岡﨑 晴輝
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岡﨑 晴輝
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政治学者(九州大学教授・放送大学客員教授) http://aktiv.sakura.ne.jp/
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九州大学の岡﨑晴輝研究室では、政治理論・政治制度・市民活動・日本政治・外国政治を専攻する修士課程・博士課程の大学院生を募集しています。演習は夜間(19:30~21:00)にオンラインで開講していますので、社会人の方や遠方にお住まいの方でも入学・修了可能です。入学を希望される方は、メールでご連絡ください(okazaki.seiki.882【at】m.kyushu-u.ac.jp)。

aktiv.sakura.ne.jp/students.html
Lovett, Adam and Jake Zuehl (2022) "The Possibility of Democratic Autonomy," 〔省略〕

【再読】民主主義の内在的価値として平等(equality)だけでなく、共同著者性(joint authorship)としての自律(autonomy)も重要であるとした論文。著者によれば、近年、民主主義の内在的価値を平等のみによって説明する傾向があるが(Kolodny; Viehoff)、平等だけでなく自律もなければ、立法アルゴリズムを許容しかねない。

aktiv3.sblo.jp/article/1915...
Lovett, Adam (2021) "Democratic Autonomy and the Shortcomings of Citizens," 〔割愛〕

コロドニーやヴィーホフの平等論を批判し、自律論を擁護した論文。著者によれば、政治学では、市民は悲観的に描かれている。無知、非合理性、被操作性といった欠点を抱えている、と。なぜこれらの認知的欠点は憂慮すべきものなのであろうか。コロドニーやヴィーホフの平等論では十分に説明できないが、自律論では十分に説明することができる。

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Jacob, Daniel (2015) "Every Vote Counts: Equality, Autonomy, and the Moral Value of Democratic Decision-Making," Res Publica, 21(1), pp. 61–75.

基礎的自律(basic autonomy)の概念により平等的民主主義論を補強した論文。著者によれば、……

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小林卓人(2023)「デモクラシーと自律」、『政治思想研究』第23号、169-201頁。

【再読】……小林は、私の集合的自己決定論に近い共同著者性に基づく自律論にたいして三つの疑問を呈する。第一に、なぜ各人が共同著者性の道徳的請求権を有するのかが明らかではない。第二に、不合意と強制の事実にどのように応答できるのかも明らかではない。そして第三に、非民主的な政治的手続きを正当化する可能性もある。これらの批判はジェイコブやラヴェット&ズールには当てはまるのかもしれないが、十分に反論することが可能であり、拙稿で反論したい。

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Taylor, Isaac (2025) "Representative Robots: Can AI Systems Act in Our Name?" Free & Equal: A Journal of Ethics and Public Affairs, 1(1), pp. 298-322.

AIが我々の代表になりうるとした論文。著者によれば、AIが「我々の名において行動する」代表になるのを懸念し、人間がAIを直接制御することを主張する論者も少なくない。しかし、我々の名において行動できるようなAIを開発すれば、……

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5日間の休暇@東京&茨城を終え、本日から仕事に復帰します。
Zuehl, Jake (2016) Collective self-determination, Ph.D Dissertation Presented to Princeton University.

集合的自己決定を分析した博士論文。著者によれば、民主主義に価値があるのは、人々が集合的に自己決定できることにある。民主主義の価値は、コロドニーが言うように単に平等にあるわけではなく、集合的自己決定+平等にある。……

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Reposted by 岡﨑 晴輝
Belgien ist Vorreiter bei der Einrichtung ständiger und institutionalisierter #Bürgerräte. Erfahrt am 14. Oktober mehr dazu über den YouTube-Livestream einer @europe.fidemocracy.org Veranstaltung in Brüssel.
www.youtube.com/live/UCxYhnK...
Permanent Assemblies in Belgium
YouTube video by FIDE - Federation for Innovation in Democracy
www.youtube.com
昨日午前の民主主義理論研究会で、拙稿「民主主義の思想的基礎」を検討していただきました。専門家集団に検討していただくと、どこに問題があるのかがクリアーになり、とても助かります。
午後に一通り対応し、9割近い完成度には達したと思います。11月下旬の投稿、1月中旬のデータ提出までたっぷり時間があるので、文献を読み直しつつ加除修正を加えていく予定です。
リラックスした気持ちで文献再読・加除修正に取り組めるこの期間こそが、最も楽しいご褒美期間です。
上阪徹(2010)『 「カタリバ」という授業――社会起業家と学生が生み出す“つながりづくり”の場としくみ』英治出版。

NPO法人カタリバの創設者である今村久美氏と竹野優花氏などがカタリバについて語った書籍。カタリバは「ナナメの関係」をつくるべく、全国の高校で「カタリ場」を実施してきた。しかし、その道のりは順風満帆というわけではなく、試行錯誤を繰り返してきたようである。……

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Ideas for Good のクラウドファンディングが実施されています。私も支援しました。拡散をよろしくお願いします。

for-good.net/project/1002...
危機を希望に。読者とともに「新しいメディアのかたち」をつくりたい
for-good.net
政治家には選挙と任期があるため、普通の感覚と普通の財産を持った一般市民が簡単に立候補できるような職業ではありません。世襲議員と野心家が増える所以です。また、政党や政治家は選挙での敗北を恐れて、増税を公約に掲げたがらない傾向があります。さらに、有権者には「サイコパス」に魅せられる心理的傾向があるとも言われています。現在の選挙制度が様々な欠陥を抱えていることは否めません。それらの不具合を解消する技術革新が可能かどうか。政治学者が取り組まなければならない課題です。「民主主義の思想的基礎」の次は、研究計画を変更して、このテーマに取り組む必要があるかもしれません。自民党総裁選の日に。
Christiano, Thomas (2019), "Democracy," in Issues in Political Theory, Fourth Edition, Oxford University Press, pp. 70-90.

政治理論の入門書において「民主主義」を解説した章。著者のクリスティアーノは、民主主義の擁護論を道具主義と非道具主義に分類したうえで、道具主義として➀良い法律・政策論と➁参加者の陶冶論、非道具主義として❶熟議民主主義論と❷公共的平等論(クリスティアーノ自身の立場)を簡潔に紹介している。……

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Piano, Natasha (2025) "The Minimalist Marxist: How Adam Przeworski United Political Science with Democracy as Free and Fair Election," Polity, 57(4), pp. 763–779.

プシェヴォスキを「最小主義的マルクス主義者」と解釈した論文。著者によれば、プシェヴォスキはシュンペーターに倣い、民主主義を自由で公正な選挙であると最小主義的に定義した。……

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Bankowicz, Marek and Michal Kubát (2025) The Political Scholarship of Giovanni Sartori: Beyond All Conventions, Palgrave Macmillan, Chater 4: On Democracy.

サルトーリの民主主義論を解説した章。著者によれば、サルトーリの民主主義論で特に重要なのは、The Theory of Democracy Revisited, 2 vols. (1987ab) である。その際、……

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K. ポパー(2013)「民主制の理論について」雨倉俊廣/荒邦啓介訳,加藤秀治郎/岩渕美克編『政治社会学』第5版所収,一藝社,303-309頁。〔原文省略〕

民主主義の意義を流血なしの政権の解任に求め、比例代表制を批判した論文。ポパーによれば、民主主義の意義は、投票により流血なしに政権を解任できることである。そうした解任の可能性があれば、どんな政権でも、有権者を満足させるように行動する強いインセンティブを持つからである。しかるに、比例代表制では多党制になり、政権の樹立が難しくなるだけでなく、政権の解任も難しくなるというのである。

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Rostbøll, Christian F. (2015a) "Non-domination and Democratic Legitimacy," Critical Review of International Social and Political Philosophy, 18(4), pp. 424-439.

【再読】内在的価値としての「非支配としての自由」によって民主主義を基礎付けることを主張した論文。著者によれば、……

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久保慶一/末近浩太/高橋百合子(2025)『比較政治学の考え方』新版、有斐閣。

「主に新興国の政治現象を理解するのに重要なテーマを取り上げ,構造,制度,アクターという3つの点に着目して説明した比較政治学の教科書。初版刊行後の研究の進展や現実の動きをふまえて全体を見直し,「選挙制度」 「ジェンダー」の章を新設。」

www.yuhikaku.co.jp/books/detail...
Reposted by 岡﨑 晴輝
【近刊】11月4日(火)発売予定『戦争と平和の倫理学』(ヘレン・フロウ著 福原正人訳)書影をしました。
主権国家の暴力性を冷静かつ丁寧に分析し、現代正戦論の新たな可能性を探る。最新の論点まで網羅した戦争倫理の本格的な入門書。
www.keisoshobo.co.jp/book/b101468...
私は丸山眞男先生と藤原保信先生の「孫弟子」に当たるわけですが、丸山先生は57歳で東大教授を辞職し、藤原先生は58歳で逝去されているのですね。いま、藤原保信『学問へのひとつの道――働くことと学ぶこと』(非売品)を読み直して気づきました。現在57歳になる私はお二人の足元にも及びませんが、ゆっくり仕事を続けていくつもりです。それにしても、法政大学法学部政治学科の黄金時代に松下圭一、藤田省三、成沢光といった諸先生、国際基督教大学の政治学の黄金時代に松沢弘陽、千葉眞、姜尚中といった諸先生の謦咳に接することができたのは幸運でした。
Pettit, Philip (2014) Just Freedom: A Moral Compass for a Complex World, Chapter 5: Freedom and Democracy.

共和主義的自由に基づいて民主主義を擁護した章。ペティットによれば、共和主義的な自由(freedom)は、非干渉(non-interferance)ではなく非支配(non-domination)を意味する。国家が支配していないのであれば、国家が干渉したとしても、人々の自由が侵害されるわけではない。……

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Reposted by 岡﨑 晴輝
2023年に翻訳が刊行されたジェイソン・ブレナン氏の『アゲインスト・デモクラシー』に引き続き、「認識的デモクラシー論」におけるもうひとつの重要文献の翻訳に参加させていただきました。本日、書影が公開されました。

本書は、民主的な意思決定を「正しい決定の産出」という観点から擁護する立場を示したものです。集合知についての政治思想史やフォーマル・セオリー、くじ引き制や情報市場、政治における認識論など、多様なトピックについて論じられています。もちろん、訳者解説でも関連する研究動向をご紹介しています。

デモクラシーの規範理論におけるトレンドを知るための一歩として、ぜひご覧いただければ幸いです。
【近刊】11月4日(火)発売予定『民主的理性 上』(エレーヌ・ランデモア著 福家佑亮・小林卓人・小須田翔・田畑真一・山口晃人訳)書影を公開しました。
みんなの決定はなぜ「正しい」のか。現代デモクラシー論の第一人者による集合知からの応答。
www.keisoshobo.co.jp/book/b101468...
ドイツでは、徴兵制復活を可能にする法案が閣議決定されています。日本では喫緊の課題にはなっていませんが、徴兵制の是非に関する規範理論を用意しておくことは、絶対に必要なことだと確信しています。徴兵制に限らず、平和=軍事の規範理論を築くことは、多くの命を救うことに寄与するはずであり、一生を捧げるに値するテーマだろうと思います。このテーマの研究に取り組みたい大学院志望者がいれば、私の研究室で受け入れますが、もしいなければ、私自身が取り組まなければ、と考えているところです。
小倉広(2016)『コンセンサス・ビルディング――使える!合意形成術』日本経済新聞出版社(日経文庫)。

合意形成術に関する新書。著者によれば、コンセンサス型ではトップダウン型に比べて、意思決定には時間がかかっても実行には時間がかかりにくいため、トータルで見れば時間短縮になる。もちろん、コンセンサス型にもデメリットがあるため、トップダウン型とコンセンサス型を使い分けることが重要である(第1章)。こうして著者は、コンセンサス・ビルディングを概観した後(第2章)、……

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