
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創元社という出版社から刊行されている、「あいだで考える」というシリーズはご存知ですか?

キャッチフレーズは、「10代以上すべての人のための人文書のシリーズ」です。

既刊は、どれもこれも"超"がつくほどの名著ばかり。

ここでは、「分断」や「排除」の道具としての言葉とは、正反対の、"まことのことば"に出会うことができます。

私は、この「あいだで考える」シリーズの読者が増えれば、この社会は、再び、希望を見出せる場に戻ると確信しています。

読むことで、私たちの未来を作る──そうしたことは、きっと、可能なんです。

#ヨージのオススメ本

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シリーズ「あいだで考える」|創元社note部|note
不確かな時代を共に生きていくために必要な「自ら考える力」「他者と対話する力」「遠い世界を想像する力」を養う多様な視点を提供する、10代以上すべての人のための人文書のシリーズ。2023年4月刊行開始予定。
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July 10, 2025 at 9:36 AM Everybody can reply
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岡真理『ガザに地下鉄が走る日』(みすず書房)が刊行されたのは2018年。

「漸進的ジェノサイド」は、今日も進行中だ。

怒り。

絶望。

無力感。

悲しみ。

どんな言葉をもってしても、この事態を思うときの心情を、正確に形容することはできない。

#岡真理
#ガザに地下鉄が走る日
#みすず書房
#ヨージのオススメ本
July 8, 2025 at 3:09 AM Everybody can reply
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岡真理は、『記憶/物語』(岩波書店)のなかで、「凄惨な出来事を経験した当事者は、それを語ることのできる言葉を持ち得ない。だから、当事者たちの語る言葉に耳を傾けるとき、私たちは、その言葉で語り得ぬところまで、思いを馳せなければいけない。そのためには、発された言葉のみならず、その言葉を紡ぐときの間、言い淀み、ためらいなどにも、全身全霊で集中せねばならない」といった旨を述べている(小池による要約)。

例えば、石牟礼道子『苦海浄土 わが水俣病』(講談社)には、水俣病に罹患した人の、このような言葉が綴られている。

#石牟礼道子
#苦海浄土
#岡真理
#記憶/物語
#ヨージのオススメ本
July 8, 2025 at 2:58 AM Everybody can reply
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何とは言わん。

何のことかは言わん。

言わんが、こんな状況になってしまった今こそ、まさに、

〈ありもしないデマで敵を捏造し、派手な言葉やパフォーマンスで魅せ、国家のため国民のためとうそぶいて大衆の支持を集め……そうして……おびただしい命を踏みにじったヒトラーとナチ・ドイツ〉

について学べる良質な入門書、

石田勇治『ヒトラーとナチ・ドイツ』(講談社現代新書)

の再ブームを、大々的に引き起こすべきタイミングなのではないか。

いや、本気で。

#ヨージのオススメ本

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『ヒトラーとナチ・ドイツ』(石田 勇治) 製品詳細 講談社
ヒトラーは、どのようにして大衆の支持を得て独裁者となったのか。安楽死殺害やホロコーストはいかにして行われたのか。その歴史を知るための入門書であり、決定版の書。ナチ体制は、単なる暴力的な専制統治ではなく、多くの国民を受益者・担い手とする「合意独裁」をめざした。最新研究をふまえて、未曾有の悪夢の時代を描く。(講談社現代新書) 「人類の歴史における闇」ともいえる、ヒトラー政権時代。 その数々の疑問に、最...
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July 6, 2025 at 12:12 PM Everybody can reply
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戦争に、美学やロマンを思う人へ。

例えばですね、

田中小実昌『ポロポロ』(河出書房新社)

に所収の、

「岩塩の袋」

っていう小説があるんです。

> 1944年12月、19歳で出征し山口県の連隊に入営。中国の湖北省と湖南省の境で、粤漢線鉄道警備の部隊に編入され、苦しい行軍の中でアメーバ赤痢、マラリア、コレラに罹る。
(Wikipedia「田中小実昌」より)

という実体験を持つ作家の描く戦争を、まずは読んでみてください。

ロマンを感じるか否かは、その後で決めればいいのですから。

#田中小実昌
#ヨージのオススメ本

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ポロポロ :田中 小実昌 | 河出書房新社
ポロポロ 父の開いていた祈祷会では、みんなポロポロという言葉にならない祈りをさけんだり、つぶやいたりしていた――表題作「ポロポロ」の他、中国戦線での過酷な体験を描いた連作。谷崎潤一郎賞受賞作。
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July 5, 2025 at 5:46 PM Everybody can reply
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武井彩佳『歴史修正主義』(中公新書)は、私の思考の枠組みを形成する書物の中でも、大きな柱となる一冊である。

例えば、「陰謀論」をめぐる、この絶望的な指摘に目を通してみてほしい。

私たちは、こうした状況のなか、明日を模索していかねばならないのだ。

昨今の諸々の出来事に鑑みるに、本書の重要性は、さらに高まってきている。

そう言わざるを得ない。

#ヨージのオススメ本

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June 28, 2025 at 7:33 AM Everybody can reply
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亜種科、半亜種科、半ヒト科、ヒト科──人間が、四つの種に分類される世界に生きる中高生たちを描くマンガ、にことがめ『ヒト科のゆいか』。

種を異にする者たちが共に生きることはどうすれば可能なのか。

厳しく悲しい現実に直面しながらも、ゆいかは立ち上がり、前に進んでいこうとする。

物語はまだ序盤だが、すでに、十分に濃く、深く、さまざまなテーマを提起している。

いま、最も追いかけていきたい作品の一つです。

#ヨージのオススメ本

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ヒト科のゆいか 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL) (Japanese Edition)
Shared via Kindle. Description: ヒトと亜種族が共に暮らす社会の“その先”を描く物語。ヒト科に属する主人公・ゆいかは、亜種科に属する少女・ゆきみと幼い頃から親友だった。いまだ種族による区分けが残る社会に生きる2人は、いつか同じ高校に進学しクラスメイトになることを誓い合う。しかし、ある事件により2人は離れ離れになってしまい――。様々な亜人種たちとの出会いを経て成長してい...
a.co
June 20, 2025 at 1:34 PM Everybody can reply
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『あほう村の九助』は、子どもの頃、いちばん好きだった昔話(同率首位で『かもとりゴンベ』)。

クソみたいに威張りちらす「お代官さま」を、「あほう」のふりした村人たちがボッコボコにとっちめる話。

大根おろしを所望した「お代官さま」に、「へーい」とか言って天井から大根を落としてぶつけまくるシーンとか、子ども心に痛快で、笑えて、そのページだけを何度も繰り返し読み聞かせてもらったりもした。

いま思えば、この物語の裏面には、権力の犠牲になった夥しい数の人々の呻きが隠されているのだろう。

#ヨージのオススメ本

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あほう村の九助
いばりくさってあほう村にやってきたお代官を、九助と村人たちは、あの手この手でさんざんにこまらせ、追い返してしまいます。――岡山の民話。
www.poplar.co.jp
May 6, 2025 at 1:17 PM Everybody can reply
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中川裕『ゴールデンカムイ 絵から学ぶアイヌ文化』(集英社新書)に所収の、熊野谷葉子「ソフィアの三つ編み」というコラムがすこぶる面白くて感動した。表象文化論の入門として、これほどにわかりやすく、かつ、楽しく、そして、未来へとつながる文章は、なかなかにないと思う。恥ずかしながら書き手の方のことをこれまで存じ上げなかったのだが、今後は注目していこうと思う。

#ヨージのオススメ本

shinsho.shueisha.co.jp/kikan/1202-d/
ゴールデンカムイ 絵から学ぶアイヌ文化 - 集英社新書
「ゴールデンカムイ」作者・野田サトル先生絶賛。大人気作品のアイヌ語監修者による、公式解...
shinsho.shueisha.co.jp
April 16, 2025 at 5:01 AM Everybody can reply
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