sum_cogitans(こぎたん)
banner
cogitans.bsky.social
sum_cogitans(こぎたん)
@cogitans.bsky.social
出航。もやいを解け。
ふと、中井久夫が今現在40〜50歳ぐらいの現役医師だったら、ブログ書いたりSNSをやっていたりするだろうかと思った。
第一感は「それはないのでは」だったが、同時代の環境やツールを全く無視するような人ではないから、むしろ人並み以上に使いこなすかもしれない。しかしそうすると、中井久夫が中井久夫ではなくなってしまうのではとも思う。あのような思考、あのような文章は、SNSやブログのような断片的思考の集積からは決して生まれないだろう。ましてAIを利用した下書きを整形して組み合わせるような書き方では、あの独特の思索のリズムは生まれてこない気がする。
December 8, 2025 at 9:45 PM
Reposted by sum_cogitans(こぎたん)
『砂糖の世界史』(川北稔、岩波ジュニア新書、1996年)読み終わった。筆者が子どもの頃に「砂糖きびをしがむ」はなしから始まって、砂糖なんてお腹の浮輪の生成源だろう、いつおもしろくなるんだろうかと思ってちまちま読んでたけど、どんどん面白くなっていき、世界が因果で繋がっていることがわかった。あとがきによると、「世界システム」論と歴史人類学の方法で書かれているらしい。これは、近年流行の岸政彦のエスノグラフィー的なアプローチと比べると世界をGoogleアースで見るかストリートビューで見るかの違いって感じだ。
December 7, 2025 at 1:11 AM
Reposted by sum_cogitans(こぎたん)
『ヴィクトリア朝時代のインターネット』読了。
タイトル面白そうで電子で買って積んでたが読破。
ネットどころかPCもスマホもない19世紀に「インターネット」があった…!?という話で、その正体を言っちゃうと「電信」なのだが、電気と符号を用いて遠距離かつ即座のコミュニケーションを可能にする巨大な「ネットワーク」を築いたという意味で、たしかにインターネットの本質との相似が多くて面白い。
ネット恋愛(?)も盛り上がり、逆に駆け落ちした男女が、電信で先回りした実家に結婚を阻まれた、という事件もあったらしく、世間が「電信は恋愛の敵」みたいなムードになったという話とか笑う。ヴィクトリア朝時代の「SNSやめろ」
December 2, 2025 at 11:18 AM
Reposted by sum_cogitans(こぎたん)
オンド・マルトノ。メシアンがコンサートのプログラムに残っているかぎり絶滅しない楽器。
December 7, 2025 at 12:21 PM
休日のTLの風景はよいねえ。
December 7, 2025 at 10:01 AM
(スーパーで買えるごく普通の銘柄)
December 7, 2025 at 9:59 AM
久しぶりに麦酒なるものを飲んでみると、旨いではないかこれは。
December 7, 2025 at 9:58 AM
Reposted by sum_cogitans(こぎたん)
December 6, 2025 at 12:45 PM
Reposted by sum_cogitans(こぎたん)
ブンゲイデリバリの11月の配信作品です。
自分で選ばないということは一生読まなかったはずの作品に会えることです。
x.com/BungeiDelive...
x.com
December 7, 2025 at 1:00 AM
松沢裕作『生きづらい明治社会――不安と競争の時代 』(岩波ジュニア新書)は是非読んでみたい。岩波ジュニア新書は中学・高校生を主な対象読者に想定しているようだが、大人も読める(読むべき)本が少なくないかもしれない。
December 7, 2025 at 12:07 AM
個人とは物理的・身体的個体性だけのことではないですよ。
December 7, 2025 at 12:00 AM
何も考えなければ無自覚に慣習に流されるだけになる。そこには正義も人権もありはしない。そもそも「個人」が存在し得ない。
December 6, 2025 at 11:58 PM
文化の病理だよなあ。
December 6, 2025 at 11:41 PM
「考えるな。見よ!」と言った人がいるが、逆に「見るな。考えよ!」と言いたい。
December 6, 2025 at 9:16 PM
通俗道徳に基づく共同体成員間の相互監視と見るなら、そのまま現代のSNS環境における排除の動きとも重なるかもしれない。
December 6, 2025 at 8:53 PM
自己が最終的に拠り所とするところを、通俗道徳が規範となる共同体に置く限り、避け難い傾向とも言い変えられるだろうか。
December 6, 2025 at 8:48 PM
深い洞察。
December 6, 2025 at 8:42 PM
Reposted by sum_cogitans(こぎたん)
前近代の「イエ」といえば大半は農家ですが、彼らにとって理想の世は五穀豊穣です。商家なら商売繁盛。ですが近代家族の理想は、自分たちの豊かな暮らしです。家のあるべき理想が異なるので、家発展の徳目として生き延びてきた通俗道徳は、家の変質に応じた変質を遂げたのではないでしょうか。

そんなことを最近考えています。「消費は美徳」と言ったときに、倹約を徳目に掲げた通俗道徳はどう変質しつつも生き延びたのか、なぜこの時清算できなかったのか、そういった近代から現代への移行と通俗道徳の根強さについてです。
January 8, 2025 at 3:16 PM
Reposted by sum_cogitans(こぎたん)
となると、前近代の「イエ」にとって美徳だった倹約は、近代家族にとっては無意味なものとなり、むしろ家族の繁栄を自己認識し見せびらかすために、消費が美徳となったのです。それは資本主義経済の発展にも好都合でした。ここに倹約の徳目は消えますが、それは通俗道徳の消滅にはならなかったのです。

通俗道徳が早くから自己鍛錬としての心得の性格を失い、弱者を貶める攻撃手段になってしまっていたから、かつては蕩尽の愚かさが撃たれたのが、今度は消費できないみじめさを嘲るものへと変化した、そのようなことなのではないかと思います。この変化は、「イエ」と近代家族で家の理想が違うからです。
January 8, 2025 at 3:16 PM
Reposted by sum_cogitans(こぎたん)
これを通俗道徳に遡って考えると、これは個人の成功の道徳のように見えながら、実は「家」の繁栄のための徳目だったということに突き当たりそうです。近世の「イエ」は、農家や商家など経営体の性格が強くありました(通俗道徳の発祥は商家です)。その経営体を維持発展させるのが通俗道徳です。

経営体を発展させるのであれば、勤勉によって得た富は蕩尽するのではなく、蓄積して再投資に回すべきです。ところが近代家族が登場すると話は変わります。近代の家族は職住分離して、父が外へ働きに行って収入をもっぱら得ます。家は経営体であることをやめ、消費のみで結びつく共同体になりました。
January 8, 2025 at 3:16 PM
Reposted by sum_cogitans(こぎたん)
さて、ここまでは松沢先生の議論に従って述べたつもりですが、以下は通俗道徳に関する私の思い付きです。通俗道徳はまず勤勉を尊び、貧しいものは勤勉が足りなかったと叩かれます。それは現代も同じです。しかし次に来る徳目、「倹約」となると話は違うように思われるのです。

高度成長期に「消費は美徳」という言葉が生まれましたが、言い換えるとそれまで消費は美徳ではなかったのです。むしろなるべく消費をしない倹約が尊ばれたのでした。それが美徳になることで形成された大衆消費社会に、今でも私たちは生きています。通俗道徳のわなは健在なのに、消費は美徳なのです。
January 8, 2025 at 3:16 PM
Reposted by sum_cogitans(こぎたん)
ここでいう「社会規範」は、やはり通俗道徳と考えざるを得ません。江戸時代に家の没落を防ぐ思想として生まれた、勤勉・倹約・孝行・正直など、通俗的に「いいこと」とされたことに励まなければいけない、という自己鍛錬の思想が、近代に至って貧困者を爪弾きにする攻撃性へと変化したのです。

こうして、貧困をはじめとする社会問題に苦しむ人を
「自己責任」と切り捨てる文化が形成されたのですが、これを松沢裕作先生は「通俗道徳のわな」と呼びました。詳しくは、何度紹介したか分かりませんが、『生きづらい明治社会』をぜひご参照ください。

amzn.to/3DIK01Q
生きづらい明治社会――不安と競争の時代 (岩波ジュニア新書)
日本が近代化に向けて大きな一歩を踏み出した明治時代は、実はとても厳しい社会でした。社会が大きく変化する中、人々は必死に働き、頑張りました。厳しい競争のなかで結果を出せず敗れた人々…、そんな人々にとって明治とはどんな社会だったのでしょうか? 不安と競争をキーワードに明治社会を読み解きます。
amzn.to
January 8, 2025 at 3:15 PM
Reposted by sum_cogitans(こぎたん)
日本人は同情や共感が低く支援を求めにくい 名古屋大学が文化的背景を指摘
univ-journal.jp/250863/

日本人として悲しむべき指摘ですが、頷かざるを得ないのも確かな指摘です。いつもの話で恐縮ですが、こういった文化的背景には、通俗道徳の影響が強いと考えられます。

「共感的関心が高いと他者の利他的な行動を期待しやすく、また社会的支援を求めやすいことがわかったとしている。逆に、日本では、苦しみをその人間の社会規範や秩序からの逸脱による報いとして解釈する特有の文化背景により、共感的関心や他者の利他行動への期待が低く、それゆえ社会的支援が求めにくいことが考えられるという。」
日本人は同情や共感が低く支援を求めにくい 名古屋大学が文化的背景を指摘
名古屋大学の鄭少鳳(テイ・ショウホウ)大学院生(研究当時)と石井敬子教授の研究グループは、米国人と比較して日本人は共感的関心が低いために、社会的支援を求めにく
univ-journal.jp
January 8, 2025 at 3:14 PM
逸見先生のこの論考は読んでみたい。以前リポストした逸見先生の投稿に暗示されていた中道的言説への批判の概要が書かれていそう。
December 6, 2025 at 3:26 AM
Reposted by sum_cogitans(こぎたん)
BT
逸見龍生先生が
『地平』1月号に『エキストリーム・センター』の書評として書かれた、
「新自由主義の政治学——極中道とレイト・ファシズム」、
ものすごい密度のすばらしい論考です。

https://chiheisha.co.jp/2025/12/02/月刊『地平』2026年1月号(12月5日発売)/
地球と平和を考える総合月刊誌、12月号は11月6日発売です。 **第1特集は「困窮ニッポン――物価高騰と排外主義」 第2特集は「軍拡からの脱出」 第3特集は「ソーシャリズム復活——連帯と自由のNY」** ぜひお手に取りください。 * * * ●**目次●** **【News In-Depth】** ・ガザ法廷——民衆とジェノサイドをめぐる「良心の国際法」 **根岸陽太** (西南学院大学) ・オスプレイの致命的欠陥——疑われる航空機としての資格 **湯浅一郎** (ピースデポ) * * * **特集1**困窮ニッポン――物価高騰と排外主義**** ・排外主義と低賃金——労働者の分断と連帯 **東海林 智** (毎日新聞) ・福祉排外主義の高まりとその文脈——イギリスの事例 **日野原由未** (岩手県立大学) ・居住貧困という政治課題——住宅危機と排外主義 **佐藤和宏** (高崎経済大学) ・エネルギー貧困とは何か **古賀勇人** (一橋大学) ・【座談会】非正規公務員——実態・構造・課題・改革 **竹信三恵子、川村雅則、上林陽治、早津裕貴** ・排外主義のもとの難民 **石川えり** (難民支援協会) * * * **特集2**軍拡からの脱出**** ・政治の安全保障から人間の安全保障へ **前田佳子** (日本女医会会長) ・揺らぐ「国是」——非核三原則はどこへ向かうか **川崎 哲・浅野英男** 【高市軍拡とその問題 平和構想研究会編】 ・財政民主主義は軍拡を抑制しうるか **掛貝祐太** (茨城大学) ・安保関連三文書改定 **三宅裕一郎** (日本福祉大学) ・原子力潜水艦保有検討 **松久保 肇** (原子力資料情報室) ・長射程ミサイル全国配備 **清末愛砂** (室蘭工業大学) ・武器輸出規制の撤廃 **杉原浩司** (NAJAT) ・虚飾の防衛イノベーション(下)軍事研究大国化の企てと内実 **千葉紀和** (毎日新聞) * * * **特集3****ソーシャリズム復活——連帯と自由のNY** ・【演説】みんなのための自由を、私たちは勝ち取れる **ゾーラン・マムダニ** (米ニューヨーク州下院議員) ・この旋風は潮流を作るか **津山恵子** (ジャーナリスト) ・テック・ジャスティス——公共性と倫理ある人々の技術へ(第7回)フィアレスシティのデジタル政策 **内田聖子** (ジャーナリスト) * * * **注目記事** ・故郷は廃墟になった。イスラエルと世界を決して許すことはない。 **ルワイダ・アメル** (ジャーナリスト) ・ガザにおけるジェノサイド——集団犯罪(一九六七年以降のパレスチナ被占領地の人権状況に関する特別報告者報告書) **フランチェスカ・アルバネーゼ** (国連特別報告者) ・パレスチナの自己決定権を世界は否認しつづけるのか——アルバネーゼ新報告の射程と意義 **早尾貴紀** (東京経済大学) * * * **好評連載** ・**青木 理** 日本の公安警察(第7回)スパイ防止法への妄執 ・**坂手洋二** (短期連載)実力行使の民主主義——高知パルプ生コン事件(第3回) ・**尾崎孝史** ウクライナ通信(第19回)国際バスの乗客たち ・**栖来ひかり** 台湾・麗しの島だより(第19回)製糖業の記憶をめぐって交差する台湾と日本 ・**仁藤夢乃** 歌舞伎町で。(第7回) 罰されるべきは買う者たち ・**今福龍太** いくつものフォルモーサへ(第12回)台湾——ブラジル、二重化されたサウダージ ・**酒井隆史** 後ずさりして前をみる Usà puyew usu wapiw!(第4回)星間の逃亡者たち ・**石田昌隆** Sounds of the World(第19回)アフガニスタンのヘラートで民俗楽器ルバーブを演奏する男性 * * * **書評 ** ・新自由主義の政治学——極中道とレイト・ファシズム **逸見龍生** (新潟大学) ・本は社会を動かす **二村知子** (隆祥館書店) 編集部のイチオシ新刊 読者投稿 編集後記 * * * **月刊『地平』2026年1月号** 2025年12月5日発売 A5判、240ページ、1100円(税込) 雑誌06053-1 ISSN2759-5358 デザイン=Boogie Design/DTP=月・姫
chiheisha.co.jp
December 5, 2025 at 5:08 AM