久野量一
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久野量一
@ryoichikuno.bsky.social
ラテンアメリカ文学研究
https://elmundocambiaconstantemente.blogspot.com/
紹介をありがとうございます!
バルガス=リョサ祭ひっそり再開しました。今回のはほぼ歴史小説で、登場人物のほとんどが実在。グアテマラは1950〜60年代の軍事独裁政権の目まぐるしい政変を描く。同じ系統だと『ケルト人の夢』か。どうやら『チボの饗宴』の人物再登場作品らしいが、これだけでもまあ楽しめる。初の自由選挙で選ばれたアルベンス大統領、民主主義的な政策を推し進めようとした矢先、米国へのバナナ輸出で財を成した大企業が米国政府に取り入り、国を挙げての反共キャンペーンに発展。グアテマラの自由の炎が完膚なきまでに吹き消され、近隣諸国にも容赦なく波及する。米国支配の下、何一つ正義を成し得ない社会のどん詰まり感がとても良かった。
November 5, 2025 at 9:49 AM
紹介をありがとうございます!
マリオ・バルガス=リョサ『激動の時代』(作品社)読了
ドミニカ共和国の独裁者トゥルヒーリョを描いた『チボの狂宴』のスピンオフのような作品で、『チボの狂宴』の登場人物も再登場しているが、こちらはグアテマラの権力者たちを中心に描いている。本書の権力者たちは、圧倒的なトゥルヒーリョと違い、アメリカの策謀に翻弄されていることが強調されていて、その辺りが従来の独裁者文学とは異なる新機軸といえると思う。とはいえ、そのことが、描かれている期間の長いことと相まって、内容を少し散漫なものにしてしまった気がする。それでもリョサの筆力にかかれば、「読み始めたら止まらない小説」となるのだけど。
November 5, 2025 at 9:49 AM
Reposted by 久野量一
バルガス=リョサ祭ひっそり再開しました。今回のはほぼ歴史小説で、登場人物のほとんどが実在。グアテマラは1950〜60年代の軍事独裁政権の目まぐるしい政変を描く。同じ系統だと『ケルト人の夢』か。どうやら『チボの饗宴』の人物再登場作品らしいが、これだけでもまあ楽しめる。初の自由選挙で選ばれたアルベンス大統領、民主主義的な政策を推し進めようとした矢先、米国へのバナナ輸出で財を成した大企業が米国政府に取り入り、国を挙げての反共キャンペーンに発展。グアテマラの自由の炎が完膚なきまでに吹き消され、近隣諸国にも容赦なく波及する。米国支配の下、何一つ正義を成し得ない社会のどん詰まり感がとても良かった。
October 29, 2025 at 12:42 PM
新しいニューヨーク市長は母親が『サラーム・ボンベイ』のミーラー・ナーイルなのか。ミーラ・ナイールと表記されていた記憶。岩波ホールだったかな。あの映画をもう一度見直したい。
November 5, 2025 at 9:44 AM
東京国際映画祭で『蜘蛛女のキス』みてきた。劇場公開されて欲しいがどうなるのか。
November 3, 2025 at 1:57 PM
書評をありがとうごじいました!
note更新:
「図書新聞」No.3708・ 2025年10月25日号にマリオ・バルガス=リョサ『激動の時代』(久野量一訳、作品社)の書評が掲載されました。

正直、最初はヒィヒィ言いながら登場人物をメモしつつ読んでいました。リストアップしたのは23人!
冷戦の裏側でプロパガンダに揺れた国―フィクションを通してグアテマラの歴史を知りました。これは過去ではなく、いまに続く物語。
note.com/miredo_isla/...
書評:プロパガンダが現実を塗り替えた―マリオ・バルガス=リョサ『激動の時代』|miredo / Tomomi Edo
「図書新聞」No.3708・ 2025年10月25日号にマリオ・バルガス=リョサ『激動の時代』(久野量一訳、作品社)の書評が掲載されました(書評へのリンクは末尾にあります)。 グアテマラと聞いて、みなさんは何を思い浮かべるでしょう? 織物が好きな私は、古代マヤ文明の色鮮やかなテキスタイルを真っ先に思い浮かべます(トップ画像参照:Photo by philipn on Freeimages.co...
note.com
October 25, 2025 at 12:30 PM
バルガス=リョサの『激動の時代』(作品社)の書評が相次いで掲載されました。「週刊読書人」(2025年10月17日号)には立林良一さん、「図書新聞」(2025年10月25日、3708号)には江戸智美さんが書いてくださいました。ありがとうございます。
October 20, 2025 at 6:57 AM
明日も会議会議
October 14, 2025 at 3:24 PM
Reposted by 久野量一
4月に亡くなったペルーの作家が20世紀のグアテマラの激動を周辺諸国と,特にアメリカの介入と謀略の中で多数の政治家の暗殺と先住民らの虐殺が起きた時代を描いた長編歴史小説。

第25代大統領アルベンス・グスマンは,在任中の1954年にクーデターで失権,グアテマラは永い軍事独裁に。もちろんCIAと米政権が,そしてバナナ交易の巨利を独占していたユナイテッド・フルーツが反共の旗のもとに主導したが,アルベンス・グスマンは反共主義者で米国流の民主主義を目指していた。米国の「自由」を。

マリオ・バルガス=リョサ『激動の時代』
www.sakuhinsha.com/oversea/3103...
激動の時代
ラテンアメリカ文学ブームを先導した巨匠、最晩年の長篇
www.sakuhinsha.com
September 27, 2025 at 6:07 AM
紹介をありがとうございます!
ガルバス=リョサは左派というよりもむしろ新自由主義に傾倒するような保守派の面もあったが,「正義の人」に対する共感が深い。アルベンス大統領の良心的な行動を丁寧に描いたことにも表れている。

共産主義者は殺せという怒号とともに,共産主義とは縁もゆかりもない反対者を追放・虐殺していった陰謀の手口は,米国のみならず世界と日本でいくどとなく繰り返されているわけです。今この瞬間にも。

作家として生涯を締めくくる長編として,リョサが憂えていたのは,「反共」を唱えて無辜のひとびとを抹殺する世界の現出。作家の良心を奮い立たせてこの小説が書かれただろうが,さすがの練達の筆で映画を観るように飽きずに読みました。
September 27, 2025 at 10:58 AM
Kyoto Experiment 2025にキューバからマルタ・ルイサ・エルナンデス・カデナスが参加します。彼女の『私はユニコーンではない』についてレビュー記事を書きました。10月の終わりの金土日に3回上演があります。
kyoto-ex.jp/magazine/mar...
キューバ発、ポストヒューマンとしてのユニコーン――マルタ・ルイサ・エルナンデス・カデナスの想像力 文・久野量一 | KYOTO EXPERIMENT 2025
2025年10月4日から26日まで京都市内で開催される舞台芸術祭。
kyoto-ex.jp
September 26, 2025 at 7:33 AM
Reposted by 久野量一
バルガス=リョサ/ 久野量一訳『激動の時代』(作品社) 読了

1950年代の冷戦下のグアテマラ。時の大統領はコボ・アルベンスはグアテマラをアメリカのような民主主義国家にしようと農地改革(農地の農民への分配)に手を付ける。焦ったグアテマラでバナナの生産を行うアメリカのユナイテッド・フルーツ社は腕利きの宣伝マンを雇ってアルベンス大統領が共産主義者だというでっちあげの主張を展開する。それに乗じる形でアメリカ政府も軍事的圧力を強め、ついに大統領は辞任する。バルガス=リョサが丁寧に描くのはそうした目まぐるしい激動の状況の表と裏で生きる個々の人々。こうやって大国はどれだけ人々の暮らしを踏みにじって(続く
September 13, 2025 at 8:03 AM
今日は夕方の散歩が気持ちいい
August 29, 2025 at 8:49 AM
朝日新聞の文芸時評で都甲幸治さんがバルガス=リョサの『激動の時代』を取り上げてくれました。
digital.asahi.com/articles/DA3...
(文芸時評)暴力の記憶 苦痛を乗り越え、得る力 都甲幸治:朝日新聞
生きているかぎり、暴力はそこにある。たとえば、愛する者の何気ない一言があなたを傷つける。あなたに良かれと思って、というのがお決まりの言い訳だ。だがその論理を受け入れてしまえば、あなたは踏みにじられ続…
digital.asahi.com
August 29, 2025 at 5:53 AM
Reposted by 久野量一
買ったり借りたり📚

デイヴィッド・ピース『GB84』
バルガス=リョサ『激動の時代』
葉山博子『南洋標本館』

海外文学
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August 17, 2025 at 2:22 AM
Reposted by 久野量一
「戦後80年」なんておこがましい 作家高村薫さんがみる日本の今
digital.asahi.com/articles/AST...

〈米国の「核の傘」の下、日本が軍事大国になることを米国も求めず、ひたすら経済発展を追求できた。日本が積極的に平和のために外交で身を削った年月ではないですから。受動的にたまたま戦争をする必要がなかっただけのことです。

 過去の15年戦争(1931年の満州事変から45年の敗戦まで)に対して、「侵略戦争ではなかった」という言説がちらちらと頭をもたげ続けてきた80年です。だから戦争をしなかった80年と数えるのは潔くないし、正しくないと思います。〉
「戦後80年」なんておこがましい 作家高村薫さんがみる日本の今:朝日新聞
戦後80年の夏、私たちの現在地はどうなっているのか。「ほんまもん」の言葉をつむぎ続ける作家の高村薫さんをたずねた。 ――戦後80年を迎えました。 「戦後」という言葉は80年も経つと意味を持ちませんし…
digital.asahi.com
August 14, 2025 at 2:34 PM
Reposted by 久野量一
"男性特権にいかに向き合うか、「弱者男性論」は差別的か、自らの「痛み」を消さない男性学はあるか――"

"著者が近年さまざまな媒体で発表した、フェミニズムやトランスジェンダー、そしてメンズリブなどジェンダーに関わる重要な考察を一冊にまとめた、著者初の男性学批評集。加害と疎外が複雑に絡み合う「男性問題」のジレンマを、丁寧に解きほぐす一冊"

杉田俊介 『男性解放批評序説 フェミニズム・トランスジェンダー・メンズリブ』
www.hanmoto.com/bd/isbn/9784...
男性解放批評序説 フェミニズム・トランスジェンダー・メンズリブ 杉田 俊介(著) - ホーム社
男性特権にいかに向き合うか、「弱者男性論」は差別的か、自らの「痛み」を消さない男性学はあるか――。 著者が近年さまざまな媒体で発表した、フェミニズムやトランスジェンダー、そしてメンズリブ… - 引用:版元ドットコム
www.hanmoto.com
August 14, 2025 at 12:10 AM
Reposted by 久野量一
「日本人ファースト」で傷つかないように 教員らが声明、署名も開始
digital.asahi.com/articles/AST...

〈舟知さんによると、特に小学生のうちは、言われた言葉が嫌だと思っても差別だと気づけなかったり、親にも相談しづらかったりする。また、言う側も差別の意図を持たないまま何げなく発言してしまうこともあると指摘する。
 「学校や教員はもちろんだが、教育委員会にも、行政として排外主義に立ち向かう姿勢を見せてほしい」と話した。〉
「日本人ファースト」で傷つかないように 教員らが声明、署名も開始:朝日新聞
7月の参院選で広まった「日本人ファースト」の言葉が子どもたちの間で広がり、傷つく子が出てしまうのではないか――。海外にルーツのある子の教育に関わる教員らから、心配する声が上がっている。 海外ルーツの…
digital.asahi.com
August 13, 2025 at 5:23 PM
柴崎友香さんが『帰れない探偵』(講談社)の刊行記念選書として選んだ12冊の中に、フアン・ガブリエル・バスケス『歌、燃えあがる炎のために』(水声社)を入れています。1冊1冊丁寧に作品を紹介していて全部引用したいくらいです。バスケスについては「誰かが話した話を語り直す」という点に共感し、以下のように書いています。「この数年、小説は語り直すものであることに意味がある、ある人の話をほかの誰かが語る伝聞が小説なのではないかと考えています」。バスケスの他にオースター、ゼーバルト、パク・ソルメ、漱石、ジーナ・アポストル、テジュ・コール、東辻賢治郎、ソルニット、奥泉光、呉明益、イー・フー・トゥアン。
August 12, 2025 at 8:19 AM
ガルシア=マルケスが『百年の孤独』を書いたメキシコシティの家をめぐるドキュメンタリーが完成。題して、「La casa(家)」。トレイラーのサムネイル「La casa」の筆跡はガルシア=マルケス本人のものか、でなければ、それを模したもの。
elpais.com/america-colo...
‘La casa’, un documental que recupera el lado íntimo de ‘Cien años de soledad’
La obra culmen de Gabriel García Márquez fue escrita en Ciudad de México en medio de la estrechez económica, pero entre familiares y amigos
elpais.com
August 12, 2025 at 1:22 AM
レオナルド・パドゥーラのコラム(エル・パイース、2025年8月3日付)。彼の同級生(70歳)の年金は現在2000ペソ。近々2倍になるそうだが、それで買えるのは卵30個と煙草3箱。

elpais.com/opinion/2025...

大停電も続いていて、トルコから来てハバナ湾に停泊していた発電船も帰ってしまった。
noticias.cubitanow.com/otra-patana-...
Morir en la arena
Para toda una generación de cubanos, la promesa de un futuro mejor se ha traducido en un presente de miseria
elpais.com
August 9, 2025 at 8:29 AM
バルガス=リョサ『激動の時代』(作品社)、並んでます。ジュンク堂池袋。隣はジョゼ・サラマーゴ『修道院覚書』(河出書房、木下眞穂訳)
August 5, 2025 at 11:54 AM
Reposted by 久野量一
8月に楽しみなのは、

6日 デイヴィッド・ピース『GB84 上・下』(文藝春秋)
  マリオ・バルガス=リョサ『激動の時代』(作品社)
14日 トリスタン・ガルシア『7』(河出書房新社)
27日 ソローキン『ドクトル・ガーリン』(河出)
エトガル・ケレット 『オートコレクト』(河出)

海外文学
@libro.bsky.social
July 30, 2025 at 11:44 AM